
ソウル市民五部作連続上演
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2011/10/29 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
ソウル市民,、初日
教科書には決して載らない、市井の人達の営みをのぞきみる不思議な感触。歴史を動かすのは教科書に載る様な知名度の高い有名人ではなく、圧倒的多数の市民なのは自明の理で。当然史実があって作品が生まれる訳だけど。作品はあまりにも淡々と日常で、10代の頃学校で習った「日本は当時こんなひどい事をした」と比較するとあまりにも違う。でも違うからこそ、「悪意なき市民たちの罪」という視点で見るとゾッとする。人間は弱い、でも歴史に学び市井の力で同じ過ちを繰り返さないよう努力するんだ。アフタートークも刺激的。芸術の持つ力強さを実感っっ。解決しないことも含め、複線なのか、複線じゃないのか、その後の物語が気になるエピソード満載で、広がり続ける各人物の魅力もたまらないなぁ。明日も続けて行くぞ~。

空っぽの騎士(無事に終了いたしました。ご来場に感謝いたします)
THEATRE MOMENTS
d-倉庫(東京都)
2011/10/28 (金) ~ 2011/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★
素晴らしい公演!
個人的には、とても良い時間を過ごせた!
「雪のひとひら」に続き、2回目の観劇。
またもや素晴らしい公演であった。
「なんだろう、観た後、観劇して良かった!心が元気になった!!」と
思える公演である。
小劇場ファンには、一度はこの劇団の公演を観ることをオススメしたい!!
独特の世界観を堪能できると思う。
上演時間は約2時間。

鳥ト踊る
はえぎわ presents 真夜中
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/10/26 (水) ~ 2011/10/31 (月)公演終了
満足度★★
♂×♂
この面倒くささは全部自分に跳ね返ってくるのか。へ理屈、保身、自己犠牲。この男女2人見ていてずーっとイライラするんだけど、じゃあお前はスマートに生きてるか?って聞かれると、同じくらいブザマだよなぁと思って。だからこの男女2人は他人のようで自分なのかなぁ。

シルヴィ・ギエム オン・ステージ2011 Bプロ
公益財団法人日本舞台芸術振興会
東京文化会館 大ホール(東京都)
2011/10/29 (土) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
多様な4作品
トップダンサー、シルヴィ・ギエムさんと東京バレエ団の合同公演で、現代バレエの代表的な振付家4人の作品をまとめて観ることが出来る、充実した内容でした。
『春の祭典』(モーリス・ベジャール振付)
原始宗教的な雰囲気の中、エネルギッシュな音楽に沿った生命感溢れる振付で迫力がありました。第1部は男性ダンサーによる群舞、第2部前半は女性ダンサーによる群舞で、それぞれ1人ずつ生餐が選ばれ、第2部後半でその2人が出会ってセックスを思わせる激しいデュオを踊り、それが全員に波及する展開で、終盤のダイナミックなデュオから全員の踊りになる勢いに迫力がありました。
前半のユニゾンで揃っていない部分が散見され、勿体なく思いました。録音を使っての上演で生演奏ではなかったのが残念でした。
『リアレイ』(ウィリアム・フォーサイス振付)
過去にフォーサイスさんとギエムさんのコラボレーションで作られた『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』を思わせる、クールな雰囲気の作品でした。黒っぽい格好をした2人のシルエットがうっすら見える程度の薄明かりの中、ストリングスの抽象的な響きが流れ、着かず離れずな関係性を保ちながら奇妙な流動性のある動きが淡々と紡がれ、各シーンが終わる寸前だけ明るくなるというのが繰り返される構成でした。
浮遊感のある不思議な動きを易々とこなすギエムさんとマッシモ・ムッルさんの身体能力が素晴らしかったです。
『パーフェクト・コンセプション』(イリ・キリアン振付)
緞帳をダンサーが開く印象的なオープニングで始まり、前半はバッハやケージの曲を用いた静謐な雰囲気で、後半はインダストリアル系のハードなビートで踊り、盛り上がりのないままさらっと終わる、ちょっと人を食った所のあるアイロニカルな作品でした。
男女それぞれ2名ずつのダンサーが座布団のような紺色のチュチュを片足で踏んで引きずったり、頭に装着したり、1人が4枚とも穿いてしまったりと、真面目な雰囲気で馬鹿馬鹿しいことをしているのが楽しかったです。ダンス自体は引き締まった動きで構成されていて、動きも整っていて良かったです。逆さに吊られた木や、スポットライトが取りつけられた天井で回転する鉄骨トラスがスタイリッシュでした。
『アジュー』(マッツ・エック振付)
有料のプログラムを買わなかったので、作品の内容を勘違いしているかもしれませんが、ギエムさんのセルフポートレイト的な雰囲気があり、ユーモラスで味わい深いソロ作品でした。ドア程度のサイズのスクリーンに実物大のサイズでギエムさんが映し出され、スクリーン内と現実世界が繋がっている様に見せるイリュージョンがユーモラスでした。
円形の照明に照らされる中でポワントを履いて踊り、途中で上着とポワントを脱ぎ照明も四角形に変化し、ギエムさんがクラシックの枠を打ち破りコンテンポラリーに積極的に関わる様になった半生を描いているみたいでした。映像の中で集う人々に招かれ、映像の中に入って去って行くエンディングが美しかったです。ベートーヴェンのピアノソナタ32番がとても作品に合っていて素敵でした。
作品自体はどれも素晴らしかったのですが、このBプログラムではオーケストラの生演奏がないので必要のないオケピットが空のままステージと客席を隔てていたり、遅刻者が多くて開演が押したり、上演中に物音を立てる人が多かったり、カーテンコールで機械的にブラボーを連発する人がいたり(関係者か仕込みでしょうか?)と、運営や観客に興をそぐ要素が多くあって残念でした。

食べる。
たこ足配線企画
北池袋 新生館シアター(東京都)
2011/10/28 (金) ~ 2011/10/31 (月)公演終了
満足度★
食べる??
今回、フライヤーがとても魅力的で、「食べる。」というそのテーマをどこまで追求できているのか楽しみだったのですが、結果的には、演劇として成り立っていないレベルに終始してしまったのが残念です。
まず、「食べる。」という所に焦点を当てたのなら、食べるということの範囲内で話しを展開すべきだったのに、食べるということがいつの間にか本能というテーマに置き換わり、セックスやらなんやらに焦点が散らばってしまって、結局、観客からしたら目の前の人たちは何をしたいのだか全くわからない状態になっていた。
次に、脚本が演劇の基本ルールを成していなかった。
例えば、登場人物のサラリーマンが常に寂しさを強く感じながら生きていて、でもその人に舞台上で「さびしい」というセリフを言わせたら、もうそれで終わってしまう。
唐十郎の戯曲並みに特別な構成ができていない限り、遠いイメージから入り徐々に中心的な想いへと近づいていくという方法をとらないと、観ている方としては嘘くささしか感じない。

チェイサー
ZIPANGU Stage
調布市せんがわ劇場(東京都)
2011/10/26 (水) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

四つ子の宇宙
四つ子
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/10/01 (土) ~ 2011/10/16 (日)公演終了
満足度★★★
プレミア感ありすぎ
何と言っても、今をときめく劇団の代表4人が集まったのですから、それだけでプレミア感がある訳です。
オムニバスという感じではなく、あえて全員のアイデアを集めてガラガラポンで作ったのは、とてもステキ。
本当はこの四人が集まったことでどんな化学反応が起きたか、っていうのが大事なことなのかもしれないけど、でもいんです。
だってこんな4人の劇なんて、プレミアすぎて、もう見ることはおそらく出来ないのだから。

明烏 -Akegarasu-
ブラボーカンパニー
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2011/09/14 (水) ~ 2011/09/19 (月)公演終了
満足度★
まあつまらない訳ではないけど・・・
「勇者ヨシヒコ〜」の福田雄一さんが主催する劇団ということで、未新田のだけれども、ちょっと期待はずれだった感が。
内容は「明烏」や「芝浜」など、古典落語を混ぜたような話で、特につまらなかった訳ではないけど、なんと言うか、役者さんもある程度ベテランで、笑いに安定感がありすぎて、ちょっとイマイチな感じがしました。
劇なんだから、もうちょっと冒険してもよかったのかな、と。

ヱヴァンゲリヲン真実写版:劇~無事終了しました。すべてのチルドレンにありがとう。~
劇想からまわりえっちゃん
大阪芸術大学(大阪府)
2011/10/29 (土) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

空っぽの騎士(無事に終了いたしました。ご来場に感謝いたします)
THEATRE MOMENTS
d-倉庫(東京都)
2011/10/28 (金) ~ 2011/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題175
家を出たときはまだ明るかったのに、駅についたらもう夜の気配、日が暮れます、早く着いたのでひと回り、古本屋が1件、覗いてみるがマンガが多くすぐ出ます、布の道を歩き駐車場で待機、階段下に「受付開始は開演の45分前」の表示、ここは2回目、受付(整理券あり)、中で待機、ご婦人方数人のグループ、その後もご婦人が多い…普段みるお芝居と何か違うような気もします、立っていると椅子をすすめられました、テーブルには観葉植物(すみません名前わかりません)、開場、階段を降りる途中に貼り紙、会場に足を踏み入れ思わず見渡します、どんなお話なんだろう、お一人メロンを持って正面に、衣装を着ていらしゃるので役者さん(佐川さん)、座ると飴をいただきました。20:32終演、楽しくて、華麗で、勇壮で、甲冑、剣、英雄、(見えないけど)見えるものすべてが。

ヱヴァンゲリヲン真実写版:劇~無事終了しました。すべてのチルドレンにありがとう。~
劇想からまわりえっちゃん
大阪芸術大学(大阪府)
2011/10/29 (土) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
その発想に驚愕
野外演劇の身体表現。エヴァンゲリオンを一話から全話やるという発想。すで12話まで物語は進み、明日は劇場版まで駆け抜けるらしい。たまらん!小道具や効果もチープに完全再現!!Twitterに感想いっぱい上がってます。

眠れぬ雪獅子
TSミュージカルファンデーション
世田谷パブリックシアター(東京都)
2011/10/21 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
素晴らしいダンスと歌声
まずオープニングから保坂知寿さんの透き通った歌声に心を鷲づかみされました。四季のころから、全く変わらない美しさです。
そして、しゃべるとちょっと癖のある声も相変わらずで、嬉しかったです。
そしてもうお一人、今井清隆さん、本当に立派な声。この二人がしっかりと支えてくれたので、若い人たちものびのびと歌えたのではないでしょうか。
厳しいことを言えば、この二人以外の歌には少し難もありましたが、上手い下手を超えた情熱を感じられたので不満はありません。
そして、評判の良かったダンス。これは、もう大満足でした。群舞も華やかで、照明と合わさって幽玄な雰囲気もよく出ていました。
東山義久さんのソロはシャープでキレキレ。ジャンプする場面では羽根が付いているのかと思うほど高く飛んでいました。
(伊礼さんの踊りがそれに付いていけてないのは、役の上から当然だと理解しています・笑)
残念なのは、曲の印象が暗いので一度聞いただけだと頭に残らず、帰りに頭の中をグルグル回って離れないというような状態にまではならないところ。
2、3回見たら違うんでしょうが。
その代わり、東山さんの上腕筋が頭の中をグルグルしています(笑)
もっと話題になってもいいミュージカルだと思いました。
東京は明日までで、私も観るのが遅かったのですが、これから行く富山、兵庫の方は、機会があったら見てください。
東京でも再演を希望したいです。

ソウル市民五部作連続上演
青年団
吉祥寺シアター(東京都)
2011/10/29 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★
100回目の「ソウル市民」
堂々約100分、家族と仲間達の会話劇なのに、時々笑い声も出た劇は、青年団らしくはなかったが、ゆっくりとしたベースは今も健在。とてもよかったです。

狼少年ニ星屑ヲ 総動員数773人!
おぼんろ
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2011/10/19 (水) ~ 2011/10/31 (月)公演終了
満足度★★★★★
演劇にも観客にもキンキラキンのラブを
前評判が凄くとても期待して劇場に入りました。
長めの前振りで観客を引きずり込んで、これから何を体験するのか恐ろしくさえありましたが、遅れてきた観客にも優しく歓迎の言葉をかけて、とても愛情深い人(=劇団)だと。そして演劇に対してピュアな情熱は半端じゃないとも・・
狭くて、ゴチャゴチャの会場すべてが舞台となった見事な世界を体験してきました。絶対大きく羽ばたいていく劇団だと私は予感し願望し確信します。

みちゆき
椿組
ザ・ポケット(東京都)
2011/10/26 (水) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★
タカハ色濃い
しっかりタカハ色。
シリアスかブラックコメディか、どちらかに振って欲しかった。
コミカルなシーンが浮いているように感じたので、
どシリアスにしてもよかったのかも。

悩殺ハムレット
柿喰う客
シアタートラム(東京都)
2011/09/16 (金) ~ 2011/09/25 (日)公演終了
満足度★★★★
とにかく、かっこいい
とにかく、かっこよかった。
内容は純粋にハムレットを現代劇に直したような内容だったので、まあその通りの内容だったのだけど、それよりも何よりも役者がかっこ良すぎる!宝塚とはまた違った格好良さがあったのだ。
これはシリーズ化するみたいだから、次も是非観たいですね!

熱海殺人事件
劇団ラニョミリ
相鉄本多劇場(神奈川県)
2011/10/28 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★
飛龍の使い方は良かったです
最初に、開始時間が来ているのに、まだお越しでないお客様がいらっしゃいますので暫くお待ちくださいはあり得ないでしよう。
主役のかたの声量不足とカミカミは熱海を見ようと言う高揚感を萎えさせてしまう。台本は上手く改訂してオリジナリティも加わっていたので実に残念! 途中で飛龍が出て来てあれは何だったんだと思ったが、最後の台詞がパンチが効いていた。飛龍の上手い使い方には脱帽だった。

猟銃
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2011/10/03 (月) ~ 2011/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
圧巻
千秋楽に観に行ったのですが、
あの空気感は凄まじい、の一言です。
他の方のコメントを観ると当初は良くなかったようですが
恐らく後半に日が進むに従いこなれてきて
舞台、劇場を制圧する力をつけてきたのではないでしょうか。
これ、再演でも面白いかもしれないです。

ひとよ
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2011/10/21 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
良い感じの混ぜご飯
多岐にわたるテーマ、メッセージをうまく人物の背景に描きこみ、
アクセントの強弱をつけ時間配分もバランス良く、
ビターさが少しある、ホントに良い作品に仕上がっていると感じました。
この劇団、ほかの作品も良いのですが、
本作は秀逸ですね。

【追加公演決定しました!】『B4 paper books 2』
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2011/10/26 (水) ~ 2011/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
黒を観劇
かなりの偏執狂具合。特に『黒髪と魚の足とプレシオサウルス』でその強度を増していた。残酷な場面はダメという方には向かないけれど、恐いものみたさで観たいかたはオバケ屋敷を見る感覚で。
大人の残酷な童話。