トーキョービッチ,アイラブユー
オーストラ・マコンドー
サンモールスタジオ(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
パワーアップ
初演ヴァージョンとはかなり改訂されてますね。初演の舞台は細長く狭い空間でしたが(でも結構それを生かした巧い演出でした)、今回はスペースが広がって、芝居も演奏もパワーアップした感じです。ただ繊細さはちょと後退したかな。
女の平和
ネルケプランニング
俳優座劇場(東京都)
2011/12/03 (土) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
原案とは名ばかり
題名をもらっただけ。
ネタバレBOX
最初に夏用セーラー服姿の美少女、美女の出現にあららびっくり、どんだけ原作と違うのかなと興味津々。で、話は全く原作とは関係ありませんでした。
女子高生たちが真冬に校内行事で地雷が埋まっているような戦場にさつまいも掘りに行き、殺し合いをしたり、ただしそれで死んだ者も本当に死んだのかよく分からず、寒くて逆に服を脱いだりしてハイになったりする話。ストーリー性は感じられませんでしたが、ところどころ面白い箇所があったりして楽しめました。
最後の27人の半裸、手ぶらは壮観でしたが、何か健康的でエロっぽくはありませんでした。
それでも、27人の半裸、手ぶらに感謝!
『タンバリン・スナイパー』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
ワーサルシアター(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しい!!
主宰の鈴木雄太くんが 演出に徹して 石原美か子氏の作品と絶妙なコラボだったと思います。
いつもの8割世界とはちょっと違ったイメージが観れて それもよかったと思います。
奇想天外的なシチュエーションだけでも笑えるんだけど くだらなさの中には いろいろとメッセージなんかも盛り込まれていて 一本ビシッと芯がる そんな作品でした。
諭す のでなく あえて笑いの中に忍ばせている雰囲気が いいですねぇ。。
ステージの狭さをアイディアで 面白い作りをしていたし、結構ある転換も 流れるようなテンポで まったくブツ切りっぽくなっていなかかったのは よーく練られていたと感じました。。
前作の『そこで、ガムを噛めィ』 の日高ゆいちゃん も違った雰囲気でgooood だったし、
今回は8割世界ではおなじみの 奥山智恵野ちゃんが言ってみれば主役なのですが、彼女の持ち味の一生懸命な演技が存分に観れて 大満足でした。
平日は19:30開演っていうのも勤め人には有難いし、今回は2週間の公演なので ぜひオススメな一品ですよ☆
初夜と蓮根【終演!ご来場ありがとうございました!】
劇団俳協
TACCS1179(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
初日に行きました!!
始めて訪れたTACCS1179 とってもきれいなシアターでしたねぇ。
係員のスタッフの応対も丁寧で さすが俳協 って感じでした!!
この作品は2009年に 演劇集団円で上演されたねの(たぶん、間違ってたら ごめんなさい) ですが、
翌月に結婚を控えた娘と 引きこもりの弟 そして とっても仲睦まじい夫婦一家のストーリー
立ち上がりは いかにも幸せそうな雰囲気がいっぱい。
しかし、徐々に それぞの秘密が明かされていく というほんわかコメディなんだけど サスペンス風味で味付けされていて しり上がりに 引き込まれていきました!!!
土田氏の作品自体がとっても 面白いのですが キャラ設定とキャストさんがぴったりきていて 上演時間 約2時間 楽しめました☆
基本的にはワンシチュエーションなんですが、 これは僕だけなのかもしれないけど 暗転がちょっと長めなのと やや多いのかな・・・ って感じましたけと゜ あくまで私見です。
キャストさんとしては、お母さん役の 今泉葉子さんがとっても素晴らしかったなぁ!!
ミュージカルなどにも出ている方なんですね!? シリアスとボケを使い分けて この舞台には 絶対不可欠な存在であったと思います。
ホームグラウンドなのでしょう舞台美術も きっちり作りこまれていて いい作品を紹介していただいた制作さんに感謝です☆☆
トーキョービッチ,アイラブユー
オーストラ・マコンドー
サンモールスタジオ(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★
何故、曽根崎心中にこだわるの?
前回に引き続き、MOGMOSさんの生演奏で芝居を進行させる、これは小演劇の空間では、とても贅沢な試みです、それだけでもこのお芝居を観る価値はあるのではないでしょうか?
ただ、観劇後の感想としては、再演とは聞いていますが、主人公・徳兵衛のお初との惹かれ合う場面が描かれていない点が違和感として残り、残念です。
ネタバレBOX
原作を読んでいないので、指摘する資格はありませんが、あらすじでは、主人公二人が再会することから始まり、徳兵衛の妻も周囲から強引に娶らせた設定だと記憶しています。まったく知識が無い眼を持って観劇しても、何故、「徳兵衛とお初が付き合うようになったか」「妻とは何故結婚したのか」この点は疑問が残ると思いました。
最後は、徳兵衛がお初との心中を辞め、妻の下に帰り、「地に足を着けて」手を取り合って舞台から去る、この行為で幕を閉じることは「救い」とは思いますが、では「曽根崎心中」にこだわる必要はないのではないでしょうか?
男優陣・女優陣ともにそれぞれ個性的で上手な方々で固められているだけに残念です。
河童夫人
猫の会
劇場MOMO(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
優しくて丁寧、日常と非日常の狭間
ゆったりと、とても丁寧に作られた、そしてとっても軽くて心地よいお芝居です。
非日常空間で描かれる日常の風景が心に響きます。
久々にとてもよいものを見せていただきました。
初夜と蓮根【終演!ご来場ありがとうございました!】
劇団俳協
TACCS1179(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
大人の(悲)喜劇。
丁寧で落ち着いた演出に好感。
TACCS1179(俳協ホール)には初めて行った。
駅から近いし、立派なビルだった。
ネタバレBOX
家をリフォームし、娘は医者ともうすぐ結婚予定、息子はニートだけど、人はよさそう。
「幸せ」と口に出して言えるほど、幸せな一家が舞台。
しかし、近所で起きる事件に関して刑事が息子に会いに来たり、娘が知ってしまった両親のヒミツから、一騒動が起きてくる。
そんなストーリー。
あらすじを読むだけで、ホームコメディ的な印象を受けると思うが、まさにその通り。
両親のヒミツが少々奇妙なことを除いては。
前半は動きがあまりないのだが、物語が動き出す後半からは「これ? どう決着つけるのか」が気になってくる。
結果的には、観客の誰もが望むような、ハッピーエンドになるのだが、それに対しては異論などあるはずなく、気持ち良く拍手できる。
結局、家族と言えども「話し合う」ことの大切さが語られていた。
「話さないと伝わらない」のだ。
母は自分の言いたいことを吐露し、それを父が受け止め、きちんと返す。
そういう当たり前のことをしていこうじゃないか、というメッセージがきちんと観客まで届いた。
このテーマは、個人的にもいろいろあって、じんわり染みてきた。
大切なんだよな、やっぱりそういうことは。
家族とか夫婦で観るのもいいのかもしれないな。
ただ、息子については、あまりにもあっさりと「普通」になっていくところが、甘い気もするのだが…。
特に、「普通」になったら、大切に集めていたフィギュアを処分してしまうなんて、あり得ないだろうと。
まあ、伴侶のような相手を見つけることができたことで、「踏み出せなかった1歩」を踏み出すことができた、ということなのだろう。
彼自身も、「わかっていることと、できることは違う」(そんな意味のこと)と言っていて、わかっているけど、自分を変えられないというジレンマにあったのだから。
それと、「普通」というのが、きちんと就職して云々という価値観は少々古くさいが、テーマがそこにあるわけでもないし、この物語のトーンとしては致し方ないかもしれないのだが。
お父さん役の鈴木浩之さんは、なんとも言えぬ雰囲気があった。お母さんの吐露から、気持ちの切り替えの表現は難しかったと思うのだが、飄々としていい感じであった。
お母さん役の今泉葉子さんは、上品で、ホームドラマのお母さんという感じ。お父さんの部下から慕われるような雰囲気もうまく醸し出されていた。所作や動きがきれい。
権田役の山岸治雄さんは、空気読めない人を好演。いい間といい雰囲気だった。
三田役の斉藤未千花さんの、衣装替え前後の違いもいい。
もっと笑いがほしかったかな。
女の平和
ネルケプランニング
俳優座劇場(東京都)
2011/12/03 (土) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
う~ん
演劇はカタリシスであると思っている同輩には不向き。
作者の“表現”は伝わるが“公演”としては、中劇場に見合わない。
裸体を出すなら美的であってほしい。
桐の林で二十日鼠を殺すには
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/12/03 (土) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
スリルとサスペンス
登場人物の設定、閉じ込められた山荘、過去の事件との繋がり等、2時間サスペンス的要素満載で、自分は、Whodunitの本格ものを期待していましたが、Whydunitでも十分楽しめました。
ただ、教科書通りと言うか丁寧で親切すぎるかなあとも思いました。
もう少し怪奇的か猟奇的の方もしくは謎解きミステリーの方に振れても良かったのかもしれません。
ニュートンの青いリンゴ
タマコロ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
もう1度観に行く。
おもしろかった!
台詞のテンポが良いし、音楽もダンスも良い。
ラストは爽快!というか胸が熱くなっちまって、帰路は足取りが軽かった!
普段は絶対に買わないクリスピークリームのドーナツを買っちまったくらい。
あっそうそう。加藤なぎささんの芝居は、何度か見たことがあるんだけど、ダンスをしてる姿を見るのは初めて。
彼女のダンス、すごくイイ!
正直、ビックリした・・・運動神経が鈍そうなイメージがあったもんだから(スミマセン)。。。
身体能力の高さにおいては、加藤さんと沖山麻生さん、そして丸石彩乃さんは、このメンバーの中では、抜きんでてるかなあ。演技が安定してる。
実際にはわからないけど、体幹がシッカリしてる感じ。
池亀さんの作品って、観てる間は興奮して、楽しくて・・・なんだけど、びっくりするくらい記憶に残らない。写真のような場面場面の記憶はあるんだけど、セリフを覚えてない。
ぬいぐるみハンターの公演『くちびるぱんつ』で言えば、「神戸さんがセンターでジョギングみたいなダンスを踊ってたなあ」とか「今は横浜で”あゆんでる”藤吉みわさんが、気合入れて走ってたなあ」ってことくらいは覚えてる。
池亀さんのブログを読む限りは、狂気をはらんだ人のようなイメージがあるんだけど・・・その狂気を受け取るだけのスキルがボクには無いのかもしれないし、ボクの好きな「狂気」は、沈黙の中に存在するものだから感じないのかもしれない。
それはそうと、池亀さんの「ごあいさつ」の1枚ペラにある「稽古場風景」の文章は、とてもおもしろい。
稽古場での、池亀さんと役者さんとの「やりとり」「緊張感」を観たいな、と強く思ったなー。
てか、役者「池亀三太」を、いつか観たい!
・・・と、長々と書いてきたけど、一番感じたのは、小堀紗矢香さんはイイな、ってこと(←前置キガ長スギダネ)。
そういう意味では、演劇ユニット「タマコロ」の目論見通りにいった公演だったのかもしれません(笑)。
ネタバレBOX
今回の作品は、下り坂のインディーズの女性アイドルグループの話。
でも、全く同じ脚本で、男性アイドルグループにしても、違和感を感じないような感じはした(生理やレズの話は別にして)。
女の平和
ネルケプランニング
俳優座劇場(東京都)
2011/12/03 (土) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
原作をとどめてない
本当にそうでした。平和というよりは戦争、破壊。まさに肉弾戦。
abc★赤坂ボーイズキャバレー Spin Off ~2回裏!~―喝!&勝つ!―
K Dash Stage
博品館劇場(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
裏方さん
夏に赤坂ACTシアターで見た作品の裏方さんの物語で、イケメン俳優が多数出演していた「表」版のような派手さはないものの、コクはこっちのほうがあった。アングラ小劇場と商業演劇の中間的な存在か。
たびたびオトメそして旅
合唱団るふらん
第一生命ホール (東京都)
2011/12/09 (金) ~ 2011/12/09 (金)公演終了
満足度★★
旅する乙女
クラシック系ではない音楽家が作曲した合唱の為のオペラで、バンドの演奏を伴ったリズミカルな音楽に乗せて女性の心情が描かれていました。
舞台前方中央に傾いて立った門があり、奥には雛段が組まれたステージを白のワンピースの上にコートを羽織った26人の女性のみの合唱団が様々なフォーメーションを作ったり、移動しながら歌い演じて展開する作品で、「桔梗/帰郷」、「銭湯/戦闘」等、言葉遊びの多い歌詞や台詞を通して、移ろい易い乙女心がユーモラスに描かれていました。が印象的でした。
音楽はサンバや、サルサ、タンゴ等のラテンミュージックをベースに、ワーグナー、ラヴェル、ボブ・マーリーの引用を織り交ぜたもので、シンプルなユニゾンが多くて聴き易かったです。ピアノ、ベース、ドラムの3人がビートを引っ張って行く、きびきびとした曲調が爽快でした。
音楽作品としては楽しめたのですが、演劇作品としては面白く感じませんでした。歌が1曲終わる度に転換の為の時間があるため、ドラマとしての連続性がなく盛り上がりに欠けていたと思います。おどけた雰囲気の演技が多く、もっとシリアスな表現も見せて欲しかったです。結構台詞が多かったのですが、回しがぎこちない人が多くて残念でした。
残響のせいで台詞が聞き取りにくく、明るい木の色の空間では視覚的に密度が薄く見えたので、コンサートホールではなく演劇用の劇場で上演した方が良さそうに思いました。
誤/娯楽
黒色綺譚カナリア派
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/12/08 (木) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
満足度★★★
これで見納め
人口263名の天王寺村に受け継ぐ因習に縛られた人たちの物語。
幕後、赤澤ムックが三つ指をついて挨拶する姿が印象的な公演だった。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/
会場に入ると、頭に鳥かごをかぶり電柱に縛り付けられ微笑む娘に、棒でつついて叫ぶ母親。まるで籠の鳥ならぬ、籠娘なのだが、この娘が「お役目果たし」といわれ、森や山に捧げる人柱だ。この「お役目果たし」に選ばれた娘を、村中が神の子と称し、村の未来永劫の栄えの為に人命を犠牲としている。
お山には化け物がいると信じて疑わない村人はスピーカーから流れる教祖まがいの言葉のとおり、「お役目果たし」を出し続けてきたのだった。体のいい人殺しだ。村の住民はこの村を畜生の村だといい、実際に住んでる住人は缶詰泥棒、淫乱、知恵遅れなどの何処かしら欠陥のある人たちだ。
そんな村に赴任してきたお役所役人も、この村には何の問題もない・・と見てみぬふりをする。そんな村では既に人口が減って、村長が言うには「村ってのは生きているんだ。人口が減ることもあれば増えることもある」とのたまう。
そんな人柱を題材に娘の母親が一芝居をうって、「自分以外は皆、死んだからお役目果たしが出来ない・・。」と訴え、全員で村を捨てて逃げるという結末。
公演時間90分ほど。出来たらキャストに役柄も載せて欲しかったところ。
今後、ムックこと金糸雀はちょっと遠いところへ飛んでいくらしいが、何処にいても幸せであって欲しいと思う。
ニュートンの青いリンゴ
タマコロ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★
私はクリスチャン
ではないので、サンタさんとは相性がよくないようです。
探索
城山羊の会
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2011/12/01 (木) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★
まあ満足
アダルトな感じ。というか私たちが普段見ている小劇場演劇が子供っぽいのかな。
まあまあ、おもしろかった。
映画も見てみたい。ミツコ感覚とかいうの。読売新聞におもしろいとか書かれてた。
ネタバレBOX
モリモトさんにも星あげてもいい。
というか、開演前の観客へのお願い言うのに、舞台に飛び乗った瞬間に、あれ?と思ったよ。
線路は続くよどこまでも
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
シアター711(東京都)
2011/11/22 (火) ~ 2011/11/27 (日)公演終了
満足度★★★★
うわ~(゜o゜)
一人芝居っぽくない演出方法でしたが(落語だから?)
そこが、また面白く、時には悲しかったです・・・
上演後、一緒に観劇したおじさんは泣いてました。
(静かに泣いておられるお客さんも数名)
確かに、そっと涙が流れるようなお芝居でした。
観に行って、本当に良かったです。
傷心館の幽霊
劇団 浪漫狂
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2011/10/20 (木) ~ 2011/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★
バリコメディ!
劇団浪漫狂NEOといえば第27回公演「新・五月晴れの青い空」を観てからなんと2年半ぶりだ。当時は古臭い笑いのネタの乱舞で劇団側は必死に笑わせようとしているのだが、客席はシーン・・。あまりにも痛々しい舞台だった為、ワタクシ自身、遠ざかってしまっていたわけだが、久しぶりに観ようと思い劇場に足を運んだ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
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傷心館の幽霊はいくばくかの小劇団で公演しているが、決してホラーではない。むしろコメディだ。
何かに導かれるように傷心館に集まった2人の女と1人のオカマ。オカマのリリーは浩に騙され店の権利証を売られてしまう。信用金庫勤務のOL・美里は不倫相手の上司・寺田に騙され大枚を巻き上げられる。そして丸友商事秘書課勤務のOL・京子は婚約者である銀行の頭取の息子・洋介に破談を言い渡される。
「死にたい・・・」とまで呟いていた彼女達だったが、傷心館のオーナー・絹子に、「無駄死にするまえに騙した男たちを懲らしめてからでも遅くない。」と説得され、近所の村野一家もこれに賛同し復讐劇を計画する。それは自分達を騙した男達を招待しての『復讐パーティー』だった。
浩と寺田に対する復讐劇は、まさにコメディなのだが、浩はヤクザに脅された挙句、オカマにされてしまう。一方で寺田は美里の亡霊を見て失神し、恐怖に慄き返金し自首する。そして京子は今でも洋介を愛しているという理由から、復讐心で彼を酷い目にあわす事が出来なかったが、同じように洋介にも破談せざるを得なかった理由が明らかになり二人はめでたく結ばれる。というオチだ。
観ていて絶妙にスカッとする幕引きだった。そしてオカマのリリー役のJ田平の演技がサイコーに素敵だ。マッチョなバディに程よくこんがり焼けた皮膚のカマ風味が女装している姿を想像してほしい。無駄に気持ち悪いことこの上ないオカマなのだ。笑
そして佐伯卓郎(亡き傷心館のマスター)の存在感の無さは、あまりにも素晴らしい。彼は死んでるのに成仏できない、云わば死にぞこないで、未だに傷心館をうろつきまくっているのだが誰も気が付かない。まあ、幽霊だから気が付かないのは当然なのだが、何をするでもない只、そこに居るだけだ。黒いマントを着て。
ワタクシも最初は気になっていたが、そのうち幽霊が動いても立っていても、殆ど気にならなくなった。とにかく目立たない顔立ちなのだ。だから彼が役者を降りてひっそりとリアルに戻った時、駅で見かけても、あるいは、道でぶつかっても、あるいは犯罪を犯しても、殆ど記憶に残らない顔なのだ。
メフィストフェレスはこんな奴だったのではないだろうか、と思った。悪魔は決して目立たない。悪魔でございますという顔もしていない。いつのまにか、百年の知己のような顔をして静かに隣を歩いているのだ。笑
そんなこんなで無茶な想像もしながらひじょうに楽しめた舞台だった。コメディとしても面白い。そして登場人物もそれぞれがインパクトがあって笑えた舞台だった。次回は紀伊国屋ホールで公演するという。大丈夫か?!
観に行きたいと思う。
音楽劇『夏の夜の夢』『十二夜』
Studio Life(劇団スタジオライフ)
紀伊國屋ホール(東京都)
2011/10/22 (土) ~ 2011/11/08 (火)公演終了
満足度★★★★
十二夜を観た
双子の兄妹セバスチャンとヴァイオラの乗った船が嵐に遭い、ヴァイオラはイリリアの海岸に打ち上げられる。彼女は消息の分からない兄を死んだと思い、身を守るために兄そっくりに男装してシザーリオと名乗り、イリリアの公爵であるオーシーノに小姓として仕えることにする。
そもそもこの物語はあまりにも瓜二つな双子の兄妹が発端となる恋物語だ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/
オーシーノは伯爵の娘であるオリヴィアに恋をしていたが断られ続けており、オーシーノは、オリヴィアにこの求愛の手伝いをさせる。密かにオーシーノに淡い思いを抱いていたヴァイオラはその命令に苦しむが勤めを果たすべくオリヴィアに会いに行き、使者としてやってきたシザーリオにオリヴィアは心を奪われてしまうのだ。
一方でオリヴィアの執事であるマルヴォリオは、道化師のフェステ、オリヴィアの伯父トービー、彼の友人アンドルーの三人が毎日飲んだくれていることを説教する。これを恨んだ3人はオリヴィアの侍女のマライアと共に、仕返しをする。それはオリヴィアが書いたように思わせる偽恋文を彼に拾わせるのだった。「もし私の愛を受け入れるのなら、黄色い靴下に十文字の靴下留めを身につけ、微笑んで下さい」と書いてあり、彼はオリヴィアの前で実行するが、気違いと思われ、真っ暗な檻に監禁されてしまう。
一方、ヴァイオラがてっきり死んだと思っていた双子の兄セバスチャンは、別の船の船長アントニオに助けられており、彼と共にイリリアにやって来ていた。
場面は変わって、オリヴィアの求婚を巡ってアンドルーはシザーリオに決闘を申し込む。しかしシザーリオのことをセバスチャンだと思い込んだアントニオが割って入り決闘を止め、ヴァイオラは彼が自分の事をセバスチャンと呼ぶのを聞いて、兄が生きていることを知るのだった。
その頃イリリア見物をしていたセバスチャンは、偶然にオリヴィアと出会いセバスチャンは見ず知らずの美しい姫に求婚されて夢ではないかと戸惑うも、その申し出を受け入れる。オリヴィアはシザーリオに今まで頑なに拒まれてきたこともあり、相手の気が変わらぬうちにとすぐに結婚式を挙げてしまう。
その後オリヴィアと出会ったオーシーノは彼女に求婚するも、いつも通り断られてしまう。さらには彼女が自分の小姓を夫と呼ぶのを聞いて、裏切られたと思ったオーシーノはシザーリオに激怒する。しかし身に覚えのないヴァイオラはそれを否定するが、今度はオリヴィアが裏切られたと叫ぶのだ。そんな口論の最中にセバスチャンが現れ、一同は驚くのだった。ヴァイオラとセバスチャンは互いに素性を確かめ合い、別れ別れになっていた兄妹と知る。こうしてオーシーノはシザーリオが女だと知り、改めて求婚し二組のカップルがめでたく誕生した。
スタジオライフといえば宝塚の男バージョンみたいな劇団で有名だ。故にキャストの全ては男ばかりなので女役も彼らがこなすが、いわゆるこれらのオカマが実に美しい。
ヴァイオラ(シザーリオ)役の松本慎也は絶世の美女だし、セバスチャン役の関戸博一とも瓜二つだ。
またマルヴォーリオ役の坂本岳大のキャラクターの立ち上がりがとても素晴らしくて笑えた。
元々、『十二夜』は喜劇だが、スタジオライフ風に味付けするとものすっごくコミカルで楽しい。舞台セット、衣装、照明、音響、全てが秀逸でエンタメミュージカルだ。
そして初日のこの日はサー・トービー・ベルチ役の笠原浩夫が座った途端にパンツの尻が20cm以上も破れ、下着がまるで見えるというアクシデントがあった。このアクシデントを笑いに変えて彼自身が道化に徹するキャストとなった。観客の笑の渦を全て吸収していたが、これがあった為にむしろ楽しめたし、顎が外れるくらい笑い転げてしまった。
暗転後、彼はカーディガンを腰に巻いて登場し、それでも動きによっては白いパンツが見える。苦笑!
そしていよいよ次の暗転でパンツを履き替えて登場しちゃったから、ワタクシはものすっごく残念だった。笑
そんなこんなでとにかく笑った!舞台だった。
スタジオライフ、素晴らしいです。次回も必ず観ます。
でもって、笠原浩夫、がんばれ~~~!!
リーボア・ヴォイクト
おちないリンゴ
Com.Cafe 音倉(東京都)
2011/10/22 (土) ~ 2011/10/23 (日)公演終了
満足度★★★★
奇奇怪怪
アンデルセンの名作「人魚姫」をモチーフにし、映像をコラージュしたオムニバスストーリーというキャッチだったが、特に「人魚姫」というイメージは生まれなかった。「人魚姫」という狂気的で純粋で一途で我の強いキャラクターは確かに魅力的だが、かくゆう人間だってよほど奇奇怪怪だと思うのだ。笑
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/
「青い鱗」
とあるホテルの一室。一世一代のプロポーズに見事玉砕直後の男(中村祐樹)が一人。そこに現れたのは招かざるタイ人のデリヘル嬢。タドタドシイ日本語を話すサラピョン(木村佐都美)が実にキュートだ。青い鱗を纏った彼女の言葉に次第に男は癒され励まされる。
「Wishcost」
「変わりたい」鏡を見てつぶやく整形女。ユキの部屋に転がり込んでるヒモ男・陽一はゲームをやりながら、まともにユキの話も聞かない。いつも二人でいるのに孤独だ。そんなヒモ男はタマエと言う家出少女の面倒をみてやるなんて言い出す。ユキに何の説明もなくパジャマ姿でヤマンバメイクのタマエ(木村佐都美)が突然訪れ、ユキをおばさん呼びしながらずかずかと上り込んで来る。しかしユキはタマエを使って自分を変えるきっかけを探していたのだった。そしてこの馬鹿王子から離れることを決意する。
「生まれて、もう何百年。後、ひと月で十五。」
老女・ハナサン(木村佐都美)は海を見つめながら何時間も砂浜に座り込んでいる。
そして彼女はそこに愛しい人がいるかのように、
「誰もいない無人島であなたと二人きりで暮らしたい。毎日すき焼きを食べて、接吻して、毎日海で泳ぎ裸足で恋を語り合いカモメのように歌いながら、ずっと二人で・・。」
と繰り返す。それはもう死んでしまった人を何百年も待ち続け、いつか逢えることを楽しみに生き続ける老女のお話。
3話全てに登場した木村佐都美が実に素晴らしい。ガングロタマエからタイ人のデリヘル嬢、そして老女と変化しながら魅せていた。ワタクシがキャラクター的に好きだったのは、なんつったってデリヘル嬢のサラピョンなのだが、シュールな会話の間があまりにも絶妙でコミカルだった。そういう点では1話も2話もコメディなのだが、3話で「待ち続ける女」という一途さに清々しく胸打たれたワタクシは、その情景を想像し、しっとりと、そしてどっぷりと浸かることが出来た。
今回の箱だが、段差のない平面に丸椅子を置いただけだったのでとにかくキャストが見辛かったのが難点。前列は桟敷席にするとか、工夫して段差は作れないものだろうか?
あるいは舞台を高くするとか、なんらかの方法を考えて欲しかった。
ここのキッシュ300円は絶妙な美味さ。後で下北沢に行った折に、また食べようと思う。
ワタクシ、常連客になっちゃう。