傷心館の幽霊 公演情報 劇団 浪漫狂「傷心館の幽霊」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    バリコメディ!
    劇団浪漫狂NEOといえば第27回公演「新・五月晴れの青い空」を観てからなんと2年半ぶりだ。当時は古臭い笑いのネタの乱舞で劇団側は必死に笑わせようとしているのだが、客席はシーン・・。あまりにも痛々しい舞台だった為、ワタクシ自身、遠ざかってしまっていたわけだが、久しぶりに観ようと思い劇場に足を運んだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/


    傷心館の幽霊はいくばくかの小劇団で公演しているが、決してホラーではない。むしろコメディだ。

    何かに導かれるように傷心館に集まった2人の女と1人のオカマ。オカマのリリーは浩に騙され店の権利証を売られてしまう。信用金庫勤務のOL・美里は不倫相手の上司・寺田に騙され大枚を巻き上げられる。そして丸友商事秘書課勤務のOL・京子は婚約者である銀行の頭取の息子・洋介に破談を言い渡される。

    「死にたい・・・」とまで呟いていた彼女達だったが、傷心館のオーナー・絹子に、「無駄死にするまえに騙した男たちを懲らしめてからでも遅くない。」と説得され、近所の村野一家もこれに賛同し復讐劇を計画する。それは自分達を騙した男達を招待しての『復讐パーティー』だった。

    浩と寺田に対する復讐劇は、まさにコメディなのだが、浩はヤクザに脅された挙句、オカマにされてしまう。一方で寺田は美里の亡霊を見て失神し、恐怖に慄き返金し自首する。そして京子は今でも洋介を愛しているという理由から、復讐心で彼を酷い目にあわす事が出来なかったが、同じように洋介にも破談せざるを得なかった理由が明らかになり二人はめでたく結ばれる。というオチだ。

    観ていて絶妙にスカッとする幕引きだった。そしてオカマのリリー役のJ田平の演技がサイコーに素敵だ。マッチョなバディに程よくこんがり焼けた皮膚のカマ風味が女装している姿を想像してほしい。無駄に気持ち悪いことこの上ないオカマなのだ。笑

    そして佐伯卓郎(亡き傷心館のマスター)の存在感の無さは、あまりにも素晴らしい。彼は死んでるのに成仏できない、云わば死にぞこないで、未だに傷心館をうろつきまくっているのだが誰も気が付かない。まあ、幽霊だから気が付かないのは当然なのだが、何をするでもない只、そこに居るだけだ。黒いマントを着て。

    ワタクシも最初は気になっていたが、そのうち幽霊が動いても立っていても、殆ど気にならなくなった。とにかく目立たない顔立ちなのだ。だから彼が役者を降りてひっそりとリアルに戻った時、駅で見かけても、あるいは、道でぶつかっても、あるいは犯罪を犯しても、殆ど記憶に残らない顔なのだ。

    メフィストフェレスはこんな奴だったのではないだろうか、と思った。悪魔は決して目立たない。悪魔でございますという顔もしていない。いつのまにか、百年の知己のような顔をして静かに隣を歩いているのだ。笑

    そんなこんなで無茶な想像もしながらひじょうに楽しめた舞台だった。コメディとしても面白い。そして登場人物もそれぞれがインパクトがあって笑えた舞台だった。次回は紀伊国屋ホールで公演するという。大丈夫か?!
    観に行きたいと思う。

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    2011/12/09 18:15

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