リーボア・ヴォイクト 公演情報 おちないリンゴ「リーボア・ヴォイクト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    奇奇怪怪
    アンデルセンの名作「人魚姫」をモチーフにし、映像をコラージュしたオムニバスストーリーというキャッチだったが、特に「人魚姫」というイメージは生まれなかった。「人魚姫」という狂気的で純粋で一途で我の強いキャラクターは確かに魅力的だが、かくゆう人間だってよほど奇奇怪怪だと思うのだ。笑

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    裏日記はこちら→http://ameblo.jp/misa--misaki/

    「青い鱗」
    とあるホテルの一室。一世一代のプロポーズに見事玉砕直後の男(中村祐樹)が一人。そこに現れたのは招かざるタイ人のデリヘル嬢。タドタドシイ日本語を話すサラピョン(木村佐都美)が実にキュートだ。青い鱗を纏った彼女の言葉に次第に男は癒され励まされる。

    「Wishcost」
    「変わりたい」鏡を見てつぶやく整形女。ユキの部屋に転がり込んでるヒモ男・陽一はゲームをやりながら、まともにユキの話も聞かない。いつも二人でいるのに孤独だ。そんなヒモ男はタマエと言う家出少女の面倒をみてやるなんて言い出す。ユキに何の説明もなくパジャマ姿でヤマンバメイクのタマエ(木村佐都美)が突然訪れ、ユキをおばさん呼びしながらずかずかと上り込んで来る。しかしユキはタマエを使って自分を変えるきっかけを探していたのだった。そしてこの馬鹿王子から離れることを決意する。

    「生まれて、もう何百年。後、ひと月で十五。」
    老女・ハナサン(木村佐都美)は海を見つめながら何時間も砂浜に座り込んでいる。
    そして彼女はそこに愛しい人がいるかのように、
    「誰もいない無人島であなたと二人きりで暮らしたい。毎日すき焼きを食べて、接吻して、毎日海で泳ぎ裸足で恋を語り合いカモメのように歌いながら、ずっと二人で・・。」
    と繰り返す。それはもう死んでしまった人を何百年も待ち続け、いつか逢えることを楽しみに生き続ける老女のお話。

    3話全てに登場した木村佐都美が実に素晴らしい。ガングロタマエからタイ人のデリヘル嬢、そして老女と変化しながら魅せていた。ワタクシがキャラクター的に好きだったのは、なんつったってデリヘル嬢のサラピョンなのだが、シュールな会話の間があまりにも絶妙でコミカルだった。そういう点では1話も2話もコメディなのだが、3話で「待ち続ける女」という一途さに清々しく胸打たれたワタクシは、その情景を想像し、しっとりと、そしてどっぷりと浸かることが出来た。

    今回の箱だが、段差のない平面に丸椅子を置いただけだったのでとにかくキャストが見辛かったのが難点。前列は桟敷席にするとか、工夫して段差は作れないものだろうか?
    あるいは舞台を高くするとか、なんらかの方法を考えて欲しかった。
    ここのキッシュ300円は絶妙な美味さ。後で下北沢に行った折に、また食べようと思う。
    ワタクシ、常連客になっちゃう。

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    2011/12/09 17:50

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