
カラス/Les Corbeaux
世田谷パブリックシアター
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)
2012/03/09 (金) ~ 2012/03/10 (土)公演終了
満足度★★★★★
彫刻的
やっぱり少し書き込もうかと・・。
西洋的な、積み重ねていく感のある建築的な要素と、
日本的とも言える、彫刻的とも感じられる要素とが
美しく融合しているように感じられました。
アフタートークで日本の舞踏家の名前が次から次へと挙げられるのを
聴いていて、それも納得できるような気もしました(笑
内面から湧き出るイメージを
ザクザクと削ぎ落とした末に生まれたような
硬質なヴィジョンは、
強く心に焼きつきました。
それは、あたかも西洋的なポエジを、
俳句のように
動詞も副詞も削ぎ落とした末に生まれてくるみたいな、
断片的でプリミティブな・・
パルスにも似た映像とでも言うのか。
黒いカラスを、
グローバリズムのイメージとだぶらせるのはたやすいのだけれど、
ナジのカラスは、
実物のカラスを忠実にトレースしたというよりかは、
カラスのイメージを一度自分の中にとり込んで、
もっと神秘的な何かに姿を変えた・・
カラスの翼の先にあるもの、
カラスの翼の先に指先のような波を視て、
それを具現化したら、
きっとこのような像をしていたのではないかと
夢想させるような。
・・スミマセン、ポロリ伝説のコメント書いたあとにこんなコメント書いても
まぁ誰も信用しないかもしれませんが(苦笑
ただ、芸術と呼ばれるものの真価が、
必要とされる理由が、
現代にあるとするならば、
それは、時代の行く先に視える黒い影を、
神秘的なヴィジョンに具現化する行為にあるのではないかと
信じている自分にとっては、
この作品はまさに、
自分の観たいものの理想とも思われたので(笑
ナジ本人が言っていた、
作品を言葉で表現することの不毛さを、
自分が今まさにトレースしていることは
十分に承知しつつ(苦笑
それでも自分がこの作品の美を、
日本的な(俳句的な)省略の美学ではなく、
西洋的な、言葉を積み重ねる行為によって、
讃えたいという欲求を抑えられなかったことは
今後の反省課題として覚えておきたいです(苦笑
・・まぁ、そのうち落ち着いたらこの感想もばっさりカットするかもです。
でも、きらりふじみは、死ぬほど(今回も雨のなか1時間道に迷った)不便だけど、
数m先でこんな作品を観られて素晴らしい!
(駅からの案内板設置希望)

Shangri-la
エンターテイメントユニット・liberta
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2012/03/09 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ベタなお話私は好きです
歌がそれほど好きなわけではないですが、こういうベタなテーマがスキです。
結局それに尽きるのではないかと。
もちろん改善すべきところもあるように思いました。

協走組曲序章
ステージタイガー
日本写真映像専門学校・実習棟1階ホール(大阪府)
2012/03/10 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年NO,1候補!!
まずこれだけは絶対に言っておきたい!
今年に入って観劇した本数は既に62本。
その中で、NO,1作品だったと僕は思っている。
やられた。
本当に誠にやられてしまっていた。
物語のあらすじは上を見てもらえれば分かるのだが、不器用なお父さんと娘の話なのである。
またこの不器用な親子を樋口さん白井さんが演じられるのだが、
まったくもって素晴らしい演技の一言であった!
物語の流れとしてずっと走り続けている親子・・・という設定で、常に足踏みをしていたり、寝ている時でさえ足踏みをしているというファンタジーぶり・・・というかマンガか!?という設定ぶり。
そう脚本に書いてあるのだが、それをものの見事に体現している二人なのである!
実際に他のキャストの台詞の途中も、
ずっと足踏みを続けており、その姿が滑稽であれば滑稽であるほど僕らへ訴えかける衝動は強い。
またこの舞台が専門学校の教室という特殊な環境である事も味方にしている。
いや、それ以上のことをやってのけている。
限定25席としていたのが、当日やはり満員らしく僕の回は40名ほど座れるようになっていた。
そして照明を吊るバトンも豊富で、「これ本当に教室なのか?」と思うくらい施設が揃っている。
またステージタイガーでは初の照明にムーブが入った効果を使っていた。
これは画期的であり、しかも床に当たった円形の光が幾つもに分かれながら回るシーンなど、今までのステージタイガーではありえないもの。
というか、
専門学校、恐るべし!
普通の小屋よりも贅沢な施設。
もしかしたら既存の小屋で負けているところが、かなりあるレベル!

人形たちの棲むところ
かわせみ座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2012/03/09 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★
幻想
人形達の動きは繊細で美しく、感情表現も豊かで、とても素敵だったので、☆5ですが、ストーリー性が、弱く感じてしまいました。あらすじ通りの物語の伝え方は、もう少し強く押し出した方が、よろしいのでは?と思ってしまいました。挿入曲も、とても幻想的で、作品に深みを与えていて、素敵でした。

ジキル&ハイド
東宝
日生劇場(東京都)
2012/03/06 (火) ~ 2012/03/28 (水)公演終了

『スペインの時』『フィレンツェの悲劇』
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2012/03/09 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★
演奏は良かったのですが…
新国立劇場オペラ研修所の研修生をメインに据えた本格的な公演で、同じ時代に活動した2人の作曲家の1幕オペラを時代と場所を同じ場所に置き換えた、対照的な悲劇と喜劇の2本立てでした。
『フィレンツェの悲劇』(オスカー・ワイルド原作、アレクサンダー・ツェムリンスキー作曲)
織物商の夫婦の元に国の王子が来たことから生じる三角関係の末の悲劇を描いた物語で、めまぐるしく転調する仄暗くドラマティックな音楽が美しい作品でした。
王子を演じた伊藤達人さんは演技は棒立ちで表情も乏しかったのですが、輝かしい歌声が魅力的でした。夫を演じた山田大智さんは歌は少々弱く感じましたが、演技が良かったです。
『スペインの時』(フラン・ノアン台本、モーリス・ラヴェル作曲)
時計屋を舞台に魅力的な女性が何人もの男性を翻弄する喜劇で、役者達によるダンスもあって楽しい作品でした。ラストの重唱がユーモラスでした。
ヒロインの吉田和夏さんが演技も歌もチャーミングでとても素晴らしかったです。
どちらの演目も本編が始まる前に新国立劇場演劇研修所の役者達による、ほとんど台詞のない芝居がプロローグとして演じられましたが、本編との関わりが薄く、芝居としても面白くなくて無駄に性描写ばかりが目立ち、演出家の自己満足にしか感じられませんでした。逆に本編が始まってからは演出に力を入れた部分が感じられませんでした。
余計な付け加えをせずに、スコアに書かれている時間の中でアイディアを見せて欲しかったです。
演出は期待外れでしたが、歌唱については1幕モノということもあって、途中でパワーダウンすることもなく楽しめました。飯守泰次郎さん指揮によるオーケストラも色彩感豊かで良かったです。
作曲家と同世代の画家、ジョルジョ・デ・キリコの絵画を立体化したようなセット(壁のグラフィックはアンリ・マティスの切り絵風でした)が面白かったです。
最前列の席だったので、舞台手前の上に出る字幕がかなり見上げないと見えず、字幕を見るのは諦めたのですが、出来れば舞台両袖に字幕を表示して欲しかったです。

コルトス脳信号
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新宿シアター・ミラクル(東京都)
2012/02/10 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

Tripod
靖二(せいじ)
明石スタジオ(東京都)
2012/02/10 (金) ~ 2012/02/13 (月)公演終了
満足度★★★★
秀作
前回もそうだったが、今回もきちんとつくられたセットにまずは感心。芝居の方も期待を裏切らない丁寧なつくり。やや短めの上演時間ながら充実の秀作。

HELLO WORK 2012
幸野ソロ
ワーサルシアター(東京都)
2012/03/06 (火) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2012/03/02 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
最終日観劇
ザ・シェルター/切羽詰まった状況でロウソク灯し家族集まり話す様は奇しくも昨年の夜を思い出した。
寿歌/シス版がポップスならカトケン版はノリの好い演歌っていう感じ。相変わらず小松さんは身体の動きが面白い。

うれしい悲鳴
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
5日目マチネ+総括
法制度、仕事論、天皇制などを皮肉ったり疑問を投げかけたりして観客に考えさせる内容にしても、随時入る乱舞(?)にしても、ひょっとこ乱舞そのもので、カーテンコールでは贅沢な食事を終えた時のような満足感に包まれる。

スケベの話
ブルドッキングヘッドロック
サンモールスタジオ(東京都)
2012/02/29 (水) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
セイなる夜編
「洋風艶笑噺」的な内容もさることながら、冒頭の猛吹雪シーンや主人公の心の声を影ナレでなく別の役者が舞台上で演ずるなどの表現が独特にして見事。
また、主人公の視点が次第に時を自在に往き来する神のもののようになってゆきながら実は…な落とし方や「バットとボール編」とのリンクなども◎。

異性人/静かに殺したい【ご来場ありがとうございました!】
アガリスクエンターテイメント
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2012/03/08 (木) ~ 2012/03/12 (月)公演終了
満足度★★★★
よかったー
いかにもこの劇団らしい2本立て。1本目はブラックなシチュエーションコメディの王道的作品。テンポがよくて、大いに笑わせてもらいました。2本目はちょっといい話のコメディ。やっぱりお互い信頼しないと生きていくのは辛いなー。

スケベの話
ブルドッキングヘッドロック
サンモールスタジオ(東京都)
2012/02/29 (水) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
バットとボール編
一言で表現すれば「爽やかなスケベ」、オトコとして非常によくワカるっちゅうか共感するっちゅうか。
また、それなりの年齢の男優陣が頭を丸めることもあってほぼ高校生に見えるほか、演者に合わせた設定も上手い。

ジレンマジレンマ
ワンツーワークス
ザ・ポケット(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
矛盾の中で生きている
相変わらずスタイリッシュで、シニカルな芝居。今回はちょっと笑いは抑え気味ですか。タイトル通り、自分と他者との利益を両立させることは難しく、えらく考えさせられます。このテーマでエンタメとしてもすごく面白いのだから、脱帽です。

スケベの話
ブルドッキングヘッドロック
サンモールスタジオ(東京都)
2012/02/29 (水) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
セイなる夜
前に見た芝居がハズレだったので、何か見たい!と思って、こりっちで探し、当日突撃で観劇。
いやー。見て正解でした!
笑いあり、感動ありのお芝居。ニヤニヤが止まりませんでした!
完全楽日に見に行ったので、もう一つのバットとボールも見たくなったんだけど、もうやってないんで残念!すごい見たかった!

立入禁止区域のラーメン屋
世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
梅ヶ丘BOX(東京都)
2012/03/07 (水) ~ 2012/03/13 (火)公演終了
満足度★
銀河鉄道999?
ちょっと期待はずれというか、想像していたものと違った感じでした。
チラシにもこりっちの説明にも3.11の地震のことをゴリ押ししているから、この芝居は地震をテーマにしたドキュメンタリーなのかな?と思って期待したんだが・・・

-SORA-
PEACE
d-倉庫(東京都)
2012/03/01 (木) ~ 2012/03/05 (月)公演終了
満足度★★
うーーん、エネルギーと勢いだけ?
期待はずれでした。ちょっと残念。
脚本も演出も何処から突っ込んでいいのか分からないけど、もっと色々詰めることが出来たんじゃないのかな。
ギャグは微妙だし、あざといと感じた回数も多々。
音響や照明ももっと工夫出来ただろう。
滑舌ももっと頑張れ!って感じです。
学生料金だったので2,500円だったけど、正直もっと完成度が高くないと困る。
内容とは別だが、場内は寒いし、(雨だったので)傘を傘立てに入れたら行方不明になるし…。もうちょっとすっきりした気分で帰りたかったかな。

フェニックスプロジェクトvol.4
一般社団法人 日本演出者協会
笹塚ファクトリー(東京都)
2012/03/10 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
高校生による上演4作品
知識として知っているはずのことなのに、お芝居で観て初めて本当に知った気持ちになる。私はそういうことが多いので、お芝居を頼りにしています。12時から17時にわたり約5時間弱、かしら。劇中で観客も一緒に黙祷ができました。ありがとうございました。

『ひとりじゃできねーもん二回目』
おぼんろ
サクラフルール青山メリーココhttp://www.sakura-hotels.com/rental-space.html(東京都)
2012/03/11 (日) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
愛をカタクリ粉で語るニクい男
思い立ったらすぐやるフットワークの軽さだけでなく、自分ひとりで突っ走るんじゃなくてファンもしっかり巻き込んでくれるバランスの良さがイイ!