
HOTEL CALL AT “杉並演劇大賞”受賞
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
命の尊さ
荻窪アルシェの地下には洋館ぽいホテルのロビーが広がった。真っ白い顔をした正装の男が無表情にカードで塔を作っているのが既に現実から物語世界へと誘う。
もちろん、芝居も素晴らしいのだが、観客席も無理に詰め込まずゆったりと座れる椅子を使っていて、我々もホテルの客であるような錯覚に陥る。
☆5つをつけてもいいのだが、昨冬に観た「カルナバリート伯爵の約束」の方がさらに好み(昨年の観劇ではベストとして投票した)なので、差をつける意味で4つ。

A MIDSUMMMER NIGHT'S DREAM
声を出すと気持ちいいの会
小劇場 楽園(東京都)
2012/03/15 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★
変化
良い意味で今までの「声きも」とは違っていた。
今回の公演は、主人公だけでなく周囲の人物たちの心情、行動も人間らしく描かれていると感じた。過去の公演は(覗カラクリ以降しか見ていないのだが)とても狭い世界の中で主人公を中心にうまく回っているなぁという印象であり、主人公だけが人間らしく描かれていて周囲の人物たちは心が無い、操り人形のように見えることが多かった。そしてそれがこの劇団の特徴であり、観ていて快感であった。
「夏の夜の夢」からシチュエーションを借りたからかも知れないが、つまり今回の公演は、登場人物全員に個性が出ていた。
ストーリーは、原作「夏の夜の夢」の展開に絡めすぎていないところが良かった。現代にあてはめてよく解釈してあったと思う。東京で起こりうる納得の結末。
面白かった。

飛べないお姫さまのすべて
白米少女
東中野レンタルスペース(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
無題336(12-079)
18:00の回(晴)。東中野…この劇場は初めてですが「203号」だからすぐわかるだろうと螺旋階段を上がり、「201」がみえ、さて、この奥だなと思い目をやるとずっと先にテーブルのようなもの、男性がおひとり…歩きだし室号を確認しながら「202」…あれ、ない…廊下の反対側には「受付」なんて書いてあるが、どうみても劇団の受付ではない。キョロキョロしていると、奥の男性から声がかかる…さっきのテーブルの所が受付でした。すぐ受付していただき、ちょっとお話しました。廊下に案内板等を出してはいけないのだそうです。17:30開場、入って左、PCとスピーカー、やや右奥の床に「コンロとナベ」。四方を椅子(座布団あり)が囲んでいます。入口から一番遠い角席に座ります。天井には太い配管、布が巻き付けてあり、これは劇団が?
壁際にソファがあり、赤いショールをかけた女性が横になって文庫本を読んでいます。こういう時、何を読んでいるのかとても気になるのです。終演後、聞きそびれてしまいました。電気コンロ、ナベ、冷蔵庫、炊飯器、ティシュペーパー、生活感があるようで、なさそうな空間。17:58、スピーカーから前説が流れ、18:01開演、女性がナベの蓋をとり、温め直し、ゆっくりかき混ぜているのはカレー。
朗読のようでもあり、その言葉の一見平坦なやりとり、言い回し、口調、これに役者さんの気怠そうな振る舞い、予期せぬシチュエーションに固まってしまう思考、DVDの音声解説のようなセリフ、それが心情なのか、実際に発せられた「言葉」なのか…とても面白い演出でした。A3用紙両面(4ページ)に小ぃ〜さな文字で書かれてあるのは、脚本。微妙にぼやけ…少々読みにくいかなと…

ご多分にもれず、ふつう。
モモンガ・コンプレックス
STスポット(神奈川県)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/21 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題335(12-078)
15:00の回(晴)。ダンスでこんなに吹き出すとは思いませんでした。いかにも頼りなさげな男子諸君の好演があったからこそ。木村さん3作目。

ダンデライオン~飛龍伝より~
ThreeQuarter
池袋GEKIBA(東京都)
2012/03/18 (日) ~ 2012/03/20 (火)公演終了
満足度★★★
つかこうへいでも・・・笑
長渕剛のBGM、そしてつかこうへいという、私にとっては「最悪」の(つまりどちらも嫌いな)要素がからみついた劇だけに、逆の意味で「楽しみ」にしていた芝居でした。
長渕剛が嫌いな理由は「情念」とか「男の世界」を全面に出されると、私が引いてしまうから。
つかこうへいは、どうも「左翼的共感」(こんな言葉はないし、彼自身「左翼」とは思っていないでしょうから、不正確なのですが)を覚えないでいるからです。彼の作品は「人情モノ」として観る分にはなかなか面白いと思うのですが、こと「革命」だ「闘争」だというキーワードで観ると、「ん、これは単なる任侠の世界で、右も左もないのでは・・・?」と、考え込んでしまうからです。
能書きはここまで。今日の劇は、そんな障壁があるものの、楽しめた劇でした。
一番前の箱の席で、痛いお尻に辟易しながらも、最後まで見続けていられたのは、役者さんたちの「熱演」のおかげだと思います。
最初、「絶叫的台詞」に、「これは難聴になってしまうかも」と(なにしろ最前列ゆえ)危惧しましたが、それもなんのその。役者さんの熱意に負けてしまいました。
安保闘争については、私さえも幼少時の遙か彼方の記憶のものです。
それを、この若い役者さんは、どう解釈して血肉にしているのだろうか、少し興味が湧きましたが、それは分からないことですね。
もし、単なる「人情モノ」として、「ひとつ観客を泣かせてみよう」程度のものでしたら、当時を知る私にとっては、「やっぱりね」と、哀しい思いだけが先行します。
現在も本質的に変わらない、「富めるものの世界」「強いものの世界」に、少しでも一石を投じようとしていたならば嬉しい限りなのですが。
そんなことを思いながら、薄暗くなった池袋の街を、ぶらぶらと歩いて家路に向かいました。

大沢めぐみの国定忠治
はちきれることのないブラウスの会
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2012/03/17 (土) ~ 2012/03/20 (火)公演終了
満足度★★★
何も考えず愉しいお芝居!
まずは短編「SOS」を観劇♪
ハハハハハ~(^^)やりきられました♪
理屈抜きに面白かった♪
小ネタバンバン投げ込んでくるわ!くる!
演技や歌が上手いので余計に笑えます♪
最後は心の中でおめえ達は◯◯◯だったんかい⁉
と突っ込んでおきました!
短いですが濃密な面白さ(^^) まぁとにかく笑えました!
続けて「大沢めぐみの国定忠治」観劇♪
短編を観た後で免疫ができたので小ネタを盛り込んできても受け入れる体制バッチリ!
ちょこちょこ笑わせてきます♪
劇団四季とか⁈全日プロレスとか⁈河相我聞とか⁈
コアなネタを投入してきます!
それはお客さんのピンポイントをついて当たればラッキー的な笑い♪
ツボにハマれば面白い(^^)
短編で濃密な作品を観た後なのでちょっと緩~く感じました^^;
もっとバカバカしくて笑い盛りもりでもいいかなぁ~
と言う贅沢な欲望が渦巻いてました♪
しかし、何も考えずに愉しめるお芝居いいですね~(^^)
仕事疲れの脳もリラックス♪
また公演あったら観に行こう♪
もうすでに、はちブラがクセになっちゃいました♪

HOTEL CALL AT “杉並演劇大賞”受賞
メガバックスコレクション
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

オルフェゴッコ
双数姉妹
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

ジキル&ハイド
東宝
日生劇場(東京都)
2012/03/06 (火) ~ 2012/03/28 (水)公演終了
満足度★★★
歌はうまい
ミュージカル界屈指の歌唱力を誇る3人、とのふれこみ。
たしかに歌はうまかったです。石丸さんは声が割れたりして、ちょっと調子悪かったみたい。
ハイドの下品さを際立たせるには、ジキルをもっと高音の弱弱しい男として演じるべきだったかもしれません。
二人の差をもっと出して欲しかったです。
なんていうか、無難です。豪華なのですが、あまり印象に残らないのです。
ルーシーの歌唱力だけが印象深いです。
前半をゆったり描き、殺人事件などは簡単に終わってしまうので、もっとハイドが登場した後に時間をとれば面白かったんじゃないか、と思います。
2階席は半分くらい空席でした。

∞ (メビウス)
乙山×ト Produce Project (o.p.p)
Geki地下Liberty(東京都)
2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
行ってよかった
20日、昼の部、ぎゅうぎゅう満員でした。
初めに懺悔。
実は15日の夜、チケプレ招待を受けていました。ワクワクして席に着いたのですが、開演直後ものすごい悪寒と吐き気に襲われ、普通に座っていることもままならない状態になってしまい、席を立ってしまいました。
その後も、未練がましく暗幕の外(トイレの前)でしゃがんで声だけ聞いていたのですが、そのうちそれも耐えられず、インフル疑惑も(自分の中で)生じたので、泣く泣く家に帰りました。(結果、インフルではなかったです)
あの時の私の途中退席は、周りの人にも役者さんにも目障りでしたでしょうし、失礼極まりなかったと思います。この場を借りて謝ります。ごめんなさい。
それで、自分的に敷居が高くなってしまったのですが、やっぱりどうしても見たくて、(感想も伝えたいし)で、こそっとチケット取って観に行きました。本日最終日。
結果からいうと、本当に行ってよかったです。
面白かった。
面白いだけでなく、生きていくための何か、大げさに言うと哲学っぽいもの?をもらいました。
アフタートークでは、演出の井坂聡さんを囲んで、役者さん達の裏話的なことも聞けて良かったです。
この衝撃的なチラシには「身体に刻みつける」という意味があったそうです。
なるほど。

アンナ・カレーニナ
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/20 (火)公演終了
満足度★★★★
厚木三杏!
いいダンサーなのにファンタジーがどうもしっくりこず気になっていたが、このようなはまり役があるとは嬉しい。心理劇では日本屈指ではなかろうか。また、カンパニーにもあっている感じ。コールドに欲張りな注文を付けると、アレグロをもっとさりげなく踊ると振付のかっこよさがでると思う。

スノーマン
アナログスイッチ
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★
無条件に・・
楽しめました。旗揚げと言う事で、どんなもんだろうと期待半分と不安(?)半分でした。が、旗揚げ公演とは思えないような堂々たる舞台だったと思います。個人的に、こういう楽しいストーリーは大好きです。演技も皆良かったと思います。特にカメラマン役の役者さん、良かったです。今後も期待したいです。

囁く夜と飴玉のいくつか
スミカ
百想(re:tail別館)(東京都)
2012/03/14 (水) ~ 2012/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★
あたたかく柔らかな幻想空間。
細い路地に入って、黒い内装の、しかしどこかしら温かな雰囲気のギャラリー百想。そこにベッドが置かれ、白い寝具にカーテンに。衣装や小道具のブランケットも全部白。または生成り。部屋の灯りと曇り空の太陽光とが柔らかな陰影を作り出し、空間を、そして4つの物語を実に美しく幻想的に演出。シンプルな灯りと、ちょっと冷えた空気も手伝って、スミカらしい柔らかな清涼感に包まれたお芝居となっていました。昼ver.とのことでしたが、夜verも見たいなと思いました。どんなに幻想的で素敵な空間になるのかと思わず想像。

ダンデライオン~飛龍伝より~
ThreeQuarter
池袋GEKIBA(東京都)
2012/03/18 (日) ~ 2012/03/20 (火)公演終了
満足度★★★
熱かった
役者さんの脳の血管が切れるのではないかと心配するほど熱演で熱かったです。
熱すぎてたまに滑舌的に聞き取れないこともありましたが、それでもなにかを訴えたい勢いは伝わってきてました。
皆さん、身体のキレが良かったです。

希望的観測
デッドストックユニオン
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

日本の問題 Ver.311<公演終了しました。ありがとうございました!>
日本の問題
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/03/06 (火) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
企画は良かったはずなのに
例の正座してのプレゼンテーションで何もかもが崩れてしまった。彼以外の誰もが「そんなことないよ、演劇の力で日本を変えることは可能だよ」と思ってるはず(と思いたい)なのに、彼に言葉を撤回させて土下座させるだけの「力を持った演劇」をどの劇団も提供できていなかった。彼自身にも、「そこまで言って何故役者として演じたのか」との思いを届けるだけの役者としての力が無かった。企画は良かったはずなのに。その企画で被災地にチケット代が寄付されるからチケットを予約したのに。お金はともかく、人一人、時間を割いて足を運ぶということの意味も考えなければ、創る側にとって演劇をする意味は本当に無いと思います。

あたりまえのできごと
パセリス
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了
ちょっと味が薄い
全5話のうち、「感情移入」と「あたりまえのできごと」は少し
面白かったけど… 3話くらいに絞って30分で見せた方が
良かったかも。他の話も着想とかネタは面白かったのに、
尻すぼみで終わらせてしまった感じで勿体ないな、と。

ALL UNDER THE WORLD
燐光群
笹塚ファクトリー(東京都)
2012/03/19 (月) ~ 2012/03/26 (月)公演終了
期待はずれのパフォーマンス
見るべきものは何もない。舞台で繰り返されるのは、ありきたりなエピソードの断片。これは果たして公開するべきものなのか疑問を持った。

futurama
二番目の庭
GALLERY SOAP(福岡県)
2012/01/20 (金) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★
インタビュー劇
ドラマ性、エンターテイメント性は重視してない感じ。インタビューを丹念に見せていく。
と思いきやの演劇性が、キラリと光る。
ワンドリンク付、チケット料金1800-2000円は良心的。

アテルイ ―北の燿星
わらび座
ももちパレス(福岡県)
2012/01/31 (火) ~ 2012/01/31 (火)公演終了
満足度★★★★
熱いテーマ性
土着的ミュージカルとでも言えばいいのだろうか。精緻さやしたたかな計算にはかけるが、幸運にもアンテナがあい、純朴な演技や家族をテーマとした脚本に心を打たれた。