HOTEL CALL AT “杉並演劇大賞”受賞 公演情報 メガバックスコレクション「HOTEL CALL AT “杉並演劇大賞”受賞」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    命の尊さ
     荻窪アルシェの地下には洋館ぽいホテルのロビーが広がった。真っ白い顔をした正装の男が無表情にカードで塔を作っているのが既に現実から物語世界へと誘う。
     もちろん、芝居も素晴らしいのだが、観客席も無理に詰め込まずゆったりと座れる椅子を使っていて、我々もホテルの客であるような錯覚に陥る。
     ☆5つをつけてもいいのだが、昨冬に観た「カルナバリート伯爵の約束」の方がさらに好み(昨年の観劇ではベストとして投票した)なので、差をつける意味で4つ。

    ネタバレBOX

     普通ホテルを舞台にした芝居だと各部屋の入口ぐらいはわかるようになっているのだが、これはロビーのみ。観ているときは駅や港の方がしっくりくるのかな、と思っていたが、今考え直すと「生きてきた疲れをゆっくり癒す」ことができるのはやはり宿なのだろう。
     ウェイン夫人が義父を殺したのはなんのためなのか、従業員は一体なんといわれる種族なのか、2人しか出てこないのに三つ子の設定にしてあるのはなぜか、などこれは観客に考えさせているのだろう。
     生への渇望、現世に残した思い、そして新しい生命の誕生。震災から1年という今の時期だからこそ改めて生きる意味を問われたような骨太の舞台だったように思う。ありがとう。

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    2012/03/20 22:49

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