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鳥山ふさ子とベネディクトたち

鳥山ふさ子とベネディクトたち

ナカゴー

Brick-one(東京都)

2012/09/30 (日) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

台風ぐらいではびくともしない面白さ
凄かったなぁ・・・。

やりたい部分だけを骨格をボンと置くように
観る側に印象付けた前半の短編もインパクトがありましたが、
圧巻は後半の濃いなかでの揺らぎやグラデーション。

台風が迫る中での公演でしたが、
そんなこと頭からすっ飛んで・・・。
がっつりと見させていただきました。

ネタバレBOX

前半の短編は、
ちょっと良い子は見ちゃ駄目的な印象もあるのですが、
それよりも、「愛する人の死」が導いた
登場人物のふわっとした強い狂気に息を呑む。

3人芝居の二人の踏み出し方が堂々とあからさまで、
そこに絡む鳥山さんの距離感と踏み越える感じが
いろんな意味で絶妙・・・。

ある意味構造はとてもシンプルなのなのですが、
それだけに剥ぎだされてくる想いのずれが、
あまりにも露骨で、だからこそ観る側を引かせながら、引き込んで行く。
笑えなかったですが、じゃあつまらなかったかというと
ちゃんと最後までその顛末を見せきる力が役者達にあって。
まあ、衝撃的でした。

後半の作品は役者達のパワーが
さらに持久力をもってみる側を巻き込んでいきます。
超人というところからして、
物語の構造を薄っぺらくするのに十分なのですが、
そのうすっぺらさを逆手にとるように、
役者達のかぶき方やパワーの掛け方が際立っていく。
最初は大丈夫かなと思う物語の構造が、
役者達の力技で見事にその姿を反転させ
立体感をかもし出し、観る側をその狂気に引き込んで行く。

舞台を狂気に埋め尽くさず、
ロールをちゃんとおいて、
狂気をノイズに埋もれさせることなく、
場の膨らみとともに見せるところも旨いなぁとおもう・・・。

終わってみれば、キャラクターのひとつずつも
役者のひとりひとりも
実に魅力的。

見終わってかなりばてたのですが、
そこまでに観客を集中させる力を持った舞台でありました。
音楽劇「ファンファーレ」

音楽劇「ファンファーレ」

音楽劇「ファンファーレ」

シアタートラム(東京都)

2012/09/28 (金) ~ 2012/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ファとレと、ソとラと。
たわいないおとぎ話のようで、実は神話のような重厚感もあり。音楽は優しいし楽しいんだけど、悲しみが常にひたひたとさざめくようで、好きでした。前売り5000円で自由席って新鮮。劇場へは早めに行く方がいいと思います。

リリィ

リリィ

劇団競泳水着

元・立誠小学校(京都府)

2012/09/28 (金) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

切なく狂おしく、切なく切なく
ファンタジーである。
そして、
リアルでもある。

上野さんがつむぎだした詩篇のような物語は、
成就を目指すのではなく、
ただ、
流れることのはかなさを描いた。

だから、こんなに胸に残っているのか。不思議。

ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

おぼんろ

ゴベリンドン特設劇場(東京都)

2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

もう一度、観たい!
おぼんろ【コベリンドンの沼】観劇。
廃工場を一大テーマパークに変身させている。
宮沢賢治を思わせるファンタジーな寓話は、欲望をいびつに浮き上がらせ、イマジネーションを沸き立たせる。
何という切ない少年の魂。

もう一度、観たい。

錯惑の機序、或いはn質点系の自由度 The Slight Light Like Sleight of Hand.

錯惑の機序、或いはn質点系の自由度 The Slight Light Like Sleight of Hand.

まごころ18番勝負

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/07/05 (木) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

二転三転四転
かなり裏返ったと思う。
映像で観たものの、その迫力というか、
言い知れぬものへの恐怖というか、
そんなものがアングラ的な匂いをさせつつ、
ゆっくりと揺らめいていた。

江戸川チックな推理劇としては、かなりのレベルだと感じる。
そして本筋にまったく関係ないキャラが問答無用で解いていく様も面白い。

なのにその浮遊感が、勿体無く感じる。
でもこんな演劇は大阪には無かったと感じました!!

少女教育

少女教育

シンクロ少女

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

シンクロにティ
3つの関係をシンクロさせながら進む展開。
かなりスリリングな展開であったと思う。

何故ならその関係に『性的』な要素が含まれていたからだ。

それだけに作品は、映像的であり写実的であり面白い。
構成力の勝利だと思う。

ズーキーパーズ ★第24回 池袋演劇祭「優秀賞」受賞作品★

ズーキーパーズ ★第24回 池袋演劇祭「優秀賞」受賞作品★

マグズサムズ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/09/27 (木) ~ 2012/10/01 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しめた
ドタバタコメディ。スピード感があって、キャラ設定もうまく、台詞回しがなかなかよかった。こういう、頭を使わなくても楽しめるコメディ、最近久しぶりに観た。残念なことは、客の中に小学生(低学年)がいて、母親と常に喋っているのでうるさくて集中できなかった。おそらく知り合い(か、身内)らしいかんじだった。これからは前説で、上演中はおしゃべりをやめるように伝えるべきだ。関係者の客ほどマナーが悪いのはこまったもんだ。

リリィ

リリィ

劇団競泳水着

元・立誠小学校(京都府)

2012/09/28 (金) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

評価が高いようなので、敢えて書きます
上手くまとまった、リリカルな芝居で、役者さんたちも脚本にマッチした丁寧で、的確な演技で満足して帰れるお芝居でした。

敢えてというのは、この世界観はせいぜい昭和40年代まで、或いは中学生までではないかという点です。

ここで描いているのは、リリィであって、she-gayではないですし、主眼点でもないと、一蹴されてしまえば確かにそうです。

それでも、リアルにshe-gayの生態を見る限りに於いて、ちょっと現代の現実とはかけ離れており、違和感を感じざるを得ません。

悪く書いて、ごめんなさい。

ライ・トゥ・ミー【終演致しました。】

ライ・トゥ・ミー【終演致しました。】

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2012/09/28 (金) ~ 2012/10/13 (土)公演終了

満足度★★★★★

冴えています
恵比寿駅前バーは、訪れる度に観客席も居心地の良い環境に作られ、日々劇場化しています。
作品も不器用で正直な人間模様をうまく表現していて、感動をもらいました。
恵比寿駅前バー・プロデュース公演は、連続外れなく満足な作品が続いています。

理系ヲタが、船上で恋する確率

理系ヲタが、船上で恋する確率

ドリームプラス株式会社

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2012/09/26 (水) ~ 2012/10/10 (水)公演終了

満足度★★★

=1/10^24
変に生々しかったです。

ネタバレBOX

新しい将軍様の妹の脱北劇。そこまで具体的に設定するとは、観ていて変に生々しかったです。

1/10^24(10の24乗分の1)の確率の男女の出会いは素敵ですが、相手は将軍様の妹で日本が受け入れずに韓国に亡命することになったのですから、さてどうなるのでしょうか。

植本潤さんの北朝鮮工作員は結構強そうで、どじっぽさからの豹変振りは良かったです。

終了後のスタッフの、お見送りの準備ができましたので、前列の方から順番にこちらのドアから出て行ってくださいには笑いました。
いつも心だけが追いつかない(終演御礼。ご感想お待ちしています。ワンダーランド・10月期クロスレービュー対象公演なのでぜひご投稿を)

いつも心だけが追いつかない(終演御礼。ご感想お待ちしています。ワンダーランド・10月期クロスレービュー対象公演なのでぜひご投稿を)

MU

BAR COREDO(東京都)

2012/10/01 (月) ~ 2012/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

おもしろいけど物足りない
登場人物もセリフも上出来で楽しめました。特に男子生徒がいい味を出している。あらすじを読んでから観たので、あらすじに書いてあったことが描かれていないのが物足りなかったかな。

ねぼすけさん

ねぼすけさん

バジリコFバジオ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/09/27 (木) ~ 2012/10/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

心地良い頭の痺れ
大いなるマンネリの面白さと、面白いことが面白くなくなる辛さ。

ネタバレBOX

ドジだけど笑いに溢れた昭和30年台の生活を送っている家族ですが、常に同じような形で失恋しているケン太郎や毎日の生活に違和感を覚えたきな子は一定の生活パターンに意図的に縛られていることに気付きます。

実は、彼らの生活は月に作られたスタジオセットの中の出来事で、それを放送で見て元気をもらう元気の無い現代人がいて、その現代人は地球と月の間のコロニーで暮らしています。きな子の夫のめめ男が不要な者や邪魔者を排除してスタジオ内を管理していたのでした。

そして、全ての番組に終わりがあるようにこの放送も最終回を迎えることになりました。きな子たちは生身の人間かと思いましたが、恐らく人型ロボットあるいは三次元の砂人形のようなものでしたから、この家族も恐らくは廃棄されるのでしょう。

ところで、最初サザエさんかと思っていた話が途中から渡る世間は鬼ばかりのように思えてきて、それならば最終回の後にも特番があるよ、廃棄されることはない、安心しなと言いたくなりました。

さて、そんなことは知らない彼らですから置いときましょう。このまま廃棄されるのを受け入れようとしていたきな子でした。きな子を地球再生の旗頭にしようとして奪いに来たコロニーの若者をいったんは排除しましたが、やはり一緒に脱出しようかというところで終了。

地球は放射能汚染か何かで住めなくなっています。彼女の元気な姿でみんなが地球再生に向かおうとする意欲が湧くならコロニーに行ってほしいと切に思いました。くいだおれ人形が今も活躍しているようにね。

今回は人形は前説だけかと思っていましたが、いきなり手の長ーい猫が。少なくとももう一人の猫は必要だったのでしょうか、疑問でした。
サムライ・ホット・スクール

サムライ・ホット・スクール

LIVES(ライヴズ)

ザ・ポケット(東京都)

2012/09/26 (水) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

LIVESの描くおじさんたちは、哀愁がいい感じに漂う
こういう人たちを描かせるとうまいなーと思う。

小さな幸せが、キラキラ光ってみえる、コメディタッチの人情モノ

ネタバレBOX

テレビのドキュメンタリー番組が、謎の侍集団『サムライ・ホット・スクール』を取材している。
彼らは、侍の格好をして、公民館に集まり、武士道を学んでいるらしい。また、時には、提灯を手に「見回り」と称して、侍の格好で町を集団でうろつくこともある。

ドキュメンタリーを撮影しているうちに、スタッフは彼らに違和感を感じ始める。
それは、彼らかが自らを語る様子があまりにもぎこちないのだ。
スタッフは、主催の元妻に会ったり、草食男子や、武士道研究家と対決させたり、さらに顔の割れていないスタッフをサムライ・ホット・スクールに潜入させたりして、彼らの本当の目的を探ろうとするのだった。

そんな物語。

前半は彼らの目的を探ることがメインとなり、後半は彼らはのことが描かれていく。

彼らは、就職が見つからず、派遣をやっていたり、ホームレスだったり、ネットカフェに泊まっていたりする、いわゆる格差社会の中の底辺に位置づけられる人々であった。
(ただし、おじさんを描くのはうまいのだが、草食男子というキャラは、少々おじさんが想像して書いたっていうイメージだったけど(笑))

かなり悲惨な境遇なのだが、見下したり、卑下したりすることはない。そこには「愛」がある。彼らの視線で物語が語られていく。

もちろん、見方によれば、甘い決着の仕方かもしれないが、めでたし、めでたし、ではなく、そこからのスタートというあたりが心地良いのだ。

人情的な、古くさい感じもありつつも(もちろんそれも好き)、今様な要素を散りばめた、コメディタッチの人情モノ。

笑いながら、小さな幸せが、キラキラ光ってみえ、少し気持ち良くなる時間を過ごすことができる。
(武士道を学ぶ塾の名称が、「サムライ・ホット・スクール」ってのも、なんだかなー、の感じでいい・笑)

次回は『知恵と希望と極悪キノコ』の再演で、シアタートラムということだ。初演も、この公演と同様の、日の当たらない者たちのなんとも言えぬ姿が描かれていて、面白かったので、期待したい。
田舎の侍 【8日(月祝)14時の回、当日券ご用意してあります!】

田舎の侍 【8日(月祝)14時の回、当日券ご用意してあります!】

劇団鹿殺し

HEP HALL(大阪府)

2012/09/27 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろかったよぉ☆
すげぇー!!
かっこいいし、おもしろいし、話もスキだし、なんせパフォーマンスがすごい☆
なんだろな… ミュージカルとかより全然おもしろいよね。
また絶対観に行こう。 嫌… 出ちゃいたい!!
そう思ったのです。

ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

おぼんろ

ゴベリンドン特設劇場(東京都)

2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★

観客を応援団に仕立ててしまう魅力
「参加型アトラクション公演」と銘打っているだけのことはある。
工場跡地の舞台に、手作り感満載の美術や衣装。
さらに観客の座席そのものも。

ネタバレBOX

会場に到着すると俳優さんたちが案内してくれる。
ここまでは普通にやる劇団も多い。
しかし、ここは直接観客に話し掛けてくる。「どこから来たのですか」などと。

ここから「参加型アトラクション公演」が始まっているのだ。

そして、演劇公演の開演前(!)に自分たちことや目指す目標を熱く語る。
こういうことは、これから始まる公演の妨げになる可能性もあるのだが(虚構の物語に入る前なので)、それでも構わず、熱く語る。
その語る姿には、単純に感動してしまう。「がんばれ」と思ってしまう。
これがあるとないとでは、続く演劇の受け取り方も違ってくるだろう。

そして、公演内容そのものも、熱っぽく、好感持てる真摯さがビンビン伝わる。
ここで、またやられてしまうのだ。「応援しよう」と。

この観客を取り込んでいく「戦略」は、観客席を走り抜け、本当に役者を間近に感じられる演出や、観客1人ひとりに語りかけるフレンドリーさ、さらに自分たちのこちをストレートに伝える熱量にある。それを実現するのに重要なことには、「(実際に)観客との距離が近い」ということがある。それには観客数が多くてはなかなか実現でしない。すなわち、「観客数はある程度に抑える」という方法が一番だ。これが戦略を遂行するためのひとつの「手法」であろう。

彼らは、観客の動員数を倍々にしてきたらしい。そして、今回は前回600人の倍、1500人の動員を目指している。その1500人の動員を達成するのに、1回のキャパが大きな会場を選ぶのではなく、単純に公演回数を倍にした。
すなわち、今までの「手法」(観客の数を少なくして役者との接触を大きくする)を活かすことを選択したのだ。それは、1カ月公演(!)という大きなリスクを天秤にかけての決断だ。

これは成功したと言っていい。
観客は自分を覚えてくれて、語りかけてくれる役者たちに感激し、リピーターになり、さらに友人・知人を誘ったりする。まさに戦略通りの展開であろう。

観客倍々の先にはシアターコクーンがあるらしいのだが、コクーンのサイズではこの手法は、そのままでは使えない。
つまり、1500人動員、1回の公演で最大でも40〜50人規模の現在から、コクーンに行くまでは、どうしても100人規模、200人規模等々、の会場を避けては通れないからだ。
その規模で観客との距離を縮めるために、単に客席の通路を走り回ったり、客入れのときに役者がロビーに出ているだけでは埋めることのできない隙間が現れてくるだろう。

それがやってくるのは、たぶん、3000人動員を目指す次の公演からではないだろうか(今回の1カ月公演を単純に倍の2カ月公演にはできないだろうから)。
そのときには、さらに何かアイデア、手法が必要になってくるだろう。ひょっとしたら公演内容事態も今までと違ってくるかもしれない。実際、物語のつくりはそれほどでもないし。課題も多いが、期待も大きいというところであろうか。

会場を大きくする、それが彼らの次の正念場であり、それを楽々と越えてみせてくれるだろう、彼らがとても楽しみである。

そして、コクーンの先には何があるのか、ということも楽しみでもある。

公演自体は、前半は少しだるいのだが、後半からのスピード感と泥臭い物語には飲み込まれた。ストーリー自体は特にどうということはないのだが、「役者が演じるから面白い」というこを実感させてくれる舞台であった。
それだけ役者が活き活きしているし、熱いし、うまいと思う。

ただ、いくつか書いておきたいことがある。
1つめは、主人公の少年は、17歳という設定なのに、なぜあんなに幼い台詞回しをしているのだろうかということ。早めにしゃべるときは普通の声色なのに、ゆっくりしゃべるときだけはにぜか幼い感じの声色になる。これはずっと違和感を感じた。

2つめは、ゴベリンドンが2階のほうからするすると降りてくるシーン。ホントにきれいにするすると降りてくるのだが、これって、結構危険ではないだろうか。もちろん本人もだが、客席のほうが問題だ。1つ間違えて手や足を滑らせたら観客の頭上に落下してしまう危険性がある。暗い中で、観客の姿も見えないであろうから、ここは(観客の)安全性を優先して、うまい方法を考えてもらいたい。これは後に書く、アクシデントを見たので余計にそう思った。

また、どうでもいいことだが、「銃」ではなく「剣」とか「刀」にしたほうが、演劇的な見栄えがしたし、「血」との相性(笑)も良かったのではないだろうか。
火薬と弾という疑問も残ってしまうので。

実はこの公演で、ちょっとしたアクシデントを見た。

役者が走り込んだ先に女性が座っていて、彼女の顔に役者の頭が激突したのだ。
「痛い」という小さな声を上げて、女性は顔を押さえ蹲った。
役者は当然それに気づいたが、ちらりと一瞥しただけで演技を続けた。彼女は顔を押さえたまま、劇場を出て行ったのだ。
この公演は舞台監督もいないし、劇場内にいるスタッフは音響と照明のみ。彼らは暗いのでたぶん気がつかなかったと思う。観客も気づいた人は少なかったのではないかと思う。
あのあと一体どうなったのか気になる。公演後のあいさつでもそのことにはまったく触れなかった。
勢いよくぶつかったようなので、怪我をした可能性もある。
劇団側の誰かが、フォローしたのだろうか?

この公演に行った方はご存じだと思うが、役者が観客席を走るところにはラインが引いてあり、開演前に注意が喚起されていた。しかし、ぶつかった女性は後から入ってきたので、その注意を聞いていないと思われる。
当たり所が悪かったら、顔に傷やアザができている可能性もあり、とても心配で、帰りもモヤモヤした気持ちをぬぐい去ることはできなかった。

役者はラインの上を走ると言っても、ラインの上だけをまっすぐに走るわけではないので、私がイスに立てかけていたアンケートの厚紙を蹴飛ばされたりもした。たまたま横を向いていたからアンケートを蹴飛ばされたのだが、もしそちらを向いて座っていたら、私は足を蹴られ、役者はひっくり返っていた可能性もある。

役者には照明が当たっていることもあり、観客がどこにいるのかはわかりにくいだろう。したがって、前記の2階から降りてくるシーンを含め、ラインとイスとの位置など、再度安全点検をしてほしいと思うのだ。

なお、このアクシデントを知った知人が後に劇団側に確認したところ「出演者のお知り合いだったとのことで、丁重なお詫びをしたそうです」とのことで一応安心した。
ただ、本来ならば、劇場内にフォローするスタッフがいないのだから、いったん公演は中断するべきではなかったのか、と思う。
ズーキーパーズ ★第24回 池袋演劇祭「優秀賞」受賞作品★

ズーキーパーズ ★第24回 池袋演劇祭「優秀賞」受賞作品★

マグズサムズ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/09/27 (木) ~ 2012/10/01 (月)公演終了

満足度★★★★

そこにいない動物が観えた?
 主人公が動物園の仕事の面白さに次第に目覚めていく過程がとてもよく、息子が父を演じることになることになるシチュエーションもかなり好きです。
 周りの観客にも大いに受けていて、観終わった時の感じでは満点でした。

ネタバレBOX

 ただ、今考えてみると、園長がテレビクルーを引き連れて行くシーンで、各動物らしい対応をもっと身振りをいれてもらった方がいいかな。さらにジョモがホワイトライオンの赤ちゃんをバッグに入れるシーンでは例えばマギー審司のように見え見えの手業で生きている感じを出す工夫なんかもいいと思います。
 後、TVの方々は納得して帰りましたが、オンエアされればどうせばれる話なので、ここはキャスターが義夫の活躍に感動して、納得したうえで「延長だけでなくスタッフ全員の頑張りを描くように内容を変更した」というオチにもっていった方がつじつまが合うのではないでしょうか。
 もっともかなり良質のコメディだとは思いますが。
ねぼすけさん

ねぼすけさん

バジリコFバジオ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/09/27 (木) ~ 2012/10/02 (火)公演終了

満足度★★★

う~ん、設定を理解しようとするも、
目の前で繰り広げられるドタバタがあまりにハイテンションなので、「ええと、これって夢・・・・じゃなくて、誰かの作り上げた世界??」と考える間も無く、あれよあれよとSFになっていく。え?いつの間にこんな設定に?と付いていけない。役者さんが皆可愛く、愛すべき人物として描かれているので何とか理解したいのだが、そうしようとすると設定が理解できない、設定を理解しようとすると、ドタバタが笑えない、というジレンマに陥ってしまった。台詞がきれいで、俳優さんは皆実力者揃いなのですが、賞狙いでちょっと凝り過ぎかなぁ、と・・・・。現実とシュール、ドタバタと不思議な違和感、よく分からない人形、得られないカタルシス、なんだか不消化な感じが残る。

ねぼすけさん

ねぼすけさん

バジリコFバジオ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/09/27 (木) ~ 2012/10/02 (火)公演終了

満足度★★★★

演技力の高さとアイディア
演出のアイディアが斬新。
他との違いが明確で、独特の作風の人形がとても魅力的。
前説がものすごく面白かった。

日常を描く話は役者が上手くないと面白く観れないけど
これは面白かった。


ネタバレBOX

催眠術師など謎の存在や泥棒を飼うなど、シュールな点がありそれも味になっていて面白い。
終わりにむけて、普通ならきなこがこんなのひどいよやめてよと旦那に言う展開かと思いきや
逆にきなこは自分の生きている日常を守りたかったことが意外だった。
いきなりサザエさん的な家庭が、地球ではなく月で、造られた生活であったというのも意表を突いていた。
時々見る話だけど、日常がリアルに描かれていてそのような発想が浮かんでこなかったため
受ける衝撃はおおきい。脚本と演出の力が大きいのだと思う。

帰りに、人形を販売していた。非常に高品質。
ベアードを買って帰ったけど、家に帰ってからHPを拝見したら
鬼太郎がものすごいクオリティだった。
あれはもっと早く行けば販売していたのかなあ?
だったとしたら早く行かなかったことを激しく後悔。
ことほぐ

ことほぐ

intro

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/09/29 (土) ~ 2012/10/01 (月)公演終了

満足度★★★★

おかずはないが飯はある
本来めでたいはずの妊娠を誰からも祝福してもらえない3人の女が
ひとつ屋根の下で貧乏共同生活をしている。
根拠のない希望を食い散らかして、絶望を蹴散らして
生まれて来る子どもと2人分あがきまくる女たちに、私はいつしか寄り添っていた。

ネタバレBOX

劇場へ入ると、舞台を挟んで奥と手前に向かいあうかたちで客席があった。
奥の客席へは黒い敷物の上を歩いて舞台を横切って行く。
舞台中央が3人が共同生活するアパートの部屋。

北海道の盆踊りには「子供の部」と「大人の部」があり、曲も踊りも違うのだそうだ。
隣の公園からその「子どもの部」の盆踊りが流れて来る部屋で
お腹の大きい女3人が元気に喧嘩している。
水道代として渡した2千なにがしのお金でピザを食べてしまったさとみ(のしろゆう子)を
その妹えりこ(柴田知佳)と家主である愛子(菜摘あかね)が責めているのだ。

愛子は不倫相手の子を妊娠している。
さとみはDV夫から逃げて来て別れたいと思っている。
えりこは誰の子かわからない子どもを産もうとしている。

いやー、落ち込んだり文句言ったりしながらもたくましいやね。
一環して「産むのだ」ということに迷いが無い(妊娠初期には迷ったかもしれないが
結果として産むと決めた)、後悔する発言が皆無であることはすごいと思う。

社会のせい、相手のせい、自分のせい・・・たぶん全部あるだろうが
“複合貧乏”みたいなこの状況をどう見るか、その視点によって道は決まりそうだ。
役所へねじ込むか、相手に慰謝料を要求するか、プライドを捨てるか。
3人はそのどれをもしないで「妊婦が幸せじゃないなんておかしい」と憤り、
「私たちは貧乏じゃない」と呪文のように唱えている。

多分ひとりではこの状況を受け容れられないだろう。
だから3人は喧嘩しながら、「出てけ!」とキレながら、それでも一緒に丸くなって眠る。
親切ごかしに近づいてきた隣人(加藤智之)の、“自分より下を見たかった”という告白に
ようやく誰かのせいにしている場合じゃないと目が覚めて
さとみは離婚を決意、一番行きたくなかった場所、実家へ頭を下げて戻ろうと決める。
えりこはパートナーが必要だと、自分達を下に見て喜んでいた隣人に
「この子の父親になりませんか?!」と言ってみたりして相変わらず懲りない女だ。

出演者全員の盆踊りが賑やかに繰り広げられ、ひとり、また一人と舞台を去って
愛子だけが取り残されたように佇んで終わる。
盆踊りが「子どもの部」から「大人の部」に移って、
時間の経過と地域性、妊婦たちの変化が映り込んでとても良かったと思う。
照明がまたとても繊細で効果的だった。

妊婦は皆孤独だが、救いが無いわけではない。
愛子の兄や、えりこのバイト先の上司だって優しい人達で心配してくれている。
文句言いながらもさとみの実家は助けてくれるだろう・・・。
社会を代弁するような隣人の無職男だって、水は提供してくれる。
この男を含めた4人が、おかずも無しで白いご飯を食べる場面が良かった。
米と水と、互いにあるものを持ち寄った結果の白いご飯だ。
全員丁寧に「いただきます」と箸を取って無言で食べた。
本来あるべきおかずはないが、白いご飯はあるじゃないか・・・。
切ないながら希望が見えて、何だかちょっとほっとしたのだった。

「ことほぎ」「ことほぐ」と来て、次は何だろう?
「ことほいだら・・・」どうなったのか、続きを見てみたい気がする。
中野坂上の変

中野坂上の変

小西耕一 ひとり芝居

RAFT(東京都)

2012/09/27 (木) ~ 2012/10/02 (火)公演終了

満足度★★★

観に行けました
突発で行ってきました。
単発ストーリーの5本立て。

ネタバレBOX

端的感想
ちょっと早口でききとりにくかった
ちょっと重かったのが私にはつらかった
けど展開面白かった
想像力弱いので2つ目以降オチが理解しきれなかった

はじめの一つは落ち弱かったけど、わかりやすかった。
後半になるにつれて重くなっていったと言うか
お腹痛くなっていった。基本ラストまでダークなままとか、お腹痛くなるのでちょっと苦手意識 (´・ω・`)
一人芝居 お一人様
初めてだったので、独特さが印象に残った。
折角一人でいくつものお話できるのだから、違うキャラクターも見たかった(´・ω・`)
少なくとも後半は似た感じが強く残った。
雰囲気は結構好きなんだけど、声張らなくても、怖さでるきがする(´・ω・`)
そんなのも、みてみたかったなぁ。
今回のような雰囲気が合う役者さんなのかな~多分と思いました。
観に行ってよかったです。
また、感じの違うお話の時に観に行ってみたいです。
ダークは続くとお腹痛くなるので(・ω・)
っとまぁ。解説というか いろいろ後で読んでちょいちょいわかるとおもしろさが増すので、やっぱりその場での理解力を上げたいなとつくづく思いました。


っと、自分で書いている感想うがあまりに個人的すぎるので以下割愛。

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