最新の観てきた!クチコミ一覧

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『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

劇団チョコレートケーキ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

『あの記憶の記録』観てきた!
もうね、これはね、ぜったいにたくさんの方々に観て欲しいですよね。そして、観劇後はお家に直帰したくなります。帰っても誰も待つ人がいない場合は家族持ちたくなります。文学座の『NASZAKLASA(ナシャクラサ)』を観ているのでさらに感慨深く物語を受取りました。

ネタバレBOX

劇団チョコレートケーキ。次は何をみせてくれるんだろぉ。そんな期待感ふくらませても裏切らない劇団になってますね。
否定されたくてする質問

否定されたくてする質問

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★

笑い多め
いやいや、くぼかんは太ってるから。
白石廿日良いね。伸びてんなぁ←えらそう。
今回やたら衣装が気になった。

ネタバレBOX

暗くないと成立しないから仕方ないけど、
うっしーとくぼかんのシーンは表情も観たかった。
珍しくハッピーエンドと言っていい気がする。
『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

劇団チョコレートケーキ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

『熱狂』観てきた!
吸い込まれるまま舞台に酔(す)い込まれてきました。そうか、…。

ネタバレBOX

「演説」なんだよ!!あとね、「裏切り者!!」の台詞にはドキッ!なんか胸が張り裂けた。堰がきれた。男芝居だよ。
そのゆびにぎって

そのゆびにぎって

Pityman

ひつじ座(東京都)

2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっと"おかしな"人たち
メインテーマはとても重たいものなのだが、
出てくる人たちが、どこか"おかしい"人たちばかり。

でもそれほど、皮肉が強くなく、ちょっと軽快な感じで描かれているので
どこかコメディタッチに見えた。

特に、セリフ回しはなかなか楽しかった。

ネタバレBOX

ガムテープの意味は終演後、お伺いして初めて分かった。
それで結構つながった。

しかし、どの登場人物もどこか自分中心でおかしいのだが、
どこにでもありそうな感じで描かれているので
案外自然に見えるのが不思議だった。


死人にクチナシ?

死人にクチナシ?

あの子どこの子おかざきさと子

明石スタジオ(東京都)

2012/11/02 (金) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

くすぐってぇよ!笑
くすぐり連発で、キモチイイ!そして、オモシロイ!!

明石スタジオ超満席で、キツキツだったのに・・・「もっともっともっと観ていたい!」って思っちゃうほど気持ちよかったなー。テンポも良かったし。

プロフィールを見ると、脚本・演出のおかざきさとこサンは、映像畑の方のようで。

言われてみれば、セットもそんな感じだった気がしないこともない(←もちろん、自信は相当に無い見解さ)。 でも、「明石スタジオってこんなに広かったんだ・・・」って感じたのは事実。よくあるセットといえばそうなんだけど、なんか新鮮。

脚本は、徹底的にベタ。でも、くすぐりのパンチが効いてるんだよね。スル~っと流れちゃうようなくすぐりじゃなくて、グリップが効いてる感じ。内村航平くんの鉄棒のフィニッシュくらい決まってる。

ま、基本くだらねー くすぐりなんだけどね!笑

きっと、おかざきさんて引き出しの多い女性なんだろうなあ。なんかすごく好きなタイプの脚本だった。どこかしら、洗練されてるというか・・・清潔感すら感じたよ。

ま、繰り返し言うけど、くだらねーくすぐりから成ってるといっても過言ではない作品なんだけどさ! ラストも、腰が粉々に砕け散るような代物だしね(←でも好き 笑)

そして、役者がイイ! 全員抜群!!

おかざきサンの脚本・演出を褒めた後に言うのもなんだけど、この役者陣あってこそ、高いクオリティのコメディに仕上がったと言っても過言ではないかも。

7%竹の武藤心平さん。カンペキ。使えないエリートの「かりあげ」にボクは涙した(笑)

次回作が今から超楽しみ!!!!!

逃げる五右衛門

逃げる五右衛門

斬撃☆ニトロ

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2012/11/02 (金) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

痛快痛快
初めて見ました。メチャメチャ聴きやすい滑舌で、最初からスッと入ってきました。ストーリーは、一目瞭然考えずに、素直に観れてスカッと最後のまで、気持ち良く観れました。

☆4つは、会場までが、遠いからと言う事です。

恋愛漫画~バンカラ編~

恋愛漫画~バンカラ編~

ライオン・パーマ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/10/25 (木) ~ 2012/10/29 (月)公演終了

満足度★★★★

笑った。
いくつも話があってなんかオムニバスみたい。
それに観てて飽きがこない。

ネタバレBOX

漫画家が描いたマンガの作品を演じる場面が何回かあって、いい意味で少年漫画の王道というべきか、セリフのひとつひとつがとてもカッコ良くて気持ちがよかった。漫画の話自体もとてもユニークで面白かった。最後の展開は、途中で読めるんだけど、それ以上にとても笑った舞台だった。最後も少しウルッときた。
東京バンビ 最後の公演 !?

東京バンビ 最後の公演 !?

元東京バンビ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/10/16 (火) ~ 2012/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです。
舞台装置はとてもシンプルな作りで、ビラにも解散のことは書いてあっても実際の舞台のあらすじはどこにも書いてない。
 そのため、どういう風に話が転がっていくのかとてもワクワクして見れた。
演劇人の稽古風景もリアルで、演劇経験のある自分はこんな場面ある。ある。と頷いてしまった。

ネタバレBOX

最後の終幕まで結局本当に解散するのかはわからなかったが、とても熱い気持ちが伝わってきた。できることなら続けてほしいです。
WAR Revolution

WAR Revolution

劇団EOE

池袋GEKIBA(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団自身の過去現在未来
この劇団のお芝居はフィクションかノンフィクションかわからないとよく言われているが、本作もまたスポーツものの形は取っているが、劇団の過去現在未来を投射した作品となっている。勿論初めてこの劇団を観る人もそれなりに楽しむことは出来るが、この一年余追いかけてきて初めて見えてくるものも多かった様に感じる。
一年前にやむを得ない事情で卒業して行った熊谷や、かつてのアクション講師の倉田に対する愛情やカムバックコール、いつになってもいいから帰っておいでという主宰の気持ちがよく分かる。
劇団員に対しても同様で、金澤には自分で決めた道を追いかけてごらん、気が向いたらいつでも帰っておいで、菊池にはできることなら続けて欲しいという想いが、木崎にはツートップに続く第三の柱はお前だぞと言っているようだった。
一昨日も実は観たのだが、わずか中一日で芝居が大きく進化していたのも大きな驚きであった。勿論衣装が変わったことも一つではあるが、確実にレベルが上がっていた。このメンバーでやるのはこれが最後との皆の想いが、進化させたのだろう。
明日も行きます。本当の最後の舞台、しかと観せていただきます。

もの言わぬ火車

もの言わぬ火車

鬼の居ぬ間に

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★

『もの言わぬ火車』
旗揚げ公演ということでしたが、役者の皆さんものすごい集中力で途切れることなく最後まで観られました。


また機会があれば拝見したいです。

しあわせの詩

しあわせの詩

One on One

萬劇場(東京都)

2012/10/26 (金) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

響いてくるものがある
非常に見応えがありました。どちらのバージョンか把握できてなかったのですが、心の琴線に触れるところが多かった作品です。勿論、個人的に気になるところやダメはあったのですが、それを引いても楽しめました。以下

ネタバレBOX

まず小屋に入ると既に静まり返っており、役者さんが既にいたのでしょうか。開演前からもう始まっているような。観客を引きつけていて面白いです。あのような見せ方なら、逆にスタッフさんの案内、あちらを静かで滑らかに行って、他の観客の妨げにならない配慮がもっと欲しかったです。
ダンサーの方の動き、どこでも見そうな狐の面を使った表現。素晴らしかった。妖しく美しいという言葉が合います。歌もどこか叙情的で暖かくなります。不死の設定や話の流れも、九州に限ったことなのかとかツッコミもあるけど、特に絆創膏の件が活きていたりと良かったです。どちらのキャスティングかわかりませんが健さんかな、何か固くて違和感ありました。旅立っていく時の雨、満月の背景、内側に何かが伝わってきますね。
良いところばかりではなく、気になったのも幾つか。1番は尻尾を大事に扱おうよ、というところ。動線の邪魔にならないような、身体の一部としての意識はあまり感じませんでした。尻尾思い切り掴んでてリアクションないのもしっくりこず。観客に眩し過ぎて、お客様によっては不快な人もいたのではないでしょうか。そんなのもありますが、とにかく、話というより全体を通じて感動できて感謝です。
エッグ

エッグ

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高!!
毎回、良い衝撃を与えてくれる☆ 今回は久々の立ち見だったけど、最後には涙を堪えている自分がいた。いつもアハハって笑っているのに最後はズドーンって衝撃がくる。予測不能な展開と演出が大好き☆

逆にむつかしい(汗)

逆にむつかしい(汗)

SORAism company

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

笑いました!
漫才(?)を観ているような感じで、面白かったです。可笑しくて、何度も噴きだしてしまいました。コントを集めた舞台と思っていたら、ちゃんとストーリーがあったので、それも良かったと思います。個人的には、客演の富永さんが可笑しくて仕方なかったです。また他の舞台も観たいと思いました!

「貧乏ネ申」-The Poor Zombies-

「貧乏ネ申」-The Poor Zombies-

赤星マサノリ×坂口修一

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2012/10/27 (土) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

男同志・・・いいなっ
なんと、前半のゆるさというかテンポで頭が和んでしまい、睡魔が!!
伏線がいっぱいあったため、後半で後悔(涙)
連日の睡眠不足が影響した・・・。
観劇の前準備を怠るなかれ!ですね。
1回目より、2回目の方が楽しめる作品なのかも。
話の設定が同年代だったので、妙に共感してしまった。

ネタバレBOX

新聞が貧乏さを強調した舞台装置でした。
どうしょうもない男2人に、どういう展開になっていくのかと思っていました。
まさか中学時代まで遡るとは!!
どちらも、取り戻せない時間に囚われ過ぎて、現在の時間の流れに乗れなくなったんだぁ~と感じました。
駄目男とネ申は、これからも接触することがあるのか、ないのか・・・。
お互いが、今を生きていく支えになっていけばいいですね。

アフタートークも面白かった。
今まで、いろいろなアフタートークを観てきたが、その中で一番です。
笑う巨塔

笑う巨塔

東京セレソンデラックス

サンシャイン劇場(東京都)

2012/10/03 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★

最後は笑で
劇団としては半分の歴史しか見ていませんが
とうとう解散、流石に寂しいですね。
最後は笑って事で、東京の軽演劇な作品でホンワカ終了。
最後も、泣ける新作で終わってくれた方が好みですが
色々ありがとうございました。
舞台の内容については面白かったくらいしか言えない内容。
金田さんの言葉にだけはグッと来たぜよ!

ネムノキノシタニ

ネムノキノシタニ

サンハロンシアター

Geki地下Liberty(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

それぞれの都合
平均年齢40代という大人な役者が演じるに相応しい内容。個々の事情が浮き彫りにされお墓を巡る問題は入る本人もさながら、遺族の問題でもあることを描いていました。一見、樹林墓地を題材にしたものですが、墓地ツアー見学に参加された方達の家族や生き様を描いた物語でした。

もの言わぬ火車

もの言わぬ火車

鬼の居ぬ間に

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネホリーとハホリー☆
初日に観劇してきました。「つかみ」はGOOD! 
ぐいぐい引き込まれます。
ラストも、なるほど! と唸らせる場面があります。 
ホラーでなくて、純文学のような舞台。
好き・嫌いが分かれると思いますが、自分は面白かったです。
ブログに観劇記録を書きました。

完全版・人間失格

完全版・人間失格

DULL-COLORED POP

青山円形劇場(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/07 (水)公演終了

満足度★★★

みた
男版。
短編の時には見ていない。
舞台はすぐそこなのに、物語が遠かった。主役は良かった。もともと原作にのめり込めなかったせいかもしれない。二時間弱が妙に長かった。
音楽は様々使っていたけれども、あまり効果的には思えなかった。

ネタバレBOX

取調室の場面は、つかこうへいの芝居みたいで笑った。
完全版・人間失格

完全版・人間失格

DULL-COLORED POP

青山円形劇場(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/07 (水)公演終了

満足度★★★

男バージョン
男バージョンと女バージョンでは演技の仕方がかなり違うのかなと正直思いました。
良くも悪くも原作通りの人間失格のようで、緩急の付け方もパターン化してたので途中とても心地良くなったりで。

円形という劇場の効果を余すところなく使ってて、どの席からでも楽しんで見れるんじゃないかなと思いました。
音楽と照明も良かったです。

女バージョンも見たいけど時間の都合がつかなさそうなので、次はオリジナルの脚本の時にぜひ観劇したいです!

新美南吉の日記

新美南吉の日記

オクムラ宅

土間の家(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

童話『ごんぎつね』の作家・新美南吉の物語の向こうに、10代〜20代前半の青年が醸し出すハズカシさを感じた
世田谷・下馬の住宅地にポツンとある、古い民家・土間の家での上演。
夜は冷えるので暖かくして行ったほうがよい。
上演時間90分・前売1200円(!)

ネタバレBOX

日記は恥ずかしい。

書くのも、もちろん読むのも。

『ごんぎつね』などの童話作家として有名な新美南吉の日記をもとに構成された舞台。
新美南吉の17歳〜22歳ぐらいまでの日記から内容を選び、「私」というこの作品の作家の視点や、新美南吉の恋人M子からの視点も加わり、フィクションが、新美南吉のノンフィクションを削り出していく。

自意識過剰で、自虐的なところがストレートに見えて来る新美南吉。これだから日記は恥ずかしいなと思って観ていると、どうやらそれだけのせいではなさそうだ。
作品自体は新美南吉の物語だと思っていたのだが、中盤から「新美南吉」という人物を通して、10代〜20代前半の若い青年が持つ、ハズカシさが溢れてくるのだ。
たぶんそうした年齢を過ごした多くの人が感じるであろう「あの頃は私はバカだった」というような「ハズカシさ」がそこにある。
日記という赤裸々なものだから、そのときの感情が露わになっているので、さらにその「ハズカシさ」は輪を掛けていく。

小学校の教員であるにもかかわらず、貧乏の子どもを避け、「やっぱり顔がいいと良い点数を付けてしまう」「みすぼらしい服装の子どもと一緒にいるところを知っている人に見られたくない」などとまで言ってしまうのは、本音であったとしても、かなり恥ずかしい言動だろう。

日記は誰に書いているわけだもないのだけど、それがすべて事実であるとは言い切れないが、本音であることは確かであろう。
「本音」と言っても、ストレートにそれを記しているかどうかはわからない。ただし、事実であろうがなかろうが、ストレートな本音であろうがなかろうが、実のところ、書いていることの矛先は、どうやら新美南吉自身に向けているようだ。

自分のことを、貧乏だとか継母に虐められたとか、ありもしない想像までも書き連ね、自虐的になっていく。

自虐的なところと自意識過剰なところは表裏一体であり、あとからその行動や言動を自ら振り返るとかなり「イタイ」。だから、とても「ハズカシイ」。

新美南吉がのちのち日記を読み返したら、そう感じたのではなかったのだろうか。
彼は、29歳の若さで夭折してしまうのだから、あとから日記を読み振り返り「ハズカシイ」と思うことがあったのだろうか、なんてことも思ってしまう。
しかし、この作品で、われわれ観客が彼の「ハズカシさ」を見、そしてわがこととして振り返ることで彼の日記は生きてくるのかもしれない。
新美南吉にとってそれは本望でないにせよ、「青年期のハズカシさ」の「供養」にはなるだろう。

私たちもそうした「供養」を経て少しだけ大人になるのかもしれない。

「ハズカシイ」にはやはり「恋愛話」は外せない。

新美南吉の日記に出てくるM子という女性との恋愛話は、とても心にグサリとくる。もちろんまったく同じ体験をしたわけではないのだが、若いときの恋愛とは、ともすれば身勝手で自意識過剰の嵐の中にあるわけで、新美南吉にしてもM子との関係では、自分の身勝手な妄想や自虐的な感覚の裏返しから発せられた言葉で、破綻してしまう。
このあたりの様子は、自分の、それぐらいの幼さを思い出したりして、泣きそうになるぐらいグッときてしまうのだ。

自分にもあった、若さ故の「ハズカシさ」だが、自分と遙かに違うのは、新美南吉は、そうした中で作品に昇華していったことだ。
ここがクリエイターと、凡人の違いなのかもしれない(笑)。

そして、ラスト。
『ごんぎつね』の最初の原稿にあり、カットされてしまった「ごんぎつねは、うれしくなりました」の言葉にまたグッときてしまうのだ。
彼の詩『貝殻』にも。

窓を開けると、外には新美南吉とM子が恋人のように楽しそうに歩いている姿が、下馬の車道に見えてくる。
これは、誰もが眠れぬ夜に布団の中で「あのときこうしていれば…」と、取り返しのつかない過去をくよくよと妄想する、誰もがご存じの「あのシーン」なのではないだろうか。
新美南吉がそうしたかどうかはわからないが、「こういう姿もあったかもしれない」と思ってしまう、選択しなかった未来の1シーンだったのではないかと思う。

奥村拓さんという人は、(たぶん)もの凄く生真面目で、(たぶん)そんなに器用な人ではないような気がする。
そんな人柄が表れているような、彼の作品(演出)が好きだ。
これからも観ていきたいと思わせる。

役者は寒かったのか、特に前半呂律の問題や台詞の問題があったが、いい雰囲気であったと思う。

前半、波を作るためか、少しオーバー気味な演技や声を張るシーンがあったのだが、これは少し違和感を感じた。無理にそんなにしなくても、そのままのテンションでいいのではないか、と個人的には思った(後半は別)。
それと、素人考えではあるが、『ごんぎつね』のラストが作品のラストと重なるところがあるのだが(詩『貝殻』との関係を整理しなくてはならないが)、そうであれば伏線として、この作品の内容と絡めつつ、『ごんぎつね』を劇中劇として(ラストでけでも)入れてあったらよかったのではないか、とも思った。

…これぐらいのキャパで(私が観たときは8名。マックスでもそんなに多くは入れそうにない。20名は無理かな?)、こんなに安い料金で大丈夫なのかな、と思う。ずっと続けてほしいから、料金はもう少し上げてもいいんじゃないかと思ってしまう。

余談だが、この公演を観た帰り、会場からわずか数十メートルの住宅地ででハクビシンに遭遇。キツネじゃないのが残念だけど、奇跡の出会いだ。
寒かったから手袋を買いにいくのかな、兵十の家に行くのかな、なんてね。

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