月とスイートスポット
ヨーロッパ企画
アマノ芸術創造センター名古屋(愛知県)
2012/11/28 (水) ~ 2012/11/28 (水)公演終了
満足度★★★★
ヨーロッパ企画「月とスイートスポット」観ました
とっぴな設定が支える、空気感の異なる多層セットの使い方や、原典シェイクスピア演劇のごとき役者の兼役の効果。演劇のお約束を振り回す、いかにもヨーロッパ企画らしい手堅さ。
キャラもほとんどが背景を持っていて、生き生きしている(最後の登場人物はさすがに…w)。彼らのドタバタは、あるいは全てが、ラストの二人が「あの日に帰りたい」と、見ていた幻想だったのか…
さんざん笑えて、ほろりと切ない舞台。
『地球☆空洞説~ちきゅう☆くうどうせつ~』The hollow Earth theory(世界初演!)
流山児★事務所
みらい座いけぶくろ(豊島公会堂)(東京都)
2012/11/22 (木) ~ 2012/11/29 (木)公演終了
満足度★★★★★
流山児☆事務所「地球☆空洞説~ちきゅう☆くうどうせつ~』The hollow Earth theory(世界初演!)」観ました
歴史があって広い場内をフルに使う天野天街スペクタクル。2時間どこを見ても見所だらけ、少年王者舘フリーク鼻血(笑) 開演前の公園、終演後の劇場上空にまで芝居が溢れるワイルドさ。二時間しか経ってないとは…終演したのがしばらく信じられず…。
そして、「地球空洞説」という概念に惹かれるのは、己の空虚さへの憂いか…孤独感にさいなまれる場面も。同じ日に、寺山修司の出身地、青森の劇団・野の上「東京アレルギー」を観たのも何かの因縁のような…
終演後、天野さんにご挨拶してたら、天野さんのお友達曰く「ドリフの公開録画みたいだね」 場所の力(笑)
お姉ちゃん讃歌
創像工房 in front of.
相鉄本多劇場(神奈川県)
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
雑味が多いのだが・・・・
値段と熱量を考えると→褒めるしかない(^_^;)
よく動いていましたし、十分に楽しかったです。
ネタバレBOX
満席で、年齢層は学生さんみたい若い方々多かった。
男女比はほぼ1:1でしたかねぇ
ラーメン症候群の為、母親と同じくラーメン100杯つくると死んでしまう姉にラーメンを作らせないように店を無くせば大丈夫と考える弟は病気のことを隠し、店を続けたい姉と大喧嘩しつつ店の乗っ取りを画策していきます。
すったもんだで和解→大団円となりますが・・・・
まぁ登場人物が濃くて面白く、各々のエピソードが楽しめました(^^)。
弟君のテンションの高い彼女と大間のマグロのヌシがお気に入りです。
マグロは終劇後には出口でお見送りしてくれましてウケマシター
東京アレルギー
劇団野の上
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/11/23 (金) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
野の上「東京アレルギー」観ました
前作「ふすまとぐち」三重公演を見逃したのと、愛知芸文20周年記念「金の文化祭」でお世話になったくにおーじが客演、というので観に行きました。
前後半の言語の現実との入れ違いは、主人公の周囲への主観的感覚か。精神と身体の、拒絶反応の連動。前半での恒常的、後半でのじわじわ迫り来る圧倒的な孤独感や絶望感。それを絶妙な間合いと観察力で、しょうもない笑いに乗せて見せつける。ラストの輪舞では涙しそうに。爆発力に限らないパワーが充満した、おそらく東京では作りにくい舞台。
客演・くにおーじが、何気にやりたい放題(笑)「金の文化祭」の私のような立ち位置。。。
M-PAD2012まとめ見
M-PAD
四天王寺スクエア(三重県)
2012/11/24 (土) ~ 2012/11/24 (土)公演終了
満足度★★★★
M-PAD「M-PAD2012まとめ見」観ました
最後の青年団・山内健司さんの演目のみ時間の都合で観れず。残念…
しかし、このしたやみ(京都)→百景社(つくば)→烏丸ストロークロック(京都)が次々舞台に上がる光景…まさに色とりどりのコース料理。
単なる本読みに収まらない、それぞれの趣向を凝らした味付け。
〈このしたやみーシンプルかつ幻想的なセットの中で、初老の男の哀愁を〉 〈百景社ーポップソングに乗せて、古典文学を今そこにあるものに〉
〈烏丸ストロークロックー徹底的に言葉を大事にして想像させる、人の愛憎〉
三重がつちかってきた各団体との連係がもたらした、リーディングの可能性をたっぷり楽しめる豪華な公演でした。
D51-651
パラドックス定数
上野ストアハウス(東京都)
2012/11/27 (火) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
事件によってかかわりを持った人々にとっての、下山事件
事件の謎解きではなく「人」。
あいかわらず、うまい台本にうまい男優たち。
120分釘付け。
ネタバレBOX
下山国鉄総裁が轢死体で発見され、その死亡の状況から、不自然で謎が多く、ついに迷宮入りしてしまった「下山事件」を扱ったパラドックス定数の事件モノ。
下山総裁を轢いてしまった蒸気機関車「D51-651」を運転していた機関士と、この事件の周囲にいる人々の話をフィクションとノンフィクションを行き来しながら、というパラドックス定数お得意の手法によって描く。
この舞台では、「下山事件」の真相究明や謎解きが行われるわけではない。
機関士とその助手、そして同じ貨物列車に常務していた車掌の3人と、事件によって彼らにかかわった弁護士、刑事、そして役人たちの動く様が語られる。
「事件そのもの」が語られるわけではなく、事件の真相のひとつではないかということが囁かれていた「国鉄職員の大量解雇」と「それに反対する労組」という構図が、浮かび上がる。
しかし、それは、「謎解きのためのアイテム」や、他人事のような「解雇」「首切り」ではなく、「仲間」や、「明日の自分たち」のことという身近な出来事として語られ、車掌はかつて組合運動をしていたことから、微妙な立場に追いやられていく様が描かれる。
経営側と組合側のどちらにいるか、ということではなく、そのときの現場の様子なども台詞にうまく盛り込まれていく。
さらに、事件の裏で蠢く得体の知れない何か。それも事件の真相を究明するというよりは、彼らにどう影響を与えていったか、という視点だ。
この構成は「さすが」だと思った。
正直、「下山事件」の「謎」を解いていくとすると、松本清張のベストセラー『日本の黒い霧』や、その後、数多く出版された書籍、さらに熊井啓がメガホンを取った『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』を、超えるのはかなり困難だと思うからだ。
たとえ、それらを起点として、フィクションを交えていったとしても、それらの偉大な作品群が観客の脳裏から離れづらいということもあろう。
そこで、そことは少し距離を置いての、この作品となるわけだ。
「事件」より「人」、というか「人間臭い」物語になっていたと思うのだ。
したがって、主人公たち「末端」の人々にとっては、「お役人」や「国鉄の非現業(国鉄職員なので役人ではない)」の人たちは、「上の人」であり、彼らが「誰なのか」は知ることもないし、知ることもできないのだ。
だから、「お役人」は、 植村宏司さんが「1人」で演じるわけなのだ。
そういう視線からの「下山事件」ということなのだ。
この植村さんが演じる「お役人」というのが、なかなかのミソである。これは演劇だからできることなのだけど、彼は、そのシーンによっていろいろな「上の人」を、瞬時に演じ分ける。
たとえば、「下山総裁その人」や「下村総裁に似た人(幽霊と思われる人)」などもそこに入る。
映像作品であれば、下山総裁の轢死体が見つかった場所にいる男が、「下山総裁の幽霊ではないか」と思われるというのは、下山総裁に似ていなくてはならない。しかし、彼と話をする弁護士は、最初はそう見えておらず、後から「幽霊だったのでは」と思い出すというのだが、これは「似ていたり」「似ていなかったり」するとできないことなのだ。
台詞だけで観客をそう思わせるという演劇的なマジックであると言っていい。
ただし、この「上の人(役人)」が「今、彼は誰なのか」がわかりにくいので、戸惑う観客も多かったのではないだろうか。
車掌との関係もあったりしたので。
刑事も同様で、「警察」という組織のようなものを体現していたところもあった。
物語では、機関士と助手は、事件の真相を明らかにすることではなく、車掌が首切りの対象とならないようにウソの証言をする。
そして、それを「ウソ」と知りながらも、刑事はさらに車掌のウソ証言を促していく。
刑事は、上からの圧力により捜査が打ち切られることを嫌っての企みだ。
そうした「人間臭い」動きがあるものの、実際の事件は真相が明らかにならないまま、迷宮入りしていく。舞台はそこまでを描いていない。なぜならばそこは大切ではなかったからだろう。
見終わって思ったのは、「事件」ではなく、とても狭い範囲での「人」たちの様を描いたのであれば、「人」の背景をもっと深く描いてほしかったということ。
特に機関士、彼は満鉄から引き上げて国鉄に入ったという男であり、仕事一筋で、労働組合とは一線を画しているということからも、もう少し彼の人となりが描かれていれば、もっと深みのある作品になったのではないかと思う。
電車と蒸気機関車のことも少し話していたのだから、そんなことをもう少し…。
ほかの登場人物も、「生活感」に乏しく(弁当ぐらいで。その弁当も芋とかだったらなぁ…)、そのあたりが個人的にはもう一歩だった。
実際には、機関士と下山総裁の関係はかつて部下と上司の関係にあったということを知っていたので、機関士が下山総裁を「知らない」「上の人だ」と言い放っていたのが非常に気になっていたのだが、ラストにそれを払拭する、とてもいいエピソードがあった。これはもの凄く良かった。
これを活かすためにも、やはり機関士、その人について描いてほしかったと思う。
(弁護士と東京裁判の関係なんていうのはとても面白いし、パラドックス定数ファンなら思わずニヤリとしてしまう。そんな背景の書き込みがもっとあれば…)
セットは鉄パイプのような足場が組んであるだけ。
しかし、その細いパイプの無機質な無骨さが、同様に無骨な鉄の塊である蒸気機関車を見事に表しており、このセットのうまさには唸った。
気になったのは、衣装。
鉄道について詳しくはないのだが、機関士たちの上着はあれでいいとしても、あのブーツみたいな靴はないと思う。普通に安全靴でよかったのでは。さらに車掌の衣装はあれでは……。少し調べれば戦後間もないころ、車掌はどんな制服だったかぐらいはわかると思う(『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』DVD借りればすぐにわかるものを…)。衣装は予算の問題だとしても、調べれば銀河鉄道999のようなあんな衣装ではないものが作れたのではないかと思う。
実際の事件を扱うのだから、そのあたりはできるだけ丁寧にしたほうが物語に入りやすいと思う。
とても細かいことだけど、機関士と助手がそれぞれ証言する「ビュイック」や「ロープ小屋」は、当時あのタイミングでそれらについて新聞発表などがあったのだろうか。ちょっと疑問に思った。
下山総裁を轢いてしまった「D51-651」という機関車は、下山事件よりも前の1943年に土浦駅で列車事故を起こしている。タイトルが機関車番号だったので、こちらにも触れるかと思っていたが、そうではなかった。
いろいろ書いてきたが、大傑作とは言わないが、ラストまで観ていくと、パラドックス定数らしい、いい作品だったと思う。
ちなみに今回の先行予約特典は、「D51-651」キーホルダー。チケットは切符を模したものだった。
蛇足ながら、これを観て「下山事件って?」と思った方で、松本清張『日本の黒い霧』を読んでなければ、是非読んでみるといいと思う。台詞の中の言葉が結びついたりするかもしれない。
11月歌舞伎公演「通し狂言 浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)」
国立劇場
国立劇場 大劇場(東京都)
2012/11/03 (土) ~ 2012/11/26 (月)公演終了
満足度★★★★
代役の名古屋山三、錦之助には満足
市川染五郎が怪我のため休演となり、名古屋山三役は中村錦之助になった。
子役の頃から好きだった役者さんなので、私には楽しみな配役。少年時代、夏休みの杉の子会で演じた役でもある。あれから
40年以上の歳月がたっていると思うと感慨深い。
山三と、白井権八二役を替わる演出が多く、今回も当初はどうだったのだろう。
当初は高麗屋親子共演が話題となり、幸四郎は幡随院と不破の二役変わり、中村福助も岩橋のち葛城太夫、お国、留め女の三役なので、染五郎も二役替わるつもりだったのかもしれない。
当初のチラシを見ていないのでわからないが、本公演は別の役者が演じる脚本に書き換えられて白井権パは市川高麗蔵が演じていた。
ネタバレBOX
幸四郎が20代のころから観ているのだが、この人、首を不用意に振る癖があり、昔はよく劇評で指摘されていた。
不破が花道七三で、編み笠を被ったまま、正体を現す前に小刻みにわざと首を振る場面、連続三箇所あるのだが、終わって切にも、まだ編み笠が揺れているのがとても気になった。
名古屋山三との対決場面でも、台詞の間が幸四郎は歌舞伎のそれとは少し違うため、語尾が錦之助とそろわない。
これも40代には何度も指摘されたが、いまはさすがに言う人もいないのであえて書かせていただく。
幡随院長兵衛の幸四郎は別の芝居でも何度か手掛けている先代譲りの当たり役。
子供の頃、似た提灯を持って、よく長兵衛と権八の一人二役の台詞を言って遊んだことを思い出す。
鈴ヶ森の雲助の殺陣は歌舞伎ならではのコミカルな名場面。昔は下回りの役者の人数が多いからワーツとわいてくるように見えたそうだがどうだったろう、今回も遜色なく感じたが。
山三浪宅に花魁道中が繰り込み、雨漏りを避けるため天井から盥を吊る南北らしいちょっとバカバカしい趣向に、品よく美しい錦之助の山三がおおどかな味を出す。
お國と葛城の早変わりは先の歌右衛門は疑うほど実に早かったそうだが、今回はさほど早く出てこない。
女形の福助。奥女中岩橋が鼻緒のきつさに足を痛め「アイタタ・・・」の台詞で客がどっと笑う。なぜか地声でコミカルに言うからである。三枚目の役でもないのに。
岩橋はまだ遊女にはなっていない段階なのにまるで奥女中に化けてるみたいではないか。
山三浪宅でも、下女お国が父親との会話で、急に地声でさめきったように蓮っ葉にしゃべるのでコントみたいで客が笑う。
けなげな下女ではなく、わざとぶりっ子を演じてるように見えてしまうのはいただけない。
若き日の玉三郎の初役のお国も観ているが、こんなにコミカルではなかった。
この人のこういう意識して外した演技は勘三郎と納涼歌舞伎で共演するようになってから頻繁にみられるようになった。
いずれ、この人が歌右衛門を継ぐのだろうが、成駒屋の芸風が随分と変わってしまうものだと思う。
「お役を勤める」と言い、丁寧に行儀よく楷書のような六代目と比べたら、前衛書道のような大胆なところがある。
歌右衛門が指導していたら仰天しそうだが。
それも当世風と言うんでしょうかねぇ。
脇では、石塚玄蕃の片岡市蔵が憎めない敵役でならしたおやじさんの「かたいっちゃん」そっくりの役者になってきた。
お国の父親、坂東彌十郎も年輪を重ね、手堅い。
錦之助の長男、中村隼人の美しい振袖新造は4世時蔵が生き返ってきたようだ。
高麗屋の高弟でベテラン松本錦吾、幸太郎の健在なのも嬉しい。
タイムズ【本日大千穐楽!】
極東退屈道場
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★
「タンタタンタンタン」という声が耳にこびりつく
・・・申し訳ない、最後までピンとこなかったなぁ。
面白いところもあったけど。
ネタバレBOX
ああ、なるほどねー、宇宙ができる瞬間。
タイムズというコトバの中に、その瞬間、10のマイナス44乗(だったかな?)秒とかそんな間の出来事を入れ込んだようなストーリー。
とてもうまくできているな、と思った。
台詞がいちいち面白い、ところがある。
細かいネタがとてもいいのだ。
台詞は良く練られているのだなと。
こういう言い方は、アレかもしれないけど、テーマは違うものの、電動夏子安置システム『Performen』シリーズによく似た構成。中心となるシリアスなドラマに、それにまつわる笑いの要素もあるショートストーリーが散りばめられている。ダンス風なものもある。それも似ている。
わずかな時間と「6時間100円」の対比、100円ハーキングという日常、家に戻ろうとするフェイクガールズたち、宇宙、混沌、そして秩序・・・。
確かに、なるほどとは少しは思うのだが、でもなー、とも思う。
グッとこない。最後に延々絶叫されてもグッとこない。
なんでだろう?
それは、例えば、観客にとって、「どこに軸(足)があるか」が判然としないからではないだろうか。壮大なストーリーなのだろうけど、「それが?」になってしまうのは、こちら側の問題として、問題という言い方がアレであれば、こちら側の実感とか共感として、感じられる「糸口」がつかみづらいからではないだろうか。
もちろん、こちら側に引き寄せなくても、「壮大」なストーリーに気分が良くなる、という効果でもあれば別なのだが、そうでもない。
ショートストーリーと、中心の物語の距離感がわかりづらい。
「卑近なものと」「壮大なもの」の対比?
ゲームも知らないしポンセなんて知らない。
そんなこと1つも知らなくても、本来は面白く感じられるはずだと思うのだ。
1つひとつのエピソードが織り成す宇宙(世界)と、テーマが共鳴していくはずではなかったのだろうか。
ラストに「ヒッグス粒子」なんていうキーワードが出てきて、物語が収束していくのだけど、自分たちの家を目指して帰る「フェイクガールズ」が、「おかえり」なんていう台詞で迎えられて、オシマイ、というのは、あまりにも予定調和で少しガックリ。
暗転後に役者が整列する姿を見て、「えー、それで本当にオシマイなの??」と…。
何回かダンス風な場面もあるのだけど、キレが悪いし、揃ってもいないし。
小劇場系の劇団では、よくダンス的なものを取り入れているが、多くの場合、上手い下手は別にして、なんとなく納得がいくし、退屈することはほとんどない。下手は下手なりに、考えられているからだろう。
しかし、今回は、申し訳ないが退屈だった。退屈道場………。そこでダンスする必要性がわからないのだ。ダンス的なものの面白さというか、気持ち良さが感じられないからということもある。
もちろん、これは私の個人だけの感想かもしれないのだが…。
「タンタタンタンタン」という延々続いた声が耳に残った。劇中で延々聞こえるので、これもちょっとなぁ・・・という感じ。それはもちろん意図されたものであろうが、その意図は、私は伝わらなかった。
あと、どうでもいいことだけど、「ファミマ」のイントネーションが関西風だった。
ほかの作品はどういう雰囲気なのかは、とても興味がある。これなら先に『サブウエイ』を観ておけばよかったなとも。
ハヤサスラヒメ 速佐須良姫
天使館
世田谷パブリックシアター(東京都)
2012/11/29 (木) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
延年の芸能
畢竟ダンスは、寿福増長、遐齢延年。芸能の根源である天の岩戸開きをテーマにするこの作品は、確信犯でそこを狙ったのでしょう。たしかに観て寿命が10日くらい延びた気がします。まあ、どんな芸能でも元気な老人を観ると観ている方もが元気になるものですが、69歳であのエネルギー、それだけでオールオッケーです。舞踏は健康によいのだなあ。
まじめに付言すると、大駱駝艦の4人の舞踏手は、本当に素晴らしい踊り手でした。金剛力士像が踊り出したらこんな感じでしょう。空中に自らをモノみたいに固めて放り出す動きがとりわけ素晴らしかった。
嘲笑と共感を同時に誘うユーモアのセンスも心地よかったです。
あの山の稜線が崩れてゆく
城山羊の会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/11/29 (木) ~ 2012/12/11 (火)公演終了
満足度★★★★
招かれざる客
充分面白いんだけど、ちょっとマンネリ。
古屋は古屋だ。
胸元見ちゃうよね〜。
ネタバレBOX
想定内の不条理さ。安部公房「友達」のパスティーシュか?
もっと置き去りにしてくれていいのに。
ここんところ毎回、石橋けいの胸元しか記憶に残らない(笑)
MIYAZAWA
殿様ランチ
新宿眼科画廊(東京都)
2012/11/23 (金) ~ 2012/11/28 (水)公演終了
満足度★★★★
奇抜さと丁寧さ
眼科画廊ときうところはよく通っていたど、今回初めて行きました。映像的な表現のもと、宮沢賢治を面白く表したと思います。細部はこだわって欲しい所もあったでしょうか。以下
ネタバレBOX
全体として、注文の多い料理店で使われていたようなスクリーン影を使った演出、映像などが印象的で良かったです。またメイクの質と、早替えならぬ早メイクのような出ハケも面白く観させてもらいました。原作通りかは分かりませんが、話の展開が分からないのもあった。そういうのは観ている方に分かりやすく改変してもらえたら嬉しいです。気になったのは、セロはもっと大事に扱って欲しいことでしょうか。音に合わせて上手く動かしていましたが、楽器自体の扱いには雑さを感じました。劇場の床も、狸さん結構叩いてたけど大丈夫なんでしょうか。そっちの方が気になってしまうものもあった。猟銃の持ち方など、細かいところは幾つか気になりましたが、作品の全体として楽しく観ることが出来ました。
風にゆれる、じっと見てる。
CLEO
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2012/11/29 (木) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★
ぎこちない
感情の起伏がとても唐突に感じた。ぎこちなさは演出ととらえるものなのだろうか?チラシを見たとき想像したままな感じだったので淡々と見てしまった。なんとな~く、吉本ばななが頭をよぎったり。つまらなくは無いですが、魅力というと「彼」の存在くらい。なんだか足りない。色々。
フラッグ
カリバネボタン
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2012/11/29 (木) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
すごかった
役者さんが自然な会話でお芝居をしていて、すごく楽しそうでした。
また小道具がすごく凝っていて面白かったです!
あの山の稜線が崩れてゆく
城山羊の会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/11/29 (木) ~ 2012/12/11 (火)公演終了
満足度★★★★
奥さん
面白い。
ネタバレBOX
しおり(岸井ゆきの)とその家庭教師・高崎馬(本村壮平)とママ(石橋けい)が談笑してる中にパパ(古屋隆太)が帰ってきて、北京飯店で飯を食べることになる。そこに隣人の吉岡夫妻が訪ねてきて、しおりを本当の父が引き取ると告げる…。
しおり…高崎馬を手のヒラの上で転がす、若干小悪魔。
高崎馬…大学の登山部所属。しおりを想定したエアー抱擁をしおりに見られる。ウブ。
ママ…精神病に罹ってそうな美人。低血圧っぽい。パパを内心見限っている。
パパ…しおりの本当の父でない、というつくり話が本当だったってことで動転。なかなかいい体してるけど、ママからウワベだけと見透かされる。
吉岡妻(永井若葉)…いい感じにウザイ。
吉岡夫(岡部たかし)…やはりいい感じにウザイ。
添島テルオ(猪野学)…しおりの本当の父。刑務所に入ってた頃に「ミルフィーユ記念日」を創設する。やはりいい体してる。
会話から発する絶妙な空気がいい。思わずニヤニヤしてしまう。吉岡夫妻来訪までの4人のとこなんか特に。
問題ありげな家庭に、吉岡夫妻という厄介者が入ってきて、不穏な空気が作られる。そしてそんな空気を、終盤のパパ混乱で一気に吹き飛ばす。古屋の演技も逐一良かった。
しおりの身代わりを仰せつかった高崎馬の女装と舞台空気のギャップとか、しおりを取られまいと奮闘するパパを尻目に、添島のいい体が決め手になって離れるママとしおりとか、いいさじ加減で期待を裏切ってくれるとこに惹かれる。
二人が出ていき、残ったパパにビールを持ってくる高崎馬はしおりになりきる。捨てられた男二人の哀しさが印象的。そして、その反対側にいる女性二人(ママとしおり)の存在もまた、印象に残る舞台だった。「家族」の話だけど、「男」と「女」で区切られた作品だった。
カーテンコール後、客席に笑顔を振りまく岸井が素敵。
ドン・ジュアン
(有)パン・プランニング
シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)
2012/11/21 (水) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★
趣向が活かされず
希代の女たらしとして有名なドン・ジュアン(ドン・ファン、ドン・ジョバンニ)の物語をミュージカル化した作品で、全員がクラウンの赤鼻を着けていましたが、その設定が活かされてないように感じました。
客入れ時から役者が舞台上にいて、観客にちょっかいを出したりしている内に、バニーガール姿の狂言回しが登場して始まり、身を滅ぼす男の物語が歌やダンスを伴ってコミカルに描かれていました。
アンサンブルは出番がない時も舞台奥で待機していて、ステージ上で起こることに対して歓声をあげたり、必要性が感じられない小芝居をする学芸会的な演出が煩わしく感じました。
印象に残る曲がなく、歌もピアノ演奏もレベルが低くて、ミュージカル仕立てにした意味がないように感じました。
公演期間の前半と後半で異なる座組で上演され、さらに同じ組の中でも公演毎にメインキャストとアンサンブルが入れ替わっていて(そのことはチラシや公式サイトにも書かれていませんでした)、十分に稽古が出来ていないのではと感じました。
観客も知り合いや家族が出ているから来ている人が多かったようで、上演中に頻繁に話し声が聞えて来ました。
一般の観客の為ではなく、出演者や身内の為の公演に感じられて残念でした。
ご無沙汰してます。
ホントに、月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2012/11/10 (土) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
チームB観劇
Aと同じ骨格のストーリーで、細かなところが違う。方言の分、ちょっとだけ頭が疲れた。でも、面白かった。
Rのお出かけ
鳥山フキ個人企画
新宿眼科画廊(東京都)
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/03 (月)公演終了
満足度★★★
飴とせんべい
ワワフラミンゴ未見。なんかかわいい。
ネタバレBOX
女の子の暗殺者みたいな会話。
のんびりでふわふわしててどこ掴んでいいのかわからない感じ。けど、わけわかんなくてストレスって舞台でもない。たまに笑える。
ワワフラミンゴ公演に興味が湧いた。
菅谷和美のシュとした美しさに惚れる。
北村恵の衣装が素敵。
渡辺とかげの鼻息で会話する演技がシュールでとてもいい。
テロルとそのほか
工場の出口
アトリエ春風舎(東京都)
2012/12/01 (土) ~ 2012/12/07 (金)公演終了
満足度★★★
まさにテロリストと仲間の物語だった、110分
まさに、4人の出演者ながらも、それぞれの役割分担しながら、実験的戯曲を作ったなあと思いましたし、一人芝居とか、二人芝居さらに、映像も交えたものは良かったです。
甲斐のくのいち
Unit Blueju
座・高円寺2(東京都)
2012/12/01 (土) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
無題537(12-280)
今年も残すところあとひと月。14:00の回(曇、家を出る時は雹が降り、雨〜終演後は晴…)。こちらは初めて。13:25会場着、13:33受付(全席指定)、13:50前説。舞台正面、大きく上下に仕切られ、上:青い空に白い薄雲、下:茶色の塀のような、左右に梯子。下手にピアノ、シンバル、パーカッション?。床は膝高。14:07開演、空の部分に文字が映されこれがなんと飛び出して見える。いよいよ舞台でも3Dかと思ったほどですが、よ〜く見れば手前に薄いスクリーンがあり、ここと奥の壁と、2重に映っていたので飛び出しているように見えたようです。昨晩みたお芝居にも「くノ一」が出てきました。こちらは刀があり殺陣もありますが、衣裳は今風…終演後にみるとかなり鮮やかな色使いでした。お芝居+殺陣+ダンス+歌(ソロ、コーラス)+映像+音響+ピアノ演奏と贅沢な構成。
ネタバレBOX
殺陣はもう一つだと思いました。刀を振り回して相手を「切る」のですからもっと動きを早くするなど「見栄え重視」でやったほうが良かった。ダンスはいいのでどうしても比べてしまいました。
あと、コメディタッチ…のシーンはどうかな…
611部隊って聞こえたけど、6ナンバーの部隊ということか…な
青春ゲットバック
劇団フルタ丸
小劇場 楽園(東京都)
2012/11/30 (金) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★★
コメディ部分は薄い
ボイスドラマの20話、最終回を舞台に上げたもの。番組サイトを見ていたファンには受けるかも知れないけれど、これを初めて観た人には、最初、違和感があると思いました。
幕開けから始まる映像が長過ぎて、ちよっと飽きてしまいました。
その後、なん十分かして舞台に役者さん達が登場した時が私の中での始まりでした。その後の展開は当時の7人と2年後の7人のその後を描写した物語でしたが、いつものような笑いが少なかった舞台でした。