最新の観てきた!クチコミ一覧

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見世物革命ゴウマちゃん

見世物革命ゴウマちゃん

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シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

騒乱とグルーヴ感の中に歴史のうねりと反戦の意
和洋折衷(←当日パンフより)というよりは年代不明の鎖国中の日本らしき国の革命家のオハナシ。
が、倒幕派に加えて開国を迫る外圧も描き、騒乱とグルーヴ感の中に歴史のうねりと反戦の意を表現して見事…ってか楽しい。
一方、細かい台詞は聞き取れなくても十分理解できるとはいえ、それが伝わればなお良く、一部の歌詞・台詞の投影も視角的な効果は認めるも実用性に乏しいのが惜しい。
ま、そんなトコまで完璧にこなされたら鬼に金棒状態でヤバい(笑)んだが。
あと、本編結末の印象を一掃する(爆)フィナーレ(というよりはオマケ?)は賛否両論?
σ(^-^)自身も「それもアリ」(あ、もちろん好きです)と思う一方で、「あのまま終わるのもインパクトがあってイイかも?」な気がして決めかねる。
なお、東京ペンギン中井・ナカゴー篠原のお二方、さすがのサポートぶりに好感。
そういや前説アナウンスのレトロな音質も良かったな。

目で聴いた、あの夏

目で聴いた、あの夏

大橋ひろえ

座・高円寺2(東京都)

2013/08/09 (金) ~ 2013/08/09 (金)公演終了

満足度★★★★

命の繋がり
聞こえない人にとってのあの日の出来事!というよりもその日を体験した人たちの半生を綴ったステージでした。思い出したくない辛い出来事、いくら聞いても、実際に体験した人とは比べ物にならないと思うし、現在も同じことが起こりうる状況、乱暴な言い方をしてしまうと、核保有国同士が身を以て体験して悲惨さを実感しないと核廃絶にはならないのかと..... あれから70年も経過した今、実体験をされた人たちも少なくなっていますが、今後も伝えていかなければならない出来事に感じました。

未確認未来系少女アスカ

未確認未来系少女アスカ

モエプロ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

BGMセルフライナーノーツ
今更だけどここに書いてもいいかな、と。

ネタバレBOX

CD化するにあたり、曲名つける?ってきかれたけど、つけなかった。考えてなかったw ので、Mいくつ、という、実にそっけないタイトルで申し訳ない(^_^;)


M1 独白のシーンの曲。冒頭のアスカの「時間とは・・・」、それから有斗の独白でも2回使われた。佐古田指定は「静かに、でも意味ありげに」。特に何も考えずに作ったw


M2 ちょっと奇妙で滑稽なアスカの曲。前半はラブコメ的な曲で世界観を紹介する面がある。


M3 時原家のテーマ。佐古田の指定は「日常曲その1」のみw アニメ的、ゲーム的な日常曲をかなり意識して書いている。


M4 第二カガク部のテーマ。開始1分程は特に怪しげな、不穏な、ちょっとサイバーな感じになるように作ってある。便利に端折られたところからリラックスする。時計のカチカチいう音がずっと入っている。途中雰囲気が少し変わるところだけ時計はゆっくり進む。実はこの雰囲気の違うパートは、タイムマシンを作りたいと入部してきた新入生の有斗を回想するような気持ちで作った。回想の中、ゆっくりと流れる時間。そして時が現在に戻るのと共に、時計の針はいつものスピードで時を刻み続けている。


M5 夕暮れ・帰り道のテーマ。もどかしかったり性急だったり、慌ただしくいろんな展開を詰め込んである。自分的な挑戦はギャルゲとかによくあるあの音ねっていう感じと、どことなく夕暮れ感を音色だけで表すこと。


M6 エロ姉のテーマ。恵留の悪戯心、キャラクターの明るさ、あわよくば思いやりが出せればなーと作った曲。あと、有斗の振り回され感w 実はこの曲が超難産だった。最後に提出した曲w


M7 屋上で星空を見るシーンの曲。曲の展開と演技が完璧なシンクロをしてた。具体的に言うと、有斗が空を指さすところで曲の展開が広がって、未来に想いを馳せるところで曲の景色がぶわーっと広がる。それで、もう寝るから家入るよってとこで曲のエンディングにぴたっと。音響さんと役者さん達の職人技。ちなみに不意に見つめ合ってしまう瞬間と、有斗のことが好きだよっていう瞬間には音楽は何もしていない。わざと知らん顔をしているのもミソ。


M8 尾行&ショッピングのテーマ。ちょっぴり滑稽で明るさがあればあとはなんでもよかったw 結果的にこれ以上ないくらいオーソドックスなパターンのモントゥーノになった。作ってる途中で、ラテンって何でも盛り込めるだけの懐の深さがあるんだなーと発見した。


M9 輝更のテーマその1。回想シーン。俺の台本には「切な可愛く!!」とのメモ書きがあるw ここでちょっとウクレレっぽい音色のギターをバックに鳴るのは輝更のテーマのサビとBメロの部分。ちなみにこのアレンジはカウボーイビバップのある曲に影響をかなり受けている。


M10 無言劇のシーンで流れる曲。OP曲のちょっとはねたアレンジ版。最初ピアノ一本で提出したらなんか寂し過ぎる、とダメ出しくらった。自分でも改めて聴いてみたら、「切ない感じにすら聴こえるわww」と、ブラシのドラムとジャカジャカしたアコギを足して再提出した。NG食らった唯一の曲w


M11 輝更のテーマその2。しつこいくらいここは切ないシーンですよ、切ないシーンですよってお知らせしたのち、輝更のテーマBメロ、サビと出てくる。メロディで言えばM9と同じ材料なのに、聴き比べてみてくださいな、これが編曲の妙ってやつですよw


M12 カナタのテーマ。さて、曲ができた瞬間とはいつのことか。作っていると、突然ボコっと塊で浮かぶ瞬間がある。あとはそれにお伺いを立てながら、これだとかこれじゃないなとか広げてくだけ。ひとりでやってる場合は、浮かぶところまでが作曲で、広げてくのが編曲。おそらくモーツァルトとかは45分とか1時間とかの塊をボコっと掴める人だったんだろうなー。45分の交響曲作るのに数秒しかかからないw なんでこんな話をしてるかというと、この曲、緊迫感のあるリズムかー、と、バスドラムの「ドッドッンドッ、ドッドッンドッ、ドッドッンドッ、ドンッドンッドン」っていうパターンを打ち込んだ瞬間できたからw 完成品の姿になるまで40分くらいだったんじゃね?w どこも直すとこがないw


M13 佐古田の指定「何気ない日常のはずだったのに、徐々に物語はクライマックスに突入していく感」しかも、別のシーンでも使うとか。そっちにも合うように作らなきゃいけない。。。そんなん書けるかよwwと思ったけど、割と針の穴を通すようなコントロールでうまくできたかと。実はこの2つのシーンの共通点を見つけまして。ひとつは恵留が有斗と輝更におどけて話してたのが、ちょっとマジになって二人のことがガチで大好きだから、と言うシーン。もう一つはカナタが諦めない有斗を止めにきたのかと思いきや呆れながらも手を貸してくれるシーン。並べて何度も読んで気づいた。このシーンはブラコンとシスコンがどっちも普段のキャラからちょっとだけデレるシーンだ!とw そしたら急に書けたんですよw


M14 佐古田の指定は「三角関係の修羅場、ついに訪れる」とだけ。これ、曲の指定じゃなくね?w 台本に「ぐちゃっと」というト書きがあって、悲惨に近い悲哀感を出そうと思った。ピアノと弦楽器の割合はどうしても増えるものだけど、その分音色には細かくこだわっている。同じ弦楽器でも、痛いのかポップなのかクラシカルなのか流暢なのかぎこちないのか、いろいろな可能性がある。この曲の場合は空白をありえない程挟むことで、ヒリヒリする弦楽器の感じになっている。


M15 タイトルをつけるなら「このたわけが!」かなw 機々先輩がめちゃめちゃかっこいいシーン。悲哀を越えてちょっとうらぶれてる有斗に火をつける。熱さメーターをじりじり上げる弦がうまくできて、ほんと機々先輩男前やわーって感じにできたw この曲の終わりにどうしてもエヴァンゲリオンが入るのでw、そこをどういうテンションにしてやればいいのか難しかったw お客さんもシリアスなシーンなのに一番笑ってたしw


M16 輝更のテーマ。佐古田の指定「輝更の青春。強い覚悟、意志、真っ直ぐな少女の思い。そして残る、爽やかな痛み」。最初に台本読んだ時から、ここがBGMのクライマックスだ、ここは輝更のテーマだ、と決めてた。ここで輝更のテーマを効果的に聴かせるために、回想シーンと背中押しちゃうシーンも輝更のテーマメロディを使おう、と。輝更のテーマが初登場のAメロから順番に流れる。このシーンは大きく3つに分けられる。アスカの背中を押す、有斗に告白する、恵留に慰められる。音楽単体で聴くと、最初にビートが入ってくるのに、途中で抜けてそのまま戻ってこないので、変な構成だと思うかもしれない。が、輝更の気持ちには即した動きなので観てて違和感はなかったはずだ。輝更はここに至るまで有斗のために、アスカのために、藁にもすがる思いで聞き込みを重ね、情報を集め走り回っている。募る焦燥感。それがアスカと本音をぶつけあって霧消する。清々しさすら感じられる。そのための演出だ。アスカとの会話では「恋はすごいんだぞ~難しいこと全部、恋の力でぶっ飛ばしてみせてよ!」辺りで輝更のサビメロディが流れるように工夫した。次の有斗とのやりとりのシーンはそれまでなんとなく盛り上げ役として輝更のメロディに絡んでいたヴァイオリンがいつの間にか2本になって、何度も輝更のテーマを変奏し、輝更の覚悟、真っ直ぐな思いを煽る。やはりサビメロディ辺りに告白と、「だから早く行っちゃえ」が来るように工夫した。恵留姉が来て輝更の未来へと向かうパートはとにかく爽やかさが残るように、後をひくように、未練がましくヴァイオリンが残り続ける。


M17 有斗とアスカのシーン。弦はとてもヒリヒリする音にしてある。かなり後半の2分50秒辺りまで人間的なフレーズも弾かない。ひたすらロングトーンのみで構成している。ヒリヒリする弦。それに対し、メロディを奏でるピアノは最初は大丈夫?聴こえる?って音量で鳴り始める。これは後のメロディを印象づけるための演出だ。ピアノは二人の会話を音で縁取りするようなつもりで盛り上がってゆく。そして2分15秒辺りに音楽の山場が来る。ここまで80分に渡って舞台装置、背景であり続けたBGMが、ちょっとだけ客席側に飛び出る絵になる、迷惑なくらいはみ出る瞬間。打ち上げで話を聞いたら、有斗役の中舘くんはここをベストのタイミングにハメようとしてくれていたらしい。彼は作り手気質がかなりある人なので、自分が主演で、最後の決めどころで、溢れ出る感情をぶつけ合う演技をしているのに、BGM作者の俺のエゴを作品の力に昇華できないかと試行錯誤してくれていたのだ。この山場から先は二人の覚悟、決意に寄り添ったまま、来たるべきエンディングに向けて、少しずつフェードアウトする。そしてED曲にバトンを渡す。



CDを聴きながら、舞台を思い出しながら読んで貰えたらいいなと思います。
Here's your World! ~ 横須賀美術館の夜 ~

Here's your World! ~ 横須賀美術館の夜 ~

横須賀市民ミュージカルを作る会(SUKAミュー)

横須賀市文化会館(神奈川県)

2013/08/24 (土) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★

はじめて観ました
市民ミュージカルとは、こういうものなのかぁと体感できとても貴重な体験となりました。
全てにおいて、能力がバラバラなメンバーをまとめた方々の素晴らしさを感じます。

最後の感動への持っていき方が特に素晴らしく、ミュージカルって素敵だなぁと改めて感じました。

一つ残念だったところは、マイクを使っているのにセリフが聞き取れない部分が多かったところ。
やはり、言葉が届かないとストーリーが止まってしまうので、もったいないですね。

衣装とセットは出てきた瞬間に感動するほど素晴らしい出来栄えでした。
あんな素敵な状況で舞台にたてるなんて、とても幸せですね。

次回も楽しみにしています^^
お疲れ様でした。

眠りの森-Girl's Side Adventure-【閉幕御礼】

眠りの森-Girl's Side Adventure-【閉幕御礼】

劇団やぶさか

黄金町スタジオ 八番館(神奈川県)

2013/08/07 (水) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

新しい雰囲気のやぶさかさん
ちょっとホラーで安定のファンタジーでした。
作品の雰囲気と、劇場(?)の雰囲気がとてもあってて良かったです。

開演してすぐやぶさかワールドに引き込まれて
最初っからクライマックスでした。
前回出ていたキャストさんたちの、今回の豹変ぶりにも感動しました。
セクシーお姉さまがどうしたらイケメンに王子になるんでしょう?
優しく美しいお母様がどうしたらか弱くて可愛らしい幼…少女になるんでしょう?
これぞまさにやぶさかマジックですね^^

終わった後・・・「はぁ~」と溜息がでてくるほど
世界に浸っていたことに感激です。
充実した時を過ごせました。
幸せをありがとうございます。


次回の続きも、とても気になります。
あの場所でのあの雰囲気が次回の劇場でどうなるのか、とても楽しみです。

暑い中、お疲れ様でした^^

スープ

スープ

THE 黒帯

OFF OFFシアター(東京都)

2013/08/21 (水) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

サイコダイバー
 4人の確定死刑囚が収容されている拘置所が舞台だ。この他に、懲罰房が話に出てくる。この懲罰房には、某新興宗教の元幹部が収容されているが、自傷癖があり、壁に頭を何度も打ち付けるなど、命の危険がある為、拘禁衣を着せ、椅子に座らせて保護しているというのが実情だ。罪を逃れるなり減じる為の詐称という意見もあるが、否、本当に精神を病んでいる、という考えもあって現在はまだ正式な所見は出ていない。(追記2013.8.27)

ネタバレBOX

 前半部では、法務大臣の視察が近々あるというので、拘置所内では、ミスや事件、事故などが起こらないよう普段より少しピリピリしている。とはいえ、死刑囚達の、メンタリティーは、変わらない。何時呼び出しが掛かって自分の番が来てもおかしくはないからである。いわば、彼らの毎日は、生と死の間に宙吊りにされていると言う状態だ。それが、いかに大きなストレスかは、精神に何らかの異常をきたす者が、多いことでも理解されよう。それらは、こんな症状を伴う。夢で毎晩魘されることは無論のこと、ストレスから発作を起こす者まで枚挙に暇は無い。こんな、囚人達の日常を描きつつ、法務大臣視察日に主人公達は演劇、オズの魔法使いを上演して機嫌を伺い、処遇改善などを訴えようともしている。この辺りに矛盾を挟み込む辺り、死を前にした人間の“生きたい”との念を伺わせて興味深い。一方、囚人の一人は、視察の前日に脱走を図る。事前に発見され、監守も大事にすることを避けた為、不問に付される。が、こういった事情も案外在りそうではないか。
 前半で、死刑囚達の大状況、生活、精神を描いた後、後半は、この物語の核心に移る。新任の刑務官、伊那村は、サイコダイバーである。一方、懲罰房に収容されている宗教団体幹部と元同僚の幹部、倉持も矢張りサイコダイバーだ。(因みにサイコダイバーとは、他人の夢に入り込む能力を持つ一種のエスパーである)他人の夢、つまり下意識に自由に出入りし、無論、その気になり、己の力が夢を見ている主体に勝れば、彼の夢をコントロールすることも可能である。然し、そのように関与した場合、弱い側は、自殺に追い込まれるなどのリスクを負う。同時に仕掛けたサイコダイバー自身も、状況と人間関係によっては、宿命的なトラウマを負う。下手をすれば、サイコダイバー自身が発狂したり、自死せざるを得ないような状況に追い込まれる。文字通り命がけの、知と胆力を賭けた戦いでもあるのだ。
 さて、9歳の時、父の夢に関与して、自らの父を自殺に追い込んだ経験を持つ伊那村刑務官と囚人番号44、通称バースと呼ばれる倉持は、壊れてしまったと考えられる教団元幹部、Aの夢に降りてゆく。倉持が、ウェルギリウス、伊那村がダンテである。無論「神曲」の地獄下りのことを言っているのだ。ことほどさように危険な旅であるのだから。倉持は、教団幹部として、また、詐欺師という前歴が示す通り、論理の首尾一貫性を守るため、かつての同僚を壊れた状態から覚醒した状態へ戻し、以て本人が罪を認識した上で死に赴くことができるようにとの、倉持流オトシマエから、教祖と合体しかねないAの精神の闇に自らのレゾンデートルを賭けて降りてゆくのである。彼には時間が無い。明日までにオトシマエをつけなければ、人間として、死んでも死にきれないのである。何故なら、彼には既に分かっているのだ。執行日が明日だということが。
 倉持の覚悟と性根を知り、伊那村も同行するが、もし、危険が迫って、二人の精神が危うくなった場合、伊那村は、その時点で探索を止めて距離を取り、自らの安全圏へ逃れる、というのが、二人の間に交わされた約束である。無論、倉持は、単身Aの夢の中を更に奥深く迄進むのである。絶対的緊張の中で、刑務官と死刑囚という関係を超えてエスパー同士というより人間として互いを認め合った姿が描かれる。幸い、二人は何とか、Aの夢の深部に辿りつき、分裂していた彼の精神を束ねることに成功するが、刹那、再崩壊の危機に見舞われる。教祖への絶対的帰依状態にあったAは、教祖帰りという最終崩壊へ向かう直前、声にならない口唇に由る発話で「ありがとう」とメッセージを倉持に送る。だが、エネルギーポテンシャルの限界迄高めて事態に対応している倉持には、その意味までは読みとれない。然し、保護され少し安穏な位置に居る伊那村には、それが、理解された。産まれて初めて、倉持は友人に質問する。Aは大丈夫であったか、を!
 Aは、警察の医療施設に送られることになったが、その途上、言葉を少し発した。彼の言葉は、譫妄状態を脱し、ゆっくりではあるが、筋道の通ったものであった。
 この言葉を聞いて、倉持は、死刑台へと赴く。
 一方、後半でもオズの魔法使いの話は生きていて、それぞれのキャラクターの吐く科白は、少しアレンジされて哲学的な回答にもなっている。サイコダイバーの知と胆力の総てを賭けた命懸けの戦いに不即不離な形で寄り添うように哲学的次元にアウフヘーベンされているのである。この融合お見事だ。

ディストピア

ディストピア

角角ストロガのフ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★★

感情の下克上
角角した角角ダンス、強烈でした!

ネタバレBOX

稲城市辺りが24番目の区ディストピア。妄想の産物かとも思いましたが、警察が監視している実在の世界のようです。元々の住人と殺人を犯したような凶悪受刑者が住む街は、他人に親切にすることがバカにすることで、殺すことが最高の行為といった価値観が逆の世界でした。

このような価値観に基いて自分の好きなことをして他人が喜ぶことをしてあげる、これを抑制を効かさずに実行していたら、殺人だらけで誰もいなくなってしまうのではないかと考えましたが、私はまだ殺されるほどの人間では無いのでお手を煩わすことがありませんように的な都合の良い面もありました。

アフタートークで、角田ルミさんは価値観の下克上といったところを常に描きたいと思っているというような趣旨のことを話されていました。重大なネタばらしを聞いた気がしました。

確かに下克上、荒木の友人の刑事が過去の放火犯だったり、無罪放免された荒木も結局は自分のやりたいことをして裏切りマネージャーを殺してしまいました。

殺人現場を発見し、しかも怪我人がいた状況で救急を呼ばなくても全くの無罪というのが刑事事件としてはそうなのかなと思いつつ少し疑問でした。
癒し刑

癒し刑

ガラス玉遊戯

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/08/21 (水) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題802(13-231)
18:00の回(曇)、表に17:15受付、17:30開場と貼り紙あり、珍しくドアが開いているので下におりて聞いてみてとりあえず階段途中で待ちます、時間になり受付(整理券あり)、しばらくして開場、今回も対面式で手前側に座ります。パイプ椅子席、奥3列、こちら4列。横長の床面が高い「濃い青色」の舞台、左右の壁に大きなパネルがあり同じ青、床とそこに白い書きなぐったような筆跡(ペンキ?が盛り上がっている)。パネルの下にはミニ椅子、各6脚(役者さんはここに控える)、舞台上、大きなクッションが6つ、白い椅子が両端に各2脚(足を固定してあるのでしょうか、ちょっと動いたら後ろに落ちるギリギリの位置)。BGMにはせせらぎ、鳥のさえずり…お話とつながっているようです。18:02役者さん登場、まだ本番前ですよといってお客さんに話しかける…95分という説明、他の役者さんも次々に。グレーのお揃いのスリッパ、18:05前説(与古田さん)〜19:39終演。いろいろ考えることができるお話でした。「わたしのゆめ(2011/5)」からで4作目。

ネタバレBOX

(精神的な)痛みを和らげるもの…麻薬、鎮痛剤、リフレッシュ、気分転換、適度な運動などではなく、外科的な力を借りて、化学的、精神的な効果を得る。「メンタルペース」はどうやら新しい治療法。みていると基本的になんでも受け入れてしまうようで、ファイルで頭を叩かれても、避けない、怒らない…(ここはよく書いてあったと思いました)。それが副作用なのでしょう。外部の刺激をキャンセル=ノイズキャンセラーみたいですかね。確か、患者(でいいのかな…マイナスの)自身の精神状態の根源をパワー源として機能すると言っていたような。考えてみると、この類の「よく効く」ものは海外のメーカーが技術も特許も独占し、金儲けにはしる..というのがセオリーで、社内の良識的な意見はドラマでしか出てこない。

「(かなり濃い)青」には何かセラピー的な特性があるのでしょうか…

レムという作家の「星からの帰還」。ある未来のこと、人々は「ベトリゼーション」という医学的な処置(手術)を受けているため「攻撃性」がなくなっている。闘争心がないので争いがない、平和で安定した社会になっている未来。本作は違って、治療を受けると、俄然、やる気になる。結構なことではないか…「装置」を埋め込まれても他人にはわからないのであればなぜ拒む必要があろう…自分を喪ってしまうから?とある国で整形がよく行われているといいますが…それとこれとの違いは…肉体と精神のように単純なことではないでしょう。

菊地(未)さんは7月のJACROW、松下さんも7月の「幸せは…」、林さんは3月の「コーヒーが…」、園田さんは2月の「朝日一家…」などをみていました。
劇団だるま座本公演「笑って死んでくれ」

劇団だるま座本公演「笑って死んでくれ」

劇団だるま座

座・高円寺1(東京都)

2013/08/14 (水) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

長いかな
開始時の演出や、ステージ横の座席を置いたりなど、面白い試みがたくさんありました(ギリギリに入場した自分は、危うく目の前の役者と一緒にステージ前の椅子に座るところでした(汗))。以前に見た時よりも広い舞台でしたが、うまく空間を使っていたと思います。ただ、他の方の意見と同じで、ちょっと長くてダレてしまった感じでした。

木

ろりえ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです。
以前ろりえを見たときも感じましたが途中の中弛み感が少し残念だった。
ヘンテコリンなネタがあってよくわからない面白さみたいのが好きです。
なんでそうなるの?ということを全力でやっていく様が非常に可笑しかった。
舞台セットは『おぉ~!!』というなるくらいステキ。
また次回も観に行こうと思う。

ミハルの人魚

ミハルの人魚

X-QUEST

駅前劇場(東京都)

2013/08/17 (土) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

観に行って良かったです
それなりの回数を見ましたが、もっと観ておけば良かった・・・と思った作品でした。
X-QUESTさんのウリの殺陣やアクション、ダンスはもちろん、加えて今回はセリフに注目!量も質もハンパなかったですが、とても面白く熱いものでした。(私にとっては)新たな魅力の発見です。
日常では体験することの出来ないことを見て、聞いて、感じることをさせてもらいました。
次回作は来年2月らしいので、今から待ち遠しいですね。

僕と殺し屋とレインポップ

僕と殺し屋とレインポップ

BANANAディストピア

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2013/08/16 (金) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

 兄っ“ちゃんとせい”
 出来の悪い兄とちょっと派手な服が好きな妹 兄のだらしなさ、身勝手 不景気の中 殺し屋のリストラ せつない愛の物語でした。 兄っ“ちゃんとせい”って言いたくなりますが、ちゃんとするって、運みたいな所もあるとも思います 観終わってなんかすっきりしない、モヤモヤするお芝居でした。

emiko

emiko

保木本真也がプロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/15 (木) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

お芝居として
私が今まで見てきた中で、一番心と脳内をぐちゃぐちゃにさせられた作品でした。そして本当に大好きです。
まだ全然30代ではないので共感できるというのはおかしいのに、なぜかセリフを噛みしめれば噛みしめるほどに涙が止まらなくなって、普段から一緒にやっていらっしゃるメンバーなわけではないのに、この空気感はなんなんだろうと、本当に保木本ワールドに連れ込まれたという感じです。

死が二人を分かつまで、愛し続けると誓います(黄金のコメディフェスティバル最優秀作品賞、受賞)

死が二人を分かつまで、愛し続けると誓います(黄金のコメディフェスティバル最優秀作品賞、受賞)

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/17 (土) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

毎度毎度
感動させていただくのですが、今回ばかりは賞も獲られたということで本編中大笑い、終わって大号泣と忙しい観劇になりました。笑
どんどんどんどん成長して有名になっていくポップンですが、いつまでも好きでいたいなと、そう心から思わせていただきました。
そんな素敵な舞台でした。ありがとうございます。

狂える星霜

狂える星霜

劇団虚幻癖

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★

鬼気迫るラスト(大楽・B組拝見)
やりたい演出と役者の能力が追いついていない感じがした。しかし演出家は、本気で役者にそれを徹底させるつもりはあったのか?という疑問も沸く。台詞過多、役者の体を通して表現する、ということが徹底されていない舞台でした。本を書いておしまい、ではなく、演劇は役者を通して話を伝えるものです。これだったら、朗読劇で十分ではないですか?

役者は、肉体を使えていない役者が多すぎた。無駄にフラフラしない。目線は固定する。発声は滑らかに聞きやすい範囲でコントロールする。台詞を読んでるだけなら、声優をやれと言いたい。(台詞すらまともに読めない役者もいましたが。)また自分が気持ち良いように演技すれば良いのではない。自分が楽しくなって無駄に間延びさせるなんてもってのほか。間の客いじりは本当にうっとおしかった。役者として自分の仕事を果たせていたのは、セリーヌ役、グレイ役、老婆役、ジャンヌ役ぐらいで、後のキャストは役者ではない。もっと演劇というものをイチから考え直したほうがいいと思いました。(セリーヌはダブルキャストのBです。補足します。)

ですが後半の斬り合いからの役者達の好演は良かった。緊張感がどんどん高まっていく感じ、鬼気迫る雰囲気(前のほうに座っていましたが、グレイやセリーヌの殺気でぞわっとしました。)は「芝居」だったと思います。セリーヌさん、本当にお綺麗でした。あの台詞やアクトで違和感が全く無い人は、小劇場の女優ではあまりいないと思います。このお芝居はあなたがいなかったら成立しなかったでしょう。グレイさん、細かい情緒が表現されていて良かったと思います。他のお芝居でも是非拝見したいと思います。

JAM CONTE

JAM CONTE

ジャムコント

道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)

2013/08/04 (日) ~ 2013/08/29 (木)公演終了

満足度★★★

ちょっとした、間に丁度良い ジャムコント。
8月15日(木) 2回観ました。ネタは、即興なので毎回異なります、出演も変わるので、2回とも楽しめます。
亀井伸一郎さん面白かったですね。大牧ぽるんさんやっぱり可愛いですね。 面白かった ちょっとした、間に丁度良い ジャムコント。

あたっくNo.1

あたっくNo.1

劇団EXILE

青山劇場(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/09/17 (火)公演終了

満足度★★★★

開戦秘話
約一名を除いて基本イケメン揃いでした。

ネタバレBOX

真珠湾攻撃に向かうイ18号の艦内の話。

中尉同士のライバル心を煽ったり煽られたりや、鉄拳制裁の是非について鉄拳を食らわせながら論じ合ったり、ボーイズ・ラブ的なエピソードがあったりして艦内の男社会の様相をイケメン揃いで描き、最後は一年前から訓練していた古瀬中尉と横川一等兵が特殊潜航艇に乗って自爆攻撃に向かうことを知った者たちが、様々な思いを胸に二人を見送るシーンで終了。

開戦時から既に特攻の素地があったとは知りませんでした。こんなことでは長期戦になったら勝てないのは目に見えていました。

そして二人も結局は任務を果たせなかったようで、恐らく水漏れでも起こして脱出したもののそれっきりだったのでしょう。

舞台上では潜水艦が前に進んでいるという感じが伝わってきませんでした。真珠湾攻撃を知らない若い人も多いでしょうから、太平洋のどの辺りを航行し、最後二人を見送った真珠湾の入り口付近はこんな形をしているんだと具体的な地図で示した方が良かったのではないかと思いました。
舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The First Result

舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The First Result

マーベラス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/08/24 (土) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

パズルライダーが抜群
初日観劇。
ここまで物販が混雑してる舞台は久しぶりだったので、ちょっと戸惑ってしまった。そうそう、こんな感じでした。

サンシャイン劇場の2階席は初めてでしたが、フォーメーションや舞台装置を俯瞰で見られて、とっても快適でした!それもこれも、前列の観客がしっかり背もたれに背中をつけてご覧になっているお陰。マナーのよさも守っていきたいです。

登場人物が素晴らしいのはもちろんのこと、パズルライダーがとてもよかった。
声援やマイムで、背景がぐいぐい広がっていく感覚が堪らない。モノトーンの舞台上に、極彩色の真夏が描き出される瞬間に立ち会えて本当に良かった!
恐怖感や威圧感。時間の流れ。風の流れ。その場に満ちる空気の表情や色、重さまでもが自在に変わっていくのが、もうもう、ほんっとうにすごい!

あと、風の音をはじめとして、音がとてもいい。空気の暑さや湿度を皮膚に感じるほどで、真夏の景色が更に膨らみました。

マイ・ロマンティック・ヒストリー

マイ・ロマンティック・ヒストリー

東宝

シアタークリエ(東京都)

2013/08/16 (金) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★★

ロマンティックではない物語
30代前半の男女の妥協の恋愛を両側からの視点で描いた作品で、甘くない現実がドライかつユーモラスに表現されていました。

職場で出会った2人が成り行きで一夜を共にしたことから付き合い始める話が、所々で男性の本心を打ち明けるモノローグや回想シーンを挿入しつつ進み、女性に妊娠を告げられる所で暗転し、また冒頭から同じシーンが今度は女性のモノローグと回想シーンを伴いながら進み、両者の本音や記憶の思い違いがコミカルに描かれていました。
また暗転があり、その後の話が描かれるのですが、2人の直接的な会話シーンがなく、それぞれのモノローグが続くことによって心が離れている様子が描かれ、終盤になって会話が取り戻され、ハッピーではないものの最悪でもない今後が暗示されていました。

ドラマティックな展開や感動的なシーンが無い物語で、一般的な恋愛物語を期待していると肩透かしを食らいますが、2人のやりとりの裏側にイギリスの社会や宗教的な背景が透けて見えて興味深かったです。

主役2人は役に合っていましたが、少し硬さを感じました。男性視点のパートの時のちょっとしたアクシデント(おそらく)を女性視点のパートの時も再現する様な遊び心があったら良いなと思いました。
他の3人が複数の役を演じ分けていて楽しかったです。特に土屋祐一さんは役の数が多いのにも関わらず、それぞれ異なった妙な雰囲気で演じていて笑えました。

宣伝の仕方が作品の内容に合っていなくて(そもそもシアタークリエのような大きい所ではなく、小劇場向きな作品な気がします)、勿体なく思いました。

サークル

サークル

劇団光希

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/08/21 (水) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題801(13-230)
13:30の回(曇、でも降りそう)。13:58受付、開場、ここで冷たい飲み物をいただきました。最前列はミニ椅子、2列目から普通の椅子。薄暗いのは照明のせいだけではないようで、遠くなってしまった「昭和36年」、「炭鉱の街」が静かに記憶の底で眠りについているようにみえました。

先日、「高度成長 昭和が燃えたもう一つの戦争(保阪正康著)」という新書を借りました(完読できず返却…)。満州事変(昭和6年)〜終戦(昭和20年)までの14年と所得倍増計画(昭和35年)〜石油危機(昭和48年)までの14年。「戦争」と「経済戦争」を比較した内容で、本作はちょうど後者、豊かな社会の実現に向かって突き進み始めた時期にあたります。

13:30前説(某TV局から駆けつけたアイドルだと言ってたが、怪しい…130分)、13:36開演〜2名にTシャツが当たる大抽選会〜15:51終演。

今から遡ること半世紀強、サークル…熱いものを持った男たち、女たちの物語でした。「べじたぶるーす(2011/8@BOX)」からで4作目、森下さんは他に客演2作。

ネタバレBOX

素直に…泣けました。役者さんが役を演じているのではなく、衝き動かされているとしかみえませんでした。相手の胸ぐらをつかむ時の腕、握り締めた拳、かと思えばふと見せる温かい眼差し、みんなどうしようもなく不器用な男たちっ!!女たちは揺れ動きながらもそんな男たちをずっと見守る。みなさん好演。

開演前にかかった曲(1960年代あたりでしたでしょうか)の中には今でも聴くものがありました。

「道り寄」。「全品参拾圓」、枝豆、らっきょ、焼き鳥、鯵の塩焼き、冷奴、肉じゃが、玉子焼き、おにぎり、お茶漬け、ビール(確かにどのメーカーか…ですね)、熱燗…、カウンター左、大鍋の中は何だったんでしょう。三種の神器のひとつ、冷蔵庫も高度成長期に普及。

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