最新の観てきた!クチコミ一覧

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被告人~裁判記録より~

被告人~裁判記録より~

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/08/27 (火) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったよ
実際にあった事件の公判記録からテキストを起こしての芝居。公判で被告や検察官らが話したことを役者がしゃべる。圧倒的にアキバと木嶋佳苗が面白い。だって、リアルだから。佳苗のことは公判記録がいくつか出版されてるけど、まだこんなネタがあったのね。なんぼでもでてくるんだろうなあ。短編にするのが惜しいよ。アキバの加藤くんのは、知らなかったなあ。あんな親だったとは!やっぱ、この芝居の試みは、知り得ない情報に接する機会を与えられた、という点が一番じゃなかろうか。文字で読むより、リアルだしね。まあ、役者の力量には差があったけど。

たけくらべ=TK Club

たけくらべ=TK Club

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/08/29 (木)公演終了

満足度★★★★

居心地良し!
多くの芸人を生んだ元フランス座に私のイメージする浅草の空気が流れていました。観劇してて何かとても居心地が良かったです。(他にない感じです)
フィクションの中に史実を織り込ませ、婉曲的に社会へメッセージを投げかける。
練り上げられた台詞の中には耽美なものが伺える。
舞台だけでなく、客席通路をも幾度となく使い、そして何より舞台上手の階段が何とも言えず哀愁を感じる。とても良い芝居で楽しめました。

廻天遊魚

廻天遊魚

アムリタ

新宿眼科画廊(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/08/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

枯れる
嘘の出来事を嘘なく舞台に乗せるとこんな形になるのかと、
恐ろしくなりました。
二度目をみにいけないのが非常に悔やまれる。

黄金のコメディフェスティバル2013

黄金のコメディフェスティバル2013

黄金のコメディフェスティバル

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/15 (木) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

千秋楽スペシャル
順位を競うとなるとやはり一番得意なスタイルになるようで、6団体中5つは如実に「自団体色」を出して来たのが面白く、結果的に「異種格闘技戦」の如く優劣を付けにくくなったのもまた良からずや。

被告人~裁判記録より~

被告人~裁判記録より~

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/08/27 (火) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

面白い企画
とても面白い企画だと思った。

ただ、実際の裁判記録に基づいた実験公演と銘打っていたので、ポストドラマ/ドキュメンタリー演劇のような、一般的な演劇を解体するような試みかと期待していたが、芝居自体は極めて正攻法の芝居だった。
それでも、逆から言えば、特殊な試みなれど、一つの芝居としてよくできていたという言い方もできる。

物語としては、、、

ネタバレBOX

5つの物語が演じられるのだが、数ある事件の中で、なぜこの5つの裁判の、更にこの場面を選んだのか、作者が向き合っているものがわからなかった。勿論、5つの物語を繋ぐ表面的なテーマ(正義、悪、罪、、、それを裁くということなど)はわかるが、その5つを並べることで、何を顕在化させようとしてるのかがわからなかった。

事実に基づいた、作者ありきではない作品という姿勢であったとしても、作者を解体するような(ポストドラマ的な)構成・演出がなされている訳ではないため、作品に対して作家の意志(批評性)を観客としてはどうしても観ようとしてしまう。ドキュメンタリー映画などは典型的な例だが、事実に基づこうが、その事実の中から何を選ぶか、どう編集するかは、ある意味ではフィクション以上に、その作家の批評性が問われる。それが見えないのが残念だった。

また、最終話の「ジャンヌ・ダルク異端審問裁判」で、それまで事実に基づいた話というリアリティを持って観てきたものが、一気に神話のような話になってしまい、結局フィクションを観たという印象で芝居を見終えたのも残念だった。
これは、演目1・2は日本の現代もの、演目3は日本の戦後(1960年の事件)、演目4は日本の戦前(1936年の事件)と来ての、演目5ではフランスの中世(1412年の事件:ギリギリ近世?)と、上演されている「今ここ」との場所と時間の距離が極端に広がったことが原因だろう。それらの距離が広がれば広がるほど、現実感は希薄となり、事実といえどフィクション化されていく、神話化されていく。そのことに対する批評性が作家にあったなら納得するが、そういう問いかけでこの作品が構成されているようには思えなかった。

演出面では、舞台が四面客席で囲まれている上に、客席の中(最前列)の椅子に役者が座って演技をするなど、役者と客との距離が近すぎて、客のリアクションが気になって、最初は舞台に集中できなかったが、慣れてくると、むしろその近さが妙な緊張感を生んで、とても刺激的だった。この芝居で、内容よりもこの演出の方が実験的だったと思う。
(ただ、私の席ではそう感じたが、終始単に観づらいとイライラした人もいたかもしれない。)

演技としては、演目4「226事件」の陸軍法務官役:大森勇一さんの演技が素晴らしかった。

残念だった点ばかり指摘してしまったが、やはりこの企画自体がとても魅力的だったため、観客としての欲が出てしまったが故のもの。悪く思わないでください。

なんだかんだ言いながらも、面白く観劇した。
ダンスがみたい!15

ダンスがみたい!15

「ダンスがみたい!」実行委員会

d-倉庫(東京都)

2013/08/21 (水) ~ 2013/08/28 (水)公演終了

満足度★★★★

COLONCH
明確なストーリー性をもたないダンス主体でソロ公演として成り立っていて、円熟味が出てきた。

たいこ茶屋殺人事件 2013夏

たいこ茶屋殺人事件 2013夏

たいこ茶屋殺人事件☆制作委員会

浅草橋「おさかな本舗 たいこ茶屋」 ※テレビでも人気の居酒屋(東京都)

2013/08/25 (日) ~ 2013/08/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

楽しめました
8.26昼・夜公演を観ました。交流会にも参加しました。アドリブでの長谷川真弓さんがとってもかわいかったです。
ゲスト出演者によりシチュエーションがかわるって斬新で、1月に引き続き観たのですが毎回楽しめました。
長谷川さん目当てで観にいった割には緊張してあまり話せませんでしたが、なぜか、川嵜めぐみさんとはずいぶん話をしました。(なんでだろ?)
交流会も大勢で、じゃんけん大会、マグロ解体ショーも大盛り上がりでした。
夏の次は冬もあるのかしら?塩崎さん!
宮崎から参加して本当によかったです。楽しい時間をありがとうございました。

ネタバレBOX

打ち上げ、楽しんでください。焼酎足りなければ送りますので言ってください。
ミハルの人魚

ミハルの人魚

X-QUEST

駅前劇場(東京都)

2013/08/17 (土) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

うみにしずんで
一つの公演をこんなに回数を観たのは初めてでしたが、
照明や音楽、ダンスや殺陣、表情、セリフ回し…何回見ても足りなかったです。

休演日前後でだいぶ印象が変わったのも新鮮でした。
公演が終わってしまってこんなに寂しいのも初めてです。
素敵なお芝居をありがとうございました。
今から次回作も楽しみにしています。

ネタバレBOX

初めて駅前劇場に足を運びましたが、
今回の公演にはちょうど良かったのかなと思いました。
ダンスや殺陣をするには窮屈そうではありましたが、バスの落ちたシーンの表現のせいもあって、観ていて水槽の中を覗いてみているような気分になったので。場面によってはこちら側も一緒に沈んでいるようなそんな気持ちにさせられました。
水底に沈んでいく人達の表現が幻想的ですばらしかったです。

内容に沿った衣装がまた素敵でした。
半分が黒の人たちは滝桜の思い出の中に生きる人たちなのかな、と。(いう解釈をしました)
殺陣やダンスの際にひらひらと揺れるところがすばらしくて
シルエットも素敵という衣装はなかなかお目にかからない気がします。
照明も好みで、特にヤマモさんの登場シーンでのシルエットに
ほれぼれしてました。

全体的に笑いどころのネタが30半ばのややオタク向けだったように思えて
日によっての客層とウケ方の違いなんかも楽しかったです(笑)
最後には必ず二人一緒にずっと、というのも三部作のリンクである
一部分なんでしょうか。
重いテーマの描き方も好きですが、それ以上に今回は
恋する劇団の名に恥じぬ大人の恋や愛が描かれてたとこが好きでした。
トクナガさんの描かれる、さいごにちょっと切なくなるお話が大好きです。

初日のZさんのあのシーンが忘れられません(笑)
個人的に金曜の回が笑いとエロスのバランスが良かったように思いました!撮影がいつだったのかわかりませんが、DVDが今から楽しみです。
木

ろりえ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

素敵なお芝居
著名な役者さんが観に行くとつぶやいていたので、時間を作って観ました。評判どおりの素晴らしい作品だと思います。何と言っても美術が良いです。最近観たお芝居の舞台美術がシンプルだったこともあり、凄えって思いました。前半の踊りもよかったです。期間の長い公演なのに役者の皆さんのエネルギー溢れる演技は見応えありました。キャラもストーリーも分かりやすくて、時間を感じなかった。脚本欲しい。

前向き!タイモン

前向き!タイモン

ミクニヤナイハラプロジェクト

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/09/02 (月)公演終了

満足度★★★

林檎
パワフルでした。

ネタバレBOX

言葉をガンガンぶつけてくる感じ。動きは面白いと率直に思った。ニブロール観てみたいと思った。

前向きさはよくわからんかった。80分位。
レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

東宝

博多座(福岡県)

2013/08/03 (土) ~ 2013/08/31 (土)公演終了

満足度★★★★

第一幕はたんたんと。
映画もそうですが、ミュージカルはこうなんでしょう。観る人によって好き嫌いはあるかも。
パリの街の大掛かりな装置や舞台張り出しの装置はこのミュージカルならではかと。映像は、下水道は効果があったように思いました。そして生オケと”民衆の歌”はとりはだものです。
第二幕からは涙腺ゆるみっぱなしでした。

ネタバレBOX

ジャベールの自殺シーンの演出は、いつのまにと思いましたが、これまでのぐるぐるまわる映像(だったと思いますが)とは違って、新鮮でした。
桜の森の満開の下

桜の森の満開の下

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2013/08/27 (火) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★

和風
テイストのショー的な怪談話的舞台?みたいな。 いろんな意味ですごく豪華なのですが、ちょっと陳腐な感じがしてしまって。。 あと、正直、イミフで自分にはよく分かりませんでした。。 スイマセン。。 それと、公演そのものとは関係ありませんが、劇場がすごく懐かしい感じがして味がありました。笑。


弁当屋の四兄弟

弁当屋の四兄弟

スプリングマン

OFF OFFシアター(東京都)

2013/08/14 (水) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

兄弟っていいな
14日、16日と観てきました。
男兄弟っていいなぁ。
兄弟だから言えて、言えないコト。
男成分多めながらも、女性陣が締めるとこ締めてくれるし、爽やかな気分です。あきやまさんのいい塩梅加減も素敵でした!
かおるさんの、今までに無かった役柄でありながら、ご自身の延長上にあるような永遠の18歳っぷりが素敵でした。

「シュガー2~いくつものツバサ~」

「シュガー2~いくつものツバサ~」

ジョーズカンパニー

相鉄本多劇場(神奈川県)

2013/08/16 (金) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★★★

いつもながらに,ダンスが圧巻だった。
『シュガー2:いくつものつばさ』

ミュージカルカンパニーであるジョーズカンパニーとは,舞台制作を目的に法人として1995年に設立されたものだ。俳優・演出家の桝川譲治が主宰している。子供が主役のファミリーミュージカル作品を多く制作している。

『シュガー:空色のプールサイド』『フラッパーズ:私たちにできること』は,下北沢の劇「小劇場」・小劇場「楽園」でやっていた。どちらかと言うと,内容よりも,下北沢の本多劇場Gを体験したかったのが,きっかけだった。『シュガー2:いくつものつばさ』は,横浜「相鉄本多劇場」でやっていて,その場所は,駅からさほど遠くはなかった。

水泳部で予選会があり,有望であった選手が直前で水着を紛失してしまい失格になる。選手は,ライバルが勝ち上がったのを見て怒り出す。ライバルが水着を盗んだ犯人に違いない,と言い立てる。真相は,選手の自作自演であった。つまり,水着は盗まれたのでなかった。ライバルのバッグへ押し込み,無実の罪に陥れようとしたのは,選手本人だった。

桝川譲治が,三年ぶりに,俳優として出演していた。彼は,写真家としての設定であった。戦場カメラマンです,と自己紹介しておきながら,戦場は,船の上のせんじょうですとか,戦場でなくて,お風呂の洗浄です,とかぼけていた。しかし,子どもたちに,思いっきり笑って見てください!とか,劇中で演技指導していた。驚いた。

演技も今回は素晴らしかったが,いつもながらに,ダンスが圧巻だった。もともとダンスが上手なメンバーを集めているのだろう。台詞になると,まだ少し慣れていないと思うメンバーもかなりノッテ踊っていた。ダンスの基本ポーズも,ある程度かたちがあって,数年やっていると何でもできるようになるのかもしれない。楽しかった。

ミュージカル「最後の真珠」

ミュージカル「最後の真珠」

ミュージカルスクエア

イマジンミュージカルスタジオ(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

アンデルセンのいわんとすること。
アンデルセンの『最後の真珠』

三鷹にある子どもミュージカル教室のイマジンは,この夏,アンデルセンの『最後の真珠』をやっていた。この作品は,無名で,探してみたものの,やっと全集2の中に発見し,それが,非常に短いものであることに気がついた。

アンデルセンのいわんとすることは,財産やら,健康なんてものがあっても,人間には,もっともっと大事なものがあるんだよ。という,メッセージだろう。それは,意外と,悲しみの感情であり,悲惨な体験,というものだったりする。

アンデルセンは,まさにキリスト教の国の人であり,聖書の世界がその思想のバックにある。聖書では,人は,悲しみに会うと,かえってしあわせなんだという。悲しみに会うと,その時,主に,神様に近くなる。悲しみが深くなるほど,神様に近づくのだ。

人生において,悲しみなど少ない方がいい。悲しみが深くなり,心配ごとが多いと,山本太郎みたいに,十円はげになってしまうかもしれない。だから,悲しみは,あって欲しくないけど,悲しいことがある時,人生って,なんのためにあるのか,と思うもの。

劇中,おもしろかったのは,怒りの妖精たちだ。アンデルセンの原作には,ないが,怒りとの付き合い方で,人は結構しあわせになれる。やたら,怒ればいいってものじゃないさ。怒りの場で,水戸黄門みたいに,がはは!と笑える人はなかなかいないだろうが。

ことばの遊びもおもしろかった。ナイツが,言葉をことごとく聴きまちがって笑いを取っているが,今回は,守護霊の名前をみんなで意図的に何度もいいまちがっていた。笑いというのは,少ししつこくやると,臨界点に達して爆発するものなのだろう。

全体としては,しっとりといい感じで,まとまっていた。昨年は,大木の精霊が非常に美しくて感動したが,スーパー母さんの存在が目立ってうとましくもあった。今回は,途中で出てきたバレリーナがかわいく,そのほかのダンスも素敵だった。

イマジンは,『天使といた時』『オリバー・ツイスト』という懐かしいミュージカルがあり,『満天の星空』なんかにも,一部参戦していたが,基本的に,地味なローカルな発表会的団体だ。でも,取り上げる作品は,文学作品ばかりで,大好きだ。また,最後に定番で,子どもの方がいい!という歌も楽しい。また,いつの日か。

ディストピア

ディストピア

角角ストロガのフ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★

好みが分かれるというよりは
率直に言ってしまえば「私の」好みに合いませんでした。すみません。
角角ストロガノフさん初見だったので、事前の情報収集が甘かったかなと反省。
基本、ハッピーエンド好きで、辻褄の合わない(現実的に照らして疑問が生じる)話が苦手で、下ネタもグロも苦手、ときたらしかたないですよね。全く私個人の問題です。
同じような好みの人にはお勧めできません。
その一方、
「これってこの後どうなるの?」
「これってどんな意味があるの?」
と、ぐいぐい引き込むパワーには圧倒されました。

さんざん引き込まれて、最後にブワッとカタルシスがあればすごく満足できたと思うのですが、どっちかというとモワーンとした気持ちで劇場を後にしました。
このモワーンが、好きな人は好きなんだろうなー。

ネタバレBOX

親切、思いやりが下劣な行為で、暴力が正当化され、殺すことが最高の行為という設定は、昔の少年漫画で見た気がします。デビルマン風の絵で(笑)←永井先生ごめんなさい。

その時の感想が「こいつら頭悪いなー」だったので、この芝居の特別区域の人たちも、「頭の悪い人たちが好き勝手してる」としか思えなかったです。
そこにこの芝居の主張があったのなら、もう少し違う見せ方があったのではないかと思いました。すみません。
見世物革命ゴウマちゃん

見世物革命ゴウマちゃん

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シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★

何このパワー!
ソウルこっくりさん!

いやー、何だろう。衝撃?良い意味で心を踏みにじる感じが気持ちいいー!これからもこのパワーで観客を蹂躙して欲しい。ダンスのキレもよくて良かったです。

ディストピア

ディストピア

角角ストロガのフ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/08/22 (木) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★★★

ルミちゃんの新境地?
人気俳優が無実の罪で捕まり、護送中の事故により逃げ込んだのは道徳観念がほぼ逆転した社会で…な物語。
従来の家族や学校のクラスなどと較べて町に近いレベルの共同体になり、テーマも「正義とは?」のように大きい分、毒が希薄になったか?という気が序盤ではしたが、観ているうちにそれは思い違いで、粘液タイプの毒から気体に変化したと解すべきだと気付く。
換言すれば今までは舞台からねっとりした毒がドロリと流れ出て来る感じだったのに対して、本作は毒が霧のように会場全体に漂い広がってゆく感覚。(会場の広さも関係しているか?)
なお、悪夢のような「ルミちゃんワールド」は健在。

落語的@empty space 文七元結 petit musical!

落語的@empty space 文七元結 petit musical!

龍平カンパニー

東京スクールオブミュージック専門学校渋谷(東京都)

2013/08/04 (日) ~ 2013/08/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

泣きどおしでした
この手の人情噺はダメですね。よく知っている噺なだけに、それが生の舞台で演じられるともう、最初から涙が溢れました。もちろん笑いの演出もあるのですが、私には笑いよりも涙の方が先に反応してしまいました。

たけくらべ=TK Club

たけくらべ=TK Club

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2013/08/23 (金) ~ 2013/08/29 (木)公演終了

満足度★★★★★

アメリカと屈辱
 何ともアイロニーに満ちたシナリオである。だが、正鵠を射ている。この植民地に暮らす人々の屈辱と意地、如何ともし難い現実を尚、我々自身が引き受けて行く為の、昏い決意を、自分も継承しよう。
 本牧TK Clubは、進駐軍相手のクラブ。時は敗戦5年後の1950年、戦前、戦中の庶民の暮らしも決して楽ではなかったが、戦後数年の間は、法に従っていれば、栄養失調で死ぬのは、間違いなかった。従って、生き残った者は、生きる為には何でもやった。進駐軍相手の飲み屋ともなれば、無論、何でも売っていたのである。
 アゲハは、この店のNo.1、付け人のサナギは彼女の妹だが、二人は戦時中、慰問団の看板女優と美少女ダンサーであった。然し、サナギは在る事件を境に人前で声を失う。
 助六役の丸山 正吾がいい。隈取をアレンジした化粧も、その衣装も、敏捷な動きとジャンプ力、身のこなし、男伊達、何れも良い。無論、演技もこなれていて、本牧の助六の貫録、歌舞きぶり充分堪能させて貰った。
 然し、よくこれだけの内容をエンターテインメントに仕立てた。お見事。(追記2013.8.31)

ネタバレBOX

歴史的背景
 一方、アメリカは、次の魔手を朝鮮半島に延ばしていた。早くも1945年9月8日には仁川に上陸。翌9日には、総督府から権限の委譲を受け、9月11日からは米軍による軍政が敷かれている。一方、8月8日に参戦したソ連軍は、8月9日には豆満江を超えていた。この時点で、既に、朝鮮戦争は準備されていたと見ることが出来よう。
 この年1950年と言えば、6月25日には、北朝鮮軍が、韓国軍が南部に集結した隙をついて38度線を南下、朝鮮戦争が始まっていた。背景には、大日本帝国が、朝鮮半島を支配した後、8.15宗主国敗戦で一応、大日本帝国の植民支配からは解放されたものの、半島の全領域を統括し得るような勢力が、存在せず、ソ連の南進がある中、朝鮮建国準備委員会の新メンバーの多くが、8月16日に釈放された政治犯であり共産主義者が多かった為に左傾化が著しく、当初、目指した左右合作路線が画餅に帰したことにもよる。結果、実質的に誰も統一するだけの力量を持つ者・グループが存在しなかったことは、半島統一よりは、互いの抗争を呼び、益々、昏迷の度を深めていった。無論、日本に原爆を落とした主要な原因の一つであるソ連への警戒があって、アメリカは、中国、ソ連の動向を睨み、台湾、朝鮮半島を含む東アジアに於ける自国の権益の為に、虎視眈々と反撃のチャンスを狙っていたのである。
 また、裕仁が米と結んだ秘密協定のせいで沖縄は施政権をアメリカに奪われ、完全に米軍占領下に置かれた為、沖縄の人々は基本的人権も守られなかった。朝鮮戦争時には、この沖縄に置かれた米軍基地と本土にもまだたくさんあった米軍基地から、アメリカの前線部隊が出撃して行ったのである。
日本の為政者
 ところで、日本の為政者の身の振り様は、「見事」であった。昨日迄、天皇万歳を叫び、天皇の名の下に命を捧げていたはずの者達が、今日は、アメリカの犬となり、731部隊が人体実験を繰り返して集めた軍事用殲滅兵器資料や、広島・長崎へ投下された原爆の被害状況、人体への影響評価、爆発地点からの距離と被害の関係などに関する詳細な資料、関東軍の隠匿物資情報などと引き換えに命を救われ、時期を見て国家の枢要な部署、経済界、各々の専門分野(放射線医療を含む)などへの復帰を勝ち得ていたのである。そして、裕仁自身は、一切の戦争責任を免れ、のうのうと生涯を全うしたのであった。東京裁判は、裕仁に罪を被せない為に行われた、という見解さえ存在しており、これは正しいだろう。
 一言で言えば、日本民衆のアメリカに対する関係は、二重の意味で屈辱そのものである。
 この為政者共の狡さ、汚さ、下司ぶり、非人間性を2人の人物が表象している。1人は、ノモンハン生き残りの関東軍将校、1人は、医者、便利屋も務めるインテリ。2人は、1枚のコインの裏表である。将校は、慰問団と軍の連絡・世話掛かりのショウタ(これも「たけくらべ」の田中の正太をベースにしている)をコルトガバメント(45口径のアメリカ軍用拳銃、当然governmentの持つ意味が内包されている。アメリカとは、銃による「正義」の国なのであるから)の試射用に殺害、平然としている。(この殺害現場に居合わせたサナギ「たけくらべ」の美登里は人前での声を失った)彼の論理は、こうだ。自分というものは、既に、国家=天皇に捧げられた者であってみれば、個々の実存としては存在せず、只、捧げられた人身御供としてのみ存在する。従って、それが死のうが生きようが、親眷は悲しむ必要など無い。散ることは、花弁が落ちるようなものであり、花弁1枚1枚に名など無い。あるのは、花弁を散らす、桜の木である、と。何と都合の良い詭弁であるか!! 
 劇中、ノモンハンで弟を亡くしたアゲハは、弟の死にざまを訊ねたいが為に、この将校と寝る。而も、彼女は、慰問団、座長の花川 助六の女なのだ。上記の将校の言い訳は、彼女の質問に応えた将校の科白の一部を自分が翻案したものである。
 ところで、ノモンハンについては、現在でも、日ソ痛み分け、とのまやかしが大手を振って通っているが、実際は、日本の損失は、兵の死者数に於いてもソ連の4倍近く、武器、航空機、車両の損失も遥かに大きい。第二次ノモンハン事件終了後の国境再画定では、ソ連側の主張がほぼ通り、日本は、戦う前よりその領土を減らしているのが実情である。また、ノモンハンで生き残った将校の多くは、戦闘終了後、殺されたり、自殺に追い込まれたりして命を断たれている。逆に生き残った将校でありながら、関東軍将校として着任しているこの男の人品を疑うべきことを彼のコインの裏側が暴露しているのである。詰る所、軍は敵との戦いの尖兵として機能するのではなく、情報を操作する際、自国民の正論を押さえ込む為に機能するのである。この辺りの意図的勘違いで戦う前から勝敗は決していたのだと考えた方が合理的である。そして、日本に欠けている最大のものこそ、この合理性なのである。
アメリカという国
 清教徒がメイフラワー号で辿りついた年、彼らは病み衰え、食糧不足などから散々な状態にあった。それを救ったのが、ネイティブ・アメリカンである。その命の恩人達を、野蛮人を教化するなどという思い上がりから、騙し、戮し尽くして上陸した大西洋沿岸から太平洋迄を席巻しただけでは飽き足らず、更には、ハワイを領土とし、スペインとの戦争ではフィリピンを植民地化した上、更に東アジアに目を向け、日本とぶつかって、これも植民地化、朝鮮戦争では韓国に加勢して4.3事件、朝鮮戦争を遂行し、あまつさえ、ベトナムでは300万人以上の婦女子、子供を含む人民を虐殺、エージェントオレンジによる災禍を未だに残している。その間も後も中南米へ恣意的に進軍、或いは工作を繰り返し、多くの罪なき人々を拷問の末、死に追いやるような組織を設立、後押しし続ける。更には、中東へも盛んにチョッカイを出しては、石油資源などを調達、襲われたエリアは、DU被害で今後、数百億年は、放射性核種の影響を受けると言われるが、そんな先まで、地球自体が存在しない。無論、アメリカが齎したDU被害についての責任は言い逃れている。また、ユーラシア大陸の西には、イスラエルという兄弟テロ国家を経済・政治的に支援、軍事戦略的には、寧ろ、イスラエルがアメリカを引っ張っている側面があるにせよ、パレスチナ問題で結束しがちなイスラム諸国を分断統治しているのみならず、東側には日本という名の植民地を抱えて好き放題をしている。
8月14日
 敗戦記念日、前日、旧盆中、先祖が帰ってくると考えられている。その為、サンスクリットの音訳である盂蘭盆(倒懸)が地獄で逆さ吊りにされている死者への供養と考えられているのである。盂蘭盆会は、先祖の魂が帰ってくる際の迎えの祭りと位置付けられる。さて、その日、あの時と同じような猛烈な雷雨の中を、本牧の助六と名を変えてはいるが、紛れもない花川 助六が帰ってくる。本牧の夜、TK Clubは、満州の慰問団訪問地に重なるのだ。
 サナギが言葉を失った事件の顛末とは、若い兵士達に誘われて出掛けたものの夕方までに帰るつもりが話に夢中になって帰宅が遅れた際、上に挙げたコルトガバメントの試し撃ちで弟のように可愛がっていたショウタが、虫けら以下の殺され方をしたのだ。その論理もまた、預けた命である以上、何処でどうなっても悲しむべきものではない、というものであった。助六も彼らを助けようと奮闘するものの、丸腰。凶弾を浴びて倒れた。だが、助六の奮闘の所為もあって、日本の為政者の本質とアメリカの関係が明らかにされてゆく。現在も続く、日本の為政者の米専用御用聞きぶりと無能は、既にとうの昔から変わらぬものとして脈々と息づいてきたことが証明されるのである。
 進駐軍の横流しした物資も今日が最後。というのも、横流ししていた連中は、将校迄が日系アメリカ人であり、明日、朝鮮戦争に派遣されるからである。黄色人種同士を戦わせようという白人支配の多民族国家、アメリカの差別の実態を表してもいよう。
 

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