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眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

キューブ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/10/01 (日) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ケラの世界にどっぷりつかる3時間半。筋が3つも4つも絡んで、芝居はパッチワークのようだ。一つの話が進んだかと思うと、別の話に変わり、と変化が多い。一つ一つの場面がよく作りこまれていて、完成度が高い。そのせいか、3時間半(休憩15分)の割には、全然長さを感じさせない。そこは芝居作りが上手なケラ・チームである。しかし、だからどうなの? と終わってみて考えると、何か核になるものが弱い。井上ひさしがニール・サイモンを評して言ったことが当てはまる気がする。あるいは、全体よりも部分に凝る「土着世界観」的芝居と言えよう。

乳飲み子を抱えた女(篠井英介)が、門番にミルクを求めるプロローグ、回想のサーカス(サーベル飲み、ナイフ投げが見事)。本編が始まって、主人公ノーラ(緒川たまき)の貧しい家。夫(音尾琢真)が言葉を全く同じに繰り返すから、何か変と思うと、実はロボット…というのも面白い。そこに管理局の男(北村有起哉)がやってきて…。これがプロットの第一の柱。

娼婦(依田朋子)が、息子の密告で逮捕される街頭(このシーンはこれだけで終わる。残念)、第二の柱は、娼婦シグネ(水野美紀)がマフィアのゴーガ(山内圭哉)に囲われてる部屋。シグネの夫(斉藤悠)が監禁されてるが、この夫、ボロボロになってる設定で、ほとんどセリフない。なのに後半はライナスの毛布のように連れまわされてかわいそう。手下のナンダ(野間口徹)はダークな道化と言えよう。「これナンダ!」「はい」「お前じゃない!」というような、ボケ役である。

第3の柱は大家のウルスラ(犬山イヌコ)の家族、その周辺(マザコン男とその母、遺書を見せ合う男女)。屋根の上に上ったノーラとナスカ(奈緒)が、下にいる男女の遺書をのぞき聞きする場面は、映像も生かして面白い。

この近未来の管理社会(舞台の照明・色調も終始くらい)で人々はひっそりと生きている。そこに、歌手のボルト―ヴォリ(篠井英介)が、ウルスラの記憶を盗もうとゴーガをけしかけ、ウルスラたちの逃避行が始まる。

ネタバレBOX

結局、最後はほとんどみんな死んでしまうが、からっとした終わりである。ハッピーエンドは嘘くさくなりやすいが、アンハッピーエンドにするのは実に簡単だと思った。シグネが息子(人形)を燃やされたことにキレテ、ゴーガに復讐するなど、若干唐突なのだが、決して嘘くさくはない。
新編 糸桜

新編 糸桜

新派の子

日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)

2023/10/12 (木) ~ 2023/10/13 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

地味な題材だが、美しいせりふと、花のある役者を得て、いい舞台だった。波乃久里子が一本気な江戸っ子を、べらんめえ調(と言っても女性なので抑え気味だが)で小気味よく演じる。養子の繁俊(尾上菊之丞)に、芝居の本読みをしこむ「第五夜 雷鳴の夜」は絶品。床に就くところなどかわいげもある。第2幕「第一夜 三つ巴の日々」の親子喧嘩の波乃久里子もよかった。

勘当されたヤクザな三五郎(石橋直也)も、真面目な人ぞろいのなかで、ちょいと斜に構えた小ワルを粋に演じて印象が強い。彼のセリフは黙阿弥のような七五調やべらんめいを取り入れて、心地よい。尾上菊之丞は初めての芝居とは思えない存在感がある。新人の勢い、新鮮さとともに、芯のある安定したたたずまい。姿勢がいいのは日本舞踊の踊り手だからだろうが、声もいい。二人の女中役(村岡ミヨ、鴫原桂)も、わきで舞台を支えてよい感じだった。

今回「新編」ということで、前の上演台本に手を入れた。一番大きな変更は、関東大震災で母子妻がはぐれて、炎のなかを逃げ惑うシーンと、再会の場面を入れたところ。それぞれの必死の姿に迫力があり、メリハリがついて、動きのある芝居になった。幕開けも、震災後の糸と繁俊から始まる。(前の上演では、「人形の家」の稽古から、坪内逍遥の養子縁組話という流れだった)

バックの箏曲、太鼓・笛も生演奏でぜいたくな音響。雰囲気を盛り上げた。2時間30分(休憩10分、前半80分、後半60分)

ネタバレBOX

地震の火災の様子を目にして、繁俊が「鬼が引く炎の大八車」云々と、比喩も豊かに描写するのは一つの見せ場。ただ、状況の緊迫感にあうかどうかという賛否はあるだろう。糸の晩年、夢に見た黙阿弥の前で、「おとッつぁんがほめてばかりいるから、こんなのができちゃったじゃないか」は、波乃久里子の実人生からとられている。黙阿弥の娘・糸と17代目中村勘九郎の娘・波乃を重ねてのセリフに感心した。

客席の最後列に尾上松也と渡辺えりがいたし、ほかにも女優・俳優が結構見に来ていた。作・演出の齋藤雅文さんの人徳だろう。
My Boy Jack

My Boy Jack

サンライズプロモーション東京

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

テーマが重い。
でも観てよかった。

主演2人の年代別の演技の幅も素晴らしい。
他のキャストも実力派でとてもひきこまれた。

EPAD Re LIVE THEATER in Tokyo

EPAD Re LIVE THEATER in Tokyo

EPAD事務局

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/10/12 (木) 19:00

座席1階

岸田賞加藤拓也のヒット作「綿子はもつれる」を映像で見た。
既に破綻している夫婦が妻の不倫をきっかけにもつれた糸を結び直そうとする物語。ふとしたきっかけで、築き上げようとした楼閣がガラガラと破滅する。主人公を演じた安達祐実はさすがの演技。生で見たら相当な迫力があったと思われる。

たしかに映像でもそれなりに楽しめる。舞台を映写化した作品を大きなスクリーンで映画として見たのは初めてだが、結論から言うと、やはり舞台は生で、という当たり前の結論に落ち着いた次第。どの場面を回想しても、「あぁ、これが生の舞台だったら」と考えてしまう。

いい作品だった。それだけに、映像では見たくなかった。物語を追うだけならいいが。

Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Jを観劇しました。楽しかったです。

ネタバレBOX

重い内容なのに、明るく観れて楽しかったです。
Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 物語は、フランチャイズの加盟店、府中東店スーパーサンエーの休憩室で展開する。如何にもそれらしく下手客席側の側壁には着替えスペースに通じる通路。その目隠し用にクロスが床まで垂れ、通路沿いに荷物等が置けるようにボックス形式の凹みが幾つも作られている。ホリゾントの壁、下手側側壁、上手側側壁にはカレンダー等の他たくさんの張り紙。部屋の中央にテーブルと丸椅子。上手側壁壁際には様々な小物等が入った収納棚と予備の丸椅子。出捌けは下手のドアと上手側壁、着替え場所を袖として使えばここも出捌け可能である。尺は90分。RとJ、一部キャストは配役を入れ替えて演じられる。小生はRを拝見。(今回、挙げた場面で終わりではない、追記後送)

ネタバレBOX


 オープニング早々、早く出社してきたパート女性達が雑談の最中、経営者の息子、ぼっちゃんが血相を変えて飛び込んで来たシーンで急転。何でも父親(店長)が失踪したという。書き置きがあり、それには一言、ゴメンとだけ記されていた。やや遅れて到着した別のパートが駅で店長を見掛けたという。ぼっちゃんは近場の駅名を3つ挙げ、父を見掛けたという駅に大急ぎで駆け出してゆく。この頃になるとパートの人々も揃いぼっちゃんの応援をして盛り上がっている。ぼっちゃんが皆に好かれていることが良く分かるシーンだ。
 場転、フランチャイズ本社で代理店長への辞令が下される場面から、新任の店長として赴任して来た店長の挨拶。それから数日後のミーティングで、この店の置かれている状況が話されている中で新任店長がお仕着せの改革案を出すがこの地域の個別事情、各パートの事情等にも疎いことをパート従業員の中で最も冷静に世の中を見、論理立てて見解を述べることのできる太田(岬)から突っ込みを入れられる。侃々諤々があり元々優秀な新任店長も胸襟を開き皆と本音で対峙することとなった。自らの赴任事情、立て直しに与えられた時間、また立て直しに僅か3か月しか与えられないことの意味として業績の悪い店舗の整理であることなども明かされる。また、自らが派遣されたのは自分が上司から受けたセクハラを告発した為昇格措置を取られ別の部署に送られていたことなども話した。面白いのは、この会議の直前、それまでのメンバーは綽名で呼び合うことを正式決定していたことであった。但し綽名は呼ばれる本人が自ら気に入った綽名を選ぶのが基本だ。そうすれば気に食わない綽名で呼ばれなくとも良いからである。目的は互いの距離感を縮めることにあった。こんなこともあり、新任店長も綽名で呼び合う仲間として溶け合ってゆく。こうして地盤ができたところで新店長は全員からの忌憚のないアイデアを求めた。様々なアイデアが基本的にお客目線から提案され実行に移されていった。然し、フランチャイズ本部の部長から至急電話が店長に入った。内容は“業績回復が思わしくない。従って府中東店は今月限りでフランチャイズから外れて貰う、との内容であった。同時に新店長の進退も強制はできないものの、業績回復を果たせなかった者として進退を自ら決めて欲しい”というものであった。さて、どうする?
失われた歴史を探して

失われた歴史を探して

新宿梁山泊

ザ・スズナリ(東京都)

2023/10/12 (木) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/12 (木) 14:00

座席1階

関東大震災から100年。発災後に起きた朝鮮人などの虐殺を真正面から取り上げた力作。韓国の大御所劇作家金義卿の作品を、金守珍が在日の視点で演出をしたという。

特徴的なのは、冒頭に登場する若い女性二人が、虐殺の被害者らが務めていた鉄工所の跡地を訪ねるという場面から始まることだ。100年前と当時を結ぶ演出で、多くの日本人が忘れ去ろうとしている歴史を今に記憶するという意味を持たせている。梁山泊らしい妖艶な演出で、女性たちが「自分たちは歴史を記憶するために何もしてこなかった」などとリフレインする。
物語は、当時の日本の植民地戦争で現地の人たちなどを殺害した男が経営する鉄工所が舞台。その贖罪の思いから、男は、日本人に土地を奪われて内地に移住してきた朝鮮人たちを積極的に雇用している。工員たちはその思いに感謝をしている。だが、トラブルを起こした若い朝鮮人従業員を追ってきたヤクザともめている時に震災が起きる。
男の息子も軍人で、地元の在郷軍人会の役員を務めていたが、従業員の朝鮮人の娘と恋仲となっていた、という筋立てが「失われた歴史」のもう一つの側面をあぶり出す。息子は軍人としての立場から娘との結婚に踏み切れないでいる。立場の溝が二人を引き裂くという物語を浮き彫りにすることで、日本人による朝鮮人への差別意識を舞台上に表現していく。差別している日本人の中に「朝鮮人から復讐される」という恐怖が生まれ、狂気に変貌していくという当時の空気だ。

今回はいつにもまして、出演者たちの熱演が光った。悲劇の朝鮮人娘を演じた望月麻里は見事だった。朝鮮人従業員のまとめ役を演じたパギやんはさすがの立ち居振る舞いだ。留置場に入れることで自警団の狂気から朝鮮人をかくまった刑事を演じた大久保鷹の演技は、いつも以上にいい味を出している。

劇中、インターミッションのようにパギやんが当時の朝鮮人たちの言葉遣いなどを説明する場面を作ったのは秀逸だ。スズナリの客席の半分以上を占める若い世代に効果的な解説だった。
梁山泊のテイストを保ちながら、金義卿の作品へのリスペクトを織り込んで演じた今作。次の100年でこの歴史を失わないために、絶対に見逃してはならない舞台である。

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

キューブ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/10/01 (日) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトルにつられたわけではないが、1幕の最初のところでちょっとうとうとしたのが失敗だった。例によって、KERAの芝居はいろいろなスジが入れ子細工になっていて、そこをつかみ損ねるとスジが腑に落ちない。それでも、総勢20名近いキャストクレジットの出演者たち、思わず見とれるマッピング映像、耳に新しい劇音楽などにつられて、次々と天井の高さを生かした背の高い舞台で繰り広げられるKERAカラー満載の芝居をぼんやり見ているだけでも芝居見物にはなる。どこも金がかかっていて、話は結局チープなところもあるわけだが舞台はゴージャスなのだ。
要は、現代のよくわからぬ管理社会へのKERAらしい批判ファンタジーである。管理社会に対して森のサーカス団とか、AIを搭載したヒューマノイドが官僚だとか、規律も宗旨も怪しい尼僧団や市民運動とか、地下の収容所や拷問室、とか、どれもそのシーンを見ている間は面白いのだが、そこを横断していく緒川たまきと北村有起哉がよくわからない。
それでも、12800円の一階ははびっしり満席だった。長い。1幕1時間50分 15分の休憩で後半2幕が1時間25分。併せて3時間30分。聞くと、開ける前に舞台機構の故障があって、丸一週間初日が遅れたとのこと、それならまだ開いて4日目だったのか。劇場のミスは全く見えなかったが役者はまだ少し堅い感じだった。

イェルマ

イェルマ

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

想い光芒、想われ曙光

想い光芒、想われ曙光

劇団25、6時間

萬劇場(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

A班観劇
良かれと思ってやっていたことが⁉︎
側にいてくれる友人や幼馴染みは大事ですね!
そして、主人公の周りの人達が、みんな良い人でした。
ファンタジーも絡めながらも、良い結末で良かったです!

雨の終わりかけに怒鳴りたて

雨の終わりかけに怒鳴りたて

劇団東京座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ラストを観ると、結局....な話なのですが、
実際はこんな感じなんだろうな〜という、
用意周到な段取りも含めて、面白かったです!
ただ、他の人も書いていますが、少し長かったのと、
会場の寒さが気になりました

A.R.P festival ~2023~

A.R.P festival ~2023~

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2023/09/29 (金) ~ 2023/10/02 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Bチーム観劇
長さの違いもバリエーションになっていて、それぞれの作品がそれぞれ面白かったです!

イェルマ

イェルマ

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/10 (火) 19:00

イェルマとは「石女(うまずめ)=子を産めない女」という意味だそうだ。主人公の女性は農作業などにとても勤勉な男の妻。子ができず、夫は「子どもがいなくても夫婦で平穏に暮らしていこう」という考え方で、劇中でもそのようなせりふがあるが、この女性は子を産むことに執着する。周囲の口さがない言動、石女に対する差別的な視線。こうしたものに巻き込まれ、女性は心の平穏を次第に失っていく。

恐ろしい物語である。不妊治療などない時代、これは悲劇というよりこうした世を生きる女性(男性も含めて)に対する惨劇と言ってもよい。「愛し合えばそのうち子どもはできる」という「常識」を前にして、石女は人間扱いされない。夫も妻の言動に不信感を持って自宅に閉じ込めておこうとし、女性の悲劇は加速していく。「どうして子どもがほしいのか」という問いすら、風に流されていくように。

演出がすばらしい。特に後段、洗濯女たちによる長髪を振り乱しての踊りは鬼気迫るものがある。また、主演の市川奈央子が時系列で変わっていく女性を強烈に表現している。劇の出だしでは柔らかな表情を持つふっくらして穏やかな感じの主婦を(おそらく地で)演じ続けているのが、後段で徐々に豹変していく。小劇場に響き渡る絶叫には耳をふさぎたくなるほどだ。
劇団昴はこうした社会性のある戯曲を扱うと一日の長があるような感じだ。どのような議論を経てこの戯曲を取り上げたのか。そんな舞台裏も知りたいと思った。

或る夜の

或る夜の

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

不思議なストーリー。演者も見せ方も秀逸、良い時間が過ごせました。ありがとうございました。

盈恋虧恋(えいれんきれん)

盈恋虧恋(えいれんきれん)

ワイルドバンチ演劇団

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2023/10/05 (木) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

オムニバス2作品とも良かった。殺陣もきれっきれで演者も良い。良い時間をありがとうございました。

悼むば尊し

悼むば尊し

かわいいコンビニ店員 飯田さん

駅前劇場(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/10 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★


王道の青春モノである。ただし、装いは現代風、若い観客が満席で入っている。若い女性客がワンワン泣く。生きている者は、死んだ人の分まで生きなくちゃ、というようなチェホフもどきの台詞が決め所で使われている。へぇー、今の子も純情なんだなぁ。
小さい頃から母子家庭の家の二階を溜まり場にしていた同級生たちの群像劇である、男五人、女三人。二コマほど、高校を出たばかり頃までの悪童ブリがあって、そこでは、いじめが仲間の共同意識を作っている。万引きやいじめも仲間意識を醸成するが、一方では嫌悪感も持っている。いつの世も変わらぬ複雑な青春像の中に巧みに今の風俗を交えてなかなか上手く書けている。一年がたち、さらに年がたった頃、いじめっ子の音頭取りだったこの家の息子が自殺する。なぜだ。と、それぞれ、その理由を憶測する。溜まり場だった部屋を整理しようとなって、母親が同級生たちに声を掛ける。彼らは二〇才を過ぎている。それぞれ仕事を持っていたりする。皆たいした仕事には就けていない。そこも非常に上手い。
お互い傷つけ合い慰め合った思い出の中で、それぞれが自らを浄化していく。
これを他の仲間が見ている場でやるのが上手い。又その中で、今の世の中の生きづらさも鮮明に浮き上がってくる。誰かとつながりたいのだけど果たせないもどかしさと不安が彼らをバラバラにしている。
ワンセットだけで時間が経過していく青春モノらしい話の運びだが、そこには現代のつらい青春が反映している。


OBACHAN

OBACHAN

NICO×frogs produce #関西の役者が踊ってみた

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

めちゃ楽しかった!笑いました!そして、ラストはじんわり涙も誘われるハートウォーミング
ダンスもたのしいし、キャラの立ったオバチャンたちに人生を教わりましたww

ネタバレBOX

「オバチャン♪」ってアイキャッチがおもろすぎますww
ローズのジレンマ

ローズのジレンマ

劇団民藝

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/09/22 (金) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

結構な時間を中盤眠ってしまった。とっかかりを何とか見ようとしたが・・原作も梗概も(ニールサイモン作品だった事も)念頭になく劇場に駆け込んで「真っさら」で見たせいか、舞台上の事態が入って来ない。篠田三郎演じるのが死者であったとは寝落ちの後、後半で漸く悟った次第。照明が変るでもなく普通に登場し、大仰な臭い演技をやって去って行く(この大仰さが「この世のものでない」演技だったのだな、と後から回顧したような事で)。サザンシアターの、プロセミアムアーチの中でお姫様が王子様を慕って、的なお芝居を見た、という記憶の残滓なのだが、もう少し記憶をかき分けてみると、「イイ話」だったんだろう、と想像はされた。

ニール・サイモン作品は恐らく初観劇。著名な戯曲は読んで「面白い!」と今度の「ビロクシー・ブルース」を楽しみにしている(でも高いな~諦めるかも)。
公演に戻れば、後半の観劇で幾分回収したのは、四人の出演者の内古手の二人が、次の世代のために尽くす、という所で琴線を震わすコメディの構図。既に名のある女性作家ローズ(樫山文枝)が長年信頼してきたパートナー、ウォルシュ(篠田・・作家業の上でのそれなのか男女の関係なのか、また彼がローズの見る幻影なのか幽霊かは不明)の死後、物が書けなくなったという問題が、今家計をも逼迫させていて、秘書の(ローズの娘でもあるが親子の関係は封印している模様)アイリーン(桜井明美)が冒頭から頭を悩ませている。
恐らく中盤、幽霊からある若手作家の力を借りてはどうかと提案され、新たな人物の登場と相成る。アイリーンと若手作家ギャビン(神敏将)との関係に焦点がシフトする。色々あって二人は結ばれ、何はともあれ目出度いラストとなる。邸を空けて二人が門出するラスト、古手の二人が見送るが、若い二人は見向きもしない。ローズも既にあちらの人となっていた。想像力を駆使して穴を埋め、どうにか拍手が出来た。
周囲を見ると、勿論高齢層が主だが、満足気であった。

演出の名も後で確認したが、どうも足りなさを覚えてしまうのが毎度正直な感想。

盈恋虧恋(えいれんきれん)

盈恋虧恋(えいれんきれん)

ワイルドバンチ演劇団

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2023/10/05 (木) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ハッピーエンドとサッドエンドの時代劇2本立て。どちらも主演の女優さんがよくて、グッときますね。相変わらず殺陣もカッコいい。

明後日のガラパゴス

明後日のガラパゴス

ホチキス

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

誰もが知ってる国民的人気アニメのオマージュ兼パロディ。ちゃんと許可はとってんのかな?と思いつつ、実におもしれー。

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