最新の観てきた!クチコミ一覧

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山式―ヤマシキ―

山式―ヤマシキ―

やさしい味わい

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/01/30 (木) ~ 2014/02/03 (月)公演終了

満足度★★★

もう少し怖さ・恐れがあれば
静かめの会話劇で進んでいくが、その静かに進んで行くのが物語とマッチし、張り詰めた空気感を生んでた。欲を言うなら、しきたりに対する怖さ・恐れ的なのがもう少し感じれれば、もっと濃厚・濃密な空間、時間になった感じはしたかな。
謎が明らかになりそうで、真相(真実かな?)を観客の想像に委ねたのは今回の物語では悪くなはないと感じた。面白かった。

眠る羊

眠る羊

十七戦地

LIFT(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

まるで
小さな部屋の両端に客が座り
中央で繰り広げられるドラマ

こういう形式は初めてで、ドラマの中の一人になったような感覚

音も照明も普通の劇場とは違うのに
違和感なく話に入り込めるのは
脚本と演出とキャストの良さだろう

スピンオフのリーディング目当てで行って
劇団のFANになって帰ってきた。


これはお薦め!

成れの果て

成れの果て

elePHANTMoon

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/26 (水)公演終了

満足度★★★★

脛に傷持つモノ達の
腹の探り合い。でも、これで「果て」ってコトはないですよね。その先の地獄をもっと観たい!

【閉幕】自作歌謡音楽劇 髑髏沼の女【ありがとうございました!!】

【閉幕】自作歌謡音楽劇 髑髏沼の女【ありがとうございました!!】

駄目なダーウィン舎

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★

好みの芝居といえます
舞台セットの作りが甘く感じましたが、作品内容には合ってました。
オリジナル歌謡とテンポの良い進行に、
判りやすいキャラノつくりに衣装や性格設定。
説得力のあるストーリーに上手に咬ませる説明台詞、
謎解きやサスペンス&笑いを満載した約100分の芝居でありました(^^)

ネタバレBOX

ギミックのユニークな舞台セットはライオンパーマさんに似てましたね

シリアスに見せても十分通用するような謎解きサスペンスでしたが、
まぁキャラが笑わせてくれるし歌は面白かった~。
特に右脳塾の”塾歌”が受けました(^^)
→イメージは「ねらわれた学園」のやつかな?

ちなみに、ゆず子ちゃんには「河童がいるのが沼だっけ?」とか
ゆってもらって池と沼の違いを解説して欲しかったなぁ(^^)

そんで、ドグラマグラ可愛かったなぁ(^^)って思えたさ~
312

312

演劇ユニット キャッチ.コム

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/02/18 (火) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★

クンクン
日替わりコーナーでの友人挨拶の予行演習は強烈でした。

ネタバレBOX

控え室の4ヶ所の様子を観客に周知徹底させるために、役者さんたちが立ち位置を変えて3回同じ台詞や動作を繰り返しました。面白い手法だとは思いましたが、同じシーンを何回も見せられるのは辛く、何か他に方法は無いものかと思いました。

新郎新婦は出て来ません。招かれざる客も加わった控え室の会話を通じて、新郎に付きまとうストーカーが暴き出され、新郎の女癖の悪さも明白になり、最後は男と女に分かれてお互いに男女の悪口を言い合う展開となりました。

ストーカーはすぐに分かってしまい、ちょっと拍子抜けでしたが、会社の上司と部下の掛け合い漫才は面白かったです。
くるみ割り人形

くるみ割り人形

アメリカン・バレエ・シアター

Bunkamuraオーチャードホール(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/22 (土)公演終了

満足度★★★★

シンプル
上演時間2時間10分。ラトマンスキー版は初見。クララ(少女)は子役、雪の女王なし、ジゴーニュおばさんあり。マイムが多い。ちゃきちゃきした感じの振り付け。見せ場に乏しいという原台本の問題がそのままだが、シンプルなので初心者向き。怪我で出演者変更があり、今日だけかもしれないが加治屋百合子の葦笛という貴重なものを観ることができた。チャリティー販売は目立たなかったので1階に移したほうがよい。

【閉幕】自作歌謡音楽劇 髑髏沼の女【ありがとうございました!!】

【閉幕】自作歌謡音楽劇 髑髏沼の女【ありがとうございました!!】

駄目なダーウィン舎

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
怖いもの見たさ半分で出掛けて行ったわけですが(笑)、すごく面白かった。
右脳の歌(朧げ・そんな感じ)とか、目からも耳からも面白い。
ミュージカルではない、歌謡劇。
おもむろにマイクを取り出して歌う所が良いっです。
置きパンで確認した「野澤太郎」くん、ポッチャリぽいんだけど、男前です。
花見坂トオル役の「朝戸佑飛」くん、イケメンです。
そして塾生2名の踊りがなんとも言えない雰囲気。
満席でかなりキツキツで、物販も見たかったんだけど、お知り合いとのお待ち合わせでごった返しててかないませんでした。
台本は買うべきだったナと。
楽しい時間をありがとうございました。

あの世界

あの世界

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

渾身の罵詈雑言
久々に強烈なやつをくらって、くらくらしながら笑った。
罵詈雑言はこうでなくっちゃ。
追い詰められた人間の本音がある、そして
罵詈雑言を浴びせながらその相手を心底愛している。
こんな罵詈雑言が書けるのは櫻井智也だけだ。
設定、台詞、キャラ、役者、全てがリング、じゃなくて舞台に結集した充実のカード。

ネタバレBOX

プロレスファンの熱気が押し寄せる後楽園ホールの控室。
地味な中年プロレスラー有川(有川マコト)は、これから始まる試合で
“プロレス”をするつもりでいる。
だが敵はどうやら“ガチ”で来るらしい。
かつて有川とタッグを組み、膝を壊して引退していた櫻井(櫻井智也)は、
実家の駄菓子屋の手伝いを放り出してこの2ヶ月間トレーニング指南をして来た。
現状維持、安全なプロレスでこの場を凌ぎ、
飲み屋の女アニータ(後藤飛鳥)に金を貢ぎたい有川。
ちょっとしょぼいがいまだ現役の有川に夢を託し、
ファンの期待を裏切らないガチ試合をして欲しい櫻井。
ここへ来て全く意見の合わない二人は、取材に来たプロレス記者(堀靖明)や
アニータを巻き込みながら、試合直前の控室で怒涛のバトルを繰り広げる…。

この作品のキモ、血管切れそうな罵詈雑言は、究極の“価値観のぶつかり合い”である。
二人の価値観は櫻井の引退を機にどんどん離れて行き、今ではだいぶ距離がある。
ケガしないようにしてアニータと旅行に行きたい有川の守りの姿勢も共感を呼ぶし
危険なガチ試合にもし勝てたら、この先の人生が大きく変わると期待する櫻井にも
(たとえそれが引退した櫻井の夢を託す身勝手なものであっても)共感する。
これだけ力の入った会話を聞きながら全く疲労を感じないのは、ひとえに
二人の罵詈雑言が放つ鬱屈や卑屈、自己嫌悪、言い訳に“普遍性”があるからだ。
観ている私の感情が1時間15分ずっと舞台から乖離することがない。

この会話に取材記者堀靖明がレフェリーのように割って入るのがまた可笑しい。
終盤、有川と櫻井がタッグを組んでいた頃の試合を記者が再現する場面、
相変わらず熱いが滑舌の良い堀さんの実況中継は、プロレスへの愛に満ちている。
作・演出との相性の良さを感じさせて素晴らしい。
二人の罵詈雑言を固唾を飲んで見守る台詞の無い時間も、この人は上手い。

見た目日本人、実はチリ人のアニータを演じた後藤飛鳥さん、
天然の“拝金主義”ぶりもはまっていて、その突出してクールな価値観が効果的。
“それ言っちゃう…”的な本音をえぐってしまうしたたかな女が可愛かった。

“のちに「今年最もエキサイティングな試合」と呼ばれることになる試合”が
このあと始まると言うことは、ガチで行ったんだろう、そうだろう有川?!
そう、人生はガチなのよ。
ラスト、肩で風切って控室を出て行く男3人とほとんど同じ気持ちで
私もOFF OFFシアターを出たのであった。


カラメルループプチ~LOVE & PASSION MIX~

カラメルループプチ~LOVE & PASSION MIX~

たなぼた

ウイングフィールド(大阪府)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

観ました(*^^*)
チケットプレゼントありがとうございました。
観てきました(*^ー^)ノ♪
少し平均年齢が高く…びっくりしましたが、楽しかったです(^_^)v
私は…ラブ・縁ジェルがお気に入りです(^.^)

「かやくごはんと煮っころがし」

「かやくごはんと煮っころがし」

しゅうくりー夢

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

満員御礼!
楽しくもありちょっぴり切なくていいお芝居でした。しゅーくりー夢さんは2回目ですが、安心してみてられますね。次回作も楽しみです。

『障子の国のティンカーベル』奥村佳恵バージョン

『障子の国のティンカーベル』奥村佳恵バージョン

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★

ヒトデナシノコイ
面白い。95分。

ネタバレBOX

ティンク(ティンカーベル)とピーターのヒトデナシノコイの話。日本人形のエーコに対するヒトデナシノコイの罪で追われた末、ピーターは冗談だから自分を食べてとティンクにお願いし、食べられる…。
ファンタジー染みていて狂気を感じさせる舞台。舞台セットや衣装、音響照明人形使いに影絵と、舞台の総力を挙げて90分の劇空間を作り上げていた。奥村佳恵の演技も十二分に魅力的。声使いもいい。動きも気に入った。

大人とかこどもという垣根を意識させつつ、その垣根を取り払うような作品。もう一回みたいと思った。舞台がとても美しかった。
成れの果て

成れの果て

elePHANTMoon

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/26 (水)公演終了

満足度★★★

劇団としての名作
人の「業」のようなモノを描いてきたこの劇団の再演。

いつも見ているものなのでさしずめ新しいモノは感じられませんでしたが、役者さんの熱演には共感。

あうろらの君

あうろらの君

ヅカ★ガール

秋葉原アトリエ「ACT&B」(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

■まるで「雪の結晶」のように美しき作品。
 はじまりからして驚かされた。[敬称略で書く]あらかじめ配役表を見ないで、いきなり舞台を観ていた。すると、いつもは勢いのある役柄や穏やかな支え役を見事にこなす佐野綾が「老婆」役で登場した。その声色や振る舞いが、まさに老婆そのもので、「こういう役柄も、たやすくこなせてしまう役者だったのか」と。

 そして、追い打ちをかけるかのように、照明ライトの数々が舞台の上を照らしはじめると、雪の世界が一挙に立ち現れた。その巧みな舞台藝術にも度肝を抜かれた。冷え冷えとして美しい銀世界。巨大な椅子の他は何も置かれていないにもかかわらず、カーテンと床だけで氷点下の世界を一瞬にして浮かび上がらせたのだから脱帽ものである。しかも、その空間は、そのまま茶の間に早変わりしたりする。

 6人の役者たちが何回か舞台上に静止する場面があるのだが、その場面も左右対称に綺麗に立つわけで、その振る舞いそのものが美しく、さまになっていて、役者たちの息がぴったりで、構成的に素晴らしいと、観ていて思わず、うなりました。こうやって考えていくと、作者・演出の飯塚未生の才能の高さが明らかとなる。美しい雪の結晶のような作品を生み出す才能には、感心させられる。今後も期待している。

 「雪の女王」役の上埜すみれの威厳と慈愛の点滅するかのような転換の演技や繊細な感情表現さらには存在感が圧倒的で、堂々としていたのも印象に残っている。「ウツギトワコ」役もこなしており、普通の庶民の感覚を普通に演じており、人情の機微の巧みな表現も奥深かった。しかも、役者仲間や観客に感謝しながら一生懸命演技している様子が伝わってくるので、皆をまきこんで勇気づけてしまうという稀有な才能の持ちぬしなのだろう。

 「ザラメ」役のことうじゅんの役柄は、これまでのヅカ★ガールの諸作品の系譜と連続するかのような凛々しさと勇ましさを再び体現していたのだが、演技表現上の自己コントロールの「抑え」の効かしかたが緻密であり、知性的で、純粋さが増していたので、冷え冷えとした雪の世界の近衛隊長としてのキャラクターの面白さ(一本気な忠誠心と真剣な必死さが可笑しみを呼び覚ます)を最大限に表現していた。ダンスも洗練されていて、無駄のない動きの連続であり、素晴らしい。

 「アラレ」役と「少女」役を披露した木村海香の演技は初めて観たが、無機質な雪の世界の住人の動きと同時に妖精的な可憐さをも見事に演じきっていて、つまり矛盾する要素をいともたやすく一身に表現できてしまうという離れわざには驚嘆させられた。軽快なふりつけの舞踊や歌のユニークさも印象に残った。

 「山賊」役と「モリ先生」役の寿里のダイナミックな動きと控えめな動きの揺れ幅の大きさが主役級の活躍ぶりを見せていて、考えさせられた。まるっきり表情や振る舞いが変化していながらも、本人の天性の格好よさをも垣間見せる演技となっており、まるで三つ役をこなしているかのようで、見ごたえがあった。役者としての演技の多様さをとおして一貫した個性をも見せる高度な技術には心から拍手を送りたい。

 「ブチイヌ」・「警官」・「男」を演じた岡村惇裕の表現力の幅は格段に広がりつつも、一貫して他の役者たちを丁寧に見守りながら支える思慮深さに満ちていた。それゆえに、その「男気」というか「頼もしさ」には感銘をおぼえた。相手を支えて、自分は目立たないように謙虚に振る舞いながらも確固とした実力を備えてきた新境地の役者として今後が楽しみである。ドイツ文学や思想にも造詣が深く、作劇や演出や監督もこなす創造性豊かな岡村の活躍に大いに期待している。

 ほんとうに素晴らしい作品に感謝している。

バイバイ フレーバー

バイバイ フレーバー

チャーミーゴリラ

シアター711(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

良かった!
笑いも感動もある私が好きな種類の舞台です。
話としてはよくある話ですが、
それをおもしろくできるのがすごい。
それぞれの役者さんのキャラが立っていて良かったです
見に行って損はないと思います。

少年十字軍

少年十字軍

Studio Life(劇団スタジオライフ)

シアターサンモール(東京都)

2014/02/08 (土) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★

宗教の不条理が胸に痛い
高校時代、歴史で十字軍のことを習った時が、自分が、キリスト教に懐疑的な思いを抱いた最初の瞬間だった記憶があります。

それでいながら、息子達は、キリスト教の幼稚園や学校に通わせたのですが…。

どんな宗教にも、表向きな崇高さと、内実の、汚れた権力争いなどが、相反して存在するのだと思います。

そういった、宗教世界の不条理が、少年十字軍の子供達の体験を通して、冒険ファンタジーのような味わいで、舞台化された作品でした。

私は、大好きな山本芳樹さんがガブリエルを演じるFluctusチームの方を観劇しましたが、サルガタナス役を演じた松本慎也さんと、二役交互のダブルキャストの意味が、後半で合点が行き、こういうキャスティングのアイデアも含め、大変よく練られた作品だと感心しました。

ただ、ストーリー展開が、前半、冗長だったことと、一部の役者さんの滑舌が悪く、台詞が不明瞭な部分が見受けられたことは残念でした。

エティエンヌ役の藤森さんに、、少年十字軍を率いるリーダーとしての透明無垢な存在感があり、まるで、羽生選手のような爽やかさだと、観ていて、気持ち良さを感じました。

松本さんのサルガタナスにも、凄味があり、良い役者さんに成長されたなと嬉しくなる思いがありました。

ベテランの役者さんには、曽世さん初め、安定感があり、若い役者さんには、将来性があり、この劇団は、今後も安泰だろうと感じさせられました。

ネタバレBOX

前半なかなかガブリエルが登場せず、お預けを食ったような気持ちになりましたが、藤森さんや田中さん、宇佐見さん等、若手の役者さんの健闘ぶりが、爽やかで、芝居自体に厭きることはありませんでした。

「神はおわさぬ」と悟ったガブリエルは、最初、虚無的ですが、少年達のひたむきさに打たれ、やがて、自分の居場所をみつけるような終盤のストーリー展開が、やや感動的でした。

彼は、きっと作者がハムレットをモチーフにして造形したのだと思うのですが、せっかく、それまでは、戦いに否定的だったのに、最終的には、王国を取り返すためには戦いも厭わないと変心する流れで、これにはちょっと抵抗を感じてしまいました。何だか、積極的平和主義の宣言に似ていて…。

自分はもう歳だからと言うフルクの台詞に、「40代は歳か?」とカドック役の曽世さんが突っ込むのは、葛西選手の活躍を想起させる遊び心の演出でしょうか?そうだったら、さりげない挿入で、センスが良いなと感じたのですが…。

松本さんのガブリエルの方も、拝見してみたくなりました。
少年十字軍

少年十字軍

Studio Life(劇団スタジオライフ)

シアターサンモール(東京都)

2014/02/08 (土) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

悲しくて、美しい夢
Fluctusで観劇いたしました。劇場をフルに使った演出に、作品世界と調和した衣装、美術、そして照明音響の技術の素晴らしさもあいまって、あり合わせが横行する小劇場で何もかも一際美しいです。観ているだけで美しく、さらに耽美で巧い役者様達に酔い、ああこれが演劇だと、夢だと毎回感嘆する次第です。

話の骨格を見るならば前半はやや冗長。ですが後半は泣いてしまいました。少年版ひめゆりの塔ともいえる本作。原作・脚本の素晴らしさも胸を打ちます。

ネタバレBOX

通路に役者様が出てくる演出でした。通路側で役者様を至近距離で眺めることが出来たのですが、ただ役柄の人物がそのままそこにいる迫真の存在感でした。
「r 」

「r 」

日本演劇連盟

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★

スタンス次第?
注目しているレビュワー様が揃って「観たい」を投稿されていた本団体。団体ネーミングの妙。作者の評価の落差の激しさ(9人が☆5を付けた同作演出の昨年末舞台(別団体)と、同人物が昨年初めに手がけた日本演劇連盟第一回公演の☆平均1)、新しいスタイルとしての「コント演劇」等、関心を誘うに十分であったと思います。

拝見して「笑い」そのものは上手いと思いました。所謂「変人に挾まれて困惑する人」「突っ込む人」は間を外さず、よくお稽古されているのだと思います。ファンの方、何回も観ていらっしゃる方のコメントを見る限り、私とほぼ同じ感想ですし、他の作品だったら、私もその方同様☆を5つつけるほど面白いものがあるのかもしれません。光る部分はあったように思うのです。

しかし申し訳ないのですが、椅子はパイプ、一人一人のスペースも狭い小劇場で、コントだけを90分観ることは出来ません。起承転結がきちんと無いストーリー、コントが断続的に連続するような無意味な展開を見続けるのは苦しかったです。休憩があってほっとしました。

芸術性を追求する作品に似て、観客が劇場で何を楽しみに短くない上演時間を過ごすのか、という視点が弱い作品だったのかと思います。好みでは無かったと言えばそれまでなのですが・・。

ネタバレBOX

私個人は、観劇する際には必ず好きになるキャラクターが居ます。でも今回は嫌いだなあと思うキャラクターはいても、好きになれるキャラクターがいませんでした。それは台本の問題もあると思いますし、そもそも役者さん自身の吸引力の問題もあるのではないかと思います。
客に嫌われることを意図したキャラであれば良いのですが、作品を観る限りその必然性は感じませんでした。それは嫌われるように演じてしまった役者自身の問題もあるように思うのです。

この人を観るためにお金を払って良かったと思える方がいないのです。これはトリックスターが浮いている、ヒーローやヒロインがいない、というコメントと同じ感想かと思います。深く誰かに共感するような作風では無いかもしれませんが、奇人は奇人なりの「リアリティ」があり、そこをを失えば、客は話について行けません。

わざとキャラクターに合わせて仰々しい演技をされているのだと思いますが、遊園地の女性客の小屋のサイズと合わない発声が耳障りでした。大劇場風に見せたいのであれば、小屋のサイズに合わせて「風」に見せる発声法はあります。技術が未熟な役者さんだったのだと思いますが、女優の場合、声のコントロールをあやまると公害になりますので、お稽古はきちんとされたほうが良いと思います。
ゴシップ好きの同僚も、何か惜しい感じがしました。現実味が無いキャラクターですが、上手い役者がやれば凄く観客に好かれた役だったのでは無いかと・・。店員の女性もそうですが、客に好かれる演技では無いのが残念でした。
燃ゆる

燃ゆる

ノアノオモチャバコ

「劇」小劇場(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★

表層的
「血の呪縛と伝統」「科学技術の進歩」と言った面白くなりそうな破片は沢山あるのです。でも断片は断片として提示されるだけで話が拡散して終わってしまいます。客にゆだねる趣旨だとしても、あまりにも詰め込みすぎというか、テーマが拡散しすぎておもしろみに欠けました。

群舞的というか、キャラクターの心情や人間関係が全然掘り起こされていないので、何も胸に迫ってこないのです。原子力発電所の事故を扱いたいのでしょうが、事故が起きた現在、科学技術と人間の幸福、伝統がまさに火花を散らす被災地が存在している以上、人間不在のきれい事は大変空虚です。

ネタバレBOX

物語上、キーとなる水野の役が大変弱かった。台本の問題なのか、役者の暗喩的な能力が弱いのかわかりませんが、表層をなでるような役作りが目立ったように思います。流石に演技力は平均的に高いと思ったのですが、役作りが浅く、人間を感じないことが、このようなテーマでは致命的な欠陥となったように思います
熱海殺人事件 Battle Royal

熱海殺人事件 Battle Royal

RUP

紀伊國屋ホール(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/03/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

先ずはKENCHIバージョンから
EXYLEのKENCHIが、木村伝兵衛に挑戦。初めての伝兵衛としては、十分合格点の取れる演技でした。正直なところ馬場バージョンの前にお手並み拝見というつもりで観に行ったのですが、相当な稽古を積んだのだろうと思わせる熱演でした。昨年に続いて二度目のこの公演となった大谷英子さんの水野婦警、本当に適役でした。最初の二回は長谷川京子だったのですが、断然大谷さんの方が良い。最後にばら撒かれたティッシュも大谷さんバージョンのものでした。ラッキー!
そして本公演のアナウンスにはかかせない久保田創、この回の爆弾を勤めましたが、あれって毎回アドリブなのだそうですね。この人が出ると、一層熱海らしくなります。次はまた日曜日に馬場バージョン、楽しみにしています。

セントエルモの灯は揺らめく

セントエルモの灯は揺らめく

劇団みどり

北池袋 新生館シアター(東京都)

2014/01/18 (土) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

瑕もあるが総じて珠で満足
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の少年たちを男女高校生に置き換えた作品。
原作から部分を抜粋したリーディング風な冒頭に続く「地上パート」は原作を巧みに翻案して見事で(←ザネリによるイジメとかバイト先とか)期待が膨らむ。
がしかし、銀河鉄道内のパートは(割愛はあるものの)原作に忠実で、人物を置き換えたことが全く活かされていないのが残念と言うか勿体ない。
せっかくなのだから車内で出逢う人物たちも翻案すれば良かったのに。(←幼い命を救うために自らの命を犠牲にした人物とか自殺した高校生とか)
さらに冒頭の下校時の電車にしても銀河鉄道にしても「走っている車輛内」に思えないのが惜しい。
(余談だが「銀河鉄道の夜」の舞台化でゴトンゴトンというS.E.を使うことが多いが、幻想四次空間を走る鉄道もそんな音を立てるのだろうか?(笑))
そうして迎えるラスト、原作では「止め」にあたるカムパネルラの父の語りがなく、どう着地させるのかと案じていたら卒業式の日に飛び、灯籠を流して和解するジョバンニとザネリで締め、これまた見事。これ、ある意味原作の補完じゃん?
あと、銀河鉄道内の鳥捕りを見てジョバンニが「(バイト先の)店長に似ている」言う楽屋落ち的なところも実は好み。

…と、以上のように観ている時点で好きなところと個人的に「勿体ない」ところとがじゃんじゃん涌いてきて我ながらビックリ。
そんな風にいろいろ考えながら観ることができたので、その意味では大変面白く、次回公演も観たいと思わせて頂けたワケさ。

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