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S高原から

S高原から

こまばアゴラ演劇学校“無隣館”

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/03/06 (木) ~ 2014/03/23 (日)公演終了

満足度★★★★

静寂の会話劇◎
Bチームを観劇。「S高原から」を観るのは今回が初めて。上質な舞台でした。

感情的なセリフや演技(表情)を排し、ただ”空気”と”間”で登場人物たちの様々な想いを表出させていく展開は見事でした。まさに会話劇のお手本のような作品だった。

上演時間:約1時間40分

新しい等高線

新しい等高線

ユニークポイント

シアター711(東京都)

2014/03/11 (火) ~ 2014/03/18 (火)公演終了

満足度★★★★

地図屋の抵抗
東京にある地図会社の、昭和15年から終戦の20年夏までの5年間を描いた作品。
戦争中、国力を示す地図は国策の名の下、いとも簡単に書き変えを命じられた。
ユニークポイントらしい史実に基づいたストーリーに市井の人々のエピソードが絡む。
そのエピソードのバランスが、観ている私の興味と微妙にずれているように感じた。
私の知りたい事はひと言の説明で終わってしまい、
逆に会話のテンポが滞るように感じる場面があった。
時代とリンクした説得力あるテーマの選択はまさにユニークで新鮮。

ネタバレBOX

「色彩堂」は先代から続いた地図会社である。
社長(佐藤拓之)始め先代の頃から仕える森田(植村朝弘)ら社員の目下の悩みは
国の指導で軍需工場を“公園”とするなど地図を書き換えなければならないことだ。
さらに全国の地図会社は廃業届を提出して、政府のコントロールの下
一つの組織に統合されることになる。
戦局の変化に伴って市民の暮らしも否応なく変わって行く。
軍需景気、満州、特高、疎開、そしてヒロシマに原爆が落ちて終戦へと向かう中
地図屋の秘めた抵抗が初めてことばにされる…。

社員3人が皆住み込みで働く会社の雰囲気が温かい。
そこへ加わったお手伝いの純子(水田由佳)が
素直でよく働くが、ことばを発しないという設定が象徴的だ。
どうやら東北なまりを咎められたかして口を閉ざすようになったらしい純子は
ここへ来てから文字を覚え、さらに地図を描く技術も身につける。
「美しい等高線を描くので、戦争中僕が徹底的に教えたんだ」と
社長はひと言で説明するが、私はその事情が知りたいと思った。
自分に自信がなく無知で素朴な存在であった純子が
“美しい等高線を描く”と判ったいきさつや、特殊な技術を習得していく成長の過程こそ
その後の日本と重なるような気がする。

冒頭純子が連れて来られた時の会話が少しもどかしく、なかなか始まらない感を覚える。
特高に引っ張られた社員の事情も不明で(確かに特高は理由が無くてもやるのだろうが)
彼が本当に不敬罪に当たるような行為をしたのかどうか
私の見落としかもしれないが、それまでの彼の態度からして唐突な印象が残った。

軍の命令により終戦直後の地図を作るため、社長と共にヒロシマへ行くことになった時
思わずことばが口をついて出た純子に、社長が語りかける。
「これからは自分の言葉で話せばいい」
もはやどこからも規制されず、自立して自ら語り始める日本を象徴することばだ。
終戦の半年前、社長と内務省官僚(平家和典)が本音で話す場面も印象的だ。
地図屋の仕事に対する誇りと、関東大震災の時の哀しみをくり返すまいと言う
悲痛な思いが吐露されて、地図の持つ別の意味を考えさせる。

濃く熱く人情120%の森田を演じた植村朝弘さん、
巧いしそのキャラもテンションも私は好きだが、見慣れるまで少々浮いていたかも。
受ける社長が淡々として落ち着いた物腰だから余計そう見えてしまうのかもしれない。
誰からも信頼され相談される、とても魅力的なキャラだけにもったいない気がする。

ほとんど台詞の無い純子を演じた水田由佳さん、
丁寧な表情と視線が良かったと思う。
ひとつこれは脚本のことだけれど、終戦後の場面で違和感を覚えた。
お手伝いさんが雇い主の前でテーブルに突っ伏して寝たりするだろうか。

フライヤーも当日パンフも、等高線を思わせるストライプの色が美しい。
年表と1場~5場を解り易く示したページも親切で嬉しい。

「コントロール出来ないものをコントロールしたがる」政府の愚行が
再びくり返されようとしている今、
「物語は作るのではなく、発掘するもの」という作・演出の山田裕幸さんの姿勢が
端的に表れた作品であり、その危機感を私も共有したいと思う。
ヒロシマへ行った後、地図屋の戦後はどんなものになったのか、
そして地図は、どのように時代を写して行ったのだろう。





眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に― 

眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に― 

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2014/02/14 (金) ~ 2014/03/29 (土)公演終了

満足度★★★★★

宝塚不滅感!
ずいぶん久々の宝塚。それもあまり星組にはご縁がないので、どなたも存じ上げない中での観劇でした。

題材に惹かれて観に行ったので、楽しめるかしら?と幾分半信半疑でした。

でも、わあ、宝塚ってやっぱり凄いわ!と、改めて感じ入ってしまいました。

主役のお二人がとても素敵で、久々に、ラブシーンで、うっとりする感覚がありました。

100周年記念ということもあるのでしょうが、宝塚ファンばかりの客席には、最初、アウエイ感も正直ありましたが、最近、何を観るのか、誰が出ているかも知らない観客に占拠されている劇場で観劇している身にとっては、こうして、楽しみに劇場に参集している観客に取り囲まれて観る芝居は、ある意味、新鮮な喜びでもありました。
聖地だなあ!という感慨。

小池修一郎さんによるオリジナル作品のようですが、芝居の流れとしては、「エリザベート」を彷彿とする作りでした。
もちろん、ナポレオンとジョセフィーヌの恋愛事情に主軸が置かれてはいますが、ナポレオンの足跡も、スピーディに辿り、芝居運びが安定していて、さすが小池さんのお仕事!だなと感心しました。

キャストの演技力、歌唱力共に、及第点の方が多く、宝塚、しばらく低迷しているように感じていましたが、復活した感が、自分の中ではありました。

時々は、宝塚もいいものだなと思いました。

ネタバレBOX

ナポレオンの息子が、士官学校時代からのナポレオンの腹心の部下である老マルモンに、父親の足跡を語らせる形で、芝居が進行して行きます。

マルモンの回想が、士官学校での雪合戦から始まるのは、斬新でした。
計略を練って、ナポレオン達下級生が、上級生に圧勝するという筋立てが、面白く、導入として成功していました。

そこから発して、ジョフィーヌとの出会い、恋愛、家族との軋轢などが、ナポレオンの世間的な活躍や出世物語と並行して、テンポよく語られて行きます。

幾つか、耳馴染みのよい楽曲がリフレインされて、初めて聴く曲にも関わらず、幕間や帰路に自然と口ずさんでいたりしました。

ナポレオン失脚の後で、老マルモンが歌う曲には、ちょっと涙を誘われました。演じている英真なおきさんの歌唱は心に沁みました。

ただ、若いマルモンを演じる紅ゆずるさんと、あまりにも体型が違うのは、同一人物に思えず、ちょっと興ざめな部分もありましたが…。

ルーブル美術館に飾られている、有名な絵画をそっくりそのまま舞台に再現した、戴冠式のシーンは、圧巻でした。

全体的に、セットも凝っていて、素敵でしたが、ただ一つ気になったのは、ナポレオンが、皇帝の権利を失うことに承諾する調印の際のテーブルの移動。
いきなり、舞台後方から、まるで宙乗りのように、テーブルが押出されて来て、出て来る時はそっと流れるように舞台前方に現れるからまだいいのですが、ナポレオンがサインした後は、ギシギシと音を立て、舞台後方に戻って行く様は、ちょっと失笑ものでした。見えなくなってもいつまでも、舞台裏で音を立てていて、せっかくの雰囲気が台無しでした。

それに引替え、宝塚ならではのレビュー形式のカーテンコールで、最後に、全員が、振っていたNの文字が美しく輝き、ため息が出ました。

どうやら、星組は相当、実力者揃いのようだし、柚希さんと夢咲さんのコンビは、見た目にも美しく、声にも魅力があるので、また、興味深い作品があれば、是非観たいと思いました。

やっぱり、宝塚って、夢があるし、ファンの皆さんの様子を拝見しても、あー、永遠に不滅だわと、感じ入るばかりでした。
星ガール

星ガール

多少婦人

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/02/13 (木) ~ 2014/02/17 (月)公演終了

満足度★★★★

もう少し前半に匂わしても
個人的にはタイトルから予想した通りいろんなガールだった(笑)。前半わりとのんびりな雰囲気で進んでいくが、後半あることによりガラリと雰囲気が変わるが、前半小出しにそれを匂わして、少し何かありそうとちょっと緩急変化があってもよかったかな。

HOME SWEETS HOME 【ご来場ありがとうございました】

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青春事情

ザ・ポケット(東京都)

2014/02/05 (水) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★

ゆったりした時間
メインの話はある意味王道だが、変に捻ってないから先を考えずとも安心して見ていられる感じ。また、サブエピソードもメインの話に上手く絡めていた。
お店の雰囲気と同じ様に、優しくゆったりした時間が流れ、過ごすことが出来ました。

虚像の礎

虚像の礎

TRASHMASTERS

座・高円寺1(東京都)

2014/03/06 (木) ~ 2014/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★

批評性の強い作品
中津留章仁氏の魅力は、社会にある様々な問題を、一度観念的に拾い出して、それを演劇のダイナミズムに力技で組み直すというようなものだと思っている。

今作の印象は、私が観た中津留作品の中で、最も観念的な作品だと思った。演劇のダイナミズムよりも、観念が先行しているように思った。
その点は物足りなく思ったが、全否定という訳でもない。
その分、作品の中にある複雑さや分裂は、今まで見た作品の中で最も大きかったように思う。その点はとてもよかった。

作品テーマも、今日社会で最も問題になっている、拗れてしまった正義と暴力の問題。
架空の都市での話だが、日本と近隣諸国との関係のようでもあり、イラクなど中東の話のようでもあり、、、
そこに、なんとか解決策を見出そうという作者の意志が素晴らしいと思った。

ただ、一点とても気になることがあったが、、、それはネタバレBOXで。

ネタバレBOX

世の中にある複雑な価値観とそれに基づく正義と暴力について語られている。それも、大きな社会問題から、小さな人間関係の中に潜むものまで。
現代社会で最も問題になっていることだと思う。

様々な立場の人間が、自分の正義を声高に主張し、他の意見を排除する。だが、それぞれに誠意あることを言っているという場合も多い。つまり、正義と悪で対決しているのではなく、正義への道筋やその判断基準が違うだけという場合も多いのだ。その相違をなんとか解決できないのだろうかと悩む主人公(劇作家)。これは、どこかで中津留氏自身の姿に重なって見えなくもない。

この主人公が、解決不可能な様々な問題に対しての、唯一の希望として描かれる。

中津留氏は、この主人公に自分を重ねてはいても、それは自己正当化や自分を誇りたいということではないのだと思う。
表現(演劇)の可能性として、この主人公を描いているのだと思う。

そう考えたとしても、それでも、どうしても、
誰か一人が正義のように描かれる物語に私は抵抗がある。
そのため、あのラストシーンはあまり良いとは思わなかった。

私はラストシーンで主人公が撃たれればよいと思って観ていた。
それは、主人公が気にくわなかった訳ではなく、むしろその考えには大きく共感するからこそ、そんなキレイゴトが通じる社会じゃないじゃないかと思っていたからだ。

勿論、作者はそんなことはわかった上で、それでも希望を描いているのだろうが、、、

私は希望を見ることよりも、絶望を感じることからしか、
次の一歩を踏み出せないタイプの人間なのだと思う。
人狼 ザ・ライブプレイングシアター #11:VILLAGE VI 春風の薫る村

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #11:VILLAGE VI 春風の薫る村

セブンスキャッスル

サンモールスタジオ(東京都)

2014/03/04 (火) ~ 2014/03/12 (水)公演終了

満足度★★★★

ダマして、ダマされて
1月の公演に続いて、今回も観に行きました!
普通、ゲームは観ているよりも実際に行っている方が面白いはずなのですが、このTLPT、人狼ゲームをアドリブ芝居にした舞台は、そんな常識をくつがえす、不思議な魅力を秘めた舞台でした♪
毎回ランダムで役割が決まるので、たとえ出演者が同じでも展開がガラッと変わるのが特徴です!
僕は2回観ましたが、両方とも預言者が名乗り出るタイミングが勝敗を分けたように思います。
本物であっても人狼であっても、後から出てきた人は疑われやすいみたいです(^^;
役者の皆さんもアドリブであっても、決してキャラを捨てずに演じてくれるので、とても感情移入がしやすく面白いです♪
今回は特に濃いキャラが多かったように思います。
良いところづくしの舞台なのですが、会場が満員電車並みにせまいのが欠点...
特に投票用紙を渡したり、考えを集中するにはマイナスです。
これだけ好評なのだから、次回は広い会場で行って欲しいと思います。

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #11:VILLAGE VI 春風の薫る村

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #11:VILLAGE VI 春風の薫る村

セブンスキャッスル

サンモールスタジオ(東京都)

2014/03/04 (火) ~ 2014/03/12 (水)公演終了

満足度★★★★★

13名の登場人物の論戦が凄かった
今まで見た人狼の中で一番論理的で楽しめました

先の読めない展開に今回の予想は大きく外れましたが、
11人の人狼当てた方の中で3人の完全回答正解者がいました。
凄い推理力ですね~

(全席指定で今回は約100分ぐらいでありました)

ネタバレBOX

上手に能力者をカードの切り札として人狼をあぶり出し、
なんと能力者全員無事で人間は犠牲2名で人間側の完全勝利でした。

”いい声同盟”の設定が笑えました(^^)

初めに預言者として正体を明かした配達人ハイラムさんの、
何よりも人間占って人数を増やしていこうとした意図が正解でした。
(13人中3人狼さんだしねー)
また未亡人霊媒師さんの仕切り誘導も巧かった。
また狩人さんも目立たないながらも、いい仕事して犠牲者減らしましたです。
まぁ人狼さんが連携行動うまくとれなかったのと、
イージーミスがあったからかな?

長く続けてる事もあり、各キャラがしっかりしてきてる上に。
ソレを踏まえての騙しあいは中々濃かったです。

それにしてもやはり手狭に感じたきらいありました
恋に狂ひて

恋に狂ひて

横浜ボートシアター

横浜ボートシアター船劇場(神奈川県)

2014/03/07 (金) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

近代劇の超克は可能か?
長年、仮面劇をやっている劇団の人形を使った芝居。
そのため、普通の人形劇でもなく、普通の近代劇でもない。
人形であり、人形でない。人間であり、人間でない。その感じが絶妙に面白かった。

また、説教節の深さ、豊かさにも驚いた。

さらに、船劇場での上演のため、揺れながらの観劇体験というものも他では体験できない面白さがあった。

作品それ自体から受けた印象は★4だが、劇団が芝居に向き合う姿勢や、そのオリジナリティなどをトータルに考えて★5にしました。

ネタバレBOX

人形を使った芝居ではあるが、所謂人形劇ではない。
役者が人形遣いであると同時に、顔を出して演技もしている。
その上、説教節ということもあり、近代劇的な感情移入型の演技・発語ではない。
それらの屈折によって、人形と役者との距離感が絶妙であった。
人形であり、人形でない。また、人間であり、人間でない。

これは、長年、仮面劇をやってきた劇団ならではの発展形と言ってよい。

更に、この人形と役者との距離感の問題は、すべてが古語で語られることによって、観客に伝達される段階で、意味レベルでの距離感のズレが加わる。

何重にも屈折した表現を観たという印象。
(ある意味では、ブレヒトの異化効果にも似ているが、根本的に異化とも違う。)

と言っても、空間演出など、部分部分で、直接的に感受できる素晴らしい幻想が起ちあがる部分もあり、すべてが屈折している訳でもない。
それは役者の演技においても、感情を排している訳でもないため、人間が強く見える部分もある。
それらの、ズレと重なりの具合がとても面白かった。

こういう作品の中に、感情的な人間の内面のやりとりを表象する近代劇の限界を超えるものがあるのだと思う。

また、説教節の深さも痛感した。
人間の愛憎、罪きせ、誤解、、、、身分差別、復讐、、、
多様な読みが可能な、豊かな世界。
最後に、登場人物皆が死ぬことで、それまでの価値観が反転する(すべての者のが平等になる?)という部分も凄いものがあった。
流れゆく庭-あるいは方舟-

流れゆく庭-あるいは方舟-

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/03/06 (木) ~ 2014/03/12 (水)公演終了

満足度★★★★

黙祷
このカンパニーらしい演出だった。
終演後、観客と役者で黙祷した。

ロストマン ブルース

ロストマン ブルース

GENKI Produce

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/03/11 (火) ~ 2014/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★

なくした何か
ロックをこじらせちゃって頭がかたくなった中年オヤジが、古巣のライブハウスで延々とくだ巻いてると思ったら(演じた人、ブラボー!)、真相は…。

地味に心あたたまる結末の作品でした。

欲を言うと、ライブハウスの壁がもう少しよごれてたほうが雰囲気が出たか。

ことだま屋本舗☆リーディング部の歓談室

ことだま屋本舗☆リーディング部の歓談室

project inos

テアトルBONBON(東京都)

2014/03/11 (火) ~ 2014/03/12 (水)公演終了

満足度★★★★

楽しい時間でした。
公演前の歓談室ということで、
サイコロトークなど非常に斬新で目新しい(笑)ネタなどから
最後にその場でキャスティングでのリーディングというゆるめのお楽しみ企画でした。

リーディングの配役はカオスでしたが(笑)ちゃんと面白く、
経験と力量のある方々による楽しい時間でした。

「カレー屋の女」 2013→2014ツアー

「カレー屋の女」 2013→2014ツアー

ココロノキンセンアワー演劇部

タイニイアリス(東京都)

2014/03/10 (月) ~ 2014/03/11 (火)公演終了

満足度★★★★

不思議な満腹感。
3年目の3.11にこの作品を観れて、よかったです。観る人によってテーマの感じ方がまったく異なると思います。舞台の音、光などの演出方法も面白かったため、不思議な世界観にどっぷりはいっていくような感覚に浸れました。原作もみたくなる、素敵な舞台でした!

片づけたい女たち プレビュー公演

片づけたい女たち プレビュー公演

グループる・ばる

ゆめぱれす(朝霞市民会館) 大ホール(埼玉県)

2014/03/08 (土) ~ 2014/03/08 (土)公演終了

満足度★★★★

批評性
50代女性の日常的な会話をユーモラスに展開しながらも、
強い批評性を秘めた作品。さすが、永井愛氏。
批評と言っても、社会を単純に批判し、観客を上から啓蒙している訳ではない。批評の刃は主人公自身を切り裂いていく。
それは、作者をも、観客をも、安住させたりはしない。

私の席は舞台から遠かったので、小劇場の臨場感に慣れている身としては、そういう部分で物足りなくはあったが、とてもよくできている作品だと思った。

ネタバレBOX

部屋を片づけられない女と、その友人二人との50代女の日常的な悩みなどを基に話は展開していく。
物語は軽妙なタッチで始まるが、最終的には人生において「片づけられていないもの」という重いテーマが起ちあがってくる。
それは「傍観」という問題。

高校時代、ベトナム戦争反対の決議をとろうとした際に、多くの人が会に参加さえしなかったことに怒り、「俺はお前らの側には立たない」というような言葉を残し、学校を退学したという優等生でカッコよかった男の話題がある。その男は、学校で一番頭が良かったにも拘わらず、高校中退ということもあり、その後、出世もせず、肉体労働の仕事中に高い処から落ちて死んでしまったという。

その彼の存在が、高校時代から現在まで、ずっと「傍観」しつづけている主人公の人生を問うている。

主人公は、高校時代、友人が部活中に顧問の先生からセクハラされたことを、コトナカレでやり過ごしたことを思い出す。

更に、つい先日も、直近の上司が首切りにあった際に、何も言わずに傍観をしてしまったことに思い至る。

そして、そのことで、30代の男と先日別れた理由が、彼に原因があるのではなく、自分に原因があるのだと気づく。
彼を最初は優しい人だと思っていたが、よく考えたら単に闘わない順応主義者でしかないと思い軽蔑して別れた。だが、実はそれは近親憎悪であって、逃げている男に、傍観者としての自分の姿を見て軽蔑していただけだった。

そのように、人生において片づけてこなかった「傍観」のことを突きつけられる。ある日、郵便受けに、差出人不明で、そのような主人公の姿勢を批判する文章が入っていたという。
誰からのものかわからない。上司の可能性が高いが、他の人かもしれない。
そして疑心暗鬼になる。

この主人公に限らず、このような「傍観」の問題はどんな人でも、少なからず思い当たることがあるだろう。
個人的な人間関係の問題から、会社での振る舞い、そして社会的な事象まで(政治、原発、被災、戦争、貧困、、)。

様々な位相で、この「傍観」という問題は、現代最大の問題のひとつだと言っていい。

そして、完全にこの問題に対して、傍観者ではなく生きるなどという理想論は通用しないのもまた真理だから話は難しい。作者もそのことをよくわかっているのだろう。
そのため、「傍観」批評でありながら、上から批判している感じがしない。葛藤を葛藤のまま描いているという感じがする。その点がとても良かった。
ごきげん!?アキラ

ごきげん!?アキラ

骸骨ストリッパー

ザ・ポケット(東京都)

2014/03/06 (木) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
まさにハイクオリティおぽんち公演だった。用意されている笑いどころは安心して笑えたし、迫力の演技には感動さえ覚えた。時間は長かったが、散漫になることもなく、ストーリーを楽しめた。濃いキャラが多い中、それぞれが魅力的であった。

MOON

MOON

廃墟文藝部

G/Pit(愛知県)

2014/03/07 (金) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★★

MOON
台本、というかほとんど小説が素晴らしかったです。情景、キャラクター、心理などの描写が丁寧に書かれているために、文字を読むだけで、頭の中に世界ができてしまう。逆に言えば、芝居であることのプラスアルファーが弱かったかと思います。どう文字から役者へ流していくのか、キャスティングを含めて、90分芝居を続けていくためのシステムが必要なのかもしれません。帽子を使った象徴はとても面白かったです。今後に期待して☆4.5

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #11:VILLAGE VI 春風の薫る村

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #11:VILLAGE VI 春風の薫る村

セブンスキャッスル

サンモールスタジオ(東京都)

2014/03/04 (火) ~ 2014/03/12 (水)公演終了

満足度★★★★★

最後までワクワクドキドキ!
初めて参加したのですが、最初にちゃんと説明があったからすんなり劇に入り込めました。始まったらもう、人狼さがしに夢中!役者さんたちみんな上手いし、声も素敵!1度参加したら、絶対また行きたくなります!

アクアリウム

アクアリウム

DULL-COLORED POP

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2014/01/18 (土) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

初!ダルカラさん!
タイトルに掲げられた螺旋の循環・・・という意味で、観易く、とても良質な作品だった。



ふり幅としては、
会話劇の中に、突拍子もなく熱い つかこうへいの芝居を混入させつつも、
それが全体的をかき乱しつつも(笑)
さりげなく鎮圧させるだけのものを持った劇団。
つまり、
大人の力を所持した劇団なのである。

その二人の刑事役の、大原研二さん一色洋平さんだが、まさに昭和を感じるが平成も感じるトップスピード!ギリギリのラインを駆け抜ける様はとてもスリリング!

大原さんの押し出し相撲な台詞回しは素敵だし、

一色さんの身体能力を駆使されたアクティングは完全に場を支配していた。

脚立から飛び降りるのが好き(笑)




一見、

人間だけの会話劇のように進行するが、ワニと鳥が人間のように話すのだが、

その関係性と、距離感が絶妙で、

そうした違和感を完全になくしてしまっているところも上手い。

何よりその二人の演技がキュート過ぎるのだ!(最高!)

中村梨那さんと、若林えりさんの抜群のコンビプレイ!

それぞれが、それぞれの動物になりきったベースの上の人間的な台詞なのでそれが心地よいのだ。勿論、演出を付けられたというのもあるだろうが、それ以上のものを二人は提示したのだろうと感じました。




大家さん役の中林舞さんのギスギスと人を追い詰めるシーンと、甘い感じのギャップも気持ち悪いし(褒め言葉です!)、
堀奈津美さんの「馬鹿牧場だよ!」のくだりは鉄板!
シュークリームぅぅぅぅぅぅぅの言い方が好き。
東谷英人さんの淡々とした話し方のアクセントは世界に溶け込んでいたし、
中間統彦さんの へたれっぷりと言ったら最高に可愛いへたれっぷりだった!(褒め言葉です!)
渡邊亮さんのボソボソ感は普段の好青年とのギャップ萌え!(笑)
非常に力のある内圧を高める芝居によく従事していると感じました。
百花亜希さんのふわふわした話し方は心地よく、矢野顕子の歌を聴いているような感覚になる。


途中、
少年A役の山崎彬(悪い芝居)さんはとても存在感があり、
その時間、完璧に少年Aの時間にし尽くしていた。
水槽に絡む仕草、そして舞台セットに長い手で絡み、つかみ、だらんとなる姿には圧倒される。やはり演技が上手いというか、場を圧倒する力があることを見せつけられる。

タイトルを完結させるには必要だった展開なのかもだが、
もう少し混沌とさせても僕は良かったかもと思う。

梅棒『スタンス in 大阪』上映会

梅棒『スタンス in 大阪』上映会

演劇ソリッドアトラクションLINX’S

シアターOM(大阪府)

2014/01/20 (月) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

梅棒 最高!
涙が出て止まらなかった。
この感動をなんと言えばいいのか?
正直、うまく言葉にならない。


勿論、この公演は精神的にも色々な面で本当にキツかった公演だった。
色んな方に迷惑もかけたし、
自分自身で至らない事があり過ぎて本当に苦しかった。

それでも、
それでもこの映像を目にすると・・・・・
そんな事が吹っ飛んでしまうのだ。
苦しかった事などが、
一掃されてしまうのだ。


正直、
こんなハッピー台風が、
この世に存在していることも凄いが、
そうした方々と一緒に公演を作り上げられたことが、
僕にとっては一生の誇りだ。


いや、そんな事を言いたいのではない。
この素晴らしい方々の命を削ったアクトを、
もっともっと多くの人々に見せなくてはならないと、
改めて思う次第であります。

Dear friends (大阪)

Dear friends (大阪)

劇団6番シード

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2014/01/23 (木) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団員のみの本公演。
劇団員のみの本公演。
先ずセット具合がテレビなレベル。
そして役者さんもやはり好き。
宇田川、椎名さんのノリツッコミは華麗!(笑)


僕は、劇団6番シードさんは、いつも20名を越す大勢のキャストでしか観た事がない。
だから逆に劇団員のみの公演は新鮮だった。

松本陽一さんの脚本には笑いのテイストが多分に含まれる。
それは自身がお笑いを好きなことを話されているので、それが全面に出ているのだ。
その宇田川さんと椎名さん、それに藤堂さん、土屋さん、小沢さん、樋口さん、栗生さんが喰らいついていっているのだ。
まさに牽引役として宇田川、椎名ペアが君臨している感じがする。

全体的には、なんてことのない5年間を、
ほっこりテイストで描いているが、もっと強く書いて欲しいとも思うが、
あの住人の楽しみっぷりを観てしまうと・・・何だかどちらでもよくなってしまう。

宇田川さんの役柄が【めぞ○一刻】でいうアケ○ポジションなのだが、
本当に素敵で目が吸い寄せられてしまうのである。
ツッコミが華麗!

宇田川さんのボイスアクター、もう一度観たい。

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