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楽屋

楽屋

劇団ロオル

蓮根駅前劇場Sunny32(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/26 (金) 14:00

初見のユニット。💋チームを観た。定番の戯曲だが、とても面白い舞台だった。80分。
 ユニットとしては初見だが、傳田圭菜は10年くらい観てるし、寺田・本山もProjectNyxやPSYCHOSISで観てる。戯曲も何度も観てるのだが、観る度に印象が違い、演者や演出で変わるものだとは思っていたが、数多く観た中でも1・2を争う面白さだったと思う。多くは女優A(寺田)・B(本山)のやり取りに重点を置くことが多いと思うが、本作ではC(傳田)・D(天宮)のやり取りが力が入る。こんなに攻撃的なDは初めて。事件後のCの独白の迫力も凄い。全体にテンポよく演じられ、早く過ぎる印象が心地好い。初めて来た劇場で、本当にここでいいのか、と思って階段を上っていくとある、そんな劇場だった。近接感が強い。

日曜日のクジラ

日曜日のクジラ

ももちの世界

雑遊(東京都)

2024/07/25 (木) ~ 2024/07/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初見の団体だが、観劇して良かったと思える作品。何となくフィクション性とドキュメンタリー性を併せ持ち、どこかの街、ある家族などといった曖昧さ、しかし その中に表現し難いリアルな狂気を孕んでいるようで目が離せない。全編を貫く怪しく不気味な感じ、その独特の雰囲気・世界観が物語を興味深く そして力強く牽引していく。緊密な人間関係、濃密な会話、そんな張り詰めて逃れられない状況だが、何故か心地良さもある。観た回は満席、観応え十分。

チラシには<架空の日本>とあるが、台詞から現代日本 しかも地域まで特定出来そう。この場所(憶測)が妙。自衛官の息子はパイロット、しかし3年前のある日 飛行中に行方不明になった。溺愛していた母の嘆き、残された家族の夫々の心情と周りの人々との関りが歪に立ち上がっていく。「日曜日のクジラ」ーこれは夢や希望を叶えるというよりは、儚さと願望 そしてラストは衝撃的な…。あまり記すとネタバレになりそう、ぜひ劇場で。
(上演時間1時間50分 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、MOTELを営んでいる桐野家のリビングをリアルに再現しているよう。中央にソファとテーブル、その後ろは摺りガラス戸、周りは整理棚、壁には飾り物で実際に人が住んでいると錯覚しそう。珠暖簾・ギター・コーヒーポット等。上演前には波の音。
さて、当日パンフに矛盾を矛盾のまま、描きたいという想いでこの戯曲を書いた…ある種のわかりやすさを放棄した作品 と書かれていたが、その不安定で定まらない感じが 逆に不穏という怖さになっている と思う。

物語は4幕。「架空の日本」、海岸沿いの国道にある小さな看板明かり…冒頭 何となく京都府舞鶴市を連想させるような台詞。舞台となるMOTELの経営者 桐野京子は自衛官になった息子 ひかる を溺愛していたが、飛行訓練中に行方不明になったまま。それから3年後、神の使いである「願いを叶えるクジラ」の噂が流れ、それを見つけるために三人のヤクザ者を呼び出すが…。

ひかる は登場しないが、その嫁 工藤真美やその兄 丈一の存在によって不安もしくは不穏な様相を漂わす。母 京子、ひかるの弟 祐輝、妹 あかりという家族、更に あかりの友人 高橋海香や京子の友人 向井昌枝という家族以外の人々によって家族と町の状況を浮き彫りにしていく。母はひかるが小学生の頃に描いた飛行機の絵を褒めるといった溺愛ぶりを示す。母から逃避するように東北の自衛隊基地のパイロットへ。しかし、母はブルーインパルス飛行訓練を この地へ誘致し息子の晴れ舞台(姿)を見たいと思い、市長へ要請。何年か前 幼馴染の市長の不正、それを脅しのネタに飛行訓練の誘致を強引に行い、その結果 息子は行方不明になった。勿論 市長にも街の活性化という目論見があった。諸々の利害が一致したイベントであったが…。

公演は母の不気味な存在感…一市民でありながら市長と通じヤクザを操る黒幕的な人物を好演。祐輝の真美への恋慕という個人問題、海香が東日本大震災 被災者といった社会問題、それぞれ違う次元の問題を点描し興味を惹かせる。しかし、何かに収斂するといった感じではなく、そこにある出来事を綴ったという印象。動的なラストシーン(ガラス越しの凶行)と静的な照明技術(モノクロ)は対照的だが 圧巻だ。ヒッチコックの代表作「サイコ」を連想させる。
次回公演も楽しみにしております。
日曜日のクジラ

日曜日のクジラ

ももちの世界

雑遊(東京都)

2024/07/25 (木) ~ 2024/07/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

シルエットを使って影絵調に演出するプロローグが雰囲気を出す。激しい雨が打ち付ける中、ハンドルを握って車を走らせる。ある男がこの町にある目的をもって向かっている。その男が誰なのか、目的が何なのかが作品の主題となる。

物語が綴られる場所は映画のポスターやらフィギュアやらが賑やかに飾ってある地方のモーテルのラウンジ。『サイコ』や『猿の惑星』なのは何かの伏線だろうか?

三井田明日香さんはチンピラ役のステレオタイプを元気よく演じた。
二瓶正也似の内田健介氏の出演を知らず、いきなりの大物役者の登場にびっくりした。
鈴木美緒さん、谷川清夏(きよか)さんも雰囲気がある。
喜田裕也氏は高畑裕太の不穏な雰囲気を感じさせた。
青海(あおみ)衣央里さんから見えるこの世界は一体どんなものなのだろうか?
ずっと波の音、雨の音。

ネタバレBOX

面白いとは思わなかった。多分ラストに何かとんでもないことが起こるだろうという期待感だけが漂っていたが、『サイコ』ネタだけ。ノーマン・ベイツのように母親と息子は一人二役の二重人格って訳でもなく。何でも願いを叶える鯨が現れて息子を甦らせるのかと思っていた。

大物ヤクザの組長の妾が地元で裏社会の権力を振るっていたという設定もどうかと思う。漫画っぽく安っぽい。話や設定が妙なルールに縛られている。年齢設定がややこしくパッと見で判り辛い。

大物ヤクザの組長の妾として地元に顔を利かせてきた女(青海衣央里さん)。海の見える国道沿いのモーテルを家族で経営している。近くに住みここで働いている青海さんの幼馴染み(青柳糸さん)。料理を担当している二男(喜田裕也氏)。女子高生の長女(鈴木美緒さん)は描いた漫画を友達(谷川清夏さん)に読ませている。

3年前、航空自衛隊のアクロバット飛行を披露するブルーインパルスを誘致。地元凱旋の展示飛行中、一機が忽然と姿を消す。そのパイロットが青海さんの自慢の息子、長男のひかるだった。
青海さんはひかるがいつか帰って来ることを信じ、教会に通い神に祈りを捧げる毎日。地元の都市伝説である、神の遣いの「願いを叶える鯨」が現われてひかるを戻してくれる妄想に取り憑かれている。その為に若いヤクザ3人(谷本ちひろ氏、内田健介氏、三井田明日香さん)を呼んで鯨の捜索を依頼。

実は5年前にも市長の失踪事件が起きており、この地には神隠しがあるのか噂されていた。
その市長の娘(桜まゆみさん)はひかると結婚。ひかるの失踪後、3年振りの帰郷。子鯨が海岸に座礁と偶然が重なっていく。

5年前失踪した市長は日記を残していた。ひかるの親友でもあった息子(平吹敦史氏)は父親を殺した者は青海さんの命を受けたヤクザであることを知る。昔の汚職事件の証拠を握られブルーインパルス誘致に賛成するよう脅されていたのだ。一度はそれを呑んだものの政治的な信念から反対に回ろうとして殺された。青海さんに自首を迫るが平吹氏は突然のアナフィラキシー・ショックで倒れてしまう。

ブルーインパルス反対運動には戦闘機を国内で飛ばすことへの懸念、日本の再軍備、軍事化の流れを阻止する意図がある。国粋主義者的に描かれる青海さんとヤクザ達。息子を英雄として地元に迎え入れたい思い。(実は元妻の証言ではひかるはそれを嫌がっていたようだ)。この物語で作家が描こうと狙ったものはもっと政治的な寓話だったのかも知れない。エピローグで自衛官の制服を着た谷川清夏さんが青海さんに自衛官の子供を持つ気持ちを聞く。東日本大震災で災害救援活動に命を救われた感謝の念から自衛官を志したのだ。問うのは国との関係性?愛するものとの関係性?

ラストのセピア照明は何度か観たが凄い効果。
瀬沼さんのことを誰も知らない

瀬沼さんのことを誰も知らない

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

く~たまりませんね。のっけからボケとツッコミの応酬、観客を飽きさせないスピーディーな展開、休憩時間もネタする面白さ。大いに楽しませてもらいました。

日曜日のクジラ

日曜日のクジラ

ももちの世界

雑遊(東京都)

2024/07/25 (木) ~ 2024/07/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

間合いもテンポも絶妙でした。

ネタバレBOX

役者の全力投球に感じられる熱気に、その場にいるかのような臨場感があり、そして、願いを叶えるクジラが本当にいるのではないかという期待を抱いてしまいました。いつの間にか、完全に物語の中に入りこみました。まだ続きがあるのではと期待させられる最後の終わり方が、なんともいいですね。
木のこと The TREE

木のこと The TREE

東京文化会館

東京文化会館 小ホール(東京都)

2024/07/12 (金) ~ 2024/07/13 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ペヤンヌ・まきの近作で音楽劇。と聴いた時はタイトルの「木」の意味に思い至らなかった。作者自身が住む阿佐ヶ谷の住宅地を貫通する道路建設計画を知り、ブス会で舞台化、一昨年末上演した「The VOICE」に印象的に語られる高木が、今回東京文化会館小ホールのステージに意匠を凝らしてそびえている。主人公(南果歩)に絡む二人の存在(男性)が、劇と同じくだりを(老婆役とかで)再現する箇所で、あの劇に出演した二人だと気づいた。他に踊り子(女性)が一人(これが後半、物語性と比喩性に富んだ踊りをガッツリ披露する場面がある)、そして上手側にピアノ、ギター、コントラバス他の演奏者(イケメン)三人が、存在、音楽ともに舞台に溶けている。
70分程度の小さなステージの中に、劇では言葉でしか伝えられなかったものが詰まっている。人の思いそして木自身の眼差しが、音楽、踊り、賑やかな三人の遊びのような動きの中に花開くように広がる。これを言葉に約めて言えば、「今ここに存在するものを愛すること」だろうか。阿佐ヶ谷の片隅に、神宮の森にひっそり立つ彼ら(木)に思いを馳せる、玉のごとく愛らしく、大切にしたい世界。
会場はほぼ埋まり、会館の会員だろうか、タイトルを見てだろうか、子どもを連れた親も結構いた。幻想的な世界ばかりでなく、木を切られようとする「現実」に声を上げる場面がある。「抗議の声」自体が政治的な響きを帯びてしまう今であるが、この場面の声は、心にまっすぐに届く声だった。こっそり涙を拭っていた客は、当事者に近い人だろうか。子どもたちの心に、何か種が撒かれたならいいな、と願う自分であった。

この問題がきっかけで杉並区政に関心の領域を伸ばしたペヤンヌ女史が撮ったドキュメント映画を観たいと思っているが、都内、横浜と巡演する間に追いかけてはいたが観られず。いつか観たい。またブス会の過去作の映画化もされていて、見逃した芝居だったのでこれも観たい。

スタンダップコメディ・サマーフェス2024

スタンダップコメディ・サマーフェス2024

合同会社 清水宏

小劇場 楽園(東京都)

2024/07/18 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

スタンダップコメディに一言申すなど無粋の一言だが、一言だけ。
さすが。すげえ。一人でやってるだけでリスペクトだが、自分という存在を素材に物語を紡ぐ芸。
大拍手。

百こ鬼び夜と行く・改

百こ鬼び夜と行く・改

仮想定規

中野スタジオあくとれ(東京都)

2024/07/18 (木) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

コロナ期を挟んだ数年前に観た時の印象が蘇ったが、異形の登場人物らが今回は「お寺(神社だったか)の裏の池に住むヒキガエルを媒介して覗かれる妖怪らの世界。そこへ迷い込んだ最近この村に転居してきた男の目撃する「戦い」が、一体何を象徴するのか、が着目点だ。1枚のクレームを記した紙が、始まり。そこには「蛙の鳴き声がうるさいのでどうかしてくれ」という趣旨が書かれている。町内会の意見箱へに入っていたのを、町内会長さんが男に見せに来る。町内会へ強引に加入させられ、おまけに「君、頼むよ」とその紙を渡される。仕方なく夜の池を訪れ、鳴り渡る蛙の大合唱に向かって「おーい、少し黙ってくれ」と、手段無し。そこに口のきけるヒキガエルが現われる。頭の上に草を乗っけると姿が見え喋る事もできる、という設定。後に登場する怪物らも男の前に存在を顕わにするが、5人ばかりの彼らは鬼滅の刃の剣士「柱」っぽく独特のキャラがある。

さてこのクレームは、現代のクレーム文化の隆盛(精神文化のある種の劣化)を象徴し、街に置かれた「自由に弾けるピアノ」の撤去を要求する人たちの存在を思い出す。うるさいから止めさせろ、というのは一見「権利の主張」ではあるが、子どもの声がうるさいから公園を撤廃した町でも議論が起きたように、難しい問題をはらむ。で、これは芸術に対するクレーム(愛知トリエンナーレが好例)にも通じ、「不快」との付き合い方、公共空間の確保、そこで優先されるべき事、等の社会的コンセンサス、もっと言えば社会のエートスを育む視点が問われる大きな問題だ。
蛙の声がうるさいからどうにかしろ、という投書を、妖怪たちは「あいつの仕業だ」と当たりを付け、やがて主のようなその存在(青木詩織)が登場する。ここが私には不満だったのである。一つには、人間界に巣食う望ましからざる精神性の根源を擬人化した存在として、つまり人間と重なる存在として異様に登場してほしかったのだが、妖怪的存在の仕業である事と、それが人間に対してどう影響するのか、という肝心な部分(私にとっては)が曖昧になり、異形の世界の中での出来事になってしまった。夜の内にそれらは解決し、人間界に平穏が訪れる・・・果してそうか。クレームは人間の劣化という症状であり、そこに病理があり機序があるので、そこにメスが入る事と、妖怪界での「戦い」が重なって見えたかった。
(演出面では、妖怪たちの前に突如現われたその存在は、ミザンス(立ち位置)的に同じ側に居るように視覚的に判断されてしまい、混乱した。対決図を見せるなら、主を上手側、これに対峙する妖怪たちは下手側、といった風に、「何かに対峙し、これを解決せねばならない」という風に見えたかった。主役の立ち位置として中央に立ってしまう事を優先したのは正しい判断なのか、というあたりで「?」が沸いて来てしまった。結局の所、彼らが何と戦い、何に勝ったのか、忘れてしまった。
が、冒頭からの自分の期待からはズレて行ったのが残念だったが、中々見モノな場面、笑える場面、奇想天外な場面展開はジェットコースター式エンタメといった所。役者の汗が(肉眼ではなく)見えた。

あくとれを前に訪れたのは恐らく20年前頃。芝居をちらほらと見始めた頃で、知人が出ていた芝居を観に行った、とだけ覚えている。というかその事を思い出した。
その時も中野駅からの単純な道のりを探しつつ歩いた感覚が蘇り、近づくにつれ足が速まる自分がいる。あれは何の芝居だったっけな・・記憶も記録も辿れず、思い出せずに終わりそうだ。どうでも良い話だが。

べらんだぁ占い師シゲ子

べらんだぁ占い師シゲ子

四宮由佳プロデュース

新宿スターフィールド(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

優しい気持ちになれる舞台でした。

ネタバレBOX

シゲ子は、相談にのった人に元気を与える頼りになる占い師でしたね。シゲ子の相談者に向けてかける言葉によって、とても納得のいく、温かい気持ちになりました。
BACHELEAN バチェリアン

BACHELEAN バチェリアン

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。FREE(S)さん出演の舞台はいくつか観てきましたが、どんどん演技のスキルがアップしていますね。ストーリーもわかりやすくどんどんのめりこめました。最後のオチがいいですね^^ ほんとすばらしい時間をありがとうございました!

BACHELEAN バチェリアン

BACHELEAN バチェリアン

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

7月25日観劇。楽しかったです。

ネタバレBOX

ラストが過程を台無しにしてしまったと感じました。
BACHELEAN バチェリアン

BACHELEAN バチェリアン

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いわゆるバチェラー物の舞台、面白かったです。ベタベタで、ツッコミ処は多いけど、これだけの女優さんが出演していると、理屈抜きに楽しめますね。ラストはやっぱりこう来たか。

瀬沼さんのことを誰も知らない

瀬沼さんのことを誰も知らない

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 板上は幾枚かの衝立で間仕切りをし、センターの衝立は真ん中が開閉できる。他の衝立は横向き、斜め向き等様々に角度を変えて配置され出捌けの際の袖ともなる。オープニングでは中央にラーメン屋慢々停のカウンターの背が見えるが、これは役者陣の演技が観客の真正面で演じられるようにされている訳で、演劇として当然のことだ。また下手手前のやや客席側には慢々亭の看板が見える。この間仕切りに用いられている衝立には各々文様が施されており、その文様は恰もジンベイザメの体表を揺らぐ海水中で撮影したようなもので中々魅力的である。尺は途中休憩約10分を含め150分余。ライオン・パーマは単なる喜劇を上演するという団体では無いから、今回も初演時とは大きく異なる展開を見せてくれる。無論、飛び道具としての瀬沼氏の存在感は今回も充分に表現されているが、一方共同体が成立し存続し続ける要件等も提示され物語に深みを与えている。尺は長いがスタッフの対応も良く諸所に配置された擽りや機能的に作用する脱臼の上手さに全く退屈は感じさせない。(追記7.28:04:20)

ネタバレBOX

 さて、問題は主人公、瀬沼のキャラである。30年前7歳だった瀬沼は2人居た。1人の名をアツシ、もう1人の名をジュンという。一卵性双生児の兄弟だった。父は父親失格のろくでなし、何かというと暴力を揮い、為に母は子供2人を抱えてシングルマザーとして暮らしていた。そんなある日、事件が起きた。荒れた海に出掛けていた兄弟の内の1人が行方不明となったのだ。街の者総出での捜索も空しく見付からない兄弟を探しにもう1人が荒れた海に向かった。そして、彼も一時、不明となった。暫く経ってから1人がずぶ濡れになって戻った。もう1人は? 不明のままであった。この町の住人は皆温かい。その住人達が総力を挙げて為した捜索が空振りに終わった。このことが住民たちのトラウマとなり悲劇のヒロインとなった母とその息子は間もなく町を去った。物語はその30年後、オープニングで出て来た、ラーメン繁盛店、漫々亭のカウンターで居並ぶ客たちを歯牙にもかけず悠々自適、スローモーと云うには余りに遅い遅々たるスピードで僅かに残ったスープと麺をそして叉焼を舐るように食べる男が居た。これが、アツシであった。悪評は瞬く間に広がり町はこの異様な男の出現に侃々諤々の大騒ぎ。
 ところで、漫々亭常連には面白いメンバーが居て彼ら彼女らは大方が最寄りの喫茶店の常連でもあった。このサ店のマスター草野は元高校教師。競歩の指導にも力を尽くしていた。現在もこのサ店でアルバイトをしているタカシが、競歩の有望選手なのである。更に現在も地元高校で教師を務めるライダーの女性教師杉本は30年前瀬沼兄弟のクラス担任を務めた小学校の教諭であった。そんなこともあって瀬沼兄弟のアツシとジュンを見分けられると豪語していた。他にも面白いキャラは目白押しである。タクシードライバーのコウジ。いつも一緒に居る幼馴染で役所勤めのカオル。元ラーメン店経営の高山は経営不振で店を畳み現在は全国のラーメン店を回って漫々亭に辿り着き、この店の味にぞっこん。大将のさくらいっしんに頼み込んで取り敢えず1週間の試用期間中に入手した全情報、注意点、改善すべき点などを最終日に一から仕込んで創ったラーメンを大将に試食させることで弟子にして貰えるか否かが決まる。
 また、この店に自分の小遣いを貯めては食べに来る猫舌の女子高生真琴がいる。シングルマザーの母奥村は町で唯一のスーパー・白川のパートタイマーである。物語の展開でこの奥村が、大将に気があるのではと町の人々がデートを設定する。出掛けたのは水族館、オブザーバー参加で弟子候補の高山、奥村の娘・真琴も参加した。
 話は変わるが、スーパーの店長・白川には入れ挙げているホステス・月子が居る。月水金は新たに入ったジュンが極めて優秀で感じが良く而もよく働くので遅番は総て彼に任せピンクムーンという名の店のNo1・月子の下に通い詰めている。面白いのは月子の如才なさで店長が毎回面白い話をしてくれるのが素敵、と店長の太ももに軽くタッチするとお返しに店長が必ず月子の体に触れようとする。が、その度にピンクムーン店長の矢島がいきなり席に入って来てブロックするのである。
 他にも面白いキャラは居る。全国津々浦々を回って限定販売をしているメロンパンの行商人などである。(この行商人、実は心を入れ替えた元DV亭主、この辺りも微妙。クスリ!)
 これら魅力的なキャラが換骨奪胎、思い掛けない脱臼を随所に仕掛け、伏線を回収しつつ、極めてスピーディーで要を得た場転で時に脱臼させ、時に伏線を回収しつつ滑稽でありつつ同時に‟人生の上手く行かないように上手くできている”構造を炙り出すと同時に、直ぐ誰の足下にも広がっており単に普段気付かないか、否気付かないフリをすることによって隠蔽している深淵を辛うじて渡ってゆく我らヒトの哀しさを示して深い。

らんぼうものめ

らんぼうものめ

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2024/07/20 (土) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

子供のための演劇というのは難しいものだ。まず、劇場という特殊な場所で見せるという非日常世界へ連れ込むことが難しい。子供はすぐ大人のたくらみを見破る。我が家でも、何度か学齢前後の子供たち姉弟を劇場に連れて行ったことがあるが、子供たちのお眼鏡にかなって、成人してからも記憶に残ったのは円が西新宿の倉庫で上演した「お化けリンゴ」だけだった。四十年位前の話だ。今でも時々だが劇場に行くらしいので、親としてはそれで十分成功だったと思うが、今、随所にある公立劇場で連休に子供演劇祭りなどと称して、いかにも安易な取り組みで児童劇をやっているのを見ると、この道、厳しいぞ、といいたくなる。
「らんぼうものめ」は今、旬の加藤拓也の児童劇で、さすがに、日生の劇団四季の子供劇とは違う。若いだけにまだ子供のころの自分の劇場体験をなぞるように作ってあって、劇場の前半分に入っている子供たちもちゃんと芝居を見ていた。つくりも、時代を反映していて新しい。「千と千尋の神隠し」のような作りで、引っ越し(は宮沢賢治以来の王道ネタだ)で母を見失った男の子(鞘師里保)が母を探すうちに様々な神様に会っていく話だが、神様の姿のつくりや父母との関係、教訓のつくり方などには今風の工夫があった。
全力投球とはいかないだろうが、こういう企画で公立劇場で若いクリエイターや劇場運営者が子供と接する機会があることは、演劇の社会的環境を広げる意味のあることだと思う。
親子で八割の入りは成功だろう。

エンドゲーム

エンドゲーム

ルサンチカ

アトリエ春風舎(東京都)

2024/07/19 (金) ~ 2024/07/27 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ゴドー(1952)の後、ベケットはこういうものを書いた(1957)のか、ゴドーに何とかケリをつけたいと思ったのか。つまらない義理立てをしたものである。あまりやらない作品だが、それでも別のタイトルではよく上演されている。新劇系で見たことがあるような気もするが数十年も昔だ。
大きな白い安楽椅子から動けない館の盲目の主人(川本三吉?配役表が配られないないから知らない俳優にあてずっぽうだが)と片足が不自由なその従者(伊藤拓?)が最後の日を迎えようとしている。部屋の奥の部屋(見えない部屋で顔だけ出す)には主人の父(瀧腰教寛?)も寝ている。
天井に横に四列、縦に五行の白色蛍光管の照明が並んでいる殺風景な部屋で外に向かって(客席に向かって)二つの窓がある設定。そのカーテンを従者が足を引きずりながら開けるところが幕開きである。原作が書かれた50年代から60年代にかけて終末ものが流行った時期の作品だが、秀作ゴドーは今見ても奥が深いのに、こちらはよくある終末SFみたいで、今見ると話がつまらない。演出も原作に沿って古い本を読んでいるようで味気ない。俳優たちも登場人物の相互関係だけで演技していて設定が生きていない。状況順応の空元気かと思うがそういうわけでもなさそうだ。
まもなく世界がなくなるという時期を背景として、こういう芝居つくりはリアリティを欠く。原作そのものが平板ということもあるが、今はAIの時代である。上演するからには、それでも現代人に伝わるように何とか工夫しなければ。そういう劇場の外を無視して閉鎖的なのが(アゴラ系劇団共通の)退屈の元だろうと思う。1時間50分。
余談では、この演出家、秋にロンドンのチャリングクロス劇場で谷崎の「刺青」をこちらも新進の兼島拓也の本で上演するという(大阪の梅田芸術劇場の仕込みらしい)。9月にこの劇場で日本プレビューのあと10月に二週間公演する。加藤拓也作品と二本立てだというから、ジブリ効果で日本演劇も注目されるところがあるのだろう。チャリングクロスと言えば日本演劇ではおなじみのサドラーウエルとは違うし、バービカンでもない。ホントの本場である。浮足立たないでいい仕事になることを祈っている。

逃奔政走

逃奔政走

フジテレビジョン

三越劇場(東京都)

2024/07/05 (金) ~ 2024/07/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/07/09 (火) 13:00

アガリスク勢はもちろんのこと、主役・準主役のベテラン陣までも「この人ってそういうイメージだなぁ」なアッパレなキャスティングによる政治風刺コメディ。
実際にあった「政治的不祥事」を揶揄しながらもバックレようとする人物を中心に巻き込まれる人々、という「王道コメディ」を貫き、さらに「こうであったらいいのに」で〆るのが見事。。
さらに導入部と終幕時の演出も好きだなぁ。
なお、先に目にした感想に「政治家諸氏はこれを観れば……」というのがあり一旦同意したが、本作を観て改心するような人物はそもそも不祥事などとは無縁なのではなかろうか?(毒)

涼月の記

涼月の記

日穏-bion-

テアトルBONBON(東京都)

2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/07/24 (水) 19:00

ベテランユニットの「いい話」で、帰り道がほっこりする芝居。(5分押し)104分。
 栃木の田舎町で営業してた居酒屋が閉店するために店主の俊彦(剣持直明)が片付けをしているところに、古い常連の涼子(岩瀬晶子)がやってくる。開店時からの回想シーンに入り、1983年のスタートから何年かおきの様子が描かれる…。涼子の恋人の博己(綱島卿太郎)との顛末や、開店時に小学生(?)だった朱美(なかじま愛子)の変化、店に酒を入れてる酒屋の米田「一族」(←意味は見ると分かる。猪内けんじ)を交えた5人が展開する物語は、いつもの日穏よりちょっと分かりやすく作られているが、「いい話」であるのは間違いない。映画ファンが集まる店ということで、年代の変化を壁に貼ったポスターで表すあたりはちょっと洒落ている。5人とも熱演だが、笑わせて泣かせてくれる剣持の味がいい。

BACHELEAN バチェリアン

BACHELEAN バチェリアン

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
肩肘張らず楽しめるストーリーと、個性豊かな登場人物に、どんどん惹き込まれました。
テンポも良く、所々のボケとツッコミみたいな台詞も良かったです。
女性陣、みんな綺麗で可愛くて、女の私でも口元が緩みました。
とても楽しい時間でした!

BACHELEAN バチェリアン

BACHELEAN バチェリアン

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いつもながらとても面白かったです。個性豊かな女性たちのやり取りも見ものでした。華やかで皆さんきれいでした。楽しく、でも心暖まるそんな作品です。

べらんだぁ占い師シゲ子

べらんだぁ占い師シゲ子

四宮由佳プロデュース

新宿スターフィールド(東京都)

2024/07/23 (火) ~ 2024/07/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ハートフルコメディといった物語だが、描き方によっては怖い話にもなる、そんな深みのある公演。少しネタバレするが、ナレーションと書かれた名札を付けた男が情況等を説明するが、それでも曖昧なところがある。だだ些細なことに拘っていると面白味、その醍醐味を見失うかもしれない。

タイトル・説明から、占い師 シゲ子が ひょんなことから自宅マンションのベランダで占いを始め、”よく当たる”と評判になるというもの。占ってもらいたい人々の内容とシゲ子のアドバイスが物語の肝。占い事は悩み相談でもあり、何か共通するものがあって収斂していくというよりは、ありがちな悩みを点描する。そこに現代人が抱える心情が浮き彫りになり、シゲ子のアドバイスが心に染み込んでいく。

これが国家社会が絡むと別の様相を帯びた物語へ変貌する、そんな紙一重の公演。また、自分はある小説をも連想し、色々な意味で楽しみ 考えさせられた好作品。
(上演時間1時間40分 休憩なし) 【Bチーム】

ネタバレBOX

舞台美術は暗幕で囲い、上手/下手にベランダ柵の一部。そして下手の一部に穴が開き、その前に観葉植物を置いただけのシンプルなもの。
下村シゲ子(四宮由佳サン)が住んでいるマンションの隣室に勅使河原俊一郎という男が引越してきた。その挨拶をベランダ壁の穴を通ってくるという非常識さ、その後も頻繁にその穴からやってくる図々しさ。そして いつの間にか占ってもらいたい人を連れてくるようになる。図太い この男の目的は何か?後々解るが大した意味はなく、そのままの人物像だ。この人物が道化師的な存在、役割を担っているようだ。

シゲ子の占い=実は生まれつきの能力で、相手の体に触れると内心が分かる。将来を占うというよりは、相手の悩み事が分かり寄り添うアドバイスをする。例えば、カスハラ対策のため必要以上に丁寧な言葉遣いを求める上司との関係、全力で事(仕事や恋愛等)に向き合わず、失敗することを恐れ ある程度のところで妥協してしまう。親友と思っていた女子高生、しかし相手は恋愛(同性愛)感情を持っており 今後どう付き合えば、など現実にある切実問題を突き付ける。観客の中にも経験があるようなこと、それに寄り添うような言葉に納得や共感を抱くのだと思う。
一方、相手にしてみれば 自分の心の中が見透かされてしまう怖さ、劇中でもあったが学生時代の親友で兄の妻になったクミコの心を勝手に覗き、兄のことを まだ好いていることを確認してしまう。

占い一見(相談事)は回想として描き、それをオムニバス風に紡いでいく。心情としては実に分かり易い。キャストは 占ってほしい客であり回想シーンの人物、その複数役を担うが 仮面にすることで人物像を違える。少し気になるのは、シゲ子の内心ーー生まれ持った能力を持て余す、または怖いと思ったことがないのか。その懊悩のようなものが感じられなかったこと。シゲ子曰く、自分のことは占えない(占った人々の思いを介して自分のことを知るだけ)。
なお、照明や音響・音楽といった舞台技術は強調していないが、物語を邪魔しないよう控えめ。それでも優しい音色は聞こえる。

シゲ子は「サトリ」の能力だが、一方「サトラレ」という能力もある。いずれにしても人の心が読める人間は、国家機密/戦略上の重要または危険人物になる。小説「家族八景」(筒井康隆作)では、主人公の少女が夫々の家族の内面を読んでしまい行く先々の家庭に亀裂や事件を起こす。続く<七瀬シリーズ>では超能力者たちは迫害を恐れ能力を隠していると。その意味ではコメディにもシリアスにもなり得る面白さ、その両面を併せ持つ好作品。本作は前者に特化して観(魅)せている。
次回公演も楽しみにしております。

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