
グッドモーニング、アイスパーソン
天才劇団バカバッカ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2014/07/24 (木) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★
いかにもここらしい締め括り方
若干とっちらかった感があるのは否めないが、2万年前の氷の中から見付かったのにもかかわらず、現代人と同じ骨格をもつというアイスパーソンの謎に始まり、「ルパンvs複製人間」やチャペックの「RUR」に通ずるSF感ある中間部を経て、「違い」のある者たちの相互理解について示唆するのはいかにもここらしい締め括り方。
序盤で交わされる差別用語に関するくだりも皮肉たっぷりでニヤニヤ。
あと、冒頭で微動だにしないアイスパーソンたちの「冷凍ぶり(?)」も見事。

シャッター通り商店街
演劇集団プラチナネクスト
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2014/08/09 (土) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★
勘違いに気づくべき
これまで書かなかったのだが、皆さんの評価にも自分に近いものがあると思ったので、厳しい意見ながら書かせて頂く。
ただし、これはプラチナだけの問題ではない。ゴールド何とかであろうが、何とかアカデミーであろうが、人生のキャリアを演劇に生かすという美辞麗句に踊らされている、中高年の自称俳優全体の問題である。
他の公演でも、雰囲気だけで、演技力がまったく伴わない中高年を、最近、よく見かけるようになった。
よく公演を観ている俳優の方のブログには、意識の低い彼らが入ることで、どれほど座組みが荒れて、作品の質も落ちるか、といった嘆き節が書かれており、これは演劇界全体の由々しき問題であるとあったが、なるほど、このままでいけば、深刻な問題になるかもしれない。
演劇をなさりたいのなら、なさればいい。
ただ、実力がつくまでは、発表会としておかれる方がいい。
私は演技にはただの素人だが、人生をかけて演劇を追い続けている俳優たちが大勢いる中で、小手先でできるほど、芝居は甘くないものだと思う。
厳しい意見だが、演劇界を憂うる気持ちで書かせて頂いた。
ただし、たまたま観た、この作品がきっかけとなっただけで、決してこの団体だけの問題ではないということは、先に書いた通りである。

キリマンジャロの憂鬱
朝劇
早稲田02cafe(新宿区西早稲田1-4-18)(東京都)
2014/08/12 (火) ~ 2014/09/05 (金)公演終了
満足度★★★★★
今度は早稲田で朝劇!
丸の内の朝劇でおなじみの個性豊かな男性キャストに交じって、今作では女性キャストの太田綾乃さんが登場。出過ぎず埋もれずの良い塩梅で馴染んでいて、妄想癖のある可愛らしい店員さんを演じていました。会場も早稲田の02cafe(ニカフェ)に移し、朝劇初のおにぎりと漬物と味噌汁といった和食でほっこり。芝居やハイタッチで元気や笑顔をもらえるだけでなく、会場が変わる度に居心地のいいカフェに出会えるのも嬉しい♪

ひょっとして乱で舞ー
時々、かたつむり
小劇場 楽園(東京都)
2014/08/14 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
無題1207(14-255)
19:30の回(曇)。チラシ裏には「受付開始は開演の45分前」とありますが、時間になっても声がかかりませんでした(外ではお客さん数人待ち)、まだ準備しているのか、降りてくるだろうと思っているのか…覗いて訊くと「受付してます」…整理券あり、19:01開場(いつもの右へ)。
黒い舞台、柱を中心に5つの白いライン。19:30前説(開演が少し遅れる旨の説明、72〜82分)、19:35開演〜20:51終演、アフタートーク(アマヤドリ 広田さん)20:57〜21:24。
広田さんも苦笑していた公演タイトル(「ひょっとこ」は、2011/2の「ロクな死にかた」が初めて)。
作家交代、1ケ月で創り上げたそうですが、やはり煮込み方が足りない印象。
この時代での「その事象(ネタバレしないように)」の扱いについての説明やエピソードがないので、大したことではないのか、重大なことなのかがわからないし、用済みで「処分」されるシーンはないものの容易に想像できる。
そんな「社会」に至る歴史的な背景がないまま「そういうことになっています」という前提で話が進んでも…と思いました。ダンスの意味が終盤(2回目)になってもわからなかったのも同じ。

ひょっとして乱で舞ー
時々、かたつむり
小劇場 楽園(東京都)
2014/08/14 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
不思議空間
会話の展開がなされ、時間をうまく使った演出で、
過去と現代を行き来する展開が非常に良かった。
また、一人一人の人間のこころの動きを重視してつくられており、
役の個性を享受することができた。

『穴の中 或は、■の中』ご来場ありがとうございました。
演劇ユニットG.com
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2014/08/13 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
穴のなかから
穴の中から展開していく演出は新しく
とても新鮮に感じた。
内容も現実的と非現実的なことが入り混じっており、
とても面白かったです。

『睡眠―Sleep―』 (世界初演)
公益財団法人愛知県文化振興事業団
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2014/08/14 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
モノトーンのシュルレアリスム
トップクラスのバレエダンサーのオーレリー・デュポンさんをゲストに迎えた作品で、モノトーンで統一された衣装・美術・照明のストイックで精緻な表現の中に豊かな広がりが感じられました。
特に物語らしい展開も無く、楽しいとか悲しいといった感情を打ち出す訴える様な振付でもないのに身体や空間の存在感や美しさそのものに心を打たれるという、言葉では表現出来ないダンス作品ならではの魅力が80分の間途切れることことなくストレートに伝わって来て圧倒されました。音楽・音響やダンサーの配置の構成や展開の仕方にシュルレアリスム的な雰囲気を感じました。
デュポンさんは前半はポーズとポーズの間を繋いで行く様なある意味バレエダンサーらしい動きの質感が、勅使川原三郎さんや佐東利穂子さん達の流動的な動きと対照的に感じられましたが、いつの間にか動きが一体化していて、終盤の女性4人のユニゾンのシーンでは違和感無く溶け込んでいました。ターンや腕を大きく回す時の空気感との関わり方が繊細でありながら力強くて印象的でした。『合奏協奏曲第1番』(アルフレート・シュニトケ作曲)が流れる中でデュポンさんと佐藤さんが踊るシーンは2人の身体性の相違が際立っていて、とても緊張感があって素晴らしかったです。
透明のアクリルのパネルや同じ素材で出来たフレーム状の家具型のオブジェが吊られてれていて、シーン毎に静かに上下し、照明の効果と相俟って反射・透過・影が変化して行って非現実感の漂う不思議な空間性が生みだされていました。
具象的な作品ではないにも関わらず衣装替えが頻繁にあり、飽きさせずに緊張感を保っていたのが良かったです。
音楽はバッハをメインにクラシック中心の選曲で、そこに効果音やノイズやドローンを被せていて独特の雰囲気がありました。中盤の静謐で美しいシーンでは『鏡の中の鏡』(アルヴォ・ペルト作曲)が使われていて、アクリル板にダンサー達の姿が反射する光景が曲名にも合っていたのですが、様々な演劇やダンス公演で頻繁に頻繁に使われている曲なので、個人的には変な色を感じてしまい少し現実に戻されました。しかし、後に続くシーンではベタなバレエ音楽を使ったり(しかもそのシーンでは敢えてデュポンさんは登場せず)、ローリングストーンズの曲を使ったりとユーモラスな選曲センスを感じたので、『鏡の中の鏡』も一種のユーモアだったのかもしれないと思いました。

痕跡 〈あとあと〉
KAKUTA
青山円形劇場(東京都)
2014/08/10 (日) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
贖いの日々
すごく良かったです。ある家族の出来事で十数年に及ぶ葛藤、加害者も同じ気持ちだと思います。偶然なのか、加害者被害者は意外なところにいて交わりそうで交わらない状況に見ていて引き込まれていきました。ただ、このような事件は現実でも起こっていることだと思います。しっかりと償いはしないといけませんね。

『穴の中 或は、■の中』ご来場ありがとうございました。
演劇ユニットG.com
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2014/08/13 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
個性的な登場人物
不思議な空間の話だが、主人公は至って普通。そのギャップが面白い。
また登場人物のキャラがしっかり出ており、安心して笑える感じ。
これも、役者さん達の演技力がとても高いからだと思った。
表情、長セリフ、セリフが無い時の立ち振る舞い等、実にどの役者さんも素晴らしい。
ストーリー的には、いくつか疑問は残ったが、人間知らなくても良い事があるという事か(笑)
ひとつ、残念なのは悪天候やお盆期間中とは言え、この公演で客席が埋まらない事。実にもったいない!

朝日のような夕日をつれて2014
サードステージ
紀伊國屋ホール(東京都)
2014/07/31 (木) ~ 2014/08/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
朝日#04
今回は少し後ろから。
回を増す毎に少しずつ下がってます(笑)
逆が良かったな。
面白い事に下がると舞台が大きくみえます
映像や音楽の迫力
全体の演出が見渡せて素敵でした。

イコル
チャコールモンキー
サラヴァ東京(東京都)
2014/08/09 (土) ~ 2014/08/09 (土)公演終了
満足度★★★★
初チャコモン体感!
はじめましてでした。
テンポも良く
沢山お稽古したんだろうなぁ
と。
いっぱい笑って涙して。
素敵な一時を過ごせました。
ありがとうございます。
次回本公演もまた観たい!
と素直に思えた。

ひなたのなかのこども
風雷紡
d-倉庫(東京都)
2014/08/13 (水) ~ 2014/08/19 (火)公演終了
満足度★★★★★
なるほど。
こういう解釈もあるのかと、なんだか妙に納得したのと同時に、心の中に引っ掛かっていたモヤモヤとしたものが少し晴れた。
素晴らしい空気感。
役者の力量。
その時代に連れて行かれたような錯覚すらおぼえた。
良かった。
すこぶる良かった。

カズオ/斜めから見ても真っ直ぐ見てもなんだかんだ嫌いじゃないもの
オーストラ・マコンドー
ギャラリーLE DECO(東京都)
2014/08/07 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
Aプロ「カズオ」
Bプロと一転してとても面白い。BGMなどいろいろと昔の雰囲気が漂う作品だが、Bプロとは全く違う二人の演技が素晴らしかった。デフォルメされたキャラを二人が見事に演じていた。時間割いて観に行って良かった。会場のスタッフさん達もとても良かった。気持ち良く帰ってこられた。

カズオ/斜めから見ても真っ直ぐ見てもなんだかんだ嫌いじゃないもの
オーストラ・マコンドー
ギャラリーLE DECO(東京都)
2014/08/07 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★
Bプロ「斜めから見ても真っ直ぐ見てもなんだかんだ嫌いじゃないもの」
最初にBプロ「斜めから見ても真っ直ぐ見てもなんだかんだ嫌いじゃないもの」を観た。新作戯曲なのでこちらがおすすめなのかな?こちらは現代女子の二人のお話。趣里さんはキレキャラで怖いし、惟永さんは優柔不断子ちゃんでもどかしい。詳しい内容はあらすじ通り。趣里さんは初観だけど小さい体ですごいパワーだ。惟永さんは久しぶりに観たけど、個性が無いようで個性的な演技をするところは非常に好き。内容は好みが分かれるだろうが、二人の演技を観るだけでも行く価値はあった。運営はとても良かった。

のるかそるか~SINK or SWIM!~
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
シアターサンモール(東京都)
2014/08/06 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★
小倉ワールドへようこそ!
芝居は小倉ワールドそのものでした。
ラサール石井さんの脚本は芸人らしいどんでん返しの連続で、驚きますが、最後はホッとします。そして小倉さんの一人二役の早着替えも見どころです。
ゲストも豪華!未唯さんの歌、ダンス。押尾さんのギター演奏。植木さんのダンス。補助席でるほどの盛況でした。

山犬
OFFICE SHIKA
座・高円寺1(東京都)
2014/08/07 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんだ、面白いじゃん!
グロくはあった。
なのでそういうのが苦手な人は注意。
どちらかというと冒頭の正気のはずの人たちの所業が引きどころかも?ヽ('ー`)ノ
ホラー的ではないので(たぶん)その心配はいらないかな。
面白かった。
劇団鹿殺しとしての作品ではないのでなんですが、最近知った身としては楽団ありきのイメージがやはり強い、というのはどうしてもある。

痕跡 〈あとあと〉
KAKUTA
青山円形劇場(東京都)
2014/08/10 (日) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
とてもよかった
KAKUTAのお芝居、初めて観ました。だんだん物語に吸い込まれていました。なんかわからない中国人役の人も良かった。脚本も良かったのではないか。だんだんストーリーがつながっていく展開がいい。円形劇場をうまく使ったなぁと。最後の伝説の司会者も笑えた。

のるかそるか~SINK or SWIM!~
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
シアターサンモール(東京都)
2014/08/06 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
見どころ満載
押尾コータローさんのギター、未唯のスタイル、小倉さんのHIPHOPダンス…
見どころ満載なステージですが、オグちゃんが一人立ったかどうかは、疑問w

山犬
OFFICE SHIKA
座・高円寺1(東京都)
2014/08/07 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

カズオ/斜めから見ても真っ直ぐ見てもなんだかんだ嫌いじゃないもの
オーストラ・マコンドー
ギャラリーLE DECO(東京都)
2014/08/07 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★
Aプログラム:カズオ観劇
両作見たかったが、都合により「カズオ」のみ観劇。
客席100人に満たない狭い会場をパワフルに走り回り、踊り回り、ジャレあったり。子供から老若男女、等々、役柄を上手い事切り替え演じる若手女優2人のライブ感満載のガチンコ芝居。
切り替わりが多さが変化がまた上手、単純明快で力の抜いた奇妙なコメディ作といえば良いのか?。最後の場面の2人の台詞の純粋さにまた魅了された。やる方は大変だろうが見ている方は面白かった。約110分。