
ひょっとして乱で舞ー
時々、かたつむり
小劇場 楽園(東京都)
2014/08/14 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
I am a who?
小劇場でしか、解明できない世の中がある。
「3Dプリンター」の市場化が すでに始まっている。肉体を立体スキャンし、コンピューターに取り込み、小さなフィギュアを造形する。その販売価格は一体数十万だという。
「ろくでなし子さん」のフィギュアなら購入客が殺到するだろう。
ところが、自分の肉体は洗面台に行くたび世話になる。
同サービスの利用者はリカちゃん人形と幸せな結婚生活でも送っているのだろうか。
『ひょっとして乱で舞ー』を観劇。大半の小劇場公演は「パフォーマンスが本編を邪魔」していた。踊りは基礎稽古の一部だが、小学生からヒップホップを自主的に学んだ若者や毎日スクールに通う生徒と比べ、「役者」が上など ありえるか。それは自己満足だ。
しかし、この常識を否定したのが『ひょっとして乱で舞ー』であった。「歩行動作」を機械的に表現するダンスは まことにスタイリッシュだ。必ずしも高い技術を要していないが、「科学文明と生命倫理」という本編のテーマを先駆けたのである。
「オープニング・パフォーマンス」または「アフター・パフォーマンス」ではなく、本編とリンクしていく「パフォーマンス」。見習う価値がある。
・
台詞を「新鮮」に聴く。これが できる役者陣だ。徹底した会話のリアリズムは仕草、目線、思考にり現れており、観客は まるでドトールにいる「他の」友人グループの話を聴かざるをえない状況に陥ったようだ。
※ネタバレ追記あり

のるかそるか~SINK or SWIM!~
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
シアターサンモール(東京都)
2014/08/06 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★
豪華なコラボ
ほのぼの系名脇役の小倉が、ヒップホップダンス、ピンクレディー、超絶技巧ギターがコラボ。接点てあるもんなんですね。小倉、押尾の意外な面を見ることが出来ました。

ひょっとして乱で舞ー
時々、かたつむり
小劇場 楽園(東京都)
2014/08/14 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★
ひょっとして
チャラい雰囲気のあるタイトルから、ひょっとしてハッピーなラブコメかと思いきや、不気味な近未来の話(つまり、私の直観ははずれた)。ちょっと背筋が凍った。

ボンゴレロッソ
A.R.P
サンモールスタジオ(東京都)
2014/08/12 (火) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
ある意味で小劇場演劇の鑑。
おそらく2014年の東京でこの作品を観るであろう客層に、あの「30歳女性」にリアリティがない点だけが惜しい。あれ15年前の30歳像だ。
作・演出Aロックマン氏?が当日パンフに書いている通り、本当に何も残らない!それなのに何かいいものを観た感じを覚える不思議な作品。
思えばブルーハーツの歌詞なんかも本当は大したこと言ってない。リンダリンダやトレイントレインではなくチェインギャングを持ってきたセンスは称賛すべき。
いわゆるドタバタギャグのレベルが高い。よくある舞台でのドタバタはみんなあっちこっちで好き勝手に騒いでるだけで全体として成立してないものが多いが、これはきっちり細かいボケまで回収していて、全体の何割かを占める、いまいち清潔感に欠ける顔芸も許せる。
役者の技術水準が平均して一定以上でないと到達できない領域。
本間理紗。
見目麗しい担当だと思っている。ちょっと鼻声かな?
(この舞台のために始めたのでなく)もともと叩いてたドラムが本当にうまい。手数や複雑なプレイという意味ではなく、スネア8連打、リムショット、ハイハットまわりの手首の使い方など玄人はだし。ただ力いっぱい叩けば大きな音が出るのではなく、打楽器の鳴らし方がわかっている。演奏しているときの表情も演技なのか素なのかわからないくらいいい。
イシトヤチグサが少し前に入院していた、そして若干大きくなったのが心配だったが、本人によると「(演出家に?)やせるのを止められた」ということなので、じきに元に戻ることだろう。役柄にはかえって合っていたし。

盆がえり
演劇集団よろずや
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2014/08/08 (金) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★★★
嫁と観劇。我が家の課題に対峙しないと…!
お盆に帰省した長女と次女、実家を継いだ3女夫婦が、それぞれ悩みを抱えながら、お互いを気遣いしつつ………、反発しながら思いやりながら………。
という内容です。姉妹兄弟は良いですね。
お盆に嫁の実家へ帰省する前に、嫁と観劇。
観劇後、嫁は末っ子で3女に共感しまくり(長女に反発)、私は長男なので、長女も3女も頑張れ(次女も良い味出してる)。
なんて、思いながら、役者の方の演技に引き込まれてしまい、今、我が家が抱えている課題に、しっかりとこれから立ち向かわなければ、と嫁と思った次第です。
良い公演でした。

『穴の中 或は、■の中』ご来場ありがとうございました。
演劇ユニットG.com
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2014/08/13 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しめました
この劇場の「穴」を使った芝居は何度か観ましたが、ここまで本格的に使いまくった芝居は初めて。実にユニークな演出ですね。芝居の方はシュールなSFファンタジーぽくって、よくわかんないところも多かったけど、グッと引き込まれるものでした。どうでもいいことですが、神様の「もっこり」は妙にリアルでびっくりしました(笑)。

エル・スール ~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ~
トム・プロジェクト
シアターX(東京都)
2014/08/13 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
潮騒が聞こえる・・
殆ど5人の役者であの空間を埋めたのはお見事!
舞台美術とSE、そしてあの演出に時折、劇団桟敷童子の舞台を想起しながら、ベタともいえるノスタルジーの世界観を思いのほか堪能した。

夕-ゆう-
タクフェス
森ノ宮ピロティホール(大阪府)
2014/08/09 (土) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
とってもエンターテイメント
学生演劇でこの演目を拝見し、ぼろ泣きしてしまいました。
是非、プロの本ちゃんも観てみたいと思い観劇しました。
学生演劇の感動で、かなり閾値が上がっていましたが、しっかり感動させて頂きました。と、ともにおもてなしが半端無く、行き届き、とってもエンターテイメント!
是非、必見です。

エル・スール ~わが心の博多、そして西鉄ライオンズ~
トム・プロジェクト
シアターX(東京都)
2014/08/13 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
人情話と思いきや、、、 (追記しました)
所謂「演劇」らしい「演劇」。それも人情もの。
始まった瞬間、苦手なタイプの作品に来てしまったと思った。
そういう作品は観ていてこっちが恥ずかしくなるからだ。
だが、観ている内にどんどん惹き込まれていった。
何度も目頭が熱くなった。
観終わった後も、瞼が潤み続けていた。
と言っても、作品のスタイルは最後まで変わらない。
つまり、そのスタイルがあまり好きではない者をも納得させるだけの強度のある作品だったということだ。
(裏を返せば、人情ものが好きな人には文句なくお薦めできる。)
役者さんの演技がとても良かった。全員良かった。
作・演出は東憲司氏。間違いない作・演出。素晴らしい。
<ネタバレにの最後にヒロポンについて追記しました。>
追記を書いて思い直すと、この作品は、表面上人情話に見えるけれども、実は反人情話なんじゃないかとさえ思えてくるから不思議だ。

生きてるものはいないのか
演劇研究会はちの巣座
ピッコロシアター 中ホール(兵庫県)
2014/08/12 (火) ~ 2014/08/12 (火)公演終了
満足度★★★★★
台風で2度流れたけど、観られて良かったです。
台風11号で8月10日(日)の神大講堂での2講演が流れてしまい。
平日の本公演が観られるかどうか微妙でしたが、新人公演、18のパワフルな個性を拝見できて、シニカルな笑い、シリアスな展開、良かったです。
是非、8月30日~9月1日のおまけ公演も拝見したいものです。

私が王様になった理由(わけ)
試験管ベビー
千種文化小劇場(愛知県)
2014/07/11 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了
満足度★★★★
おもしろかったけどオチが…
お人良しの王様が退位することに。無難に治めていた国をどうするか。
後継候補の三人の息子たちの主張や策略は、
それぞれに個性があり、興味をそそられました。
展開もわかりやすく、観客参加のアイデアもよかった。

安田顕 ひとり語り2014~ギターの調べとともに。
TEAM NACS
イムズホール(福岡県)
2014/08/15 (金) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★
頑張ったからといって面白いわけではない
先ずは会場にイムズを選んだのはどうかと思う。
あそこは舞台も低く、客席の傾斜もほとんどない、とても観辛い会場だ。
そこでしゃがんだりすることの多い芝居をやられたらますます見えなくなる。
確かに安田さんは力演していた。が、頑張れば芝居が面白くなるわけではない。
ストーリー自体も工夫がないとは言わないが、たいして面白くもなく、なにより一人芝居でやる意味はどこにあるのか。
一人で2時間近く持たせるためにはその為の仕掛けが必要になると思うのだが、それがなくても喜べるのはファンだけだろう。(これはファンの方に失礼な物言いですね、すみません。)

暗いところからやってくる
KAAT神奈川芸術劇場
大野城まどかぴあ(福岡県)
2014/08/09 (土) ~ 2014/08/10 (日)公演終了
満足度★★★★
満足
演出が前川さんでないことに少しの不安を覚えていた。
以前、他の方の演出でガッカリを味わっていたから。
しかし今回はそんなことは杞憂に終わった。
1時間ほどの芝居だが、仕掛けも芝居の面白さもたっぷりと感じさせてくれる舞台だった。
子供も大人も楽しめた舞台だったであろうと思われる。

オープン、ベケット!
七ツ寺共同スタジオ
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2014/08/15 (金) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★
4編の共鳴を体感した
4作品を別の演出者による構成とのことで、
それぞれバラエティ豊かな作品を期待。
登場者のモノローグ的な展開が中心で、
いわゆる芝居の面白さというより、
静謐な雰囲気に引き込まれました。

カズオ/斜めから見ても真っ直ぐ見てもなんだかんだ嫌いじゃないもの
オーストラ・マコンドー
ギャラリーLE DECO(東京都)
2014/08/07 (木) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★
斜めから見ても真っ直ぐ見てもなんだかんだ嫌いじゃないもの
後藤さんの隣だから痩せてみえるのかと思ってたけど、趣里ちゃんかなりやせてた。
熱演でしたよ。

空白の色はなにいろか?
鳥公園
クリエイティブセンター大阪(大阪府)
2014/08/15 (金) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
【おすすめ】空白の色はなにいろか?
文化遺産の造船所跡地で芝居を追いかける回遊型演劇。追いかけ方は各人の自由。素晴らしいです。大阪でしか観れません。なんてことでしょう。。羨ましがらせましょう。※答えをすべて教えてもらわないと気が済まない方には不向きです。

痕跡 〈あとあと〉
KAKUTA
青山円形劇場(東京都)
2014/08/10 (日) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
すばらしい舞台でした☆
初めての青山円形劇場で 期待と不安がありましたが、 とても良かったです。 最前列だったので 役者さんとの距離が近い近い! 見てるこっちがドキドキしてしまいました。
お芝居は とても真面目な内容でしたが、 所々笑える場面もあり、 すごくバランスがよくて、 心地よくて、 大満足でした☆ 4.7点

痕跡 〈あとあと〉
KAKUTA
青山円形劇場(東京都)
2014/08/10 (日) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
深い舞台でした
事件と登場人物の関係が、どんどん繋がっていく脚本が、よく出来ているなぁと思いました。加害者・被害者、それに関わる人達のそれぞれの想い、それぞれの愛・・深い舞台だと思いました。重い内容の中にも、笑いがあったりして、ほっと出来ました。色々考えさせられ、何が正しいのか分からない感じがしました。そして、役者さん達の演技力も素晴らしく、とても惹き込まれました。素晴らしかったです!

エデンの空に降りゆく星唄
アリスインプロジェクト
六行会ホール(東京都)
2014/08/13 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
95%ボクラ団義
満席+補助席の入り。
ここでこのタマ(脚本)を使ってくるか!という出し惜しみのない久保田唱の潔さと、きわめて丁寧に作られた感触が伝わってくる作品。
完成度で言えば数年前のボクラ団義の本公演なみで、作風自体はむしろボクラ団義本体よりもボクラ団義らしいかもしれないし、でもボクラ団義で上演するのはおそらく不可能な脚本。ハイミレの逆みたいなことは期待していいのかも?
終盤で一気に伏線を回収にいくのではなく、中盤から丁寧にストーリーを「解いていく」傾向は初見でもわかりやすいし、ボクラ団義や観劇そのものに慣れていない人にも敷居をうまい高さに設定できている。
たとえばキャスティング。那奈@なんとかさんの人間離れした容姿がそのままミスリードのための伏線になっているとか。
春原さんの振りはおそらく相当に難しくて、ちゃんと踊れてる人はそんなに多くない、けども、その「ちゃんと踊れてる人」に視線が誘導されるようになってる。誰が何ができるのか、あるいは得意ではないのか冷静に現状を見て各自が最大のパフォーマンスを発揮できるよう配慮されたつくり。少なくとも完成した舞台上にかぎれば組織運営のお手本とみなせる出来。
ただし、いかんせん人が多すぎて判別がつかない。それぞれちゃんとストーリーに絡んでるキャストの半数程度が僕の中だけでアンサンブルというか事実上のモブ扱い。
終演後のロビーのあれも相変わらずな感じで、本編だけ観たらもういい感。
ここから先は、ひとつ前にコメントされてる方と同じような感想。
今回は6番シードが制作担当のようですが、当日制作スタッフの皆さんは、演劇を観にきた人、アイドルを見にきた人どちらもうまくさばけていない印象を受けました。
パンフほしいと思うも列ぶ気力がなくなるくらいロビーはカオス状態。パンフ買うとちょうど2,000円だから握手会みたいなやつ参加できるんだけどそういうのはいいやと。本編だけで満足したのでさっさと帰りました。
動員+物販売上でキャストさんに厳然とヒエラルキーが存在するんだろうなぁ、と考えると微妙な気持ちになります。この中で何人がこの世界に残ってやっていけるのか。
もうひとつ、遅刻してくる観客の多さ。そのつどペンライト持ったスタッフさんが指定席へ案内するので通路を何回も横切るわけです。そのうち一回はキャスト紹介ダンスの途中!
遅刻しちゃった人専用の補助席みたいなの用意できないものでしょうかね?
さらに僕が観た回は撮影が入ってて常時明るい液晶モニターが目に入る位置でした。僕はわりと平気なタチで、むしろおもしろがって見てましたけども、ああいうのダメな人もいるかも。せめてモニターだけなんとかならないかな。

エデンの空に降りゆく星唄
アリスインプロジェクト
六行会ホール(東京都)
2014/08/13 (水) ~ 2014/08/17 (日)公演終了