最新の観てきた!クチコミ一覧

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露の見た夢

露の見た夢

東京ストーリーテラー

萬劇場(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

壮大な話
まったく予習をしてきていなかったせいか、筋を理解することにばかり気をとられ作品を咀嚼しきれなかった。カタカナの配役名と役者の顔を一致させるのに一苦労であり、己の理解力のなさが重なったためもったいないことをした。残念

『カルメン』

『カルメン』

ひろしまオペラ・音楽推進委員会

JMSアステールプラザ 大ホール(広島県)

2014/09/27 (土) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

青の炎の情熱
去年観たときは、明るいきらきらした中の燃える赤い情熱っていう
陽のイメージが強かった記憶があるんですけど、
今回はなんとなく青の炎の情熱というか……少し影を含むというかぁ。

歌唱、合唱、楽団の演奏は、相変わらず素晴らしいです。
前回の頃は、まだオペラ歌手さんたちの演技等が少しおざなりな感じもありましたが、最近はもうそんなことも無くなってきましたね。。

あと二幕の演出は素人目にも良かったかなぁ。
窓から射し込む光の感じとか角度とか色彩とかひとが包まれる感じとか陰影とか演技のたび映し出される人影の動きとか場所とか。。。
昔、「ラ・ボエーム」のラストあたりでも似たようなことを感じたような気もするけど。

良かったです。

9月企画公演 能を再発見するⅤ―観阿弥時代の百万―

9月企画公演 能を再発見するⅤ―観阿弥時代の百万―

国立劇場

国立能楽堂(東京都)

2014/09/23 (火) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

天狗さ~ん
能 「是我意」は、予想よりもずっと良かったです。

シテが、上手いのか?誰がやってもダイナミックに演じてくれるのか?
そこまで、詳しくは有りませんが、印象的な天狗に感動しました。

9月文楽公演

9月文楽公演

国立劇場

国立劇場 小劇場(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/22 (月)公演終了

満足度★★★★

惹かれました
第三部を拝見させて頂きました。

太夫の荒くれぶりが、人形ですが非常に魅力的でした。

後半の居酒屋のシーンは、にぎやかさが良く解りました。
同時に、人形と人形遣いでギュウギュウで見て居ても息苦しく感じました。

なかなか、良かったです。

落伍者。

落伍者。

ラチェットレンチF

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2014/09/26 (金) ~ 2014/09/30 (火)公演終了

満足度★★★★

初見。
チケットプレゼントにて観劇。
古典落語「死神」を軸に、本編話と落語噺の寸劇を交互に進行させながら途中からリンクしていく。演じる役者の経験の差というかプロとセミプロ位に力量の違いを感じてしまうような人物造形がそれらしく見えない人もいて、惜しい、と思う場面もあったが、転換時のダンスや照明遣い、作品テンポの良さには引き込まれた。
前座落語15分+本編約2時間。

ネタバレBOX

谷畑さん演じる噺家 真打の爽雲 、目配せの仕方やふとした仕草がどことなく劇団座長の吉田鋼太郎さんを彷彿とさせたが、粋で洒脱で気迫ある噺家ぶりやライバルとも言える友人とかつての思い人に見せる態度の繊細さ、それを受ける船戸さん演じる銀次の我が道を行く生き様、その2人に愛される南口さん演じる小百合の短くも幸福な時間の表情、この3人が絡んだシーンで、特に丁半博打のシーンはいい歳した大人の遊び方が垣間見えて面白かった。

涼子と夏風らんらんのヘアスタイルが同じだった為、高座あがりからの葬儀のシーンあたり、最初は同一人物が着物脱いだ姿の普段着で話しているのかと、やや混乱してしまった。
涼子の「お母さん」の姿はやっぱりエプロン姿で現すのがわかりやすいんだろうか。涼子にとっては働いているお母さんより家事をしている印象の方が強かったか。
いろいろと思うことはあっても、とても面白い舞台でした。

終演後、場内混雑の為、アンケート記入出来ずここに記載。
開場から開演までの間、毎回15分程度の前座落語の企画あり。
観劇当日も開演前でありながら、前座落語始まる前から座席がほぼ埋まる状態。座席を探しステージ前を横切る観客に対し、ステージ上に誘導スタッフはいるものの、あまり機敏に誘導しているとは思えず。前座とはいえ、噺のオチまでしっかり聞きたかったのだが‥。
上演開始しても、出入り口付近や場内に誘導スタッフ不在のため、遅れてきた観客誘導も手薄、話の設定上暗転場面も多く、座席確認に戸惑う観客も見受けられた。
公演や企画は面白かったので、次回からはその辺りを考慮していただければ、と思う。
小指の思い出

小指の思い出

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2014/09/29 (月) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度

聴こえない
多くの方がおっしゃる通り、台詞が聴こえないです。

マイクが付いて居ても聞こえないです。

その分、生演奏の音楽が良く聞こえます。むしろ、演奏の音に台詞が消されてしまって居ます。

舞台セットは、本物の車を何台も使って居て大きな劇場だから出来た事なんだと思います。最初は、白い布で覆って居る所が剥がされて正体が出て来るところが良かったです。

袖が無かったです。
むしろ、無くて良かったと思います。

三文オペラ

三文オペラ

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★

会場なのかな?
華やかな舞台ですが、重く感じるのは、会場の雰囲気なのかな?

楽しい舞台を創っても、乗れない感じがこの劇場にはあり

むしろ、暗くて悲しい話の方が、雰囲気が出て良いのかもしれない。

舞台の中身は、良かったと思います。

会場が別の明るい所だったらもっと良かったと思います。

老人が海

老人が海

演劇集団 座・シトラス

明石スタジオ(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★

お客の目線に立つことの重要性
セットはなかなか良くて好感触。演者たちの声がしっかり出ていたし、特に大久保さんの役はトリッキーな役だったのに、うまくまとめていたと思う。マスターもまだマスターという年齢ではなかったのかもしれないが、いい味を出していた。旗揚げ公演ということで、勉強できる点はこれからたくさんあるのだろう。残念な点は多かったので★は2つ。

ネタバレBOX

客席の組み方の都合上、非常に見えにくくて若干イライラしたという前提ありきです。

細かいことだと、恵比寿さん(?)の時計がギラギラ反射して邪魔でした。
突然鳴り出す音楽もよくわかりません。間が持たないからでしょうか?芝居の流れを悪くした印象です。最終的に幽霊になる方も、違和感をだすためなのか、突然の大声などバランスが悪すぎるのではないかと。
神田さんはずっと汗で髪の毛が顔にはりついて、いつ顔拭いてくれるんだろう?としばらく思ってました。おそらく演出都合でわざと拭かないままだったのでしょうが、やっと拭いてくれたと思ったら、拭き切れずだいぶ残っている。途中でネクタイがずれて、最後まで本人含め誰も直してあげられなかったのも残念な点です。

最悪だったのは途中で劇団が稽古でやってることと言って、突然ジェスチャーゲームを入れたことです。
あれ面白いですか?知っている人間がアホなことをやっている姿は面白いかもしれませんが、初見の私は相当しらけました。
「稽古でやっているから伝えられた」ではなく結局「まったく伝えることができない」というオチをお客に見せる意味がわかりません。

役者の皆様には期待感が持てます。お話も発案部分は面白かったと思います。お客がどんなことを感じるかをよく考えて作られるともっと良くなると思います。
次回公演は生まれ変わったような作品になっていますよう。
炎 アンサンディ

炎 アンサンディ

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2014/09/28 (日) ~ 2014/10/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

原罪・贖罪・復活
沈黙の意味
沈黙の重さ
沈黙の向こう側

ネタバレBOX

重苦しいテーマと表現の舞台だ。
余計なセットや装置は一切排し、舞台の上の役者と台詞に集中させる。

すでに死んでしまった母・ナワルからの遺言で、双子の息子と娘は、戦争で死んだと聞かされていた「父」と、その存在すら知らなかった「兄」を探せと命じられる。
彼らは反発しながらも、母の母国である中東へ旅立ち、2人を探す。

ストーリーとしては、物語の進行とともに、いくつかの疑問を解き明かしていくような、ミステリー仕立てになっている。
すなわち、
「父はどこにいるのか、生きているのか死んでいるのか」
「兄はどこにいるのか、生きているのか死んでいるのか」
「なぜ父と兄を、今になって双子の娘と息子は探さないといけないのか」
「なぜ双子の娘と息子は、母を嫌っているのか(息子に至っては、母をクソ呼ばわりしているほど)、つまり、双子はなぜ、母に愛されていなかったのか」
そういう疑問、つまり、「ストーリーの中の疑問」が最初のシーンからわき上がり、観客は双子たちとともに、母がたどってきた「彼女の真実」を見に行くのだ。

さらに、疑問は湧く。
言わば「ストーリーの外の疑問」だ。物語の進行とともに、観客の心に染み出てくる疑問と言ってもいい。
すなわち、
「母は、なぜ双子の子どもたちに、真実を伝えなくてはならなかったのか。“父は死んだ”と言っていたのだし、兄は存在さえ伝えていなかったのだから、真実は墓まで持っていけばよかったのではないか」
「彼女(母・ナワル)は、なぜそのような酷い目に遭わなくてはならなかったのか」
ということである。
それらが、この作品の本来のテーマと重なる。
そして、それにラストで気づかされる。

レバノンが母・ナワルの故郷であろう。その地名は作品中に出てこないが、フライヤーなどや作者の履歴からそれがうかがえる。
ナワルは十代に愛する男と出会い、身ごもるのだが、男とも子どもとも引き離されてしまう。
それは、宗教の戒律によるものではないのかと思っていたが、彼女や祖母の胸に下がる十字架によって彼女(ナワル)たちはキリスト教徒だとわかる。
そこで、レバノンで起こったキリスト教徒とイスラム教徒との凄惨な戦闘を思い出す。
つまり、「同じところに住み、同じ民族が殺し合う」という、劇中に何度も繰り返される台詞に行き当たるのだ。

さらに劇中では「私があなたの母(父)であってもおかしくない」という台詞が2度も出てくる。それなのに、殺し合うという現実。
終わることのない、復讐と殺戮の連鎖。
これがこの作品のひとつのキーワードとなる。

ナワルが子どもも身ごもったあと、祖母に「読み書き、計算ができるようになって」「自分(祖母)、母、あなた(ナワル)へと続く“怒り(悲しみ)の泥沼”から抜け出せ」と言われる。
そして、祖母は「自分が死んだら、その上には何も置くな」「お前(ナワル)が文字の読み書きができるようになったら、この場所に戻ってきて、墓標に私の名前を書け」と命じる。

これはナワルが双子の子どもたちに遺した遺書とまったく同じであり、それがこの作品の全体を包む。

すなわち、ナワルの埋葬方法は彼女の祖母のそれと同じ。
「棺桶には遺体を入れず裸のにまま埋葬すること、空(上)を向かせるて横たえること、参列者がそれぞれバケツ1杯の水を自分の遺体にかけること、埋めたあと、その上には何も書かず、何も置かないこと、そして、あることを達成したときに初めて墓標を立て、自分の名前を書くこと」である。

なぜ、ナワルは祖母と同じように、そうしたのかが、「ストーリー外の疑問」のひとつ、「母は、なぜ双子の子どもたちに、真実を伝えなくてはならなかったのか」の回答となる。

ナワルは、強い女性だ。強くなったと言ってもいいだろう。「言葉」を知ることで、怒り(悲しみ)の連鎖(泥沼)から抜け出すことができたからだ。
連鎖から抜け出すことができたとしても、彼女たちを取り巻く状況はまったく変わらない。
復讐と怒りと殺戮の連鎖の中にいる。
しかし、彼女はそうした連鎖の外に出ることができたので、「復讐のため」に「相手を殺す」ことはしない。親友のサウダが自分の家族や親族が殺されたときに復讐しようとするのをとどめるのだ。
だから、のちにわかる収容所の中で拷問を受けていても、ナワルは歌うことができたのだ。

しかし、彼女も人を殺している。
それを忘れてはならない。
殺した相手は、子どもや女ではないし、民間人でもない。
「連鎖を止めるため」という大義名分はあるのだが、やはり人を殺したことには変わりがない。

人を殺すときには、殺人鬼でもなければ、大義名分が必要だ。
「復讐」も立派な大義名分だから、ナワルの行動も、個人的な復讐のため相手を殺したいと思っていたサウダと同じことなのだ。

ここに「ストーリー外の疑問」のもうひとつ「彼女は、なぜこのような酷い目に遭わなくてはならなかったのか」の回答があるように思う。
それは「人を殺したから」その「罰」として酷い目に遭った、のではない。
もっと根源的な意味であり、世の中のすべてのことを含めた、象徴的なものであろう。

すなわち、「原罪」。
つまり、彼女たちが信仰しているキリスト教における、すべての人が持つと言う「原罪」ではないだろうか。
人は誰しも「罪」を背負っていて、彼女(ナワル)もその1人であり、その罪により、試練を与えられたということではないか。
ナワルは、それに購うために、人々の罪を背負ったのではないか。

ナワルはもちろんキリストではない。
生身の人間であり、「女」であり、「母」でもある。
新しい生命を宿すということが、ナワルの宿命であり、「贖罪」でもあった。

このキリスト教的な感覚は、先の「母は、なぜ双子の子どもたちに、真実を伝えなくてはならなかったのか」にもかかわってくる。

すべてを知ることができなければ、贖罪はない。
ナワルも祖母も、土中に埋葬され、その墓碑銘が書かれるときに、「復活」する者がいる。
ナワルが学び知識を得て、祖母の墓碑銘を書いたときには、「ナワル」が「復活」した。

そして、彼女(ナワル)の子どもたちが「知ったとき」に復活するのは、ナワルではなく、彼女の子どもたちなのだ。
子どもたちとは、双子だけでなく、彼らの「兄」も含まれる。
このところは、正直に言えば、きちんと理解できたわけではない。

「復活」とは何か。
この物語自体、「一体、何が悪かったのか」という問いかけは、無用である。
双子の娘が尋ねた老人の問い掛けと一緒であり、それはどこまで行ってもキリがないのだ。
さらに言えば、孤児院の医師が言う、誰が誰を殺したから、誰を殺すという、復讐の連鎖のようにキリがない。
キリがないから、ここで断ち切ることにして、新たに始めることにした。それが「復活」ではないか。
「知る」ことですべてを受け入れ、「知恵」(祖母が糸口を授けた)で解決の糸口を見つける、それがこの作品のテーマだったのではないかと思う。

ラストに、「父」「兄」がことの次第をすべてを知ることは、彼を非難するためでなく、ナワルが自ら「自分の息子をいつも愛する」と誓ったにもかかわらず、(そうとは知らず)呪ってしまったことも含めて、彼に知ってほしかったのだろう。
それは双子対するものとまったく同じ意味であり、彼も双子と同じ地平に立たせるということである。その「地平」にはナワル自身もいる。
その「地平」とは、すべてを「愛する」場所である。

ナワルの子どもたちも、そこに立って(たぶん)そうできたのではないか。

ナワルがこの事実を知ってから5年間ひと言も言葉を発しなかったのは、恐ろしい事実に言葉を失っただけでなく、その先に行こうとしたからだ。
そしてたどり着いたのが「こうやって一緒になったからには大丈夫」だった。

双子も、その真実を知り、母の沈黙の意味を知ることで、母・ナワルと同じところにやっと立てたのだ。彼らも「沈黙」ののちに。
そして、「母の沈黙」に耳を傾けることができた。

「父」「兄」も、時間はかかるだろうが、そこにたどり着けるだろう、と示唆するラストは美しい。
彼(ら)の席がきちんと用意されてあり、そこに這ってたどり着くのだ。

そして、すべてを包むのは「母」(の「愛」)なのだというラストでもある。

「こうして一緒にいるのだから、大丈夫」というナワルの結論は、彼女の愛した男の最後の言葉「一緒にいることは美しい」であることが哀しい。
「1+1」が「1」になることがあるのか? の問い掛けの意味を知ってしまった双子たちの姿も悲しい。

戦争は、たぶんもうしばらくは、なくならないだろう。
この作品は、戦争の悲惨さを描くとともに、断ち切る強さ、知ることの尊さを描いている。

母・ナワルは強い。だからこそ、自分の子どもたちもそうあってほしい、とすべてをうち明け、それを彼らの手によって明らかにしてほしかったのだろう。
文章で書くよりも、体験してほしかったのだ。
実際に人に会って、話して、土地を体験して。

「罪」と「贖罪」の間には「知ること」があり、「贖罪」と「復活」の間には「赦し」(愛)がある。


ナワルを演じた麻実れいさんは、背筋をしっかりと伸ばしているような強さを感じた。十代のナウルは少し厳しかったが。
ニハッドを演じた岡本健一さんは、スナイパーとしてのクレイジーさが舞台の上で異彩を放っていた。ラストの衝撃が心に響く。
ナワルの友人サウダを演じた那須佐代子さんは、ナワルの唯一明るい表情の時代を助け、健気な印象が良かった。

※キリスト教に関する、非常に薄い知識で書いているので、本来の意味から外れているかもしれないが、そこはご容赦を。
ジルゼの事情

ジルゼの事情

劇団鹿殺し

新神戸オリエンタル劇場(兵庫県)

2014/09/27 (土) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

Cocco
こんなに演技らしくないセリフを初めて聞いた。こんなに感情を素直に出せる人を初めて見た。歌声に息をのんだ。観ていて、苦しくなって、辛くなって、笑えなくて、でも人は生きていけるものなんだと思った。

不謹慎な家

不謹慎な家

PANDA JOCKEY

シアター711(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★

待つ女達
少しだけ特殊ではあるものの日常的な生活を描いたシンプルな会話劇で、コミカルなやりとりの中に考えさせられる内容が織り込まれた作品でした。

罪を犯して懲役を受けている夫や恋人が出所するのを待っている女達が一軒家で共同生活を行う様子を描いた物語で、罪を犯した者の身近に居る人の難しい立場や待つ心情という、シリアスに描くことも出来るテーマを軽妙な会話劇に仕立てていて、楽しめました。
ラストで殊更に盛り上げたりせず、さらっと終わるのも良かったです。

特徴的な手法や仕掛けを用いずに演技で見せるタイプの作品で、個人的な耆好と異なっていて少々物足りなさを感じました。

手前中央だけ1段下がった、掘り込み座敷の断面のようなセットは、出演者が座っているシーン(大半がそうでした)でも見易いという効果はありましたが、それ以外にそのような形状にした意図が感じられず、もったいなく思いました。

どの役者もアクのあるキャラクターながら現実に居そうな雰囲気を感じさせる演技で良かったです。特に冴えない管理人を演じた有川マコトさんの声や表情の引き出しの多さが魅力的でした。

第三帝国の恐怖と貧困

第三帝国の恐怖と貧困

劇団わらく

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/10/02 (木) ~ 2014/10/06 (月)公演終了

満足度★★★★

第三帝国の恐怖と貧困って
こういう構成の作品だったのかと認識しました。

ネタバレBOX

当日パンフレットによれば、ブレヒトの『第三帝国の恐怖と貧困』は、1933年から1938年にかけてのナチス政権下における人々の生活の断片を描いた27のオムニバス小編から成る作品です。全てをやると4時間を超えるそうで今回は10編が選ばれました。

突撃隊に言いがかりをつけられる怖さ、手のひらに書いた白墨の十字をさりげなく異端者の服の背中に転写するおぞましさ、そんな突撃隊員も自腹でブーツを買わされたりしていたんだとか、告げ口社会になっていて、自分の子供も信じられなくなっていたことなど興味深く観ました。

日本の軍国少年だって告げ口はしなかっただろうにと思いながらも、それだけ日本の大人は表面上も内面も忠実に暮らしていたことが窺えます。

「ユダヤ生まれの妻」は、どこかの劇団で恐らく短編としてだと思いますが観たことがありました。緊迫した状況での切ない話ですが、これがブレヒトだったのかと再認識しました。

やや早口でも2時間強、急ぐあまり噛むというより何か音声が飛ぶような台詞回しが気になりました。
ぼっけえ、きょうてえ

ぼっけえ、きょうてえ

いちえプロジェクト

広島県 縮景園 清風館【茶室】(広島県)

2014/10/02 (木) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★

心地好いゾクッと感が良いですね(^w^)
この小説をどのように表現されるか?興味津々でした(^^)
縮景園という茶室の空間に語りべとギターの生演奏がとても幻想的で、想像以上に感動致しました(*^^*)
いちえプロジェクト様♡感動を有難うございますm(._.)m
次回の公演も楽しみにしてますね(*^^*)

vivid contact

vivid contact

WATARoom

劇場HOPE(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★

見方が変わった
観る側に美味しいアクシデントあり!!でも、それだけでなく、柏さん、曽世さんの女性としての魅力もなかなか見応え有り。更に梶原さん、アドリブとはいえ、アクシデント前のしゃべくりはなかなか。三者ともに今までとは違う魅力があったことに気づかされました。

AUDITION

AUDITION

Tsfactory

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2014/09/23 (火) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★

☆★脚本が面白い三部構成★☆
脚本・演出 ガバメンツの早川康介さんという情報だけで
その他フライヤーやTwitterでも告知など全くない状態…(^^;;
観劇前にこれほどまでに何も入ってこないのも初めて
ちょっと不安になりながらインディペンデント1stへ
いざ劇場内に入れば皆さんどこから情報を知ったのか⁈
ほぼ席が埋まっている状態⁈


シンプルな舞台で内容は三部構成の様な話
オーディションに来ていきなり台本を渡されて演じる
ミュージカルのパロディから会話中心のお芝居まで個性豊かな役者さんが演じる
役者さんは若い人ばかりだったのでぎこちなく感じる所もありましたが
必死に演じているのが伝わって来ました!

脚本がさすがガバメンツの早川さんだけあって面白い♪
特に最後の作品はABC春の文化祭でも見た内容だったので愉しめました(^^)

このユニットは今回で最後になるのかな⁈

☆印象に残った役者さん
プロデューサー役の落ち着いた演技の納谷健さん

☆印象に残ったシーン
最後の交互に語りかける作品がウイットに飛んだブラックな話で面白かった!

不謹慎な家

不謹慎な家

PANDA JOCKEY

シアター711(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1269(14-308)
19:30の回(小雨、曇)。18:30受付、19:00開場。D.Bowie、10cc、The Runawaysなどがかかる。

客席側が解放されている掘りごたつのような舞台、座る部分は高めなので後方でも観やすい(と思います)。深い堀のところに白い木製のテーブル、舞台両サイドに鉄格子。19:30前説(アナウンス、90分)、19:34開演〜21:02終演。

この脚本、この演出、こんな役者さんたち…始まったばかりのところでわずかに笑い声…「アレッ?コレハ ワラウトコロカ?」と思ってしまいましたが、そのうちみなさん「うふっ」「へへへ」「ハハハ」と…でも舞台上は極めて真面目な議論(極論、暴論)の応酬、これがなんとも面白く、徳橋さんvs他の全員。強烈なキャラクターで舞台を撹乱、ググっと睨みを利かせれば、みんな首をすくめビビりまくるのでした。

ネタバレBOX

カウンセリングセミナーで出会った女4人。男はみな塀(掘と似ているのは考えすぎか)の中(殺人、詐欺…)。お勤めの年数はいろいろあれど、待っている女たちがなぜか同居することに。

管理人に指名された「有川」は「みのり」に惚れている。みのりが連れ込んだ浮気相手の男やみのりの兄がどんどん話をややこしくするが笑うしかない。

男を待つみのり、なのに別の男と浮気(前科あり)をする、母親には会おうとせず兄を追い返す。余計な一言が嵐を呼び、荒れ狂うみのりは止まることを知らず、そのままのテンションで爆走、実に爽快。
生きると生きないのあいだ

生きると生きないのあいだ

ティーファクトリー

吉祥寺シアター(東京都)

2014/09/27 (土) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★

あいだ
色々なあいだ。今、自分はどこにいるのだろうか?と考えた。「嫌い」ということと「好きじゃない」のあいだはなんだろう???とか色々、色々…。後半ガツンと温度が熱くなった。ただ最前列で見たのでまぶしかったです。

どんぶりの底

どんぶりの底

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2014/09/26 (金) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!
流山児★事務所30周年記念公演ということで期待して観に行きましたが、期待以上に面白かった。特に各役者さんが全員個性的で本当に演じている。最近は素の状態で個性=演技みたいな役者さんも多いが、流山児★事務所の公演では、毎度違うキャラを演じているので、やっぱり役者さん達が上手いんだと思う。とにかく、若手の役者さんとかに是非見てもらいたい。

The Greatest Hits Of HYOGEN SAWAYAKA

The Greatest Hits Of HYOGEN SAWAYAKA

猫のホテルプレゼンツ 表現・さわやか

駅前劇場(東京都)

2014/09/24 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

ファンサービス公演?
表現さわやか初観劇でした。
他の方も書いてあるように、内輪ネタが多く「???」でしたが、
タイトルに「The Greatest Hits Of」とあるように総集編なのだろうと思います。

客席は、おそらく表現さわやかのファン・森下さんのファンが多く
クリエイションも客席もお互いの信用の上で作り上げられているような安定感のある空気でした。
素直なコントや風刺や勢いは、普通に楽しめましたが、世代が違う所向けのネタや、上記のとおり内輪ネタ、観客サービスネタが多く自分は本当の楽しさへたどり着くには経験不足のようなので、評価はやめておきます。

本間さんはころばない

本間さんはころばない

九十九ジャンクション

小劇場B1(東京都)

2014/09/30 (火) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

しみじみと観れます
まずは、よくできた作品だということを伝えたいです。
世の中の出来事は、それを見る角度によって評価が変わるものですね。
誰でも体験し、知っているはずの事を改めて提示してくれます。

押し付けがましくなく、しかも丁寧な語り掛けは秀逸です。
昨今の傾向の一方的な展開(それを芝居のスピードと勘違いしている例の多さには辟易します)を拒んだ手法に好感をもてます。

突き詰めれば「善」と「悪」がどうやって決められるのか、そんな奥深いテーマが骨太に内包されています。

演者たちにも非常に好感が持てます。
吉田君の正義感がもっと青い感じで演じられたら良かったかな?多少屈折が勝っていたような…。

とにかく、お薦めの作品です!

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