最新の観てきた!クチコミ一覧

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柚木朋子の結婚

柚木朋子の結婚

studio salt

鎌倉/古民家スタジオ・イシワタリ(神奈川県)

2014/10/11 (土) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★★

臨場感のあるホームドラマ
生活感がたっぷりある古民家のお部屋で、
結婚にまつわる家族の揺れ動く感情が、家族のそれぞれの個性を生かしながらていねいに演じられていて
まるでよそさまのお宅にお邪魔し、生活風景を見ているような感じでした。

ネタバレBOX

家族がいて、兄弟がいればその中におこる不平等感は、たしかにありますし
そこに着目しているところはいいポイントだと思いました。
しかし、朋子さんの結婚について・・・「いい人を演じている自分が好きだから」という理由で結婚相手を選んだり断ったりすることは、無理があるように感じました。
キズツクキカイ

キズツクキカイ

たすいち

ザムザ阿佐谷(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★★

よかった~!
とにかく面白かった。OPから持っていかれてそのままあっという間の1時間50分だった。それぞれのキャラもたっていてどこか自分を投影できるよな部分もあり笑いの中にも考えさせられる点もあった。
分かりやすい内容なのでぜひ多くの方に観て欲しいのが本音です。

紅蓮、ふたたび

紅蓮、ふたたび

ACRAFT

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/10/08 (水) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★

誘われてふらっと。
笹塚ファクトリーへ。
内容も確認せずに行ってしまい、前半から色々伏線が多い事に
気づき、ふらっと来る世界観ではなかったかと。
登場人物の多さとその繋がりは徐々に解ってくるので
流れとしては気にならないが、全体的に説明セリフが多すぎて、
ただ目の前の「画像」を見ているという感覚が否めなかった。
話としては非常に面白いし、キャラもそれぞれ立っているので、
見ていて飽きないし、暗転が少なめで集中力を欠く事も少なかっただけに、
何となく許容量いっぱいの情報量に閉口ぎみにさせらてたのは
残念だったなと。

ネタバレBOX

友情。師弟関係。生きる道。それぞれのテーマが重い上に
親子の情愛やら恨みやら、感情的なテーマも絡んでくる。
どの逸話も掘ればかなり良い話なはずなのだが、2時間という中で
全て表せるはずもなく・・・。
特に母子の名乗りに関しては突飛過ぎて、本来なら「えー!!」と
なるところが思わず失笑。大変申し訳ない話だが、
せっかくの物語も若干チープに感じられてしまった。
非常の階段

非常の階段

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

マチネ観ました
すごく良かったです。作風も好みでした。尺の長さを全く感じさせない劇だったと思います。詳しくはネタバレにて

ネタバレBOX

カッコいい不良が大好きなので、そういう人たちが沢山出てきて嬉しかったです。犯罪、自殺、そこに絡む悪と自由について考えさせられました。大庭ナイトは結局は木下ナオトであって、大庭にもナイトにもなれないところに切なさを感じました。彼の抱える問題は特殊なようでありながら、多くの人間が持っている悩みなのだろうなと思いました。小角さんの次女役がいつもの小角さんとちょっと違う雰囲気で好きでした。大庭家、好きですがどうも三女が浮いていたように感じます。要因はよくわかりませんが…… 父親に対して長ゼるところは注目しましたが、他の場面ではなじめてない気がしました。終盤のナイトが追い詰められていくところは心に迫るものがありました。メタネタには単純に驚きましたが、メタって基本は苦手なのですが、今回は張り詰めていた神経を緩めてくれた気がして、尺の長さを感じなかった要因の一つかなとも思います。全体的に尺への工夫は見られたと思います、まあ、あんまり尺の話ばかりするのは好きじゃないのですがね…… 全体的に本当に好きな劇でした。1回でお腹いっぱいになってしまって二度目以降は見ませんでしたが、本当に良かったです。
福島真也×ブラジリィ―・アン・山田「酔いどれシューベルト」

福島真也×ブラジリィ―・アン・山田「酔いどれシューベルト」

劇団東京イボンヌ

ザ・ポケット(東京都)

2014/10/08 (水) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

独自のスタイルをほぼ確立
作曲家の評伝…もとい、偽伝シリーズ(笑)の第2弾。
今回は会場も広くなり楽器もピアノに加えて4管1弦1打の「東京スザンヌ」が務め、本編も前作より「架空度」は増したものの、むしろよりしっかりした感じ?
途中で何曲か歌が入る小劇場系芝居も増えてきたが、知っている範囲内ではポピュラー系が大半であり、クラシックは珍しい上に声楽家を迎えて伴奏も生という本格派は稀有で、しかもそれがミュージカルのように唐突でない(笑)のが見事。
本筋についても突拍子もない人物(?)を出したり、シューベルトの「多作のとんでもない秘密」を描いたり現実離れしながらもフィクションとして筋が通っているというか、娯楽作品として上出来で楽しかったなぁ。

なお、昨年秋の「活動再開」以来、作曲家の偽伝シリーズ(「イッヒ リーべ ディッヒ」は偽伝(評伝?)+現代劇)となった東京イボンヌだが、以前のような「現代劇にクラシック音楽を練り込んだ」スタイルもまたいつか(再演も含めて)観たい気がする。
また、アンケートに書く時点では思い付かなかったけれど、伊福部昭などの邦人作曲家や、演奏家・指揮者を題材とするテもあるんじゃないかな?

ネタバレBOX

本来ならオーケストラによって奏される交響曲などの「東京スザンヌ」版編曲も面白く、魔王(役)に「魔王」を歌わせるなんてアイデアも愉快だった。
キズツクキカイ

キズツクキカイ

たすいち

ザムザ阿佐谷(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

新しい妖怪話
妖怪、陰陽師、などなど、いろんなキャラがぶち込まれて、上に下にと大活劇を繰り広げる中で、デリケートな人の心、寂しさや思い通りにならない苦しみ、と言った「キズ」をどう受け止めるか。難しい、でも現代的なテーマが、繰り広げられる。笑いあり、切なさあり、すごく面白かったです。
脇を固める妖怪たちがマスコット的に可愛いです。

ネタバレBOX

サディさんの妖怪は予想通りのキャラでしたね。
This Planet is Ours

This Planet is Ours

劇団だるい

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

ソワレ観ました!
面白かったです。だるいはいつ見ても面白いから好きです。

ネタバレBOX

ようかいのが一番笑いました。他のは、ややテンプレっぽいのもありましたが大体とても面白かったです。
シンフォニ坂の男

シンフォニ坂の男

劇団道学先生

ザ・スズナリ(東京都)

2013/09/21 (土) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★

名作一歩手前
よく出来た演劇だった。役者さんの演技も小劇場と言うよりは商業よりの作り込んだ芝居で、虚構の世界にぐっと入りこめたと思う。もうひとりの方が書いてるブツ切り感は多少あったが、そんなに気にならなかった。何か好きな要素がてんこ盛りですごく楽しい時間を過ごせたのだけど、惜しいなぁと思うのが、要素は要素としてドカっとあって楽しめる一方で、完璧には融合していなかったところ。

「楽団のアトリエがあることから、
いつしか「シンフォニ坂」と呼ばれるようになった、
その坂のてっぺんにある診療所を営む無頼な医者と
彼を取り囲む風変わりな男女たちの、
音に彩られた群像劇…」

何て設定だけでも面白そう!そして設定の美味しさ、素材の美味しさ予想通り!なところが惜しかったような。脚本のせいな気もしますけど。

【終演しました!】ひともどきシュレッダー

【終演しました!】ひともどきシュレッダー

劇団fffff

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/10/03 (金) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

マチネ観ました!
雰囲気が好みだったので、とても印象に残りました。あと、役者が好きです。

ネタバレBOX

4人目までの話のところで色々な演出や演技があり面白かったです。5人目のからの、終盤にかけて盛り上がるところの迫力が好きでした。かっこよかった。一人の人間を知るために一つの演劇を表す、というのは共感できました。システムを壊したあかり自身も自分が批判した博士と結局同じことをしていた、ということと終わり方は印象的でした。スタッフワークも良かったと思います。
イエドロの落語 其の弐9月 目白 古民家ゆうど公演

イエドロの落語 其の弐9月 目白 古民家ゆうど公演

イエロー・ドロップス

ゆうど(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

人間を描けてこそ
間近で拝見し、素晴らしい演技力に感嘆いたしました。目の前なので、ちょっとした切りかえのアラなども見えてしまう距離でしたが、全く違和感なくとりつかれた役者はとりつかれた者として、死神は死神として見えました。落語のうすら怖さは、化け物怪奇の怖さと言うより、人間の心の奥底の醜さの怖さを描くところにポイントがあると思います。そのためには、人間と言う曖昧な存在を余すところなく演じ切る役者の技量が必要なのです(若手の落語家さんでも、人間が演じられてない方は、やはり噺が浅いのです。)

林さんのコーディネーターぶりも素晴らしかったです。相変わらず良い声の役者さんです。演者として更に円熟味を増され、この独特の催しに相応しい存在感を放っておられたと思います。

ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク

TBS

赤坂ACTシアター(東京都)

2014/10/07 (火) ~ 2014/10/24 (金)公演終了

満足度★★★★★

あっぱれ初舞台
当初観る予定はなかったのですが、家族が観たいと言うので、行って来ました。

私としては、堀北ジャンヌの印象があまりにも鮮烈だったので、有村さんのジャンヌには、正直それほどの期待感はなかったのですが、脚本にも、演出にも、有村ジャンヌに即した工夫があり、熟練男優陣のまさに助演にも助けられて、お見事な初舞台、初主演舞台を務めていて、あっぱれの出来映えでした。何よりも、意外にも低音の響き渡る有村ジャンヌの発声に驚きました。

傭兵役の堀部さん、尾上さんが、共に好演。

ジャンヌ・ダルク物って、ともすると、キリスト教に精通していない日本人には、わかりにくい作品が多い中、中島さんの脚本は、万国共通、どの宗教理念の人にでも、共感しやすい切り口で、ストーリーを形成しているので、最後まで、気持ちが遊離することなく、舞台に集中することができました。

視覚効果で、戦況を表現したり、戴冠式の重厚感を、照明一つで、表出したり、スタッフ技術の賜物の、舞台芸術を堪能させて頂きました。

ネタバレBOX

オルレアン解放の時の、戦闘場面において、イングランド軍と、フランス軍の戦況が、舞台上で駆け回る軍隊の服の色で、視覚的に、観客に理解させる手腕に感服しました。まるで、運動会の玉入れのよう。だんだんに、フランスのグレイの軍服が、舞台上で増殖して行く様は圧巻で、息を呑む感動がありました。

神の啓示とか、裁判の時の、それぞれの宗教的な思惑とか、キリスト教に詳しくない観客は、取り残されることの多いジャンヌ・ダルクの物語を、中島さんの脚本は、シャルルとジャンヌが、異父兄弟だったという視点で、再構築し、物語の核にしたことで、日本人にも、受け入れやすい、筋立てになっていました。

演出と、脚本構成力に力を借りて、有村さんの初舞台が、見事に花を咲かせた公演だと思います。
ONE LOOK TWO IN

ONE LOOK TWO IN

株式会社Legs&Loins

Geki地下Liberty(東京都)

2014/10/07 (火) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったけど・・・
 「Thank Irish Table, Yummy!」観劇。面白かったけど物言いします。一応料理教室だとするなら、テーブルの上の調理器具(まな板・お玉・ビュラー・計量カップ他)これがすぐ使える状態のところへ、ダンボール箱すぐそばに置く。これはないんじゃないかと・・・そして、ダンボールを運んで来た先生(ダンボールは一度床に置かれている)その手のまま調理器具をいじっていて、えっ!?となってしまった!!手を洗う前の人が野菜素手で持ったり・・・舞台に出る前に手を洗っているにしてもバック持ったり、椅子動かしたりしているわけで、ちょっとその辺りヒャッとした。
 お話としては小さな勘違いがどんどん膨らんでいく。若い妻、それをあおるご近所の奥さん。根も葉もない事が二人の妄想力で、ぐんぐん成長していく。
女同士の会話って、確かに勢いがつくと、“かな?”が“そうね”となり、“そうよ”の断定系に変わるまでの速さはあっという間だ。さらに自分が面白くなってくると勝手な脚色が入る。この脚色は底なしだから、事態はとんでもない方へ流れていく。女の会話は怖いものだ。そういうとこ、使い方が上手い!!方や、そんな事は露知らず、ささやかな幸せに浸る夫達。妻達に比べ“小市民”的。なんか可哀想で可愛い。前回変キャラがどても良かった宮下さんが、小市民的な旦那様役。少し物足りながったが、肩の凝らない楽しい話ではあった。

【ご来場ありがとうございました!】「姦~よこしま~」【次回は12月本公演】

【ご来場ありがとうございました!】「姦~よこしま~」【次回は12月本公演】

ロ字ック

スタジオ空洞(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

怖かった
五感を刺激するような演出だった

ひまわり~日はまた昇る~

ひまわり~日はまた昇る~

ThreeQuarter

中野スタジオあくとれ(東京都)

2014/10/11 (土) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

咲きました
事件をきっかけに、色々な人物が微妙に繋がっていて、よく出来ている脚本だと思いました。挫折しても、何度でもやり直せると思える、前向きになれる良いストーリーでした。そして守りたい人・守ってくれる人・愛する人・愛してくれる人がいる事で、人は生きていけるのだな・・と感じました。役者さんは、みんな熱演で良かったですが、熱演過ぎて(?)オーバーになり過ぎたり、一生懸命過ぎて息切れしているのが、少し気になりました。主人公役の役者さんは、人の良い優しいキャラクターがよく出ていて、とても良かったです。ラストは、ひまわりが咲いた気持ちになれる良い舞台でした!そして、とても真面目な社会人の劇団という印象を受け、仕事や家庭で忙しくとも、今後も頑張ってほしいと思いました。

I LOVE LIFE

I LOVE LIFE

空飛ぶ猫☆魂

小劇場B1(東京都)

2014/10/11 (土) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

好きです
最初の方の展開は少し重いけれど、そのぶん神様が登場するあたりからの笑いが際立ったかな?登場人物一人一人に愛着が持てました。個人的には、高田淳さんが演じた役と、福地教光さんが演じた役が、それぞれ意外性もあって面白かった。あと吹原さんはやっぱりすごいなー、と。(笑)

キズツクキカイ

キズツクキカイ

たすいち

ザムザ阿佐谷(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

たすいち史上ぶっちぎりの面白さ。
と言っても全部観ているわけではないのですみません、ですが。私が観たたすいちではぶっちぎり、ダントツで面白かったことをまず記します。たすいちの演劇、ということは置いておいて。このお芝居は、日本全国民のみならず、妖怪も八百万の神様達もこぞって見に来るといいほどの、誰にでも楽しめる国民的エンターテイメントだと感じました。妖怪と人間の痛快なファンタジーの物語を小さなお子様が観てずっと笑っていたのも印象的で、これを観たら演劇を大好きになるんだろうな、娯楽として演劇を楽しめる人生を送れるんだろうななんて思いました。登場人物もみんな魅力的で愛らしく、目崎さんの脚本の優しさも相まって、私に子供がいたらこれを見せてあげたいなって心から思える素敵なお芝居でした。

ネタバレBOX

たすいちの作品、と考えると。非常にテンポの良い演出、オリジナル音楽の秀逸さ(駄目なダーウィン舎の山光涼くん)、常に付きまとう謎でお話に釘付けの脚本、効果的な美術や照明等々、どれをとっても過去最高。いつのも間にこんなに自信に溢れた作品を目崎さんが出してくるようになったのかな、と考えると。やはりキズミ役を演じた永渕沙弥さんの劇団員化が大きいのではないのではないかなと思いました。

野澤太郎さん演じる主人公の、目崎さんを投影した小説家・唱が生み出した、心の痛みの妖怪であるキズミ、その登場時から鮮烈。セーラー服でナイフを手に人間の心も妖怪の心も裂いていく妖怪アクションは彼女でなければ演じられない妖しさ。これから心に痛みを感じたときは常に彼女が傍にいるような錯覚を覚えそうで、数々のキャラ立ちした人物を演じてきた彼女の中でもやはりぶっちぎりで愛着を持てました。

また、初めて観たたすいちに劇団員として参加していた窪田裕二郎さんが、素晴らしい演技力を持ち帰って客演していたことも印象的。他の劇団では狂気的な役ばかりを観ているけれど(たまたま?)、笑顔での演技も素敵でした。

その他のキャラクター達も本当に魅力的で、見ていて終わってしまうのが寂しかったほどです。これ、シリーズ化できませんかね^^ サイドストーリーの短編集とかあっても楽しいかも。

なお、唱には結構感情移入してしまって、観ていて一緒にキズミにグサグサやられてました笑 真の悪人(悪妖怪も)は存在しない世界観も、心の痛みが妖怪を生み出すという発想も。目崎さんて心底優しい人だなぁと感じ、心が温まりました。
黄金のコメディフェスティバル2014

黄金のコメディフェスティバル2014

黄金のコメディフェスティバル

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった!
全団体観て、投票さして、納得のPMC優勝でした!でも、それぞれの劇団がそれぞれの面白さがあって、有意義な日々わー過ごせまさした!来年も行きたい!

赤い鳥の居る風景

赤い鳥の居る風景

世田谷シルク

座・高円寺1(東京都)

2014/10/13 (月) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

堀川流のケレン味を控えめにし、割合真っ直ぐな演出で原戯曲の倫理観をきちんと表現/約120分
不条理劇と称されがちな別役劇だが、本作は不条理劇の装いをした人間ドラマ。
どこか寒々しい他の多くの別役作品と違い、本作には人肌の温もりが感じられる。

それを堀川炎が持ち味のケレン味を抑え気味にし、割合ストレートな演出で端正に表現。

結果、原戯曲の持つ独特の倫理観がきちんと伝わる好編に仕上がっていて、私は満足。

主役の姉弟の姉役を演じた百花亜希の実直な演技にも好感。

ただ、1968年の作とあって風俗描写などに古めかしさのある本作に、何人かいるイマ風の見てくれの俳優は不似合い。ここは、現代性も古さも感じさせないニュートラルで没時代的なスタイリングやヘアメイクを模索して欲しかったところ。

また、世田谷シルク用語で言うところのオドリコの起用法が適切でないシーンがあることも惜しまれる。

本作には堀川さんにより独自の枠付けがなされているが、その枠を食い破るような力強さが、別役作の原戯曲には感じられた。

ネタバレBOX

姉弟とその父母に客人が加わっての晩餐シーンは重要な場面。
ここは、オドリコが踊りながら役者の口パクに合わせて喋るというケレンがかった演出は避け、ストレートな演出できちんと会話を聞かせて欲しかった。

また、姉が弟に独特の“人の道”を説くこれまた肝要なシーンの一部を、足を踏み鳴らすダンスが邪魔していたのも残念。ここもやっぱり、ちゃんとセリフを聞かせて欲しかった。

せっかくケレンを控えめにしたのに、大事な2シーンがともにケレンやショーアップによって伝わりづらくなっているのは痛恨。

多分、 会話主体の劇が粛々と進むだけでは飽きられそう、と考えたのだろうが…。

ただ、脚立を鉄格子に見立てる工夫、弟の射殺シーンで使われる影絵的手法などは秀抜。

特に後者は大きな劇的効果を上げていた。

こういうのは「ケレン」ではなく「アイデア」と呼びたい。
紅蓮、ふたたび

紅蓮、ふたたび

ACRAFT

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/10/08 (水) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

ドキドキ
2日目に観てきました。あの舞台の上で憎しみみたいなものだったり、切ない想いだったり、愛おしい想い、愛情…と色々な感情が渦巻いていて終わった後はなんだかとても苦しいような…かなりドキドキしてました。もちろんボクラ団義さんなので殺陣は見所で同じ俳優さんでもそんなに役によって変わるんだって興奮しました。また、衣装の色もあえて変えたりと、すごい意味があるな…って思いました。
観てから数日たちましたが…とても気になり、またあのドキドキを味わいたくて、もう一公演観よう!!とチケットを取りました。

I LOVE LIFE

I LOVE LIFE

空飛ぶ猫☆魂

小劇場B1(東京都)

2014/10/11 (土) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

台風の中の『雨のち、奇跡』
オムニバス、とのことだったのですが、完全に別れた話ではなく、全てが繋がっているお話でした。
同じ時間軸の中で、だんだんと視点を変えていく感じ。
いろんな人が、思いが、交差して、重なって行く、そんな舞台でした。

以下、パンフレット記載文を引用しつつの感想です。
私はパンフレットは観劇前には見なかったのですが、読んでから観てもよかったかもしれません。

ネタバレBOX

第一話『季節外れの軌跡』


未来を予知してしまう男。でも、望むことを予知できるわけではない。予知できるのはどうでもいいことばかり。
皮膚の病気を発病し、紫外線を避けて生きている男。生きる意味や、自分の役割を模索している。



『モノローグ』とか『長台詞』とか、そんな演劇のご都合、のような表現の描き方が凄く好きでした。
ああ、舞台だな。ああ、演劇だな。って思いました。
演劇的な、演劇でしか、見れないものだと思います。

1話の時点では、はっきりとした区切りがあるかと思っていたのですが、1話は本当にはじまりという感じでした。

見えてしまった、見たくなかった未来。
それが変わることがあるなら、奇跡。
奇跡が起これば、奇跡が起こるかもしれない。
そういうお話だったんだと思います。

『生きる意味』を探している弟に、
兄は
「特別なことなんてなくたって、悩まなくていいんだよ」
そう言います。
その言葉そのものは、凄く優しい言葉だと思います。
でも、その兄は結局、弟を『生きる意味』にしてしまっている。
多分、そうやって、自分を『特別』にしようとしてしまっている。

特別でないことを悩む辛さよりも、
特別でないことを悩んでしまうことを悩んでしまう辛さの方がきつい気がします。

私はこの第1話で
『悩んだっていいんだ』という風に感じれた気がします。
特別じゃないって、満足できないでいるのは、当たり前なんだよって言ってもらえた気がしました。


パチンコの当たり台、万馬券、
お金に困っていた男にそれが見える。

でも、そうやって得たお金をひったくられる……が、それは無事に手元に戻る。
このひったくりのシーンが少し唐突だった気もしたのですが、このシーンが2話と3話へのバトンのようなシーンでした。
2話と3話にも同じシーンが出ます。
でも、視点が変わるので、見え方が違う。
同じものを見ているのに(勿論、生のお芝居なので完全に同じと言うわけにはいきませんが)いろんなことが見えてきた上で見ると、見え方が違う。
今回の舞台はそれが凄く気持ちが良かったです。

1話の奇跡は、桜が見えたのだろうなと思いました。
そして、2話に繋がり、全体に途切れなく進むのがわかった感じでした。


第二話『正義のダークヒーロー』


滑舌が悪いスーツアクター
空気が読めない新聞記者


第1話のひったくりのシーンで、ひったくりを捕まえた男が2話のスーツアクターでした。
そのひったくりを捕まえたことで新聞記者から取材を受けることから始まるお話。

アバレッドをやっていた西君がスーツアクターを追いかける、追い詰める、というのが凄く印象的だった気がします。
というか、公演ごとに西君の扱いがイケメン枠的なものから離れている気がしていたのですが、今回は凄く色々な顔のある役だったと思います。(昨年の夏の丸ごと真っ直ぐバカな感じも凄い好きでしたが)

『これじゃインパクトが足りないんだよ』
『面白いドラマを作らなきゃ』

この取材を終えた後の本音が漏れるような感じの嫌な感じが、凄く好きです。
人の汚い部分を見せつける感じがゾクゾクする。

スーツアクターを尾行する新聞記者。
そして、スーツアクターがひったくりの現場にいた理由を知る。

別れた彼女への未練が断ち切れなくて、ストーカーになってしまっていたスーツアクター。
ひったくりの現場は、彼女の家の近く。
それを知った新聞記者はそのことを記事にしようとする。
スクープを取らないと、会社をクビになってしまうから。

彼女に、やり直したいと伝えると言うスーツアクター。
そうすれば、ストーカーではなくなる。
でも、思いがもう通じないのはわかってる。
奇跡は起こらない。
それでも、伝えたい。

2話のラストも1話のラストと同じでした。

秋の夜空に舞う奇跡。

新聞記者はそう言って、カメラのシャッターを切る。
でも、秋に桜が咲いたら奇跡だとは思いますが、そこまでは……みたいにも感じました。

そして、3話に続きます。


第三話『踏んだり蹴ったり』

花火職人の話。
実際、今年は花火大会の中止が多かったので、凄くリアルな気がしました。

『世界で1番雨が嫌いなんだ』

西永さんの作品の中で、雨は凄く綺麗に表現されることが多いので(神様からのプレゼント、とか)
世界で一番嫌い、から、どう持って行くのかな……という風に感じました。

3話の花火職人が、ひったくりの犯人でした。
花火大会の中止が続いて、借金にまみれて、どうしようもない。
そんな中、万馬券を手にした男を真横に見てしまう。

見習いの男が凄く可愛らしかったです。
可愛らしくないのに、可愛らしく見えてしまうのが凄く可愛らしい!!!

花火職人の元に、1話の兄がやってきます。
万馬券であてたお金で花火を今夜、あげて欲しいと。

外は雨。台風が直撃している。やむはずがない。
でも、兄は雨がやむ未来を見ている。見た未来は当たる。
弟が死んでしまうと言う未来も当たる。
だから、花火をあげて欲しい。

ここで、桜が咲いただけでなく、花火もあげたのだとわかります。
でも、台風の雨がそんないきなり止まるわけがない。


……私事ですが、観劇時にリアル台風で翌日の観劇を諦めようとしていたのに、本当にやむなら奇跡すぎるよねとか思ってしまいました。

そして、4話に続きます。



第四話『神の暴走』 

天気を操れる男。カミサマと呼ばれている男。
カミサマに振り回されている側近。でも、幼馴染。

カミサマの話、でした。
流れてくる感想ツイート等でカミサマカミサマというワードが出ていたので、これか!!!という感じでした。

カミサマと言っても、操れるのは天気だけ。多額の報酬で縛られて、監視されている存在。彼女も出来ない。

花火職人の嫌いな雨を降らせていた、ある意味、犯人ですね。
オーダーどおりの天気にしろと言われているのに、従わない。
それに振り回されている側近。でも、幼馴染。

ある日、総理大臣が屋形船で接待をするので絶対に雨を降らすなというオーダーが出る。
でも、カミサマはそれに反発して、巨大台風を作ってしまう。

カミサマを殺せば、台風も消える。
だから、総理大臣が殺し屋を連れて現われる……というのがゲストシーンでした。
私が観劇した回は男〆天魚の平野さんと長戸さんでした。

空飛ぶ猫☆魂のゲストシーンは凄く楽しいです。
本当、他の回も観たいです。
記録用でいいから、ゲストシーンを何かしらで観たいです。
まあ、観たければ劇場に!!!…がゲストシーンなんだとは思うのですが!!!!
ゲストシーンにどこまで台本に指定が入っているのかが気になります。
毎回、私には本気で好き放題やってるように見えるのですが、どうなんでしょう……。


ゲストシーンから、全てが繋がっていく感じでした。

雨がやむのはカミサマが雨を止めるから。
でも、カミサマがとめても雨はやまない。
花火職人はやっぱりやまない。やむはずがないんだ!!と叫ぶ。
カミサマは必死に雨をやまそうとする。

結果、兄が見た未来とは5分遅れで雨がやむ。
秋の夜空に桜が咲いて、花火があがる。
奇跡が起こって、奇跡が起こる。

新聞記者はそれを記事にする。
その記事が評判になり、花火職人には仕事が出来る。
兄は花火職人の元で働くことになる。

奇跡はおこった。
5分遅れで。
奇跡は起こったけれど、兄が見た未来とは違う。
未来は変わるかもしれない。
そんな奇跡も、起こるかもしれない。

そんな『雨のち、奇跡』の話でした。
いっぱい、頭から漏れてしまっているものがあると思います。
リアル台風の心配等が頭をよぎってしまい、集中しきれなかったような感じもありました。
それでも、凄く凄く、素敵な話でした。
観れて、本当に良かったです。


私事ですが、夕方の時点で翌日の地元電車が16時には止まると言う告知が出ており、千秋楽のチケットも申し込んでいたのですが、予定前倒しで帰ることになりました。
もしかしたら、もしかしたら、大丈夫だったかもしれない。
どうしても、そういう後悔は感じてしまいます。
でも、公演そのものに影響がなくて、本当によかったと思います。

今回の観劇上京も、私の人生の一部になるわけです。
本当に本当に千秋楽が観れなかったのは残念なのですが!!!!!
それでも、その分、一生懸命観よう、みたいな感じはいつもより強かったです。
最前列でメモリながら観劇しました。しかし、ぐちゃぐちゃすぎて、感想を書くにはあまり役にたたなかったのですが。

今回の舞台を観て、自分の人生を、ちょぴっとだけ好きになれた気がします。
それも、ちっちゃな『奇跡』なのだと思います。

本当に文章力が全然なくて、何も通じないであろう感じがもどかしいのですが、
動けば、奇跡は起こせるかもしれないので。

大好きな作品、大好きな劇団さんです。
だから、欠片だけでも誰かに伝えられて、その人が劇場に行ってくれたらいいなと思います。
そんな、ちっちゃな奇跡を起こしたいのです。

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