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出発

出発

ドナルカ・パッカーン

テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/02 (日) 13:00

ドナルカ・パッカーン つかこうへい『出発』
演出 濱吉 清太朗
ドラマトゥルク 川口 典成
出演 キム セイル/布施 安寿香/丸林 孝太郎/金井 由妃/長谷川 光/髙山 春夫

いやー良かった!今年のベストに入れる。今年前半のベストと比べても出色だった。演出の濱吉清太朗氏 若干25歳。いや、歳は関係ないか。

濱吉清太朗さんの演出は主宰されている紙魚での『I Do! I Do!』『ハムレット』で感心させられた。川口典成さんのドナルカ・パッカーンでの つかこうへいの『出発』の演出を、いつもの様に自らなさらず、川口さんはドラマトゥルクとして本作に関わられ、演出を濱吉さんに委ねられたこと、何故彼を選んだのか、至極慧眼だと思う、少し驚いた。が、 濱吉の自らのユニットの演出が素晴らしかったので、納得はしていた。川口さんご自身のネットワークのどこで濱吉さんとの繋がっておられたのかについては知らないが(後で伺った)、ここでも素晴らしい演出だった。

作者のつかこうへいのことはほぼ知らない。何作品か、主に高校生の皆さんが上演したのを拝見しているに留まる。なので彼への拘りはなく、作風のことを語れる程ではない。

家長制を表しているのか父の象徴としてだろうか、パイプ椅子が 1脚吊るされている。その下で、昭和前半の古い日本家庭の日常を 5人の俳優が、パイブ椅子を使いながら、母、長男、嫁、弟、義父の特性/異質さを、極端に浮び上がらせる様に演じ、キム セイルさんが登場すると、特異がそれらの日常/異質さをも飲み込んでしまう。その意味でキム セイルさんの起用が効いている。元の戯曲の意図からは少し離れていたのかも知れないが。

トータルでは戯曲の持ち味をかなり引き出している演出ではないかと思った。戯曲自身を知らず、他の上演を知らないので類推でしかないが。

布施 安寿香さんご自身にとっては普段の spacでの演技と何ら違わないのではないかと思うが、spacではない場で拝見出来、それも異質さを背負う演技で我々にはことさら馳走であった。

丸林 孝太郎さん、金井 由妃さん、長谷川 光さん、そして言わずもがなの髙山 春夫さん、皆さんが、メ・リ・ハ・リとしていて、大変良かった!

20の物語 -週末を、劇場で-

20の物語 -週末を、劇場で-

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2026/07/16 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

本企画には結局二演目のみ観劇が叶った。どちらも人気だったのか、客席も埋まり(3週間の週末限定20演目という催しにも関わらず)、新国立の動員力も中々と恐れ入った次第。
観る事の出来たのは「不毛ドライブ」「煙草のハイ(high)について」。
個別の感想はネタバレ欄にて。

ネタバレBOX

不毛ドライブ
蓬莱竜太作・演出の二人芝居。30分程度の短編だが、作劇は流石蓬莱氏と唸った。二人のアラサー男が不自然に乗り合わせる事になった深夜のドライブがやがて両者を結ぶ一つの事実、二人が並んでそこにいる事が必然であった背景を浮上させる。全く異なる二人の人生に想いを馳せ、終演時には二人が表面上交わしているのとは別の(本質的な)言葉を、二人の代わりに語っている自分がいた。幾ばくかの猶予が急遽与えられた(つまり間もなく死に至る)命を前にして自分は何をするか、己の生の集大成をどのように噛み締め、あるいは他者に示し、終えて行くのか。彼が咄嗟に電話をしたのは同じバイトの一つ上の先輩(バイト歴では後輩)の男で、終電を逃したから送ってくれと頼むとやってきた。彼とは同じくバイト先の先輩である女性を巡っての因縁が現在進行形である事も後に明かされる。冒頭の会話から不良系が、イケ好かないむっつり野郎を困らせている、非常識に見えるのだが、終演時には全く異なる印象を観客は彼に対して抱いている。この振り幅が見事であり、切なくも温かい。(何故温かさを感じるのかを縷々述べたくなる自分がいるが何れまた。)
破壊、再生、ディストーション

破壊、再生、ディストーション

good morning N°5

ザ・スズナリ(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/01 (土)

脱力系の舞台が多い中、最初から最後までパワー全開でエネルギッシュな舞台でした。歌あり踊りあり、個性派役者たちが魅せる混沌とした世界の先に見えるのは何なのか、探してみるのも良いかも。意表をつく展開に目が離せない舞台でした。

幸せの方程式

幸せの方程式

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2026/07/29 (水) ~ 2026/08/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。
コミュニティラジオのDJが本番前のリハーサル(原稿読み)、それが前説になり そのまま本編へ。物語は東京から1時間の距離にある離島・三国島にあるライブハウス兼ラジオの10周年記念イベントの開催までを回想形式で描く。説明にもあるが伝説のジャズシンガーを招聘しての記念ライヴ。

公演の魅力は、演劇なのかジャズライヴなのか 錯覚するぐらいの一体感、それは観客も歌に合わせて自然にクラップするほどの盛り上がり。この劇場は二面客席だが、今回は一方向からの観劇スタイル。当然キャストの視線はその方向で熱く語り聴かせる。回想形式だから、今に繋がるシーンをDJが紐解いていくといった観せ方で興味を惹く。最後にタイトル「幸せの方程式」と名付けた意味が…そこには或る曲が物語のモチーフになっていることが分かる。
(上演時間1時間45分) ㊟ネタバレ

ネタバレBOX

舞台美術は、一段高くなった演壇にON/AIRのランプ。コミュニティラジオの放送ブースで、ライブハウスを兼ねているから横にキーボード、天井にミラーボール。普段は近所の人たちがカラオケに興じている。

物語は 説明にある通りで、島出身のジャズ歌手 神崎澄江に出演依頼し、まさかの快諾。そこには彼女の隠された過去と思惑が秘められていた。結婚/離婚を繰り返し5回目の結婚をしようと…そして どうしても一人息子 雄次に会いたい想いが募る。彼女が突然倒れ 体調不良というフェイクニュースを流し、それを信じた息子がライブハウスにやってきて という話。

一方 オーナーの様子が少し変。実は事業拡大のツケで多額の借金、そして税金の滞納でライブハウスが差押え 競売の危機にある。母 澄江と子 雄次は確執があり音信不通の状態であったが、わだかまりを捨てライブ共演。澄江を反面教師にした雄次が店の滞納金を肩代わりし、何とかイベントを催行する。母の結婚は奪略婚ばかり 「幸せとは奪うことではなく、与えるもの」、それが幸せの方程式だという。ライヴは当初予定していた歌を変更して槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」へ。その歌詞のメッセージが「(他者へ)与えることで自分も幸せになる」といったもの。

とても優しく温かい気持に満たされる。が 否定するわけではないが、分け与えるだけで好いのだろうか。少し観点は違うが、映画「釣りバカ日誌」で主人公 ハマちゃん(浜崎伝助)がみち子さんに言ったプロポーズの言葉は、「僕はあなたを幸せにする自信はありません。しかし 僕が幸せになる自信は絶対ある!」と。そこには自分も幸せになるといった主体性(奪略とは違う意味で)が、それも尊重したいと思うが…。
次回公演も楽しみにしております。
15 Minutes Made 東京/福岡 東京公演

15 Minutes Made 東京/福岡 東京公演

Mrs.fictions

テアトルBONBON(東京都)

2026/07/29 (水) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

15分間の短編を、6つの団体が演じています。
全ての団体共に良かったのですが、その中でも私か推している #こがめみく さんが出演している #クズレルズ が、とってもとってもとーっても良く崩れていました🙆

未送信フォルダ

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De-STYLE

あうるすぽっと(東京都)

2026/07/28 (火) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

西葉瑞希さんはいつ見ても役者馬鹿系の香り。作り込むキャラが面白い。 
倉知玲鳳(れお)さんはチャーミング。
アンサンブルの3人が複数の役を兼任して好助演。
手塚理恵さんは良かった。
面白かった。

ネタバレBOX

東京の女子大生で代官山のカフェ店員、林鼓子さん。地元の小田原ではシングル・マザーで育ててくれた介護士の母親(手塚理恵さん)が一人暮らす。職場の主任である遠藤瑠香さん。

別れた元彼が忘れられなくて病んでいるタイミーの西葉瑞希さん。ずっと彼のインスタをチェックしてしまう。よく派遣されるコンビニでウザ絡みしてくる店員の高尾昇吾氏は柴又の煎餅屋が実家。妹の坂口渚沙さんは自立しようと一念発起、引っ越して一人暮らしを始める。そこの隣人が偶然にも西葉瑞希さん。

アパレル勤務の石井陽菜さんは失敗ばかりで毎日毎日謝ってばかり。シゴデキの後輩、日向渚さんはインフルエンサーのショップ店員、倉知玲鳳さんをフォロー。倉知玲鳳さんはSNS沼で自己承認欲求と炎上を待ち構える集団心理の病みに嵌まり悩んでいる。

魔法の言葉は「元気出た」。特に何の理由もなく元気を出す為に人は暮らす。キャラクターを操るプレイヤーとしての自分に必要なものは元気。気持ちがなくなったらどんなゲームにも入れない。意味もなく理由もなく元気を出していかなくちゃ。

遠藤瑠香さんは癌で亡くなった父からのLINEに返信しなかったことが心残り。林鼓子さんは毎朝母親が送ってくる「おはよう」LINEを既読スルーしてしまう。面倒臭いし恥ずかしい。母が交通事故に遭ってそれを後悔。伝えないといけない。元気を伝えよう。

この人間模様を一つに繋げるのは無理繰りだが作家はよくやったと思う。欲を言えば心に残る情景が欲しかった。
it’s too late.

it’s too late.

終のすみか

カフェムリウイ「屋上劇場」(東京都)

2026/07/18 (土) ~ 2026/07/31 (金)公演終了

実演鑑賞

公演期間が短縮され、台本の再構成などを経て上演に至った今作。作り手たちが元々想定していた形と異なる形で上演されたことは事実だが、それが「どの程度変わったか?」「どこが変わり、どこか変わらなかったか?」などは分からない。実際に上演された作品を観て、その変化について、推察できる部分もあるし、推察した上で「やはり分からない」部分もある。演劇が生き物であることを再認識すると同時に、こういう諸事情も許容する形で、演劇文化が続いていくことを望みたい。それでも「今」を上演する。その結論に至った団体を、僕は評価したい。

ネタバレBOX

ムリウイのコンパクトな空間、大きな窓、夜景などを活かした舞台美術になっていて、クラブのロビーというか、休憩スペースというか、そういう雰囲気が漂う空間になっていた。時折大音量で音楽が流れ、メインフロアでは爆音で音楽がかかっていることを連想させる。深夜まで踊りあかす元気な人々は登場せず、ロビーで酒やタバコをやりながら、ぐだぐだと夜明けを待つ若者たちが登場。疲れた脳と疲れた身体で停滞した会話を続けるが、後半に登場する「初めてクラブを訪れた女性(実は劇作家で、創作のヒントを得ようとしていた)」の存在が、その場の空気を徐々に変容させ、彼女が発した問いかけが波紋のように広がっていくーー。

終演後に感じたことは、ある種の迷宮感。団体が迷った思考の迷宮を、そのまま演劇作品に組み込んだような印象を受けました。物語が入り組んでいる訳でも、テーマが入り組んでいる訳でもなく、この団体の特徴でもある筆の力も感じるので、むしろ物語は分かり易い部類に入る。それでも、観劇後に残るのは、迷宮感、のような気がした。おそらく、今回の上演に至るまでのプロセスや本人たちの思考を、SNSなどで説明することもできたはず。それをせず、敢えて「説明は作品内でさせてください」という意思を示したように感じる。それが、このタイミングで団体ができる最大の「演劇活動」だったのでは? そんな感想が頭に浮かびました。
にゅ〜かわいい女

にゅ〜かわいい女

人間嫌い

Paperback Studio(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

オリジナルは知らないままの観劇でしたが、なかなかに楽しめました。1時間程度の本編と同じくらいの時間をかけたアフタートークでの作品解説は大いに勉強になりました。

未送信フォルダ

未送信フォルダ

De-STYLE

あうるすぽっと(東京都)

2026/07/28 (火) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

LINEをテーマにした現代の女性たちの朗読劇、幾つもの等身大のエピソードが絡み合っていく様がいいですね。なかなかに楽しめました。

誰々

誰々

劇団5454

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/07/31 (金) ~ 2026/08/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
チラシにもあるがテーマは「役割」、同時に「立場」といった言葉を連想した。意識的であろうが無意識であろうが、人は或る状況下で色々な判断をする。その連続が生きていくこと と考えれば実に面白い着想の公演。分かったような分からないモヤモヤとした感情、劇団5454のコンセプトでもある「日常で見聞きする事物をテーマにして、誰もが無意識に受け入れている感覚を物語化」を見事に表しており、まさに劇団の真骨頂。

タイトル同様、登場人物は姉・母や彼氏・彼女そして友達・先輩・後輩といった一般的な呼称を使っている。そこに誰もが持つ「役割」であり「立場」が透けて見えてくる。それは観客の誰にでも当てはまるものであり、共感しやすい設定が巧い。それを視覚的に分かり易くした舞台美術がよかった。演出も「役割」を着ている、その表現を上着を着ることによって場転換していく。お母さんの「ご飯食べた~」の台詞は、日常を示している。文字で表現し難い内面を演劇という役者の体現をもって観せた秀作。
(上演時間1時間55分 休憩なし) 

ネタバレBOX

中央に演壇ポータブルステージ、その上にテーブルや椅子が無造作に置かれ または倒れている。ステージ上は白線で区切られ、その線上に杭のようなもの。天井から紐が垂れ下がっている。ステージの周りにもソファや椅子が置かれ倒れている。全体的に荒廃し殺伐とした印象。冒頭と最後はこの光景になるが、始まると主人公である姉が片付け始める。姉の心的拘束に耐えられず 家出した弟がスズランテープで自分の居場所を確保する。
音響は泡のような不確かで不穏な音、照明はだんだんと狭まり または広がりを絶妙な諧調で照らし出す。

舞台そのものが姉の心象風景であり、その変化が心情そのものを表している。物語は姉の視点または役割を担わされた人物の相対的な観点で展開していく。姉は物事に対して「こうあるべき」という思いが強い。例えば家族の中で長女の自分がしっかりしなければ、母は家で家事を、弟は男で跡継ぎだから、妹は まず大学を卒業して就職を といった役割を負わす。自分は同棲して実家にいないが仕送りはしている。

また 友人との集まりでも必ず3人揃わないと会っている感じはしない。そして自分が飲み物を淹れるといった役割を担っている。自分で役割を担うことによって安心しているよう。姉の家族に対しての「役割」だけではなく、会社内では「立場」が人を作っているよう。新人(後輩)教育は誰がどのように行うのか。一方 新人はどんな雑用も引き受けてしまい、仕事の重要度・優先順位がわからない。先輩の叱責、逆に新人は頼まれなくなったら自分の存在価値が見出せないと、そこに立場の違いによって抱く感情が異なる。役割・立場の視座によって見え方・考え方が違うという妙。それを端的に表した姉と弟の会話ー人間は平面ではなく立体的で 色々な側面がある と。

乱れた舞台美術を整理(配置)していく姉、性格的なものもあるだろうが 家族の中で母・弟・妹が担う役割、それを定位置として固定=拘束する行為となっている。意識的な行為、それが自分の家族内に彼氏を招き入れたことによって だんだんと居場所を侵食されていく不安。舞台が紐でだんだんと狭まっていく、自分にとって居心地の良かった場所が窮屈になっていく。家族という存在を借りた心象、少し離れたところから見守る父。姉は何かしなくては という自縄自縛から解き放たれるのだろうか。
次回公演も楽しみにしております。
「TOKYO SLUM」

「TOKYO SLUM」

TRASHMASTERS

上野ストアハウス(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/01 (土) 14:00

お気に入りの劇団の新作は、深刻な現状から始まって一種のファンタジーで終わる。とても面白い。観るべし。(4分押し)79分(11分休み)85分(2分置いて、アフタートーク23分)。
 都庁前での食糧無料配付に並ぶ様々な人々が起こす軋轢から、派遣会社内部のあれこれから、誰も悪くないのにシンドイ思いをする人々、それを解決しようとする人々が入り交じって、最後は一種のファンタジーで終わる。前半は気持ちが苦しくなるような場面も少なくないが、後半はちょっと巧く行きすぎている感じもあって、『チョークで描いた夢』と同様のファンタジーとも感じる。冒頭のシーンから、ホームレス3人組を演じるベテラン勢(亀井幸代・松田史朗・山本亘)が存在感を見せ、後半もそれをしっかりキープするあたりは凄い。他の役者陣も役割をしっかり演じて、どちらかというと悪役でもある三田村を演じる神野崇や、その元先輩の名波を演じる佐藤礼菜、そして台詞は多くはないが、一人だけ浮いた出で立ちの愛美理を演じた白瀬りかも注目。軸になる秋野宇宙(あきのそら)を演じた倉貫匡弘も成長著しい。押しの小崎美希子は珍しく恋愛モードがあり、一段グレードアップした印象がある。ベテラン劇団員の長谷川景は出演作毎にビジュアルがかなり変わっているのが面白い。

20の物語 -週末を、劇場で-

20の物語 -週末を、劇場で-

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2026/07/16 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ロング・クリスマス・ディナー
当然だが『わが町』に何となく似ていて、ここでは描かれる時間が90年に引き延ばされ、上演時間は3分の1ぐらいに凝縮され次々と時が移る。短編にもかかわらず登場人物がたくさんいるのに、俳優の役がひとつも被らない。

ラスト・ヤンキー
上演時間がたった20分で、ひと山来たところで終わってしまう。この20分の中にも見事に社会の矛盾が提示されるが、もう少しこの二人の会話を聴いてみたいと思わされた。

にゅ〜かわいい女

にゅ〜かわいい女

人間嫌い

Paperback Studio(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

にゅ〜かわいいと言う昨今の流行り言葉があることは知りませんでした。なので「かわいい女(ひとと読むとのこと。昔の演歌のようだ)」の新しい版、翻案だからにゅ〜(new)なのかなと思っていました。
コンパクトな空間でのお芝居、演出も面白かったです。あの窓はもっと大きくしたらいけないのかな。
アフタートークも楽しかったです。

ネタバレBOX

好きになった相手によって、自分の好みから考え方まで変わってしまう(変えてしまう?)女(おんな)って、昔周りにいたよなとか思いながら見ていましたが、美しくてそれだと男受けを狙っているわけではないと言うことになるし、理解できません。
「かわいい女」読んでみます。
誰々

誰々

劇団5454

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/07/31 (金) ~ 2026/08/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇場に入った時から作品の世界観に引き込まれました。岩井俊二監の映画を思わせるような(undo…わかる方いますか…?)繊細でどこか不穏な空気感、そして巧みな照明や音楽、場面転換の演出が素晴らしく、まるで緻密に編集された映画を観ているかのようでした。

テーマは「役割」。私たちは誰しも「恋人」「家族」「会社員」「友達」といった様々な顔を持って生きていますが、その役割にどう向き合い、どう生きていくのかを強く問いかけてきます。
私自身、会社や家にも居場所がなく、演劇を見ている時間だけが私の一人自由な時間です。鑑賞後、日常で背負っている自分の鎧や重荷にふと気づかされ、静かに自分自身と深く向き合うことができる、とても豊かで貴重な時間になりました。間違いなく観てよかったと思える一作です。

ネタバレBOX

主人公が「私の家族」「私の彼氏」『私の…』とすべて自分を中心に据え、他者の役割や人生のレールまで無意識にコントロールしようとする姿が非常にリアルでした。自分がすべてを決めたいからこそ、彼氏が自分の家族と関係を深めることに嫌悪感すら覚えてしまう心理描写には、ハッとさせられます。
特に印象的だったのは空間の演出です。上から垂れ下がる大量の紐は、自分自身をがんじがらめにする東縛の象徴であり、同時に誰の侵入も許さないバリケードのようでもありました。
存在しない?弟の存在、彼が部屋の中に作った心の防衛線、そして「男さん」との出会い....。家族や周囲から押し付けられた役割に耐えかね、必死に心を守ろうとする弟の姿に強く胸を締め付けられました。
にゅ〜かわいい女

にゅ〜かわいい女

人間嫌い

Paperback Studio(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こちら、とても良かったです。
出自がちょっと面白くて、古典をやるつもりで”楽屋”を最初考えていたそうですが。
諸々の事情から、他を考えるようになって。
チェーホフの”戯曲”じゃなくて、”小説”に辿り着いたという。

つまり、チェーホフの古典小説を、岩井美菜子さんが現代において、戯曲化してるってことになります。
翻案とはまた微妙にニュアンス違うよね、これ。

1時間とコンパクトにまとめられた、こちら。
余白があって、そこに演出の考えや役者の個性がいくらでも乗りそう。
それこそ”楽屋”と同じように、色んな演者、演出家でやったら面白そうだと思える。
バリエーションを観てみたいなって思えました。
良かったので、台本買ってしまいました。

本が面白いだけではなく、出演者も充実で良かったかな。
会場だったり予算だったりの限界はきっとあるんだけど、丁寧に作られた空間で、丁寧なお芝居でした。
全体的にはテンポ良いコメディです。怖いかもって部分もあるけどね。

立川志の春 落語会 其のニ

立川志の春 落語会 其のニ

いやさかえん

扇町ミュージアムキューブ・CUBE02(大阪府)

2026/08/01 (土) ~ 2026/08/01 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

扇町ミュージアムキューブで落語を観た事なかったんで拝見☆面白かった☆「本物の芸に場所や会場は関係ないんやな」って痛感しました♪ありがとー\(^o^)/

誰々

誰々

劇団5454

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/07/31 (金) ~ 2026/08/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

全体を覆っている重苦しい雰囲気が印象的でした。

ネタバレBOX

家族の問題が解決しないまま話が進みますが、家族や会社、男女、色々な関係性の中で役割という名目の自由と束縛というのがテーマ何かなと思いました。こういう演劇もあるんですね。色々考えさせられました。
幸せの方程式

幸せの方程式

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2026/07/29 (水) ~ 2026/08/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

笑いあり、涙あり、演劇あり、生演奏ありでとても楽しかったです。最後のジャズ演奏もライブ会場みたいで盛り上がりました。明るく前向きになれる良い話でした。

リチャード三世

リチャード三世

半畳の宇宙

BaBaBa(東京都)

2026/07/23 (木) ~ 2026/07/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

下落合のとある工場跡らしい会場、というのが山の手事情社(発、半畳の宇宙)に似つかわしい。シェイクスピアの本作は(何たら何世だのの題名では区別が付かないが)以前新国立で観たあれだな、と当たりがついたのは、題名に色が付いて見えるようになったか、あるいは半畳が選びそうな話だったからか。
舞台は毎回予想はしていないが見て「そうか」と思う山の手特有の様式表現。女性五人。リチャードを演じた女優の怪演がツボに届いて小気味良い。一人芝居で拝んだ半畳の女優陣、他のはやはり山の手所属の方々か、初対面で世界観の共有が短期間の稽古でここまでなら「スゲエ」の域だが、恐らくそうだろう。シェイクスピア作品の破滅のカタルシス(マクベス、ハムレット、オセロ、、)を味わった。本作のリチャードは己の宿痾、醜き姿に慄き、卑下に走る精神とその真逆に振れて残酷なまでの傲慢さに走る両極が不思議な魅力で、哀れみを誘う面を備える。自分を投影する時間となる。

20の物語 -週末を、劇場で-

20の物語 -週末を、劇場で-

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2026/07/16 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ボーナスプログラム
リーディング公演『タバコの害について』
【作】アントン・チェーホフ
【演出】小川絵梨子

有名な作品だが初めて観れた。1886年、売れる前のチェーホフ26歳のユーモア戯曲。1902年に一部書き直したのか?書籍化?下総源太朗氏は綾小路きみまろの恐妻家漫談風に観客を盛り上げる。喋りはマギー司郎っぽいか?学校のパンフレットを一部1000円で叩き売り。一人の観客が「買った!」と本当に買う。(終演後、スタッフが頭を下げお金を返し引き取りに来た)。タバコの話などせずずっと妻への愚痴を並べるネタ。

『煙草のハイ(High)について-吸煙對身體有High-』
【作】鴻鴻(ホンホン)
【演出】小川絵梨子

作者はエドワード・ヤンの名作『牯嶺街少年殺人事件』の脚本家!台湾の超大物。
かんのひとみさんはいつもながらに面白い。妙なユーモアの味がある。煙草をプカプカ吹かせながら、話はあっちこっちへ飛ぶ。同じ名前の女友達の話が面白い。性格真逆、学校出て即結婚出産の子といろいろ遊んでアメリカに出産しに行った子。「どちらの子の話か分かりますよね。」中国とアメリカに挟まれた台湾人自虐ギャグも。この辺、日本人にはイマイチ感覚が掴めない中国への複雑な感情。今まで吸ってきた煙草を彼氏に擬人化した遍歴ギャグ。チェーホフへのオマージュとして、はなっから喫煙による健康被害を訴える気などさらさらない。そもそもあんた達何でこんな講演、見に来てんの?

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