
出発
ドナルカ・パッカーン
テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)
2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/08/02 (日) 13:00
ドナルカ・パッカーン つかこうへい『出発』
演出 濱吉 清太朗
ドラマトゥルク 川口 典成
出演 キム セイル/布施 安寿香/丸林 孝太郎/金井 由妃/長谷川 光/髙山 春夫
いやー良かった!今年のベストに入れる。今年前半のベストと比べても出色だった。演出の濱吉清太朗氏 若干25歳。いや、歳は関係ないか。
濱吉清太朗さんの演出は主宰されている紙魚での『I Do! I Do!』『ハムレット』で感心させられた。川口典成さんのドナルカ・パッカーンでの つかこうへいの『出発』の演出を、いつもの様に自らなさらず、川口さんはドラマトゥルクとして本作に関わられ、演出を濱吉さんに委ねられたこと、何故彼を選んだのか、至極慧眼だと思う、少し驚いた。が、 濱吉の自らのユニットの演出が素晴らしかったので、納得はしていた。川口さんご自身のネットワークのどこで濱吉さんとの繋がっておられたのかについては知らないが(後で伺った)、ここでも素晴らしい演出だった。
作者のつかこうへいのことはほぼ知らない。何作品か、主に高校生の皆さんが上演したのを拝見しているに留まる。なので彼への拘りはなく、作風のことを語れる程ではない。
家長制を表しているのか父の象徴としてだろうか、パイプ椅子が 1脚吊るされている。その下で、昭和前半の古い日本家庭の日常を 5人の俳優が、パイブ椅子を使いながら、母、長男、嫁、弟、義父の特性/異質さを、極端に浮び上がらせる様に演じ、キム セイルさんが登場すると、特異がそれらの日常/異質さをも飲み込んでしまう。その意味でキム セイルさんの起用が効いている。元の戯曲の意図からは少し離れていたのかも知れないが。
トータルでは戯曲の持ち味をかなり引き出している演出ではないかと思った。戯曲自身を知らず、他の上演を知らないので類推でしかないが。
布施 安寿香さんご自身にとっては普段の spacでの演技と何ら違わないのではないかと思うが、spacではない場で拝見出来、それも異質さを背負う演技で我々にはことさら馳走であった。
丸林 孝太郎さん、金井 由妃さん、長谷川 光さん、そして言わずもがなの髙山 春夫さん、皆さんが、メ・リ・ハ・リとしていて、大変良かった!

20の物語 -週末を、劇場で-
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2026/07/16 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
本企画には結局二演目のみ観劇が叶った。どちらも人気だったのか、客席も埋まり(3週間の週末限定20演目という催しにも関わらず)、新国立の動員力も中々と恐れ入った次第。
観る事の出来たのは「不毛ドライブ」「煙草のハイ(high)について」。
個別の感想はネタバレ欄にて。

破壊、再生、ディストーション
good morning N°5
ザ・スズナリ(東京都)
2026/07/30 (木) ~ 2026/08/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/08/01 (土)
脱力系の舞台が多い中、最初から最後までパワー全開でエネルギッシュな舞台でした。歌あり踊りあり、個性派役者たちが魅せる混沌とした世界の先に見えるのは何なのか、探してみるのも良いかも。意表をつく展開に目が離せない舞台でした。

幸せの方程式
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2026/07/29 (水) ~ 2026/08/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い。
コミュニティラジオのDJが本番前のリハーサル(原稿読み)、それが前説になり そのまま本編へ。物語は東京から1時間の距離にある離島・三国島にあるライブハウス兼ラジオの10周年記念イベントの開催までを回想形式で描く。説明にもあるが伝説のジャズシンガーを招聘しての記念ライヴ。
公演の魅力は、演劇なのかジャズライヴなのか 錯覚するぐらいの一体感、それは観客も歌に合わせて自然にクラップするほどの盛り上がり。この劇場は二面客席だが、今回は一方向からの観劇スタイル。当然キャストの視線はその方向で熱く語り聴かせる。回想形式だから、今に繋がるシーンをDJが紐解いていくといった観せ方で興味を惹く。最後にタイトル「幸せの方程式」と名付けた意味が…そこには或る曲が物語のモチーフになっていることが分かる。
(上演時間1時間45分) ㊟ネタバレ

15 Minutes Made 東京/福岡 東京公演
Mrs.fictions
テアトルBONBON(東京都)
2026/07/29 (水) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
15分間の短編を、6つの団体が演じています。
全ての団体共に良かったのですが、その中でも私か推している #こがめみく さんが出演している #クズレルズ が、とってもとってもとーっても良く崩れていました🙆

未送信フォルダ
De-STYLE
あうるすぽっと(東京都)
2026/07/28 (火) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
西葉瑞希さんはいつ見ても役者馬鹿系の香り。作り込むキャラが面白い。
倉知玲鳳(れお)さんはチャーミング。
アンサンブルの3人が複数の役を兼任して好助演。
手塚理恵さんは良かった。
面白かった。

it’s too late.
終のすみか
カフェムリウイ「屋上劇場」(東京都)
2026/07/18 (土) ~ 2026/07/31 (金)公演終了
実演鑑賞
公演期間が短縮され、台本の再構成などを経て上演に至った今作。作り手たちが元々想定していた形と異なる形で上演されたことは事実だが、それが「どの程度変わったか?」「どこが変わり、どこか変わらなかったか?」などは分からない。実際に上演された作品を観て、その変化について、推察できる部分もあるし、推察した上で「やはり分からない」部分もある。演劇が生き物であることを再認識すると同時に、こういう諸事情も許容する形で、演劇文化が続いていくことを望みたい。それでも「今」を上演する。その結論に至った団体を、僕は評価したい。

にゅ〜かわいい女
人間嫌い
Paperback Studio(東京都)
2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
オリジナルは知らないままの観劇でしたが、なかなかに楽しめました。1時間程度の本編と同じくらいの時間をかけたアフタートークでの作品解説は大いに勉強になりました。

未送信フォルダ
De-STYLE
あうるすぽっと(東京都)
2026/07/28 (火) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
LINEをテーマにした現代の女性たちの朗読劇、幾つもの等身大のエピソードが絡み合っていく様がいいですね。なかなかに楽しめました。

誰々
劇団5454
すみだパークシアター倉(東京都)
2026/07/31 (金) ~ 2026/08/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
チラシにもあるがテーマは「役割」、同時に「立場」といった言葉を連想した。意識的であろうが無意識であろうが、人は或る状況下で色々な判断をする。その連続が生きていくこと と考えれば実に面白い着想の公演。分かったような分からないモヤモヤとした感情、劇団5454のコンセプトでもある「日常で見聞きする事物をテーマにして、誰もが無意識に受け入れている感覚を物語化」を見事に表しており、まさに劇団の真骨頂。
タイトル同様、登場人物は姉・母や彼氏・彼女そして友達・先輩・後輩といった一般的な呼称を使っている。そこに誰もが持つ「役割」であり「立場」が透けて見えてくる。それは観客の誰にでも当てはまるものであり、共感しやすい設定が巧い。それを視覚的に分かり易くした舞台美術がよかった。演出も「役割」を着ている、その表現を上着を着ることによって場転換していく。お母さんの「ご飯食べた~」の台詞は、日常を示している。文字で表現し難い内面を演劇という役者の体現をもって観せた秀作。
(上演時間1時間55分 休憩なし)

「TOKYO SLUM」
TRASHMASTERS
上野ストアハウス(東京都)
2026/07/30 (木) ~ 2026/08/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/08/01 (土) 14:00
お気に入りの劇団の新作は、深刻な現状から始まって一種のファンタジーで終わる。とても面白い。観るべし。(4分押し)79分(11分休み)85分(2分置いて、アフタートーク23分)。
都庁前での食糧無料配付に並ぶ様々な人々が起こす軋轢から、派遣会社内部のあれこれから、誰も悪くないのにシンドイ思いをする人々、それを解決しようとする人々が入り交じって、最後は一種のファンタジーで終わる。前半は気持ちが苦しくなるような場面も少なくないが、後半はちょっと巧く行きすぎている感じもあって、『チョークで描いた夢』と同様のファンタジーとも感じる。冒頭のシーンから、ホームレス3人組を演じるベテラン勢(亀井幸代・松田史朗・山本亘)が存在感を見せ、後半もそれをしっかりキープするあたりは凄い。他の役者陣も役割をしっかり演じて、どちらかというと悪役でもある三田村を演じる神野崇や、その元先輩の名波を演じる佐藤礼菜、そして台詞は多くはないが、一人だけ浮いた出で立ちの愛美理を演じた白瀬りかも注目。軸になる秋野宇宙(あきのそら)を演じた倉貫匡弘も成長著しい。押しの小崎美希子は珍しく恋愛モードがあり、一段グレードアップした印象がある。ベテラン劇団員の長谷川景は出演作毎にビジュアルがかなり変わっているのが面白い。

20の物語 -週末を、劇場で-
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2026/07/16 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ロング・クリスマス・ディナー
当然だが『わが町』に何となく似ていて、ここでは描かれる時間が90年に引き延ばされ、上演時間は3分の1ぐらいに凝縮され次々と時が移る。短編にもかかわらず登場人物がたくさんいるのに、俳優の役がひとつも被らない。
ラスト・ヤンキー
上演時間がたった20分で、ひと山来たところで終わってしまう。この20分の中にも見事に社会の矛盾が提示されるが、もう少しこの二人の会話を聴いてみたいと思わされた。

にゅ〜かわいい女
人間嫌い
Paperback Studio(東京都)
2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
にゅ〜かわいいと言う昨今の流行り言葉があることは知りませんでした。なので「かわいい女(ひとと読むとのこと。昔の演歌のようだ)」の新しい版、翻案だからにゅ〜(new)なのかなと思っていました。
コンパクトな空間でのお芝居、演出も面白かったです。あの窓はもっと大きくしたらいけないのかな。
アフタートークも楽しかったです。

誰々
劇団5454
すみだパークシアター倉(東京都)
2026/07/31 (金) ~ 2026/08/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
劇場に入った時から作品の世界観に引き込まれました。岩井俊二監の映画を思わせるような(undo…わかる方いますか…?)繊細でどこか不穏な空気感、そして巧みな照明や音楽、場面転換の演出が素晴らしく、まるで緻密に編集された映画を観ているかのようでした。
テーマは「役割」。私たちは誰しも「恋人」「家族」「会社員」「友達」といった様々な顔を持って生きていますが、その役割にどう向き合い、どう生きていくのかを強く問いかけてきます。
私自身、会社や家にも居場所がなく、演劇を見ている時間だけが私の一人自由な時間です。鑑賞後、日常で背負っている自分の鎧や重荷にふと気づかされ、静かに自分自身と深く向き合うことができる、とても豊かで貴重な時間になりました。間違いなく観てよかったと思える一作です。

にゅ〜かわいい女
人間嫌い
Paperback Studio(東京都)
2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
こちら、とても良かったです。
出自がちょっと面白くて、古典をやるつもりで”楽屋”を最初考えていたそうですが。
諸々の事情から、他を考えるようになって。
チェーホフの”戯曲”じゃなくて、”小説”に辿り着いたという。
つまり、チェーホフの古典小説を、岩井美菜子さんが現代において、戯曲化してるってことになります。
翻案とはまた微妙にニュアンス違うよね、これ。
1時間とコンパクトにまとめられた、こちら。
余白があって、そこに演出の考えや役者の個性がいくらでも乗りそう。
それこそ”楽屋”と同じように、色んな演者、演出家でやったら面白そうだと思える。
バリエーションを観てみたいなって思えました。
良かったので、台本買ってしまいました。
本が面白いだけではなく、出演者も充実で良かったかな。
会場だったり予算だったりの限界はきっとあるんだけど、丁寧に作られた空間で、丁寧なお芝居でした。
全体的にはテンポ良いコメディです。怖いかもって部分もあるけどね。

立川志の春 落語会 其のニ
いやさかえん
扇町ミュージアムキューブ・CUBE02(大阪府)
2026/08/01 (土) ~ 2026/08/01 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
扇町ミュージアムキューブで落語を観た事なかったんで拝見☆面白かった☆「本物の芸に場所や会場は関係ないんやな」って痛感しました♪ありがとー\(^o^)/

誰々
劇団5454
すみだパークシアター倉(東京都)
2026/07/31 (金) ~ 2026/08/11 (火)公演終了

幸せの方程式
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2026/07/29 (水) ~ 2026/08/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
笑いあり、涙あり、演劇あり、生演奏ありでとても楽しかったです。最後のジャズ演奏もライブ会場みたいで盛り上がりました。明るく前向きになれる良い話でした。

リチャード三世
半畳の宇宙
BaBaBa(東京都)
2026/07/23 (木) ~ 2026/07/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
下落合のとある工場跡らしい会場、というのが山の手事情社(発、半畳の宇宙)に似つかわしい。シェイクスピアの本作は(何たら何世だのの題名では区別が付かないが)以前新国立で観たあれだな、と当たりがついたのは、題名に色が付いて見えるようになったか、あるいは半畳が選びそうな話だったからか。
舞台は毎回予想はしていないが見て「そうか」と思う山の手特有の様式表現。女性五人。リチャードを演じた女優の怪演がツボに届いて小気味良い。一人芝居で拝んだ半畳の女優陣、他のはやはり山の手所属の方々か、初対面で世界観の共有が短期間の稽古でここまでなら「スゲエ」の域だが、恐らくそうだろう。シェイクスピア作品の破滅のカタルシス(マクベス、ハムレット、オセロ、、)を味わった。本作のリチャードは己の宿痾、醜き姿に慄き、卑下に走る精神とその真逆に振れて残酷なまでの傲慢さに走る両極が不思議な魅力で、哀れみを誘う面を備える。自分を投影する時間となる。

20の物語 -週末を、劇場で-
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2026/07/16 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ボーナスプログラム
リーディング公演『タバコの害について』
【作】アントン・チェーホフ
【演出】小川絵梨子
有名な作品だが初めて観れた。1886年、売れる前のチェーホフ26歳のユーモア戯曲。1902年に一部書き直したのか?書籍化?下総源太朗氏は綾小路きみまろの恐妻家漫談風に観客を盛り上げる。喋りはマギー司郎っぽいか?学校のパンフレットを一部1000円で叩き売り。一人の観客が「買った!」と本当に買う。(終演後、スタッフが頭を下げお金を返し引き取りに来た)。タバコの話などせずずっと妻への愚痴を並べるネタ。
『煙草のハイ(High)について-吸煙對身體有High-』
【作】鴻鴻(ホンホン)
【演出】小川絵梨子
作者はエドワード・ヤンの名作『牯嶺街少年殺人事件』の脚本家!台湾の超大物。
かんのひとみさんはいつもながらに面白い。妙なユーモアの味がある。煙草をプカプカ吹かせながら、話はあっちこっちへ飛ぶ。同じ名前の女友達の話が面白い。性格真逆、学校出て即結婚出産の子といろいろ遊んでアメリカに出産しに行った子。「どちらの子の話か分かりますよね。」中国とアメリカに挟まれた台湾人自虐ギャグも。この辺、日本人にはイマイチ感覚が掴めない中国への複雑な感情。今まで吸ってきた煙草を彼氏に擬人化した遍歴ギャグ。チェーホフへのオマージュとして、はなっから喫煙による健康被害を訴える気などさらさらない。そもそもあんた達何でこんな講演、見に来てんの?