最新の観てきた!クチコミ一覧

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和解

和解

工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昨年初めて観た工藤俊作(kutoh)プロデュースの前作は、関西の3人の書き手(その一人内藤裕敬氏が構成演出担当)によるオムニバス。イベント的公演をやってるものと勝手なイメージがあったが意外に普通の芝居(と言うのも変だが)、ストレートプレイである。もっと意外なのは、劇団公演のような繊細な作品性があった。阪神淡路大震災と、その後にあったという(架空の?)震災が影を落とすある家族の時間を跨いだドラマ。後半、生者と死者の境界、時間の境界を超越した時空へ移行し(その瞬間は死んだはずの長男を姉弟が迎え入れ賑やかな会話が始まる事で明瞭に分かる)、その境界を超えた対話によって初めて出来事や関係性が明らかになる、というテキストである。

送りの夏

送りの夏

東京演劇アンサンブル

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大納得の舞台。劇場の活用もうまい。
劇団は主宰を失ってより演出担当は持ち回り、というか企画により都度決まっている印象であるが、このかんの舞台を通して演出家三木元太氏の存在感は定着している(自分の中では)。美術担当を兼ね、納得させられる事が多い。
本作は自分はあまり知らないが作家のデビュー近い頃の作品が原作。児童演劇を主な活動の場とする若手劇作家に脚本依頼し、舞台化した。
海辺に近い、奇妙な集団生活を営む家へ、母を追ってやってきた娘のある夏の物語。完全に空隙を突かれた内容で、人物らの感情とそれを受け止める娘のリアクションが砂糖水のように喉を通って入って来る。久々に涙腺が大幅に緩んだ。
娘の感性が物事や他者の感情を受け止めて行く過程を観客はなぞって行く。その一つ一つに人間の可能性を実感させる。「出来すぎた話」がそうでもなく入って来るのが不思議である。

レプリカ

レプリカ

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2023/03/14 (火) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鐘下作品の回のハツビロコウ。古典作品の舞台から推しても松本氏の処理(テキレジによる「現在劇」化)は大きいが、秀作がまだまだ眠っていそうで嬉しい。本作は鐘下らしい「極限状況」を舞台に据えながら、サスペンスの要素があり、娯楽作品として純粋に面白く、踏み込んだ人間描写が現象の「背後」に想像を届かせ、観客の五感を刺激する。圧倒的に強い相手と、それに対し無力な存在(今回は以前ストーカー被害に遭って田舎に父と共に移って来た若い女性)という非対称の状況を固唾をのんで見守る作品というと映画「暗くなるまで待って」(テイストは全く違うが)。このドラマが成立する要件であろう、端正と艶を備えた俳優を配した。
ラストは一つのオチではあるが、そこまでで十分にサイコな(精神の)世界を堪能した舌には、「現実社会のリスク」を指摘するラストは特段必要を感じなかった。が、非常にまとまりよく完成度が高い。

Don't freak out

Don't freak out

ナイロン100℃

ザ・スズナリ(東京都)

2023/02/24 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

時~々観るナイロン100℃。「しびれ雲」を観たばかりでスルーしていたが今回は劇場がスズナリとはうっかり。公演の終り間近の昼公演を当日券にて観劇した。凝り具合がよろしい。無二の世界に思えたが徐々に「アングラに寄せてるな」と楽曲(全員で歌う歌もあり)で思い当たった(音楽が鈴木公介氏なら意図的なのは明白・・白塗りもその含みがあったのね)。
舞台は一軒家の女中部屋。猟奇な世界観(江戸川乱歩とか)。完璧に作り込まれた濃密な空間で趣向も憎かったが、最後にケラのテイストが出て少々残念がった。
長く女中をしている所の姉妹(松永玲子・村岡希美)の風情が秀逸。とりわけ村岡女史はThe Shampoohat「砂町の王」で目にして以来その存在感にやられているが、その舞台や際どい役を堂々こなした「娼年」の事など思い出させる。みのすけをはじめ役者力とオーラを間近に浴びる贅沢な舞台でもあった。

ミュージカル『RENT』

ミュージカル『RENT』

東宝

シアタークリエ(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/21 (火) 13:30

何度観ても感動するし楽しめる。
WBC記念に「ヌーー」と言わせてもらった。

天国への登り方

天国への登り方

アマヤドリ

シアタートラム(東京都)

2023/03/23 (木) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/24 (金) 14:00

異なる立場にある人々が全員葛藤を抱えている。死に方は生き方。あまりにも個人的な、そして社会的な課題に果敢に取り組んだ力作。安楽死と自殺は何がどう違うのか?医師二人の主張が、どちらも正しくて忘れられない。夫のキャラがギャップありすぎて、ラスト号泣するしかないじゃないか。

ネタバレBOX

●~○~●以下ネタバレ注意●~○~●

いつもと変わらない様子だったのに、夫が仕事から帰ると妻は家を出ていた・・・。
夫と、妻の兄夫婦、妻の古い友人は、途方に暮れつつ
妻と、付き添っている妻の妹がいると思われるホッキョ区へと向かう。
そこは「より安楽に、より尊厳を保った形での死に方を様々なサービスとして提供する」という
「安楽死特区」だった。
「ことばのがん」で余命いくばくもない妻が望む死に方を容認できない家族は
説得できるのか、処置する医師も悩みつつ今日も特区では運命の注射が打たれる・・・。

妻にとって、がん(「ことばのがん」というのが傑作だ)が
今「安楽死」を望むほど苦痛な状況なのか、何が辛くて死を望むのか
妻のことばで聞きたかった気がするが、言葉のがんでは無理なのか・・・。
安楽死の選択理由が、家族の想像だけで優しく包まれている感じ。
観る側のジャッジに関るだけにリアルさが欲しかったが、他の患者のエピソードによって
そこは補完されていく。

葛藤する医師二人(宮川飛鳥・相葉るか)が素晴らしかった。
十分身体に落とし込んでから振り絞るような台詞に、自分だったらどうする・・・?
と思わずにいられなかった。

弱者を家族みんなで守ろうとするキツネの社会と、
死を合法化してシステムの中に組み込もうとする人間社会の対比が面白い。
「死ぬ人の権利」は「残された人の気持ち」を置いてきぼりにする。
忘れられがちなこの置いて行かれる人々の気持ちが、実は重要なのだ。
だって「死を語る人」は皆、置いて行かれた人々なのだから。

いつも「自分の情」で熱く動く夫が、妻の望みを叶えるべく大変身を遂げる終盤。
役者(沼田星麻)の見事な切り替えでボロ泣きの嵐だった。

アフタートークで、作演出の広田淳一氏にこの作品のインスピレーションを与えた
著書「安楽死を遂げるまで」の作者 宮下洋一氏が登場、
世界の安楽死事情や、欧米と違い日本で受け容れられるのが難しい理由など
深く考えさせられる内容だった。
広田氏が様々な問題を、慎重に、丁寧に台詞に乗せていたことが伝わって来た。

いつも”語り尽くせない部分をダンスで表現する”アマヤドリが、
今回は本当に語り尽せないテーマに挑み、ラストは生への強い意欲を感じさせる
力強いダンスで終わった。
死ぬことと生きること、私たちはそこを行き来しながら今日も生きている。
ソングマン ~翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部~

ソングマン ~翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部~

トム・プロジェクト

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/03/21 (火) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/21 (火)

新宿スペース・ゼロにてトム・プロジェクト『ソングマン ~翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部~』を観劇。
演劇集団キャラメルボックスの多田直人さんや、2.5次元舞台を中心に活躍されている若手男優達が多く出演しているこちらの作品。会場に着いてまず感じたのは、女性のお客さん、それも若いお客さんが多いということでした。過去に拝見してきたトム・プロジェクトさんの作品は、実話を基にしたような社会派の作品が多かったということもあり、客席の年齢層は比較的高めで男女比に極端な差無しの印象があったのですが、今回はまるで異なる客層でしたので、一瞬会場を間違えたかと錯覚してしまう程でした。
しかし、キャスティングされているメンバーの顔触れを見れば納得。中でも主演の多田直人さんの存在感は半端なく、バンドのギタリスト&コーラス部の特別顧問という役に見事にハマっていたと感じました。また、男子コーラス部役の5人のキャストさんの好演も印象的で、個性豊かで面白い役どころにより拍車が掛かっているように感じました。誰か一人が欠けてもダメで、この5人だからこそ面白い。いや、そもそもストーリーが終始面白い。サクサクとテンポ良く軽快に進行する割に、一つ一つのシーンに見応えがあり、メッセージ性のある台詞も多い。作品の作り手、演じ手の両方の高い技術が上手く融合した質の高いエンターテインメント作品であるような印象を受けました。
青春って良いな、歌って良いな、時間って大事だよな、、など、文字に起こせば大したことではない?当たり前のようなことであっても、このような作品を観ることで改めてそれを実感するというか、何となく忘れ掛けていた大事なことに気付かされる感覚になるのは不思議なものです。"青春"とは一般的に13~20歳前半頃を指す言葉のようですが、"いつまでも青春"、"青春よいつまでも"などというフレーズもあるように、その気持ちを持ち続けていることが大事なのではないかと思いました。核となる人物はいるものの、物語に登場する人物の一人一人が重要なピースとなっている全員にスポットライトが当たる作品。良い舞台でした。

ナイゲン

ナイゲン

明治大学演劇研究部

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2023/03/22 (水) ~ 2023/03/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/24 (金) 18:00

高校生の生徒会の会議という設定なので、たった数年前に高校生だった人たちがステージ登場した時の「これだよ!」感は半端ない! アガリスク・バージョンも含めて何度も見ている作品なのだが、全然飽きない。

「灯灯ふらふら」

「灯灯ふらふら」

遊劇体

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2023/03/24 (金) ~ 2023/03/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

この世に生まれたことは良かった?悪かった?そして、生まれてきたからには必ずおとずれる死
各々の生と死を振り返りながら、人生とは何かを考えさせられる内容
とても良かった‼️

手のひらに、春

手のひらに、春

ツイノ棲ミ家

新宿眼科画廊(東京都)

2023/03/24 (金) ~ 2023/03/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日観てきました。面白かったですよ。私事ですが年間100本以上の演劇を観ます。今回初めて観る若い役者さん達でしたが、一度観た方々がまた別の作品で観るのが自分の楽しみの一つです。これからも頑張ってください。

デカメロン・デッラ・コロナ

デカメロン・デッラ・コロナ

劇団山の手事情社

池上会館 集会室(東京都)

2023/03/24 (金) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/24 (金) 13:00

座席1階

桜の花がきれいな池上本門寺。会館の集会室での舞台だが、客席数は思いのほか多い。舞台は難解といえばそうだが、オムニバス形式で進められテンポもいいので役者たちの動きを飽きずに眺められる作品だ。

パンフレットによると、絵画のコラージュのように総体として一つの印象を描く手法を「構成演劇」というのだそうだ。テーマは悪夢。確かに、恋人を兄弟に殺されてしまう女性など、悪夢と言える展開が目立つ。
しかし、山の手事情社の舞台で最も刮目すべきは役者の動き、動作だ。腕や指までそろった激しさもあるのに流れるような動作。シンプルだが光と影を使った演出も効果的。終演後の大きな拍手はやはり、鍛え抜かれた俳優たちへの称賛である。

ソングマン ~翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部~

ソングマン ~翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部~

トム・プロジェクト

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/03/21 (火) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

青春群像劇ど真ん中、という爽やかな作品。

何処かで聞いたことのあるようなストーリーではあるが、主演の方をはじめ、出演者の芝居はテンポもよく、笑いも沢山あり、最後まで飽きさせない作りだった。

ただ、劇場の構造上の問題なのか、役者の問題なのか、前半はなかなか台詞が聞こえない場面が目立った。
どの登場人物も、個性的だったからかもしれないが、台詞が聞こえなくなると、雰囲気で楽しむだけになってしまうので、そこだけ勿体なかった。

とはいえ、中盤からラストにかけての盛り上がりと緩急の付け方は流石だな、と思いました。

「どんぐりくらぶ」

「どんぐりくらぶ」

人形劇団ひとみ座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/03/23 (木) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日を拝見。唯一の平日夜の回ということもあってか、大人が大半を占める客席。『モモ』のテーマへのリスペクトから作られたプロットを、佃典彦さんが脚本にまとめたそうだが、観ていて、なるほど「同じコインの表と裏」とはそういうことかと。とても楽しい1時間。

気配

気配

カンパニーデラシネラ

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2023/03/23 (木) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

小野寺修二氏は天才なのだろう。
一体どうやってこの空間を導き出しているのか。
どこに(頭の中の)カメラを置いて切り取っているのか。縦横無尽にカメラが動き何台も違う角度のものに切り替わる。バレットタイムのようなパースペクティブ目線で脳が作られているのか。光と影、空間認識能力、人の描く動線、こだわり抜いた音。聴こえるどんな音にも必ず意味があり、タイミングから音量から練りに練られている。必ずこうでなくてはならない完成形が見えているのだろう。

夏目漱石の『門』を舞台化。まるで鈴木清順の世界。チーンとりんが鳴る。格子戸、窓枠、動く床、走るミニチュア模型、壁に投影される影絵、縫い物、電話、揺れる車両、新聞、明治末期の空気感。

主人公の田中佑弥氏、寺脇康文っぽい。強調した肩幅、汗がボタボタ滴り落ちている。ずっと俯いて暮らす、物思いにふけった受け身の男。
奥さん役の兵藤公美さんは室井滋や森口博子系の顔立ち。このもの静かな和服の女性が内に秘めた情念を時々露わにする瞬間がある。そこが今作最大の魅力。
崖の下に暮らす夫婦の何てことはない日常。何かをしなければならないような気がするが、さしあたって何かをするつもりもない。

狂気の歯医者は藤田桃子さん。
崖の上の屋敷の主人は小野寺修二氏。
訪ねて来る弟は浅井浩介氏。

酒井抱一の屏風が美しい。
下に降りては上がる、揺れる裸電球。紐一本を引っ張るだけの仕掛けで見事な光の演出。
紅い鞠を追い掛ける夢。

一番の名シーンは弟が帰ると、『パルプ・フィクション』のように情熱的にサルサを踊り出す二人。(SEXの暗喩)。静から動への転換が巧い。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

大学時代に親友の内縁の妻を奪った主人公。学校を辞め実家からは見捨てられ住居を転々とし二人で細々と暮らす。今は東京で公務員の職を得て、崖の下の借家住まい。親と伯父が亡くなった為、高校生の弟は大学に進学する為の学費を工面出来ず頼ってくる。どうにも手をこまねいて何をするにも決断の遅い兄にうんざりする弟。
ある晩、崖の上の屋敷に泥棒が入り、落とした手文庫が斜面を滑って転がっている。届けに行く主人公。それをきっかけに屋敷の主人と親しくなる。近い内、弟が満洲から帰って来るので会わないかと誘われる。弟が一緒に連れて来る友達が大学時代の親友であることに気付き青ざめる。彼と顔を合わせない為に十日程、禅寺に入る主人公だった。

構成をもっと弄ってもよかった。ラストの禅寺のシーンがなかなか伝わらない。弟の要件もよく判らない。原作を頭に入れて観るとまた違うのかも。

世間を棄てて一緒になった二人だけにしか解らない不思議な幸福。その気配。

SION『12月』
そして俺ときたらいつもこの頃になると
何かやり残したようなやわらかな後悔をする
あげとーふ

あげとーふ

無名劇団

無名劇団アトリエ(大阪府)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

若いエネルギーの溢れる舞台でとっても楽しかったです。
面白いだけじゃない悩みや
そして友情にジンとくる。

4人のアケミも面白かった(*^◯^*)

もっとロングランで色んなバージョンが観たい♡し、もっと多くの人に観て欲しい♡

短距離走のスピードで
長距離走してるみたいな無名劇団スゴイヽ(´▽`)/

あげとーふ

あげとーふ

無名劇団

無名劇団アトリエ(大阪府)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かった
ストーリーがとてもわかりやすかった
楽しく観れました

あげとーふ

あげとーふ

無名劇団

無名劇団アトリエ(大阪府)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

青春群像劇!
前半はドタバタとした内容から心に響く展開へ。
音楽とマッチしていてほんと青春ですね。
熱いキャストの演技見応えありました。
小さな劇場でも成立するお芝居面白かった。

あげとーふ

あげとーふ

無名劇団

無名劇団アトリエ(大阪府)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 「4人のアケミ」役者さんが変わって演じる3パターンを観たくて3回アトリエ(劇空間)に行きました。同じ人が別の役を演じるという、観客にとってもお得な感じも味わえて楽しかったです。「あげとーふ」は同じだけど、展開が分かっているからこそ、細かい描写に納得感があったし、より楽しむことが出来たんだなぁと思いました。今後の活動に期待しています。

WWW.

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三匹と三羽

シアター711(東京都)

2023/03/23 (木) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/23 (木) 19:15

若手で期待してる劇団2つが合体した。面白い。(2分押し)106分。
 とあるマイナーなアニメのファンサイトを中心に、聖地巡礼や陰謀論など、今の時代にいかにもありそうなエピソードが展開され、興味深い物語ができていた。一昨年から個人的には星5つが続く劇団かるがも団地と、元気でテンポよい作品で興味を持ってた劇団猿博打が、共同で作品を作ったのだが、いつもとは少しテイストが違っているものの、楽しく見せてもらった。猿博打の3人は出演、かるがも団地の3人は作・演出,製作,衣装・美術と役割は違うが、しっかりとした作品だった。ただし、作・演出の藤田がかるがも団地で見せる小気味よいギャグ等が今一つテンポに乗り切れていなかったのは、初日ということもあるのだろうか。軸になる美知留(村上弦)の恋人と称する語り手の飛雄(てっぺい右利き)の佇まいがいい。

卍珠沙華

卍珠沙華

ヅカ★ガール

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2023/03/22 (水) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

未見の団体。全員女性で禁断の世界を描く。
満席の人気公演。キャスト全員での出迎えとお見送り(物販兼ねて)といった心配り👍

谷崎潤一郎の「卍」を、「令和5年の新解釈にて再哲学し、ズカ★ガール流に描き出した意欲作」という謳い文句…観(魅)せるといった華やかさが印象的であった。新作を書く”先生”の原稿用紙の上、四つ巴の恋愛悲喜劇を爛漫と乱れ咲くという執筆<行為>、それと作品<物語自体>として同時並行して展開していく。原作の「卍」<まんじ>は、その文字の形が、主要な登場人物4人(園子、光子、孝太郎、栄次郎)の輻輳した関係を暗示している といったもの。基本はそれを準えている。

今でこそ LGBTQはあまりスキャンダラスといった驚きはしない、というか 逆に現代の多様な性の在り方〈性的マイノリティ〉として注目されている。「卍」が連載された昭和3年当時は かなり刺激的だったのではなかろうか。「同性愛」という異常なる性愛奇譚、とは言えドロドロとした愛欲・溺愛といった執着心がない。そこが少し物足りない。むしろ或る種の清々しさ 華やかさ 幻想さが前面に出おり、その着飾りが裸の心を見えなくしている。
谷崎作品=耽美的と捉え、禁断の逢瀬をエロティシズムに満ちたものと勝手に思っていたが…。
(上演時間1時間15分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は雛祭り的な印象。場内は赤い幕(布)が飾られ、両端に雪洞が置かれ、花弁が散らばっている。中央にソファ、上手にアンティーク電話、下手側に机や書籍がある。所々に台詞(文章)が書かれた紙が貼られている。
配役は次の通り。
柿内園子:結崎あゆ花さん〈孝太郎の妻〉
徳光光子:妃咲歩美さん〈奔放・蠱惑的な女性〉
孝太郎:かまくらあや さん〈真面目な編集者〉
綿貫栄次郎:来栖梨紗さん〈光子の婚約者〉
先生:石黒乃莉子さん〈現実と劇中の小説家〉

原作「卍」は、両性愛の女性と関係を結ぶ男女の愛欲の話で、2組の男女の関係が交錯する まんじ模様の倒錯的な愛を描いた作品として紹介されている。面白いのは、作者<先生>が歪な愛の行方、その終着をどのように書くか自問自答する様子。自分で物語の世界へ入り込み、登場人物に問い 答えや体験を聞くようなスタイル。作者が物語の登場人物の一人になり、独白する。飄々とし悠然と煙草を燻らせるが、実は倒錯世界の未体験者=作者が、作品<艶話>のために苦悩するような。女の情念というよりは、愛とは何か、その”あるべき姿”に翻弄される姿を描いているようだ。

ズカ★ガール流の新解釈、再度哲学した「彼女たちの愛に教訓などない」は、現代性と結び付く。そして倒錯した愛からすこし離れたところから見守る、そんな別の愛情表現が女中:お梅(日替わりゲストキャスト:三葉彩夏サン)の存在である。曼殊沙華という天界の花ーおのずと悪業から離れることらしいが、それを「『卍』殊沙華」に置き換えて倒錯〈背徳?〉した愛を描く奇知〈皮肉?〉ある作品。

演出は、女性…園子と光子は着物姿、それから逢瀬を重ね 日々の移ろいを表す洋服姿へ。園子は白地、光子は赤地といった対象色で彩る。暖色照明が服地を鮮やかに映す。照明の諧調によって妖しい雰囲気を漂わし、その中で着物を脱ぎ肌を合わす艶めかしい肢体。かと思えば、男役(男装した)と溌剌とタンゴを踊る、といった変化ある観(魅)せ方に女性演劇団体としての特長をみる。

『卍珠沙華』 初めて様ご招待ー感謝です。
次回公演も楽しみにしております。

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