最新の観てきた!クチコミ一覧

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『蝶ゲンボウ』(チョウゲンボウ)

『蝶ゲンボウ』(チョウゲンボウ)

ひげ太夫

テアトルBONBON(東京都)

2015/03/24 (火) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

神話・伝説色が濃くなってステキ
毎度お馴染み東洋風の架空の国の時代不明(というより「不問」?)の英雄譚だが、従来のマンガチックな絵本的世界よりも「ある設定」において民間伝承あるいは神話・伝説色が濃くなったのが今回の個人的ツボにして白眉。
もちろん、「喋る流れ星」「打たせ湯」「食パン」「某キャラクターの顔」などの表現系小ネタにもツボを突かれまくり。

ネタバレBOX

元は吉凶の翼として一対だったものが二つに分かれて、とか、暁の羽衣、白ムジナなんてのがいかにも昔から語り継がれているハナシのようでイイんだなぁ。
あと、今回の顔に選ばれたキャラクターはムーミンのミイ。
表に出ろいっ!

表に出ろいっ!

演劇集団関奈月

イカロスの森(兵庫県)

2015/04/24 (金) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

勢いがあって楽しかった♪
「留守番を押し付けあう父母娘、丁々発止の家庭内戦争」
いつも迫力ある演技で楽しませてくれる関奈月さん。
今回は、父母の勢いのある動きに対して、娘さんの冷めた表情がアクセントとなり、とても面白かったです。
本当に熱演でした♪

そして今回の公演場所「イカロスの森」は、舞台が客席から手の届きそうなところにあり、役者さんの好演を間近に感じることができ、満足でした。

あまり大きくない劇団さんなので、是非、沢山の新入生さんが入られると良いですね♪

ネタバレBOX

「留守番を押し付けあう父母娘、丁々発止の家庭内戦争」
本当にあっという間で、楽しかったです。
以下、ネタばれです。


父は千葉の某夢の国へ、母は某○ャニーズアイドルグループのコンサートへ、娘は入手困難の超非売品特典付き○○の行列へ、と熱い思い胸に、何とか留守番を回避し外出しようと、お互いを説得しあう。

そんな中、母娘がタッグを組み、父が鎖でつなぎ留められる。
しかし油断した隙に母も鎖に。
そんな母を見捨てて外出した娘だが、行列に並ぶための虫よけスプレーを取りに戻るが…。
そこを取り押さえられ、娘も鎖につながれ、鍵は手の届かないところに投げられる。

お互い罵り合いながら、娘が謎の宗教に入信していることが…。
教祖様から「今日が地球の最期」と連絡が…。
娘は人魚の粉を飲み、教祖の後を追おうとするが…。
結局死にきれず、地球の最期が訪れなかったことを知る娘は、信仰を失い茫然とするが…。

完全防音の家に鎖につながれ、鍵もない家族3人は絶体絶命であることを知る。
さらに罵り合う家族だが、喉が渇き、飢え、力尽き、落胆する家族。
家族はドアを開けてくれるなら、その人がどんな者でも神と崇めようと、神の力にすがる。
そこに奇跡が!
ガチャっと開くドア!
おぉ、神か!
「いや、人がいないと思って」と立ち去ろうとする泥棒にすがる家族。
「一杯の水を持ってきてくれないか」と。
「鍵穴さがし」

「鍵穴さがし」

BURST22

高島平ほっぢポッヂ(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度

苦手・・
ストーリーとは関係のない場面が多すぎて(殆どが関係なかったような・・)時間が長く感じてしまいました。役者さん達は熱演していたように感じましたが、とにかく脚本・演出が好みではありませんでした。好みが分かれる舞台だと思いますが、正直私は嫌いでした・・。

音楽劇「お嬢さんお手上げだ・明治編」

音楽劇「お嬢さんお手上げだ・明治編」

ココロ・コーポレーション

ウインクあいち(愛知県産業労働センター)(愛知県)

2015/04/24 (金) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

■ジュリ~~~ィ
沢田研二が2011年よりスタートさせた、歌と踊り、そして笑いと涙の音楽劇シリーズ。
TVでしか見たことがなかったジュリーでしたが、やっぱ太っててかなりおじさんになってましたね。
若いときにも見たかった~~ぁ(^^ゞ

舞台はミュージカルではないけど、歌が多いのかな~ぁと思ったら、ちゃんとした劇で、笑いも取り入れて面白かったです。
吉本新喜劇的な感じもありました。
ご近所の仲間たちがとてもあったかでよかったです。

15分の中休憩を入れて約3時間、疲れたけど楽しめました。

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★

重厚
重厚な世界観とフィクションと思えない構成は既に言わずもがなの感がある。あまりにもリアルで主人公”豊川千造”を検索にかけてしまうぐらいだった。(結果当たり前だが、公演情報ばかりでてくる)

ネタバレBOX

最前列で拝見していたが、それでも全体的にアクティングスペースからの距離を感じたのは、演出上の意図なのだろうか?どの座席からもある程度の距離感を感じるようにする事で、今作はもっと大きな劇場でも再演できるように、という意図があるのではないかと勘ぐってしまった。(或いは、単純に劇劇の広さと高さを持て余したのか?)

今作は、兎に角佐藤誓と浅井伸治の絡みが素晴らしく泣けた。佐藤誓の実直さと大勢に逆らえない弱さの混在した単純な正義漢ではないキャラクタが非常にリアルで、その葛藤がダイレクトに伝わってくる。更に、浅井伸治が素晴らしい出来だった。ソウルから再度平壌に戻る、それも”友達のために”と語る彼の姿には、明確に嘘をついている事と秘めたる決意の重さが確りと伝わってきて号泣してしまった。劇中、実は彼のその熱意と行動が佐藤誓を救っているわけではないと後で分かるところが、また泣けた。結局大勢(判決についてはソ連)の意向で彼らの運命が決まっていたという無情な結末そのものが切ない。単純にベッタリと泣ける構成になっていないところがまた良い。

脇では、岡本篤の老け役が非常に味があって良かった。老け役にあれほどハマるのかというのが率直な感想。また、佐瀬弘幸演じる嫌味な軍人のハマり方も尋常ではなく不快で素晴らしかった。
CLUB SEVEN 10th stage!

CLUB SEVEN 10th stage!

東宝

福岡市民会館(福岡県)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/23 (木)公演終了

満足度★★★

ダンス・歌は安心。
2幕のミュージカルはもう一息という感じですが、笑劇の方は充分ですし、ソング&ダンスは安心して見入ってしまいました。

ロック☆オペラ サイケデリック・ペイン

ロック☆オペラ サイケデリック・ペイン

ネルケプランニング

キャナルシティ劇場(福岡県)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★

おじさんのわたしにはきついか。
第一幕は、わざとらしくかんじて、なんか微妙でしたが、第二幕からはすじがしっかりしてきて、アンサンブルともマッチし、私の感情も入っていきます。泣けるシーンもありです。

土砂降りぶりっこ

土砂降りぶりっこ

ピヨピヨレボリューション

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/04/14 (火) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しんで観れた
恐らく合わないだろうなと思いつつも「ライブstyle演劇」を観てきました。意外と言っては何ですが、思ったより普通に観れたので相当いい演出。通常、ミュージカルスタイルの演劇を観るとほぼ確実に”引く”のですが、それなりに納得度の高い演出で楽しんで観れた。

ネタバレBOX

と書きつつも、全体として観せたいモノは伝わってくるのだが、旗揚げ公演という事を割り引くと、今後色々と向上していかなければならないかと。特にテキストについては、一寸ばかり強引で納得度が低く、所謂イケメン芝居の女性版になりかねないキャラ推しの強さを感じたことは否めない。

そういった意味では、キャラ立ちは確りしていて個々の演者は際立っていたので、あとはシナリオの向上を是非観せて欲しい。「ぶりっこ」の設定などかなり急に出てきた印象で、もう少し終盤に向けての伏線を張っていて欲しかった。

前園あかりファンなんで彼女のキャスティングには異論なし。とてもキュートな演技で良かった。表情豊かに演じているが、嫌味に感じない程度に抑えられているのがとても好感。ただ「ギョギョッ」は、類型的過ぎるかと…

右手愛美の綺麗さというか、綺麗である事を演出する上手さにも感心した。顔だけではなくスタイル含め均整が物凄く取れていて総合的な造形美が際立っている。彼処まで美人演出する作品を観る事も滅多にないので斬新だった。

他に劇団員の中では、東理紗は印象に残っている。演出的な効果もあるかと思うが、少し演技がエグいというかキツイのが勿体無い。シナリオ的にそこまでキツイ演出をつける必要があったのだろうかと…序盤のツカミを狙ったと思われるが、中盤から終盤に効いているわけではなく、逆効果な印象。序盤はエグい感じを上手くこなしていたし、終盤は変な外連味もなく少女感出ていただけに気になった。

客演陣では、Kana Okamotoの群舞でのダンスと歌のキレには驚いた。アフターイベントで更に一曲披露していたが、アフタートークで前園あかりがダンス見て上手過ぎで爆笑したと話していて、歌聞いて成る程と思った。歌よりダンスが得意とのことで、あれよりダンスが上手ければ笑うわ。
ウィンズロウ・ボーイ

ウィンズロウ・ボーイ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

見応えがあった。
息子の名誉を守るためにどこまでできるのか。あきらめない父と姉。敏腕弁護士の強い思い。じっくり観させていただきました。婚約者たちとメイドのキャラで観客を引き入れる演出も好きです。

デスノート The Musical

デスノート The Musical

ホリプロ

日生劇場(東京都)

2015/04/06 (月) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

原作や映画と違う
舞台向けの構成。個人的には、キラとLの心理戦や、デスノートの使用の仕方を原作に近づけてほしかったところです。オケピと装置と演出とキャラ設定で別ものとして観ればそれはそれで納得です。

禁断の裸体 -Toda Nudez Será Castigada-

禁断の裸体 -Toda Nudez Será Castigada-

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2015/04/04 (土) ~ 2015/04/25 (土)公演終了

満足度★★★★

裸祭り。
祭りではないけども、裸の演出が強烈な三浦さんならでは。
ラストもこうなるか~ の内容です。
三人のおばが、もう少しあってもよかったかなとは思う。

小林一茶

小林一茶

こまつ座

紀伊國屋ホール(東京都)

2015/04/06 (月) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

安定感
久々に小劇場ではない作品を拝見。小劇場との違いとしてまず感じたのは安定感。全体的に観ていて不安感がない。テキストも演出も演者も安心して観ていられるツクリになっているのは流石だ。反面、小劇場ばかり観ていると、そこにあるトンがった部分というか、演出家(往々にして脚本家でもある)が、観せたい、表現したいと思っているものに対する熱量の”偏り”がなくて一寸物足りない気もする。

ネタバレBOX

前半淡々と物語が進行していって、そのまま休憩になってしまった感覚があった。終盤色々と回収が為されていくのだが、もう少し色々な謎を提示し終盤で回収されるであろう期待を残しつつ休憩に入っていく構成の方が良かったのかと思われる。実際、隣に座っていた方が休憩から帰ってこなかったし。

と書きつつも、ラストシーンは観応えあり。石井一孝(竹里)が一茶を逃すシーンは胸に迫るものがあった。あのシーンは、座を組まなければ成立しなかった俳諧(連句)を否定し発句(俳句)に生きろという、改革の魁であり個の天才性の尊重と主張。前半の連句や一座の伏線がしっかり効いていなければ刺さらない。実際には、正岡子規なんだと思われるが、その辺りを仮託してしまうのも好み。

好きな役者である一色洋平が確りと座組に溶け込んでいて、本来良くも悪くも目立ってしまう彼の個性が綺麗に埋没している(良い意味で)というのは新鮮だった。何か作中で表現している事と真逆な感覚を持ってしまう矛盾(”個”を主張をしている劇作だが、演劇はやっぱり座組で創るものだなという…)も楽しめた。ご縁があって終演後少しだけ彼とお話しする機会をいただいたのだが、滅多に役者さんと話さないので異様に緊張したのも良い思い出ででした(//∇//)
熱海殺人事件

熱海殺人事件

Gフォース

Gフォース アトリエ(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

なかなか素晴らしい出来でした。
つか作品はときどき見ることにしている。それは,現代演劇をやるひとが,一度は体験し,パワーを得ていく性質があると思われるからだ。たしかに,つか作品は,今でもいろいろな人たちが,いろいろな形で挑戦している。一言でいえば,魂と魂のぶつかり合い,終わってみると,へとへとになるようなものだ。

最初は,少し内容の関わりが理解しにくい。さらに,どこかドタバタしていて,こんな演劇どこが面白いのか,ただのコントなのか,などと一度は思う。しかし,つかの作品は,いつも底辺で,虐げられたひとたちの悲しみが浮かんで来るようになっていて,最後は,感極まって泣かされてしまうのだ。

今回の熱海殺人事件も,かなりインパクトがあった。ほかの複雑なものに比べて,比較的すんなり感じとれる方かもしれない。良い演劇だったと思う。

再生ミセスフィクションズ

再生ミセスフィクションズ

Mrs.fictions

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★

何れも秀作
各15分程度の短編が何れも秀作。短編ならではの良さが詰まった4作品。

ネタバレBOX

『ねじ式(未来編)』
よくよく考えるとその設定には納得のいかない部分(黒川深雪演じるアンドロイドが工場の生産能力の全てを担っているなど)もあるが、そこを個々のキャラクタの作り込みで押し切ってくるところが素晴らしい。有り勝ちでは無い設定を、有り勝ちな展開で観る者を納得させるのが如何にもMrs.fictionsらしい。

『東京へ連れてって』
観終わったタイミングに感じた感覚が上野友之演出だなぁ〜、って。男と女の機微みたいなモノを扱わせると自然と上野ワールドの読後感が醸し出される。色々無茶苦茶なんだけど、ラスト何故かあの2人がきっとそれなりに幸せになっていくんだろうな、というか、幸せになって欲しいなと願ってしまっている自分がいる。

『まだ僕を寝かさない』
細かい小ネタを挟みながら、登場人物が増えていき、減っていく。友人の家に泊まっているシチュエーションを、ちょっと刹那的な演出で時間軸を飛び越える観せ方がお見事。如何にも”男の子”な作品で10代〜20代にかけての男の子の独特な情景を見事に映し出した青春群像短編劇。15分程度の時間の中に多くの”遊び”が盛り込まれていて、演者が楽しんでいるように観えるのも好き。

『お父さんは若年性健忘症の』
一度別キャストで拝見していて2回目の観劇となったが、シナリオの素晴らしさと、岡野康弘ならではのハマり具合が確認出来た。ラストに向かっての伏線回収が見事なのだが、やはり交差点シーンのデジャヴとラストの「羨ましいだろw」は秀逸過ぎる。交差点シーン始まったところから涙が止まらなくなって、ラストのセリフで涙腺崩壊。
ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

『漏れて100年』よりも取っつきやすかった/約90分
 ヒロインがなぜ幽霊に付きまとわれ、頭に植物を育てられる羽目になったのか、その理由はさっぱり分かりませんでしたが、数奇な運命に翻弄される地味な一女性のバイオグラフィーとして面白く鑑賞。

 前回の東京公演『漏れて100年』について「取っつきづらい」と書きましたが、本作は転々とするストーリーと小ネタの数々が観る者を飽きさせず、最後まで作品につかまっていられました。

ネタバレBOX

 第六感まで動員し、五感のみでは捉え得ない世界を描いているのは『痒み』や『漏れて100年』と同様。
“頭に生えた桜の木”はこの第六感のメタファーなのかも、とも思いましたが、ヒロインの蔓子は頭に桜を持つ以外はいたって普通で第六感が利くようなタイプには見えず、頭の桜はいったい何なのか、やっぱりいまだに分かりません。
『眠れる森の美女』『会議』

『眠れる森の美女』『会議』

劇団東京乾電池

小劇場B1(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

会議
今夜は『会議』を観てきました。面白かった。人の習性って昔から変わらないのね。別役さんのいつ頃の作品でしょうか、今でも面白い。人が集まれば会議になる!出演者それぞれが自分の周りの人たちとも重なりわかり易く面白く観劇しました。乾電池でしかできない空気感がなんとも不思議で美味しかった。もう一回観たいな~!!

俺達なりの、旅。

俺達なりの、旅。

グラウンド02

OFF OFFシアター(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

いわゆる“旅”、物理的な長距離移動を描いた作品ではありませんでした。/約100分
 キャストの衣装と交わされる会話のギャップに違和感を覚えたが、このギャップに託された意味が分かってからは、むしろこのギャップゆえに惹きつけられた。

 このギャップとは、言うなれば、劇を面白くするための仕掛け。

 ただでさえ切なすぎる青春回顧譚が、この仕掛けによりいっそう胸に沁み入って、危うく落涙しそうになりました。

 徹底した会話劇で派手さには乏しいが、青春時代が遠くなったと感じる皆さんにぜひ観ていただきたい名編。

ネタバレBOX

 高校時代に溜まり場にしていた学校近くの公園に喪服姿の男女5人が集い、最前までその葬儀に出ていた元同級生の女の往時とその後、そして彼ら自身の往時とその後を語り合う。

 先述のギャップを感じたのは、公園に集った5人が学生時代の回想シーンも喪服で演じ、喪服姿での回想シーンで幕が開けたため。

 役年齢に近い四十前後の役者が演じ、回想シーンでも喪服姿を貫く5人に対し、回想シーンにのみ登場する故人のナナミだけは若い役者が演じ、彼女だけが制服姿であることが悲しみを強調し、胸を締めつけられた。
 彼女は若い頃の姿だけを仲間の5人の心に刻み、他の5人のように年老いていくことはもうないのだ。

 ナナミ役を演じた蓮菜貴子さんはとても可愛く、またワケありでどこか影のあるナナミを好演していて、出演シーンは彼女に目が釘づけでした。
ドアを開ければいつも

ドアを開ければいつも

演劇ユニット「みそじん」

atelier.TORIYOU(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/05/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

大好物な公演…次回が待ち遠しい!
料理屋二階の座敷を舞台に、一方(廊下を挟んだ座敷が観客席)から観るようになる。そぅ、父親が娘たちの様子、考え、思っていることを、こっそり覗いている感覚である。
姉妹のキャラクターがしっかり描き込まれ、その立場・生活状況などが相まって...人物が自然と立ち上がってくる見事な演出・演技であった。そして、姉妹だからこそ言い合える本音...。また観たくなるような心温まる、そんな芝居であった。

ネタバレBOX

姉妹のキャラクターは前述したようにしっかり描かれているが、逆に姉妹だから似ているところ、もしくは距離を置いている父親似のところ、亡くなった母親似のところはどこなのだろう。そんな家族を彷彿させるような光る科白があれば...。
舞台は、たぶん中流階級に育った四姉妹が母親の7回忌法要前夜の数時間に交わされた近況を通して、それぞれが持っている思いを吐露する。それはどの家庭にもありそうな等身大の姿であり、身内だから本音も言える。しかし、発者と受者の微妙なズレ...例えば長女が次女の結婚を心配する件は、次女にしてみれば長女がさっさと結婚して家を出たことへの負い目があるからの発言として受け止める。その緊密な会話が四姉妹それぞれの組み合わせで繰り広げられる。何か重大な事件が起きるわけでもなく、一軒、いや一室で坦々と時間が経過する中での濃密な会話劇...本当に芝居の醍醐味を感じさせてくれた。

次回公演も楽しみにしております。
あくた

あくた

戯曲本舗

プロト・シアター(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

詩的な世界…
公演説明に書かれているような、詩的な世界観を感じた。物語ではあるが、抽象的な表現...自分には難解であった。
本公演の内容に興味があったが、アフタートークに篠原久美子 氏(劇団劇作家代表)が来られるとあり、専門家の見方なりを聞いてみたかった。

さて舞台は白い布で周りを囲み、床にも白布を敷いている。無色な世界が段々と変化していく様を見せる、ということらしい。しかし、最後までその白布を取り去ることなく、ほとんど科白で説明したようで、その意味で”詩的“だと思った。

ネタバレBOX

過去を想起するような内容...その時代の友達、出来事について語る科白は韻を踏むような感じである。少女が主人公であるが、大人へ脱皮する過程において、体とその発する言葉のニュアンスが一致しない。その違和感に戸惑い、苛立ちする様子が、舞台を歩き回る姿になっていたのだろうか。いずれにしても脚本はワークショップ等を経てブラッシュアップしたという。それだけ伝えたい内容を描いたということだろう。しかし、それは初めて芝居を観る、またはエンターテインメント作品に親しんだ観客からすると難しいと思う。その芸術性の高みを目指す芝居と大衆的に観せる芝居の狭間を感じざるを得ない。
自分のような地方出身者からしてみると、地方での観劇機会は東京に比較すると少ないため、「感動する」「楽しかった」など直截的で印象に残る公演で、観客の裾野を広げてほしいような...、観客の受け止め方は千差万別であることも間違いない。

次回公演もがんばって下さい。
ベター・ハーフ

ベター・ハーフ

ニッポン放送/サードステージ

サンケイホールブリーゼ(大阪府)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★

2回観て来ました
評価の難しい作品だなと思いました。
設定は結構手垢のついた設定かなと。展開が早くて、キャラクターが記号化されているように感じてしまうところもありました。
わかりやすいストーリーになってしまうのは仕方ないのかな。一回観ただけでは理解できない鴻上さんの芝居がすきなんだけど、そういうのをやっても客がつかないのか、鴻上さんがそういうのを作る気がないのか。
でも面白い芝居とは言えると思います。初めて見る人にもお勧めできるというか。まあ、真野さんにあの台詞を連呼されるのはちょっとヒヤッとしましたが。
風間さんの芝居のうまさと、なんと言っても中村中さんの素晴らしさを知ることができた芝居でした。橘いずみの歌も久々に聴けたし、最後のサントワマミーがすごく良かったです。

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