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ナカゴー特別劇場vol.14『堀船の友人/牛泥棒』

ナカゴー特別劇場vol.14『堀船の友人/牛泥棒』

ナカゴー

ムーブ町屋(4階)ハイビジョンルーム(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★

フェラ・クティに見劣りしないラディカル
開場時間にフェラクティの「ゾンビ」が流れ、転換にも・・。ぶっ飛んでる。ゲロゲロ。‥少し短めの前半、少し長めの後半。辻褄や心理的統合を超越した狂気の前半と、感情表出に一癖二癖の相互作用が異常をもたらす(その中に真情も覗く)後半と。俳優はダブっておらず全身全霊で全力投球。これがナカゴーの真骨頂ということか。
全員がこぞって異常化せず、一人の逸脱・暴走を「受ける側」がしっかり反応し身の置き所を選択してその場に居る様子が見える。破綻していない。だから笑えるのだろう。俳優の「仕事」に敬意を表す。

未来を知る男

未来を知る男

かーんず企画

シアターブラッツ(東京都)

2015/05/02 (土) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★

物足りない感が否めない
【5/5山田花乃出演回】観劇。

タイムトリップ(トラベル)ものを題材にした作品が数多く上演されているが、
観る側としては、作者独自の視点・観点や、意外な展開・結末を期待してしまう。

そういった意味で言うと、本作は物足りない感が否めない。

前作「生まれ変わった男」がインパクトあっていい作品だったので、
余計にそう感じてしまうのかも知れないが・・・。

次回作に期待します。

『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』

『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』

ロズギル上演委員会

OFF OFFシアター(東京都)

2015/05/04 (月) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

トム・ストッパードの代表的戯曲
やっと観れた。しかも上質な舞台で出会えた事は嬉しい。幸運だ。諸々ノーチェックで演出は鵜山氏と後で気づく・・頷ける。演出の趣向の数々。俳優の立ち方の良さ。OFFOFFシアターの小さな空間に、演劇的遊戯の世界が広がった。ほぼ二人芝居。『ゴドー』を思わせる「終わりなき現在」が続くようでいて(またそんな日々こそ似合いの二人だったものが)、運命は二人を無慈悲に飲み込んで行く・・。母体となる『ハムレット』の<本編>で展開する(既知の)場面は、同じ俳優が演じた映像として挿入され、二人にも絡む。生身の二人の間に流れる時間と、『ハムレット』<本編>の時間、両次元のズレが明瞭になる。不条理劇に思えた戯曲がこうなるのか・・感慨。出続けの二人に、拍手鳴り止まず。共感。

ネタバレBOX

戯曲を読んだ時点では『ハムレット』を良く知らなかったので、二人がハムレットに登場する人物なのか、作者の創作なのかも知らなかった。ローゼンクランツ/ギルデンスターンが一連の騒動に巻き込まれ、誰にも(読者にも)顧みられない悲運の死を遂げる人物だと知ってしまえば、いやが上にもドラマ性が増す。戯曲もまず間違いなく、『ハムレット』が周知である前提で書かれている。ハムレットの警護(監視)を命ぜられた二人は途中から己の首を差し出しに赴く事になったと知らず船旅を続ける。この能天気な二人の姿が、<本編>の持つ高揚、緊迫感との対照で印象づけられる。『ハムレット』は必須です。
無常ホテル

無常ホテル

劇26.25団

サラヴァ東京(東京都)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★

客船内のバーラウンジにいるような錯覚にとらわれる
動くホテルとも呼ばれる豪華客船での日本一周クルーズの客・関係者たちが織り成す物語。
冒頭、乗務員に扮した劇団員全員によるタップに始まり生歌なども挟みつつ進行するので会場のツクリや雰囲気も相俟って、自分も客船内のバーラウンジにいるような錯覚にとらわれる。
そうして、序盤にあった思わせぶりな台詞をすっかり忘れた頃に訪れる意外な結末。
ここで「そう言えば最初の方にあった台詞はこのことか!」と思わせるのが上手いんだよなぁ。

TSURA

TSURA

OrganWorks

シアタートラム(東京都)

2015/05/04 (月) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★


先進的な部類の身体表現で、こういう大き目の箱でやってしまうところがすごい。しかも客足好調。うっかりすると眠るかもしれない。仏教でいう有情のような無情のような不思議な感覚だ。

『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』

『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』

ロズギル上演委員会

OFF OFFシアター(東京都)

2015/05/04 (月) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

N次創作
ハムレットに屁理屈と不条理を大量に加えたN次創作。舞台上にいるふたりが2時間、見えない主役に対して端役になりきってるところが面白い。

パーフェクトマーダーケース

パーフェクトマーダーケース

劇団禄盟漢

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2015/05/03 (日) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★★

初挑戦とは思えないクオリティ
“劇団禄盟漢”は、前作「Break a Leg!!」と本作で、二回目の観劇となる。
アクシデントがアクシデントを呼ぶ、
小劇団のバックステージを描いたドタバタコメディであった前作とはうって変わり、
“オムニバス群像ミステリー”と謳われた本作は、劇団初挑戦のジャンルとのこと。

“絡み合う三つのストーリーと大きな一つの物語”がコンセプトの本作。
“大きな一つの物語”における“三つのストーリー”それぞれの引力や、
細かいところで気になる箇所はいくつかあるが、初挑戦とは思えないクオリティの高さに感心した。

ただ、二時間弱の上演時間は長い気がするので、
すこし整理したほうが良いのかもしれない。

次回作は、どんな作品を魅せてくれるのか、とても楽しみである。

ネタバレBOX

主人公の大学生“柳瀬優斗”役を演じた“大山京香”さん。

最初、「えっ!なんで女性が・・・?」と、思ったのだが、
役を見事に演じており、物語の中での存在感がよかった。

この配役も“禄盟漢”ならではなのかもしれない。
第十七回明之會

第十七回明之會

加藤眞悟

国立能楽堂(東京都)

2015/05/05 (火) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★


3時間。解説、独吟「真田」、仕舞「二人静」「山姥」、狂言「成上り」、休憩、仕舞「西行桜」、能「遊行柳」。

『いないかもしれない 静ver.』『いないかもしれない 動ver.』

『いないかもしれない 静ver.』『いないかもしれない 動ver.』

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/05/03 (日) ~ 2015/05/12 (火)公演終了

満足度★★★

静ver
面白い。60分。

ネタバレBOX

佳奈(小瀧万梨子)…いじめられっこだったが母校の美術教師に。美術室に火をつけたことと向き合ってないと女から責められる。
女(堀夏子)…佳奈らの自称同級。実際は同級の妹。美術教師と関係し、女の兄の刺殺事件に発展。自称、過去と決別した。
友子(長野海)…いじめてたが、佳奈にはノリでやった、佳奈のためにやった的な言葉をぶつけた。
吉岡(海老根理)…佳奈が好きで小説のモチーフにしてた。
小田島(重岡漠)…喫茶店経営。吉岡をバイトに雇う。
長谷川(石川彰子)…喫茶店の常連。突如、「春よ、来い」を歌った。

初演作はDVDで動verを鑑賞したのみ。
動(DVD)が各個の内面に照明を当てるような作りだったけど、本作は佳奈と女により焦点を当てたという印象。悪くないけど、心臓鷲づかみな感覚がほしかったかな。友子の「ノリでしょ」のシーンとか、「春よ、来い」をBGMにした女との言い合いシーンは好きだけど。
過去との決別を強調する(結局決別できていないんじゃないかと思う)女が、屋上で待ってる的なとこは、地味に薄気味悪くてよかった。

男といざこざしてる地味な常連がいい存在感。序盤のカラオケはウケた。全体的に笑えるのがいいけど、締めるとこをもっと締めあげてもいいかなと。
『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』

『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』

ロズギル上演委員会

OFF OFFシアター(東京都)

2015/05/04 (月) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

難しいです
内容が難しすぎて、理解出来ませんでした。
なので点数は付けません。

「シンデレラ」

「シンデレラ」

公益財団法人日本舞台芸術振興会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

今まで観た「シンデレラ」の中で一番好きかも
キャラクターの人生を確かに感じさせるようなダンサーの細やかなキャラクター造形の「リアル」さと、「シンデレラ」っていう御伽噺ど真ん中なストーリーが、不思議と気持ちよくハーモニーになってる、この感じ。
プロコフィエフの音楽を誠実に歌い上げるような振り付け(特にアモローソでの見蕩れっぷりはヤバい)も、息苦しさと解放感のコントラストに思わず痺れちゃう美術/照明も、なんつーかストライクど真ん中。

PVで見た時にはてっきり映像でやってるもんだとばっかり思ってた12時の時計のセットが、ちゃんと実物だったのにはビックリ。

東京文化会館のステージのサイズに合わせようとしてたのか、群舞がややパワー抑え気味に感じられはしたものの、主演の二人、継母と姉妹がきっちり魅せつけてくれる気持ちよさは十分。

針が指す空遥まで

針が指す空遥まで

ACTOR’S TRASH ASSH

笹塚ファクトリー(東京都)

2015/05/02 (土) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

とっても楽しかったぁ~~~~(o⌒∇⌒o)。
不器用な男が大好きな娘を助ける為に四苦八苦。
まいさん演じる宮子さんと時間を行ったり来たりのバッタバタ。
最初から二人とも素直になっていたらね・・・。
素直が一番。
でもそれじゃ物語にならないんだけどねwww。

ラストホリデイ2015-終わらない歌-

ラストホリデイ2015-終わらない歌-

アリスインプロジェクト

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

(光組)4公演目
観劇する人の事を考えてくれる舞台
一度観ても楽しめますが、観れば観るほど、楽しめる舞台
日替わりの部分もあり、楽しめます。

生者必滅デジタイズ

生者必滅デジタイズ

空想天象儀

明石スタジオ(東京都)

2015/05/02 (土) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★

ゲームの世界
ゲームをまるでやらない私でも なかなか楽しめました。
殺陣がきれいでしたね。

ナカゴー特別劇場vol.14『堀船の友人/牛泥棒』

ナカゴー特別劇場vol.14『堀船の友人/牛泥棒』

ナカゴー

ムーブ町屋(4階)ハイビジョンルーム(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★

全力で笑いを取りに行くスタイル
たくさん笑える芝居でした。あとパワフル。

ネタバレBOX

最初普通の芝居かなと思ったらいきなり笑撃の展開に。黒子が出てきたのもなんか笑えて楽しかったです。
すべての犬は天国へ行く

すべての犬は天国へ行く

ぬいぐるみハンター

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待を裏切らない
戯曲を2年前くらいに読んで程よく細部を忘れて観たからか、すごく楽しめました。ちゃんと笑えてかつ不条理な世界観が見えたのですごく好きでした。

どらま館フェス スペシャルイベント DRAMA CONFERENCE

どらま館フェス スペシャルイベント DRAMA CONFERENCE

早稲田小劇場どらま館

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

無題1475(15-123)
14:00の回(晴)。

気がついたら完売だったのであきらめようかと思いましたが「ポーラは嘘をついた」を観たくて、早い時間から当日券に並びました。スタッフの方々も早稲田の方のようです(ちょっとお話しした方は教育学部卒でした)、此処はジエン社の公演を観ているので2回目。開場が遅れ13:45事前予約者から先に。

3列目まで平地の狭い座席間隔。14:05前説、開演~14:52、15:10~16:00トーク終了。

鳴海さんはSkypeで参加、SENTIVALでお見かけしていましたが、早稲田卒(7年かけて)とは知りませんでした。

この公演の少し前、眼科画廊で作者本介さんをはじめ5人が演劇論集を刊行するための討論会を観ましたが、うち3名が早稲田卒(カゲヤマ気象台さん萩原雄太さん)でした。また、奥山さんと鈴木さんは「脱衣する蛹(さなぎ)2014/8@大隈講堂」でのトークがありました。

「福井望友という女(仮)」」15分、「打ち合わせと」30分という時間配分。劇団献身は初めてで場内は過激に盛り上がっていた(関係者の方々?)ので久しぶりにかなり引いてしまいました。

学生会館は料金を徴収できず、こちらは可能とのこと。個人的にはどこの会場でもこだわりはないし(あるとすれば座り心地や空調、雨風、真夏や真冬は外で並ぶのが大変だなとか)、早稲田らしい演劇というものがあるのかわかっていないので、まずはいろいろ観てみようと思うのでした。

ホームルームは終わらない

ホームルームは終わらない

すくらんぶるえっぐ(活動終了)

ザ・ポケット(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/04 (月)公演終了

ちょっと高い
4,000円は高いなぁ、というのが正直な感想です。脇くんのネームバリュー代だと思いますが、脚本演出ともに無難すぎて、商業演劇にしても地味な印象。身内客の笑いや音響ミスばかりが印象に残りました。笹木皓太くんはもっと実力を発揮できる舞台で観たいです。

ぷよぷよ オンステージ

ぷよぷよ オンステージ

セガ/ディー・バイ・エル・クリエイション

赤坂ACTシアター(東京都)

2015/05/02 (土) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★

2.5次元
衣装が素敵でした。

ネタバレBOX

ぷよぷよの研鑽に励むアルルたちの日々を描いた話。

サタンを巡ってアルルとルルーがぷよぷよで戦い、破れたルルーがスーツケースをガラガラ引いてうつむきながら森を去ろうとした情景が、レミゼでコゼット役を演じた菊地美香さんだと思うと楽しかったです。

だらしなくしわが寄ったりしない素材の衣装が本当にアニメ風で素晴らしいと思いました。
シュレディンガーの猫たち

シュレディンガーの猫たち

激嬢ユニットバス

サンモールスタジオ(東京都)

2015/04/30 (木) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

無題1474(15-122)
13:30の回(晴、暑)。

13:00受付(指定席)、開場。BGMはThe Eagles。

逆コの字で奥から客席に向かって傾斜、壁にはいろいろな「物」。斜めになった柱が視界を歪め幾何学的。その間にテーブル(燭台)。

「シュレディンガーの猫」は自然科学の本を読んでいると時々出てきます。簡単に言うと「重なり」「パラドックス」「たくさんの可能性」のようです。

有栖川さん「PARADE~終演の詩(2014/5@pit)」「存ぜぬ快楽(2011/3@ザムザ)」、南さんはひょっとして身体の風景(2014/5@d-倉庫)?

13:20/13:31前説(アナウンス)、13:32開演~14:57終演。

発想と構成はとても面白いのですが、突然「密室」に移動したのに普通の感覚で過ごしている...というのが「?」でした。「CUBE」くらいの緊張感があればなぁ~と思いました。

ネタバレBOX

推理小説では「密室もの」になるでしょうし、SFでは「パラレルワールド」と設定自体に新味はありませんが、役者さんの魅力でなかなかのものに仕上がっていたと思います。

ただ、なぜそうなっているのか、仕掛け/黒幕/真犯人、の「解」を示さなければ本当の衝撃は得られないのではないかと思いながらも、結局何もわからない、という終わり方もいいかなと、終わってしばらくしてから思うようになりました。

ただ、いずれにしても凍りつくような恐怖、圧倒的ななにかの力、一切のコミュニケーションを排除したものの存在、それらと無力な人との対比があれば。

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