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BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】

BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】

劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★★

テーマが...
「ペルー日本大使公邸人質事件」を題材にした公演...他の劇団でも上演しているが、政治・経済・民族などといった多角的な視点が必要になる。その要素があまり感じられなかった。武装集団(テロリスト)と人質...どちらを主眼に置いていたのだろうか。
この公演で気になるところが...。

ネタバレBOX

1996年12月17日から1997年4月22日(現地時間)までの127日に及ぶ事件を概観しており、今までの公演に比べ、オリジナリティというか大胆な発想の下にある内容ではなかったこと。

作・演出は森山智仁 氏である。実は、その作家性に魅力を感じていたが、今回は事実取材等を重ねているのであろう。その意味で手堅い...守りの公演というイメージである。自分は、今年この題材を観るのは3公演目である。前方公演墳「もうすぐ、お家に帰ります」(2015年5月」、Trigger Live「祝祭」(2015年7月)である。やはり同じような事実をもとに、またストックホルム症候群をイメージさせる親和性も描く。このチラシのことば...「歪で美しい何かが生まれた。」は物語の進展においては興味を惹くが、逆にその特異性に他の作家同様に目が行ってしまったようだ。
観客の主義、主張を声高に代弁しても面白くない。

描き方が、広く満遍ないペルーの国内事情を説明していることから、その不満が表層的になっており、説得力に欠けた(政治・経済・社会問題が重層・錯綜しているが、芝居としては的を絞るほうが解る)。さらに日本の取材姿勢について、一部マスコミの突出した行動に世界的な批判も出ていたと思うが、今回公演でもそれをイメージさせる場面が多々観られた。

もう一つ、この劇団の魅力はそのアクションにあると思っている。今回も確かにあったが、それはパーティに乱入する時、後日チャビン・デ・ワンタル作戦と呼ばれる制圧時だけである。このラストのセルパ(丹羽隆博さん)落下シーンは見事。しかし、過去には殺陣等、その迫力あるアクションが多く観られたことを思うと、少し残念であった。

以上が自分の感想であるが...。

今回、初めて「バッコスの祭」を観たら、その物語(展開)は丁寧で分かり易いし、登場人物はキャラクターを描きこみ、その親しくなる過程を微笑ましく、それ故に悲しくなる結末に心を打たれるだろう。舞台美術...舞台中央を二階部にし、上手から横向階段で上がる。また上手客席側に横長ソファー。全体的に豪奢な造りがイメージできる。そして舞台技術の音響・照明はいつも効果的で見事。

また、いつも遊び演出があるが、今回はフアナ(金子優子さん 当日パンフに「史実とは異なる架空の人物」との注釈あり)が記念撮影に応じる際に見せるヘン顔、その他にも小ネタはあったかもしれないが。その意味で、劇団カラーを薄めてまで真摯に取り組んだ公演であろう。多くの観客に受け入れられる選択をした好公演である。

次回公演も楽しみにしております
紙の花たち

紙の花たち

スポンジ

「劇」小劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

紙のような裏表が...
表層的に観れば人間...特に女性の外見と内面が描かれていると思うが、それが全てではないことは明らか。紙のように見た目はどちらが表で裏かは判らない。触り感触を確かめるように、人も触れ合い感じあうことが大切なのだろう。
もっとも物語は、そんなキレイごとではなくドロドロした醜悪な面も見せながら、それでも生きていく...そんな逞しい女性像が描かれる。

ネタバレBOX

民宿「ひまわり」が舞台...そのセットは、上手側から入り口、受付カウンター、その前(客席側)にすのことミニテーブル、中央から下手にかけてテーブル席2つ。上手奥が二階へ通じる階段。下手正面にある壁が折りたたみ式になっており、それが開くと二階部屋が現れる。

小豆島という、いわば限定された場所(閉鎖的だと語弊があるが)における開放できない女、解放しすぎた女、解放(く逃避)をする女...その女性の態様が少し怖く描かれる。
実家の民宿を経営する希(後藤いくみサン)、そこへ姉・栞(あんじサン)が突然帰ってくる。同じ頃、アベック客として雪子(志賀聖子サン)が宿泊する。その彼女たちは内面いろいろな悩み、問題を抱えている。平穏な生活を送っていた希を刺激しだし、日々の(もしくは蓄積されていた)憤懣が爆発する。
さて、栞は東京でAV女優(単体)、希は地元で結婚(男は旦那しか知らない)、雪子は男を騙し奪金品のAV(企画)女優という素性である。
栞の素性がわかり、結婚しようとしていた話が流れ...その地域の特性が現れる状況設定に小豆島がある。実に上手いシチュエーションである。

この出会いは、爆発する契機になり、自分自身の本性を知り人生が変わり始めることになった、かもしれない。厭らしいが本音が言える、思いを行動するという性差に関係なく人間が思っている感情が打つかってくるようだ。
当日パンフで中村氏がインド映画 グル・ダット監督の言葉を引用し「いつか自分が狂うんじゃないかという恐怖を持っている。孤独というのは本当に重苦しくのしかかってくるものなんだ。」と書いており、続けて「…小豆島を舞台にした孤独な女性たちの物語です」とある。しかし、それが生きるということであり...というと何故生まれてくるんだという禅問答になる。その孤独であるが、孤独はまだ耐えられる、しかし孤立は耐えられない...とは太平洋ヨット横断した堀江謙一氏の言葉であったような...。

その孤独の脚本作りを続け、次回作を楽しみにしております。
モーリタニアの空

モーリタニアの空

劇団PATHOS PACK (パトス パック)

シアター711(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい公演
人間が生きる...その様を庶民の目線でしっかり描く。そこに現代社会が抱える問題をさり気なくちりばめ...いや核心的に表現した秀作である。
登場する人々の苦悩と喜び、そしてそれを優しく見つめる...その俯瞰した世界観が場面に広がりをもたらす。
タイトルはアフリカ大陸にある国「モーリタニアの空」であるが、物語の”空”は日本、その理由は...

ネタバレBOX

一人の人間ドラマであり、同時に社会ドラマとしても骨太の内容を織り交ぜている。逆に社会性ある内容を個々人の視線で捉えた物語とも言える。どちらにしても拱手傍観でよいのか、という問題提起をしている。
 主人公という人間が、私という三人称の立場に変え、何も持っていない、誰にも知られないことは存在しないに等しい。この俯瞰したような表現と、擬人化したカラスの群れ、それは暗に全体主義に飲み込まれる民主主義の危うさを暗喩しているようだ。飢餓・紛争、それらのヒューマン報道写真家の彼の存在。。。そこに民衆の視点が重なる。しかし、その彼が亡くなり、社会的な意味での危惧と残された彼女の人間的な心情という、表現的には正しくないが、硬軟の両面から捉えた秀作である。

他愛ない日常の暮らし出来事が、女性の凍って閉ざしていく心を優しく氷解させていくような、そんな温かさに救われる。日常の暮らしは生きている証、悲しい出来事は、人との繋がりの中で起こる些細な変化や刺激で忘却させてくれるかもしれない。それは人間が持っている良くも悪くも特徴だろう。それがなければ、悲しみだけが堆積してしまうのだから。

(2015.12.28追記)
2015年12月26日に「禁じられた歌声」が公開された。監督はモーリタニアに生まれ、西アフリカ・マリで育ったアブデラマン・シサコ氏。
町をジハード主義者が占拠し音楽は禁止、サッカーも出来ない。未婚のカップルは投石によって公開処刑される。この映画は2012年にあった投石処刑事件に基づく悲劇を美しい映像で描く。平和で美しい場所で悲劇が起きた。残虐行為を残虐に見せるだけではなく、暴力の異常さを際立たせる。必見

次回公演を楽しみにしております。
笛を吹け吹け 双子のフロイライン

笛を吹け吹け 双子のフロイライン

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

大胆解釈した物語
ハーメルンの笛吹き男...怖い教訓イメージがあるが、この公演では虚実の伝承ゆえに、その不確実を逆手にとって大胆に解釈した物語。
そして演劇企画ハッピー圏外らしい、軽妙だがしっかり物語に引き込む魅力ある演出は見事である。
伝承...その謎を解く展開は、わかり易く本当に楽しめる芝居になっている。

子供のころに聞いた伝承は、教訓または風刺のようであったが、本公演では、政治情勢などが絡む人間ドラマになっている。その意味では寓話というよりは、この公演のような歴史書(編纂)と評するほうが相応しい。この物語の中心となる街の統治を巡る権力闘争(政争)は、そこに住んでいる人々の生活に大きな影響を及ぼした。知られた諺に「木の葉を隠すには森に隠せ」ということを聞くが、その悲しい苦渋の選択とは...。

ネタバレBOX

敗れた前領主の跡継ぎ王子を匿うため、街中の同じ年頃の子供の行方を晦ます。
不安定な政情時、その犠牲になるのは弱き立場の者たち。その行動をするまでの経緯を歴史書編纂という形で描く。その演出は、時計の針を逆回転させるようなシーンを挿入し納得させるような展開である。それがミステリー・サスペンス風で最後まで飽きさせない。
この物語を歴史編纂として紡いでいくが、ありきたりの歴史書の範疇を超える異形なものに仕上げている。双子の王子は生まれて直ぐ里子に出されるが、それを恨むこともしない。なぜそのような運命を辿ることになったのか、物語を遡行することから始まる。そして自分が生を享け、その役割を全うしようとする。そして第三者(観客)がその記録を見守るという形のようである。

伝承を大胆に解釈...あたかも在るような資料を博捜し、登場人物(街人)にインタビューをする。綿密に叙述させ、「在る」ことの謎を解明して行くようであった。物語は自在に時間軸を行き来し、空間を飛翔させ想像させる。この公演の最大の見せ所であった。

次回公演も楽しみにしております。
紙の花たち

紙の花たち

スポンジ

「劇」小劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

無題1589(15-278)
15:00の回(曇)。

14:15受付(整理券あり)...外で待っていると元劇団ピアチェーレ(日本女子大)の俳優さんに会う(いやいや懐かしい!)。14:31開場、階段を上るとハワイアンにセミの声。

民宿ひまわり、玄関、フロント(カウンター)、テーブル(白いクロス)、おみやげ(のしいか...)、カレンダーに時刻表。玄関の外は鬱蒼と茂った緑。下手にTVモニター(白い布がかかっている)、階段。

トランスしそうなS.E、うめき声、読経風、太鼓に鐘。

15:00前説(アナウンス、105分)、15:02開演~16:52終演。

毎日をそれまでの毎日のように過ごすこと、埃まみれになってしまった希望であっても忘れ去ることができないこと、自分を偽ってでも相手には知られたくないこと。どこに向かっても行き止まりのようなお話だったように思います。

TEAM NACS 第15回公演 悪童

TEAM NACS 第15回公演 悪童

CREATIVE OFFICE CUE

EX THEATER ROPPONGI(東京都)

2015/08/26 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

ライブビューイングでTEAM NACS 初観劇
個別出演舞台は観劇しているが、TEAM NACSとしては初めての観劇。
以前、この劇場で他公演の舞台を観劇したことはあるが、舞台観劇にはあまり適していない印象を抱いたが、今回の脚本と演出に惹かれ気になっていた。が、思案しているうちに案の定、発売と同時に即ソールドアウト。縁がなかったと思っていたら、近郊映画館でライブビューイングがあると知り、そちらでなんとかチケット確保。映画館で舞台観劇はゲキシネ以来。
初ナックスの為、役者さん全員の人間関係やカラーはよくわからないが、カテコの話術の巧みさに、その場でアイウエオ作文ができそうな頭の回転の良さを感じた。今回は外部演出の舞台の為、今回の舞台だけでこの劇団?ユニット?の魅力を全て判断するのは難しいが、会場内の熱気から人気居酒屋店というか小洒落たお店みたいな印象を持った。
カテコ内発表によると全国規模の劇場同時公開、約3万人のライブビューイング鑑賞だったらしい。映画館ゆえ、近席で飲食される中、いつもとは違う観劇体制。カメラ何台あったのか不明だが、全体場面で役者演技する中、人物が被っていたり見切れる写し方があったのは残念。来年早々には映像化されるそうなので、その時は修正して放送するのかな。
第一部演劇の部が約110分、第二部カテコの部、約40分?
来年早々WOWOW放送予定。結成20周年イベントも同時発表。

ネタバレBOX

不惑過ぎた中年男子が共通の思い出ある因縁の場所に集まった事から起こる、それぞれの少し難儀な生き様にOVER40の男性たちはかなり胸熱になりそうな、またその年代を過ごした人たちのノスタルジアを覚えるような話だった。男子の一言金鉄の如し。
コモダ?の中の人は、あのままでよかったんだろうか?
イントロダクションがおっさんのほうのマギーらしい演出でした。

当て書きのような配役と別作品で見たような役の印象もあり、また脚本家と演出家ゆえ、キサラギとジョビジョバの舞台を思い出したりもしたが、古沢さんらしい最後の表情場面まで無駄のない展開。
この人たちの演じ方、醸し出す雰囲気は見ていて心地よく気持ちの良い終わり方。エンタメ舞台で楽しめました。
スター誕生

スター誕生

ミュージカル座

シアター1010稽古場1(ミニシアター)(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

昭和に浸る
昭和の某・TV番組をモチーフに、芸能界・歌謡界を昭和なメロディーにのせて、コミカルに描かれていた。やはり、どこか未成熟ながら、それでいて愛着感のある昭和歌謡曲にホッと出来る懐かしさを感じた。とても心地よい時間であった。再演を願う。

音木商店街物語

音木商店街物語

えび

シアター風姿花伝(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★

長過ぎ
要するに人多過ぎ、でもそれだけでもなさそう。

ネタバレBOX

洋菓子屋の娘と和菓子屋の息子が恋仲になったことなどをきっかけに二つの派に分かれて対立する商店街の話。

2時間10分ぐらいでした。登場人数が多く、それぞれにエピソードを盛り込むとどうしても長くなります。冗長でした。

最初のダメよダメダメには呆れ果てました。中途半端に新しいギャグほど古臭いものはありません。痛かったです。あれだけ役者がいて、誰も指摘しないのか、指摘できないのか残念に思いました。不必要な裸ギャグも見苦しいだけでした。
SMOKIN’ LOVERS(20名様限定公演)

SMOKIN’ LOVERS(20名様限定公演)

惑星☆クリプトン

BAR BASE(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

無題1588(15-277)
12:00の回(曇)

11:33受付(手首にチケットを巻く)、開場(1ドリンク)。
壁側に椅子席+ソファ、カウンター席もあり。

SMOKIN’ LOVERS(20名様限定) 煙チーム

12:05開演~13:50終演。

「煙草が苦手な方はご遠慮ください」とあるので喫煙しない身としてどうかなと思ったものの空調が効いていたのでそれほどではありませんでした(座ったのは一番奥)。

入るとカウンター席に紫煙を吐き出している女性がおひとり。
オープニング含め9話で構成された短編集(2人/3人芝居)、オチがなかなか洒落ています。

劇中、岡村孝子「心の草原」を聴くことができる...「夢の樹(1985)」を買ったきりで...有楽町マリオン朝日ホールに行ったことを思い出す...。

カウンター席に座っての演技、時々、マスターがカウンター内にいるものの、背中と横顔と紫煙によるお芝居。

東京虹子、7つの後悔

東京虹子、7つの後悔

キ上の空論

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

虹子を見た
みんないろいろあるよなあ、自分だけが辛いんじゃないよなあ。
私は虹子とは逆で、「言わなければよかったこと」のほうが多い人生だけれど
そういう人生も愛せるようになりたい。

ネタバレBOX

言葉と音にものすごい力を感じました。
床に書かれた文字を使うという演出がとても面白いと思いました。
1994年8月4日、という誕生日の数字が最後に「い・く・よ(1・9・4)」というふうに使われるのに感動。
劇中で出てきた言葉で虹子の人生が振り返られるシーンはそのパワーに圧倒されました。
パントマイムも素晴らしかったです。

後悔も含めて「全部私の」と言い切れる人生はいいものですね。

パイドパイパー と、千年のセピラ

パイドパイパー と、千年のセピラ

劇団ショウダウン

あうるすぽっと(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

『千年のセピラ』観劇
やっぱ立体講釈師

ネタバレBOX

紀元前のローマ時代、色々あって功績を讃えられ、大事な人を守るべくパイドパイパーという永遠の命を与えられた少女の活躍を描いた活劇風講釈一人語り。

下から上へ張り上げる独特の口調で動き回り、元気いっぱいさは伝わってきます。10分間の休憩を入れて1時間40分を一人で演じ切るのは大したものです。

同じ調子で誰が誰だか良く分かりませんでしたが、パイドパイパーに強引に繋げて行ったことだけは理解できました。

一人による芝居も劇団での芝居もそうですが、大声を張り上げるときだけ生かされる役者さんはどうかと思います。ま、宝塚の人も宝塚を辞めれば独特の口調をやめますからそれほど心配することもないのかもしれませんが。
マクベス - Paint it, Black!

マクベス - Paint it, Black!

流山児★事務所

座・高円寺1(東京都)

2015/08/14 (金) ~ 2015/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★

破滅のカタルシス
四角く象られた広間と奥へ続く階段、段上に王の椅子、背後に通路。人が手前脇や奥脇、上段の上下から頻繁に出入りし、歌い、走る。階段の上手側に坂本弘道と諏訪創が控え、生演奏をしている。坂本氏のパフォーマンス色も健在だったが、シンプルなコード進行の短調の曲が多く、もっと猥雑感のある曲も欲しかった。
 正方形の演技エリアの左右にも客席があり、自分は上手側に座ったが、装置、群舞など正面に向けて作られており、初めは若干淋しく感じたが次第に物語に引き込まれ、気にならなくなった。
 マクベスと夫人の両頭が突出し、二人の微妙な関係性から導かれる王殺しと隠蔽工作の顛末が、鮮やかに描き出されている。アジアのどこかを舞台に置き換えたとの事だが、その特色はさほど印象に残らなかった。
 この作品はやはり美味しい。狂気が手を血に染めて行く。宴席、無二の戦友バンクォーの亡霊を見て取り乱す場面などは、小気味良い。
 ダンカン王の子孫の巻き返しが勢いづく中、再び魔女に会って身の保証を取り付けたマクベスは、「森が動いぬ限り大丈夫」「女から産まれた者の手にはかからない」という約束に束の間の安堵を得るが、ついに臣下からの「森が・・!」、そして城門を破った宿敵マクダフの奇異な出自を告げられる、その瞬間のマクベスの身体。ある選択の過ちが自らを破滅へと陥れた悔恨の断末魔は、カタルシスそのもので、この快楽の立役者は間違いなくマクベス役若杉宏二、夫人役伊藤弘子。また改めてシェイクスピアの「創造力」を噛みしめた。
テンポ感のある舞台処理により、美味しいマクベスになった。チラシにあった翻案や演出の斬新さよりは、戯曲の幹をしっかり見せる演出で、実直な舞台作りだったと思う。

南の島に雪が降る

南の島に雪が降る

劇団前進座

三越劇場(東京都)

2015/08/07 (金) ~ 2015/08/17 (月)公演終了

満足度★★★★

思い出し投稿☆本家の「南雪」
原作者加東大介の所属劇団による上演は必見と、観に行った。 (会場は武蔵野市民文化会館で、三越にあらず)
 ベッド&メイキングスの同演目の公演は、「野外劇」の強みで、会場じたいが物語の舞台となったマノクワリの空気を肌身に感じさせ、この違いの大きさをまず実感した。
 戦前から続く老舗劇団の領分は、歌舞伎や新派に近い人情劇かと、よく知らないながら思っていたが、演技のほうは大舞台向けの分かり易いどちらかと言えば大味な表現で、位置的には新劇に近いように思った。前進座に関わりのある俳優の演技を、最近見たときの印象とちょうど重なり、「前進座はあの演技」と、私の中では刻まれてしまった。一本見て決めつけるのも何であるが。
 笑い所を作っていて、私の目にはうまく行ってないのだが、逆に新鮮で興味深かった。手が古いというか・・、いきなりその俳優にスポットが当たって強調され、一呼吸置いて台詞を言う、という演出がそこかしこにある。このお話にはユニークな登場人物とエピソードがあるので「笑い」に事欠かないが、それでも戦中、南島に放置された部隊の悲惨な大状況であるから、涙の場面にも事欠かない。小説の最後は、帰国した後に知った戦友の後日譚を紹介し、俳優である自身の抱負で締められている。舞台はどう締めるか。つぶさに覚えていないが、前進座の先輩が実際に体験したこのお話を、引き継いで行く、そのために劇団があり続ける事への決意、だったかな。加東大介とこの劇団との繋がりへと収斂して行くのは自然な事で、その部分は納得できた、という感想を持ったのは覚えている。
 演芸部のリーダーだった加東役が語り手ではなく、その部下が語りをやり、リーダーの奮闘振りを紹介するという構図も、加東を大先輩と仰ぐ前進座ならではかも知れない。
 難点を敢えて言えば、先述した「間」のあとの台詞、というパターン、そして全体に台詞を丁寧に言うので、テンポが緩くなり、「緩急」がいまいちである。これ以上のテンポにはならないと、観客が悟ってしまうと眠気に繋がる。スポットを当てて笑い所を作るなど、その俳優が重鎮で、気遣いからなのか?と余計な想像が膨らんでしまう。もっとも、劇団が抱える観客のニーズに応えているという事かも知れないが、、出来得るならば、新たな客にも受けやすい演出をぜひ。

果てまでの旅

果てまでの旅

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/09/05 (土) ~ 2015/09/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

木下崇祥さんは今回はお休み/約100分
女子部屋に行きたくてウズウズしているイケてない男子中学生3人組を主役に、修学旅行の一夜が描かれる。
旅先の学生たちがオマヌケな状況に陥る様を好んで描く玉田さんだが、今作も学生生活に見られがちな“滑稽なひと幕”が目白押しで、ケラケラ笑いながら楽しく鑑賞。

そうしたシーンが笑いを生むのは、言うまでもなく、玉田さんの細やかな観察眼が反映されたリアルな人物造形、そして精妙な作劇の賜物。今作ではとりわけ、クラスのイケてるグループとイケてないグループの描き分けにただならぬ冴えを感じた。

そう言えば私の学生時代も、イケてる男子グループには本作同様、垢抜けたキレイめな女子がマスコットガールのようにくっ付いていたなぁ。。
本作を観て、そのことを少し忌々しい気分で思い出した。
ヤツらがうらやましかったよ。。

ネタバレBOX

一番ウケていたのは、イケてない男子2人がいきなり女子部屋に繰り込んでいくシーン。
足並みを揃え低い位置で拍手をしながら元気よく登場するのが舞台に出ていく漫才師さながらで、これには笑った。
“動きが揃うよう女子部屋に向かう前にみっちり稽古したんだろうな”と思ったら可笑しみは倍加。
しかも、女子たちは揉め事の真っ只中で、無断で入ってきた邪魔者2人を刺すような視線でお出迎え。
たじろぐ男子たちを見てさらに笑った。
幼女Xの人生で一番楽しい数時間

幼女Xの人生で一番楽しい数時間

範宙遊泳

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

東京と言葉に直接向き合った切実さ
初演も「幼女Xの人生で一番楽しい数時間」という形で上演されていて(@新宿眼科画廊、2012)、初演を観た私としては「幼女X」は2部構成の1部であって、前半だけだと片落ちな感があります。

「幼女X」だけだと物語や世界感だけを追いがちになるのですが、「楽しい時間」とセットで考えることで、山本卓卓さんが書いてるのは世界感や物語、ましてや映像を使った「メディアミックス」的な「演出」ではなく、「言葉」と「人間関係」のずれ、違和感、ディスコミュニケーション、それでも言葉やコンテクストに依存しなければ人と触れ合う事ができない人間としての根源的な焦燥感のような物な気がしました。
そのため、「楽しい時間」という言葉と時間と関係が繋がらない、しかし伝えようという努力は決して止めることが出来ない、という作品が一緒だと見えやすい、と思いました。
「幼女X」に関してはアジア情勢が一気に変化する中でのアジア滞在制作を経て、東京・日本語に対峙せざるを得ないという切実さを強く感じます。

アジアだけでなく日本国内、地域の中でも震災後物凄いスピードで分断が進行していて、世代間だけでなく所得差や地域差、信条で大きく言葉も分断されて、同世代でさえ言葉が通じない・・と感じることが多くなりました。その哀しさ、しんどさ、絶望感の中で、それでも、コミュニケーションを取ろうとする意志、希望を感じる(信じる)作品だと受け取りました。
言葉を使ってコミュニケーションをとる人間である以上、誰もが無縁ではないはずなのですが、この分断に対して、切実感のある人とない人で受け取り方が分かれるだろう、と感じた作品でした。

パイドパイパー と、千年のセピラ

パイドパイパー と、千年のセピラ

劇団ショウダウン

あうるすぽっと(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1587(15-276) 【千年のセピラ】
19:00の回(曇)。

18:30開場、19:00開演~19:40、休憩、19:57~20:42終演。日程決められずギリギリの予約で座席はI列。

「スピンオフ」ということで「パイドパイパー」に繋がるのですが、途中、(本編を観た人向けに)もっと伏線を張ってもいいのではないかと思いました。

ヒーロー/ヒロイン誕生秘話、たとえば「X-MEN ZERO」「STAR WARS EPISODE III:REVENGE OF THE SITH」「Batman Begins」。

本編「パイドパイパー」が先か本作「千年のセピラ」が先か...

本編を先に観ているので、逆だとどうなるか難しいところですが、最近は、一般的に(映画など)本編先行型ではないかなと思います。

舞台が(横/縦/奥)広いので走りながらや位置を変えてのセリフはやや苦しいかな...と、いろいろ改善点はあると思いながらもこのような表現形式に挑戦すること、それを見届けるのもいいのではないかと思うのでした。

中屋敷南 新作公演 欲望と女の子

中屋敷南 新作公演 欲望と女の子

セッションハウス

神楽坂セッションハウス(東京都)

2015/09/06 (日) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

紙吹雪
60分。リズミカルなダンスから始まる、若々しい女性5人のダンス。女の子を前面に押し出し、その上でダンサー一人の髪をはさみで切ってしまうという一回公演の大胆が記憶に残る。カーテンコールでの大量の紙吹雪は今後何かをしでかしてくれる予感が残った。

紙の花たち

紙の花たち

スポンジ

「劇」小劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

前衛的Stage
「いつか自分が狂うんじゃないかという恐怖を持っている」
インド映画の巨匠であったグル・ダット監督の作品を彷彿させる独特の香り漂うstageであった。
インド映画というと、歌って踊って・・・が特長であるが、この作品については、ストーリーよりもどこかArt(音楽や照明)に注力した印象を受けた。また、終始、脚本家が「孤独」にこだわる理由もラストで理解できた。
小豆島の方言がシリアスなシーンにほどよくマッチして最後まで安心感を持って観劇できた。

ネタバレBOX

シオリ(姉)とノゾミ(妹)の、互いを羨む気持ちが痛いほど理解できる作品。姉妹はもちろん、兄弟、親子、さまざまな肉親関係において、共感できると思われる。さらに、とりわけ趣味をもたない(おんなにダマサレヤスイ)中年男たち。性善説で生きる島の住人。すべてが「孤独」と闘って生きる動物なのだということを改めて知る。
Dance Show Case in DBB vol.7 Creation 2015

Dance Show Case in DBB vol.7 Creation 2015

La Danse Compagnie Kaleidoscope

Dance Brick Box(神奈川県)

2015/09/05 (土) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

A Program
スタジオパフォーマンスながら完成度の高い現代舞踊のショーケース。

パイドパイパー と、千年のセピラ

パイドパイパー と、千年のセピラ

劇団ショウダウン

あうるすぽっと(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1586(15-275) 【パイドパイパー】
11:30の回(曇)。

10:55会場着、受付(全席指定)、11:03開場。横に広い舞台(左右均等)、2階建て。11:27前説(アナウンス)、11:31開演の挨拶、開演~14:00終演。

「マナナン・マクリル(2014/8@風姿花伝/2015/1@BASE)」に続いて3公演目になります。

当パンに載っている「相関図」をみるとたくさんのカタカナ名、役者さん19名。小説でも映画でもカタカナ名を覚えるのが大の苦手で、本作も難易度が高く、また、座席はC列でしたが、時々、セリフが聴き取りにくいシーンがあり、筋を追うのに苦労しました。

騎士というと、ずっと昔「中世騎士物語(ブルフィンチ)」を読もうとして頓挫しました。ちゃんと読んでおけば多少は理解が深まったのでしょう。

本作の剣と魔法(笛)的な世界感はオーソドックな構成。「謎」を維持しながら最後に明かされるという展開は安心してお芝居に身をゆだねることができます。

個人的にはもう少し小さな会場が好みなのですが、2016/1はBASE THEATERとのことでまた観に行きます。

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