
蜃気楼ト走るハイバネトランチ
ハイバネカナタ
新宿眼科画廊(東京都)
2015/07/24 (金) ~ 2015/07/29 (水)公演終了
満足度★★★★
企てに満ちたラフさとふれ幅
入場してからの、どこか気楽な場の空気、
開演してからも暫くはまとまらないシーンが続く。
でも、それがふれ幅となり、観る側をぐぐっと引き込む引力が生まれる。
チープでラフな部分がそのまま物語のインパクトや密度に翻ることに目を瞠りました。

イシフク物語
劇団天八
ブディストホール(東京都)
2015/07/25 (土) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
石材の歴史。
実在する会社の創業の歴史、石を売る業界。個人的には全く知らない世界であったので、知ることが出来たのは収穫であった。福島原発とも関係があるようで、改めて見据えて行かねばならない問題だと再認させられる。
芝居としてはベタな展開にまとめているが、熱さがあって好感が持てる。しかし演出としては気になる仕草や動きなど、不満が残る個所も見受けられた。またブディストホールの暗転そのものに課題も感じる。
終わりのイシフク役員の方々の言葉を聞けたこと、御影石を頂けたことも有難かったです。縁に感謝。

イチエフ・プレイズ
ワンツーワークス
ザ・ポケット(東京都)
2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
ジレンマジレンマ 素晴らしかった
取り調べという設定に舌を巻く。
3つの設定の仕方も秀逸。
東電ではない、政府筋の原子力監視委員。被災地を狙った強盗。風評被害に苦しむ現地の米屋。
米屋だけが当事者で少々性格が違うが…。
勿論、原子力監視の公務員も当事者なのだが、東電のような当事者ではないか…。
震災というより、原発事故によって引き起こされた歪みを描き切った意欲作だ。
台詞の応酬、脚本構成、演出、演技、すべてに高得点!
奇しくも、本日読売演劇大賞の各賞が発表になり、「追憶のアリラン」が高評価を得ていたようだが、本作も堂々と肩を並べる秀作だと思う。
いつも思うことだが、エンターテイメントを謳う作品もあることには文句はつけぬが、マスコミの在り方が心許無い我が国において、このカンパニーの存在は特筆されるべきだし、演劇本来の在り方を貫いている事に拍手と称賛を贈る。

《満員御礼》雑種 晴姿
あやめ十八番
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
初・短編集
熊野さん最高!大塚さんほんとモンスター!すごい!
見た日からしばらく経って、突然、小堀家の入院中のお父さんのことを考えて泣きそうになったりしました。あとからじんわり効いてきます。

アドルフに告ぐ
Studio Life(劇団スタジオライフ)
紀伊國屋ホール(東京都)
2015/07/11 (土) ~ 2015/08/02 (日)公演終了
満足度★★
この劇団でやる意味があったのか?
スタジオライフは、ビデオで真夏の夜の夢を観ただけかな。
ここの特徴は、女優がいない。という事。
だから、女性役も男性が演じます。
しかも、30年も続いた劇団だから、それなりに男性が女性を演じるあたって、それなりのノウハウが有り、完成度が高い物が観れるのかな?
男性が女性をあえて演じる事を生かした、芝居作りをするのかな?
と少し期待してました。
が、それはもろくも崩れましたが。
さて、今回のアドルフに告ぐ。
以前、KAAT劇場でやったバージョンとは違い、ドイツ編、日本編と別れてます。
今回は、その両方を観てきました。
まー、話がわかりにくい。KAAT劇場バージョンは、わかりやすかったなー。

紫陽花の下に死体は眠る
惑星☆クリプトン
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★
面白くなってはいたが…
前回の『シロ』に比べて芝居としては、かなり面白くなっていました。ただ、多くの方がご指摘のように、リアリティのないストーリーにはがっかりしました。講演後、「半券をお持ちの方は、次回は1000円引きで…」とのアナウンスがありましたが、一度結末を知って観るのは無理なほど辻褄の合わないところも多かったと思います。
それでも、演者さんたちの力量なのか演出力が上がってきたのか、強引ながらも描こうとする世界にうまく引き込んでいたようには思います。そこまではできていたからこそ、逆にリアリティのなさが目立ったんでしょうね。
ミム・メモさんの脚本・演出として2本目のこの芝居、前回に比べて大成長と思いますので、今後を期待したいと思います。

LAST SMILE ラストスマイル
ENG
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
心の帆を上げよ!
2時間半という上演時間があっという間に感じるくらい、物語に引き込まれました。コミカルなシーンも随所にちりばめられていること、単なるタイムループではないことなどが理由として考えられますが結局は『楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう』ということなんでしょうね。いま、手元に胡蝶の笛があったら吹いてもう一度頭から観たいくらいですw
ほぼ二役の竹内尚文さん、竹石悟朗さん、木本夕貴さんの切り替えは流石だなと感じました。何度か舞台で観たことがある役者さんがほとんどなので皆さん素晴らしい方々だというのはわかっていましたが、ラストスマイルを観て改めて感服いたしました。初めて観たキャストのなかでは三田真央さんの存在感が圧倒的で、気が付けば九鬼の殺陣に心を奪われていました。
『変えてみたいのは、自分自身と自分の意思』・・・

明日、戦場に行く
非戦を選ぶ演劇人の会
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2015/07/15 (水) ~ 2015/07/16 (木)公演終了
満足度★★★★
考え抜き、語り切る言葉の力。
’03年対イラク戦争を契機に結成された非戦を選ぶ演劇人の会がしぶとく続けている<オリジナル>テキストのリーディング。昨年に続いて観劇した。夏には「平和」をテーマにした公演やリーディング企画が多くみられるが、それらと一線を画するのは毎年新作が出されている点だ。その時どきの喫緊の問題を取り上げた脚本が提供されてきたという事だろう。
俳優の力量の総和、台本こそ持っていてもアクティブで、本を持つ手がもどかしいというように、感情優位に演じていた。笑い所もあってよく出来た本だった。

ヒッキー・カンクーントルネード
ハイバイ
AI・HALL(兵庫県)
2015/07/19 (日) ~ 2015/07/20 (月)公演終了
満足度★★★
引きこもりの方…について強く感じた公演
引きこもりの方って…、その家族って…、その方々を支えようとする人って…。
人と人との出会いって…、いろんな偶然…。
奥さんと二人で観劇♪
引きこもりの方に限らず、身の回りにいらっしゃる…、鬱になってしまう方、病んでしまう方、現代社会は、様々な問題を抱えていることを改めて認識。
奥さんと共に、いろいろ考えさせられる公演でした!

ハンサム落語 第六幕
CLIE
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/06 (月)公演終了
満足度★★★
少し勿体なかったです
少し前に観劇したのですが、掛け合いという形式はとても斬新ですし、上手い役者さん達はきちんといるのですが、その演出が下世話な感じがして、面白い筈の所で笑えませんでした。役者さん達が頑張っている方が多いだけに、とても勿体ない印象を受けました。

LAST SMILE ラストスマイル
ENG
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
繰り返される物語を繰り返すこと。
DMF/ENG提携公演「LAST SMILE」宙チーム千秋楽観劇。
2時間半のストーリーを、2時間半と感じさせない流れ、いや、うねりの作り方は流石でした。宮城さんのお話を見るのは久しぶりだったんだけど、最後まで見て、ああDMFってこういう優しさを打ち出す団体だったな、と懐かしさを覚えました。DMF/ENG提携公演という形で、宮城さんと組んでくれたノブさん(佐藤プロデューサー)には、感謝しかない。宮城さんもノブさんも役者として出ていたという初演ラススマも見てみたかったな。
明日の1公演だけで終わっちゃうので、ちょっとネタバレっぽいものも混ざりながら感想をば。
タイムリープ(時間超越)系のファンタジーなので、何度か同じ場面が出てくるのだけど、その度に変わっていく結果に、ドキドキしてた。現代ともリンクしてるのがいいね。リンクしてる3人の両役の切り替えが素晴らしい。ごろーさん(ボク団の竹石さん)の平井の時の身のこなしと、銀次のときの動きがしっかり違ってて、さすがですよ。ナオミさん(社中の竹内さん)のモンロン/西船橋が劇中で成長していく姿が象徴的。
(あと、ライト層の鉄子としても、西船橋のセリフとか楽しかった!総武線乗ったら思い出しそう。)
何度も見ている役者さんが多かったので安心して見れたけど、逆に知っているが故に視線の移動が忙しくて、殺陣のシーンはどこに集中していいのやら。嬉しい悲鳴。OPのダンスは群舞+ソロみたいな感じだったから、まだ集中できたかな。
初めて見た方で印象に残ったのは三田さんのユウカ。長身の女性が殺陣アクションで活躍するのは、見ていて爽快ですね。役柄的にもとても人情に厚いし、周囲から支持される理由も、凛とした姿で伝わってくる。
初めてでは無いはずなんだけど、斎藤未来さんの司は芯がしっかりした愛を持ってていいですね。役柄としてのポジションも重要度高いから、難しいと思う。宙チームでも泣いたのに、これを空チームだと大友ちゃんがやるわけですよ。確定で泣きますね。明日楽しみ!大神さんの悪の頭領・村上は、口より手が早いあたりも含めて、納得ですね(笑)。
ダブルキャストの話をするなら、宙チームで久保さんだった すみ が、空チームだとモッキーなんですよね。確定で堕ちますよね。明日やべー。
かどしょーくん(義助/門野翔くん)の役がかっこよかったな。殺陣もダンスもかっこいいのに、最強の義兵なんだよ。だけど、愛にも生きてる。そのギャップというか変化というか、それがかどしょーくんのやる役として新しい。個人的には、シャオロウとの馴れ初めがもっとちゃんと知りたいよ!パンフを先に購入して読んでいたから関係性は分かっていたけど、知らなかったら関係性に気づくまで時間かかった気がする。超個人的感想だけど、何度目かの終わりで義助がシャオロウと一緒に…ってのがあって、とても好きだった。
シャオロウ中野さんは、動きがどれを取っても綺麗。演技も殺陣もダンスも。そしてボディラインの細さに目眩がする…同じ生物だと思えない…。それを言い始めたら、ヒロインのミンシャー役のさゆりん(宮島さん)は、非の打ち所がないスタイルなのですよ。でも、それに頼らないで、演技で勝負してくる役者さんなので、ノブさんがアプローチしたのも納得だし、ENG公演に出てくれて嬉しい。
ラン役の塩崎さんは、もう身体能力どうなってるの!素手殺陣なんですよね。それがランとしての優しさなのだろうな。身体能力どうなってるの!part2はメイズン石部さんですけどね。二人とも、実年齢の体の動きじゃないよ、ほんと。だからノブさんもアクションやろう?(飛び火)
身体能力どうなってるの!part3は、ウッチー!ジャン役の内田くん。どんな戦場にも真っ先に突っ込んでいく斬り込み隊長として立派なんだけど。動けるデブ、なのですよ。殺陣もダンスも軽快なんですよ。なんで?って毎回思う。今回のメイクの、そばかすが可愛い。癒される。
なんだか重要な役柄の人ほど感想が短いな(笑)。いや、あれこれ語り始めると止まらないから、これだけなんだけど。
明日の空チーム見たら、また違うことに気づいたり、知ったりするんだろうな。楽しみ。
ラストあたりのシーンで、登場人物みんなが想い人と並んでる、的な構図の時、福地さんとまぐさんだったんだよね。役柄的に!?!?ってなったよ。私だけ?

マドモアゼルはプリンス ムッシュはプリンセス ~桜木邸連続殺人事件~/ダンパチ13・銀
ショーGEKI
「劇」小劇場(東京都)
2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったです!
M【A】を観劇しました。ミステリーとコメディが見事に混ざり合う娯楽作品として、大いに楽しめました。スクリーンやナレーションを用いたOPが観客の興味を煽り、随所随所のメタ発言はこちらが驚く位シュールですが、それをあえてやってのけるのに、この劇団や作品自体の強さを感じました。

小劇場!中高生!大往生!3
花まる学習会王子小劇場
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/07/24 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
今年は男性参加者がただ1人!/約140分
稽古期間3日、公演期間3日。中高生らが顔合わせから5日後に楽日を迎える短期集中ワークショップ、その発表公演の千穐楽を鑑賞。
講師の山崎彬さんにより、場数を踏んでも演技の鮮度が落ちない工夫がなされているので、今年も中高生たちのフレッシュな演技が楽しめました。
ただ、去年は2~3人いたはずの男子生徒が今年はなんと1人!
その1人というのが好男子で、彼と2人きりのシーンを演じた女子たちの高揚感が客席にまで伝わってきて、なぜだかこちらまでドキドキ。。。
それはギャラリーとしてシーンを見ていた非番の女子たちも同じだったようで、胸のざわつきを抑えきれずにワーワーキャーキャー、かまびすしい事この上なかったです(笑)。

彼らの敵
ミナモザ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/07/25 (土) ~ 2015/08/04 (火)公演終了
満足度★★★★
良作/約120分
あるカメラマンのジレンマを描いて秀逸。
見込んだ通り硬派な作品だが、砕けたシーンも挟んであり、硬軟が行き来する作風は主人公の揺れる心の反映にもなっていて、とても巧まれた一作でした。
カメラマン役の俳優の演技も見事で、劇の展開次第で軽重を演じ分けるあの名演抜きに本作は成り立ちえないと思った。

The Game Of Life
劇団龍門
シアターシャイン(東京都)
2015/07/24 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白かったです
宮本さんが 脚本、演出だったのできっと面白いと信じて疑わなかったとおり面白かったです(〃艸〃) 人生のさいは自分で振れるけど
でた目の結果は受け入れなくてはならずリセットはできない。でも
羨んだり、へこんだり、思いやったり 主人公たかしの 夢を実現する為の生き方をはじめは理解できなかったけど、ラストのほうでさらりとその理由が伝えられたとき とても衝撃をうけました。ラストは幸せを予感するすてきなエンディングで心があたたかくなりました。とても面白かったし、感じることの多いすてきなお話でした。キャストさんも個性的でとても面白かったです。鈴木さんの演じる「たかし」がとても好きになった舞台でした。

「アル・タルフ」- 獅子の一瞥 -
劇団ギルド
ART THEATER 上野小劇場(東京都)
2015/07/25 (土) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
なんとなく抽象的
主宰の前説によると、やってる側もタイトルの意味を具体的にイメージすることが出来なかったらしいが、客席側から見てもどこか抽象的。それでいて、複雑な人間関係はわかりやすく描くことが出来ていたりと、不思議な魅力のある作品でした。

イチエフ・プレイズ
ワンツーワークス
ザ・ポケット(東京都)
2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
恐怖が始まる…観応えがあった
本当に怖く、壊れていく様が観てとれる。この芝居が素晴らしいと思ったところは、当事者間の問題として描き、他者(他の地域等)と比較するような安易な観せ方にしないところ。
リアリティある設定、本音のセリフ内容、その自然体の中から浮き彫りになる恐怖。その目に見えない”敵”は、現在だけでなく将来をも蝕む(汚染)。一方、今を生きる人々の日常生活は待ったなしに迫る。未来を考えて現在を犠牲にするのかという叫びも聞こえそう。
原発...都市的な消費経済を優先する現代社会の落とし子。将来のリスクを地方都市に押し付けるという構図が観える。本公演は都邑対立ではなく、地元の人々の生活の中で問題提起するという、コンパクトにして壮大な人類の未来への考察した秀作だと思う。

水槽【ご来場誠にありがとうございました。次回は12月】
シアターノーチラス
新宿眼科画廊(東京都)
2015/07/24 (金) ~ 2015/07/29 (水)公演終了
満足度★★★★
濃密な会話劇
家庭という小世界の中での不安や疑念を巻き込んで展開する...そう水槽の中で蠢く人間模様が濃密に描かれる。ミステリー要素を含んだ極上の会話劇…自己または他者による評価を更に客観的に捉えた多面・多重構成のような芝居は、観応えがあった。粟立つような感覚は、本当に素晴らしかった。
また会話は、全員とが組み合わさる、いわばリーグ戦のようでそれぞれの関係性が明確になるような工夫がされており、見事な演出であった。

LAST SMILE ラストスマイル
ENG
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
エンターテーメント!
物語もさることながらキャストの方々が凄いです。
劇団の主宰をされている方々が多数いるからか、舞台の隅々まで無理なく創りこまれています。
だから肩の力を抜いて楽しめる。
エンターテーメントとはこのこと!
いよいよ明日が千穐楽!
いかん、好きな役者さんがまた増えてしまうww。

LAST SMILE ラストスマイル
ENG
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/27 (月)公演終了