満足度★★★★★
恐怖が始まる…観応えがあった
本当に怖く、壊れていく様が観てとれる。この芝居が素晴らしいと思ったところは、当事者間の問題として描き、他者(他の地域等)と比較するような安易な観せ方にしないところ。
リアリティある設定、本音のセリフ内容、その自然体の中から浮き彫りになる恐怖。その目に見えない”敵”は、現在だけでなく将来をも蝕む(汚染)。一方、今を生きる人々の日常生活は待ったなしに迫る。未来を考えて現在を犠牲にするのかという叫びも聞こえそう。
原発...都市的な消費経済を優先する現代社会の落とし子。将来のリスクを地方都市に押し付けるという構図が観える。本公演は都邑対立ではなく、地元の人々の生活の中で問題提起するという、コンパクトにして壮大な人類の未来への考察した秀作だと思う。