最新の観てきた!クチコミ一覧

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東京虹子、7つの後悔

東京虹子、7つの後悔

キ上の空論

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

演出がすごい!!
会場に入ったと同時にちょっと変わった対面式の観客席。
そして地面には意味のある文字たちが・・・
場面転換で演者の方々が完全にははけない演出、座る椅子の気持ちのいいぐらいの運びと配置、驚きました。
人の人生には後悔がつきもの。私も後悔のないように生きねば・・・と思った演目でした。

東京虹子、7つの後悔

東京虹子、7つの後悔

キ上の空論

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

良かったです
前日にも見たのですが座席設定もあり、内容もですが観る席により色々と感じられる部分違うので2回以上観るのをオススメします。

言葉とは?伝えるとは?出会いとは?大事だな、素敵だな。って改めて思わせてもらえます。
あとはステージにも注目です。

果てまでの旅

果てまでの旅

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/09/05 (土) ~ 2015/09/14 (月)公演終了

満足度★★★

もう少し“ドラマ”が欲しい
リアルな人物像、対話等の描き方が素晴らしい。

少年時代を想い出しながら観ました。

少年少女たち、当時は真剣だったんでしょうが、

真剣になればなるほど、可笑しく見えるんでしょうね~。

ネタバレBOX

リアリティを追求したためなのか、
ストーリーに意外性が無いのがちょっと不満。

私の好みからいえば、物語にもう少し“ドラマ”が欲しい。

因みに、私も中学修学旅行のときに、仲間と同じことを試みたが、
女子部屋同室女子の反対多数により、実現はしなかった(笑)。

懐かしい。。。



ミズトイノリ - water angel

ミズトイノリ - water angel

KARAS

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2015/09/05 (土) ~ 2015/09/10 (木)公演終了

満足度★★★★★

無題1590(15-279)
19:30の回(曇~雨)。

18:45会場着、19:00整理番号順に開場。19:33前説(アナウンス)、19:36開演~20:36終演。

いつものようにぼんやりと手前だけが見えるときには何か仕掛けがあるものですが、ここKAATでもありました。

カンタン・ロジェさん、鰐川枝里さんを加えた4人のダンスは、静止から高速まで一気に加速、舞台両サイドからは電子的ノイズ、さらにはクラシックから大音量のノイズに至る音の圧力、水の流れが聴こえ、幾何学模様の照明は空間を閉じ込めているようでした。

これだけ速いと浮力が生まれるのではないかと思ってしまいます…

予定にはなかったのですがもう一回...

あんなに愛しあったのに~津南町大倉雪覆工篇

あんなに愛しあったのに~津南町大倉雪覆工篇

指輪ホテル(YUBIWA Hotel)

大倉スノーシェッド(新潟県)

2015/09/05 (土) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★

行ったけど・・
当日券が手に入らなくって見れなかった(苦笑

でも、狭い町なんで見てきた人から感想を聞くことができた。

まず、金曜日の試演会を見てきた人から。
「6時に始まって8時くらいに終わった。長かった。子どもたちからも長い長いという声が上がっていたなぁ・・」

ただしスノードームを歩いていくのでそれぞれの見る時間は違うと思う、というただしがついて。

そりゃそうだよなぁ・・会場から歩いて15分のバス停の終バスが7時40分(ただし走るのは信濃川の東岸で、西岸へのアクセスは悪い)。終電も過ぎていて辺りは真っ暗。こんな時間に歩いていたら車に乗ったお年寄りがびっくりする時間。

そういうことも考えると、上演時間70分くらいが適当のような気がするが・・・

幸い、チケットは手に入らなかったものの受付の外から上演の様子を少し見ることができた。

出だしは10分ほど。

出演者が信濃川のそばで生まれたことを少し話していた。

それで10分ほど。まだ物語は始まっていない。

そこから歩き出す。100mほど行ったんだろうか。王様が出てきたところから物語が始まったようだ。

そこから先はちょっと聞こえなくなっていた。・・ざっと20分くらい?

トンネルの長さが1kmほどだから、これを7~80分にまとめると10分100mちょい。前々日2倍の尺だったものを歩きながらまとめるのはちょいきつくないかな・・?

翌日、別の観てきた人の感想が聞けた。

「・・登場人物が多すぎて良くわからなかった」

そりゃそうかもなぁ。

普段、演劇的読解力に長けた首都圏にいると感覚がマヒしてしまいがちだけど、演劇にそれほど触れたことない人たちが、パイロット版で二倍の尺だったものを濃縮して、それをさらに歩きながら鑑賞するのはちょっとキツイかもしれない。

自分が実際に鑑賞したら、それとはまったく別の感想を持ったかもしれないけれど(苦笑

でも、正直これほど率直な感想が聞けると思わなかったんで。

実際のところ、こういうの「見てきた」に書くのどうかなぁ・・という気もしたんだけれども、10~20分とはいえ見聞きしたのは確かだし、自分もセロ二アス・モンクの演奏を換気扇ごしに聞いたケルアックの感想の方がしっかりしたシートで聞いたであろう批評家の意見よりずっと印象に残っているっていうのと、自分自身しっかり演劇を見て感想を書くのも、他の人の感想を読むのにも若干飽きてきた(ツイッターの方が気楽だし)というのと、帰りの電車の中で頭の中でちょっと整理してみたら割と推理小説っぽくてちょっと時間つぶしに読むには良いんじゃないかという気もして書いてみました。

せっかく津南まで行って宿泊したんだしね。

ちなみに☆2つは20分ほど見聞きしたんで☆2つで特に深い意味はありません(苦笑

くろねこちゃんとベージュねこちゃん

くろねこちゃんとベージュねこちゃん

DULL-COLORED POP

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2015/09/01 (火) ~ 2015/09/02 (水)公演終了

満足度★★★★★

母親・奥さんと重ねつつ…、普通の家族なのに毒気が…
夫に先立たれた母親。

その寂しさを紛らわせるため、居ない筈の2匹の野良猫と会話し、(楽しい筈の)思い出を振り返るが…、その寂しさ、私の母と重なります。

そして思い出の中では、自分が正しいとしか思わず、自分の考えを押しつけ、他の家族と溝を深める母親の姿…、少し私の奥さんと重なります。

孤独と猜疑心が支配する中、生前、父親が残した遺言書を読み上げ、ハッピーエンドなのか…、と思いきや!
ラストは毒気たっぷりでした!

役者さんの熱演、毒気たっぷりの脚本、素晴らしかったです!

ネタバレBOX

孤独と猜疑心が支配する中、生前、父親が残した遺言書を読み上げ、(こんな母親が)ハッピーエンドなのか…、と思いきや!

ラスト、猫を被っていた兄嫁が本性を現しつつ、遺言書は兄がねつ造したことが明かされる。

詳細は明かされなかったが、本当の遺言書には、父親の恨み辛みを含め、母親へのしっぺ返しが記載されていたのでは…(もっと言えば、父親は本当は事故死ではなく、自殺なのでは…?)。
そして、生前の約束通り、息子(兄)への相続分を否定する遺言書なのでは…。

それ(兄が相続できない事)を由としない兄と兄嫁は、母を悲しませないという事を建前に…。

父親の死を賭けた遺言書を無かったことにする兄、裏でねつ造を操る兄嫁、それを批判しながら兄・兄嫁に従う妹、ねつ造された遺言書で幸せな母親…。

観劇後、死を賭けた父親のダイニングメッセージが無かったことになり、父親に対する切なさ!
こんな母親が幸せになって良いのか…、と思いつつ、いずれ訪れるであろう破綻の予感!

結局、妹が一番まともだったのでは…。

追伸、終演後、急いで劇場を後にしたのですが、1000円で本物の遺言書が販売されていたそうで…。
劇中から推測できますが、むっちゃ酷い内容のような気がします。
誰が悪いのでもなく、家族って、と自分の家族のことを振り返えらずにはいられないお芝居でした!
湿原ラジオ

湿原ラジオ

スクエア

近鉄アート館(大阪府)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

😃⤴⤴最高❗
めっちゃおもしろかった~🎶ストーリーが良く出来てるのはモチロン、登場人物達が皆個性的で大好きになりました❗特に田野田先生のキャラにハマりまくって、ずっと笑いっぱなしでした(^o^)vスクエアはずっと観たくて、今回初めての観劇になりましたが、次も絶対行きたい❗と思わす劇団でした✴素敵なお芝居有難うございましたm(__)m

東京虹子、7つの後悔

東京虹子、7つの後悔

キ上の空論

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

対面形式
軽妙でポップな言葉が連なるセリフ回し。虹子の切り取られた場面が巧みに交差するステージ。繊細な水彩画のパレットのように時と場所が移り変わる演出は秀逸。しかしながら、ちょっと気を抜くと置いて行かれ、焦燥感に駆られる。演技のちから、言葉のちからを強く感じる舞台だからこそ、様々な観客を置いていかない工夫もほしかった。

ネタバレBOX

対面形式の客席と、役者さんがはけずにステージ脇に待機することで
今演じている役者さんの表情を見られない部分があり
ちょっと残念。
龍 -RYU-

龍 -RYU-

劇団ZAPPA

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

まさか・・・
泣かされるとは思っていませんでしたが、堪えきれませんでした。殺陣はキレのあるしっかりしたもので美しかった!抑え気味なのがいい。何しろ演者皆さんのことが好きになったことが今作品の素晴らしさの証です。こういう正調で見応えのある時代劇団に出会えて幸せな気分です。スタッフの皆さんの丁寧な対応も有り難く、入ってから出るまで文句無しの時間でした。

今日はこのくらい

今日はこのくらい

Outside

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

今日はこのくらいって
続きは、あえての各々の感性に任せる感じなのかな?私が察することができなかったのがわるいのかなぁ。全体的に面白かったしダンスも見応えがあったけど、でっ?て感じだったかなぁ。

東京虹子、7つの後悔

東京虹子、7つの後悔

キ上の空論

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

たった一言、言う事ができたなら、
違った「未来」があったのかもしれない.。でも言わなかったから今があるのかも。そんなことを考えながら、とても惹きつけられるお芝居でした。次回にも期待します。

「巡光ーめぐるひかりー」

「巡光ーめぐるひかりー」

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2015/08/28 (金) ~ 2015/09/09 (水)公演終了

満足度★★★★★

再び、沁み。
ひとのダメなとこと それを包みこむあたたかさに 結局泣けてしまう。

押し寄せるものは リピートしてもまた新たに満ちてくる満ちてくる。

ネタバレBOX

「しのちゃん」の独白が やっぱり一番の山場かなあ。

舞台に出てこない「お姉ちゃん」のかなしさもすごく感じた。リピートして思ったこと。
平成舞姫

平成舞姫

第27班

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/08/29 (土) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

禁断症状
終演前日なんかに行っちゃって『面白かったのに明日は行けないなぁ、仕事もあるし~』なんて思っていましたが、夜夢枕に首輪をつけた私を罵るメグの姿が。


『だいたい仕事って言っても要領が悪くダラダラやってるから終わんないのよ!』


はい、要領よく仕事を詰めて翌日D公演行ってまいりました。

ホント演出に関心です。よくもあの簡素なセットでシェアハウスや公園の情景を浮かばせられるものです。凄い!

勿論女優さん好きな私的にも4人も個性的な可愛い女優さんが観られて大満足です。

罵り系七瀬さんは相変わらず素敵です。

パイドパイパー と、千年のセピラ

パイドパイパー と、千年のセピラ

劇団ショウダウン

あうるすぽっと(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

笛吹き祭りの終わり
マナナン上演中に、まだジャガーノートという仮題のチラシを手にした時から、この瞬間を楽しみにしていましたが、自分の望んだ大満足の演目とはなりませんでした。自分がセリフを聞き逃したのか、理解が足りないのか、多数のキーワードが、絵柄のないパズルを作っているかのように、ピースがピッタリはまることはなく、それぞれのキャラの行動の動機の説明が弱く、人間性の不在を感じました。誰もが知るあのSF映画だって、光る剣で戦うばかりではなく人間ドラマが根底にあります。決しておろそかにはできない要素です。パイドパイパーの世界観の壮大さのために、前作のベラミー少年の喪失体験の苦痛が、物語の原動力となっていたマナナンのような繊細さが犠牲になっていたように思います。それでも、パイドパイパー2回、セピラ2回と、この3日間は大いにショウダウンを満喫した幸せな時間でした。

ネタバレBOX

千年のセピラからの流れでいけば、名無しのパイドパイパーはミリアムに出会う前から不死の存在。不死ゆえにミリアムの守護者となったので、ミリアムから不死の恩恵は受けていないはず。ミリアムの不死の解放がパイドパイパーにも適応されたのはなぜなの? それに多数のパイドパイパーの存在。彼らは不死は与えられていないみたいだし、夜の女王の気まぐれ? そもそもミリアムの不死の恩恵はどうなると得られるのか。マルヴォは除外されてたし、ミリアムがヒースを選んだわけではないし。。。う〜ん。ヒースが家族を意識することも唐突過ぎるような、もう少しヒースと笛吹きの関係性が欲しいところ。ヒースが突然、笛吹きの名前を呼んでしまうとか、「装甲騎兵ボトムズ」のキリコとフィアナのよう関わりがあっても良かったのかも。名前を与えらてこそ存在意義を得て、生を全うできる気がします。一緒に生活していても「笛吹き」と呼ぶの? シクシク。それはあまりに笛吹きが可哀想。何気にアーシェが重要な役割を担うので、そこも何か個人エピソードが欲しかったところ。これって揚げ足取り? いえいえ、あくまでも個人的な希望と意見と素朴な疑問です。
BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】

BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】

劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★

社会派
この劇団はこういうのもやるのかと楽しみに見てみたが、どうしてどうしてしっかりっと骨が通っていた。革命側と捕虜側との関係も次第に繋がってくる。
しっかりとしたプロットで展開していく流れは良かったと思う。

紙の花たち

紙の花たち

スポンジ

「劇」小劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

ありそうな現実
そんな世界がそこらへんに転がっている。派手さはないが、じわじわと迫ってくる。愉快ではないが不愉快ではない。記憶に残る作品であった。

今日はこのくらい

今日はこのくらい

Outside

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

地元愛
どこかの地域にありそうな話。日常の延長線上にある物語で、その意味で親しみが持てるが、一方芝居として観ると盛り上がりに少し欠けたと思う。話の展開もわかり易く、登場人物の性格もしっかり描いている。しかし、坦々としたテンポが...。

ネタバレBOX

街興しのプロジェクト...本公演ではサッカーチームとの提携か。シャッター商店街という言葉が出てから久しいが、大都会は別にして地方都市の商店街ではそのような光景を目にする。
そこの住民にすれば街の活性化は重要であり、その有効な手段としてスポーツ・クラブなどとの提携は重要であろう。その事業に関わる人々の取り組み...その描きがアッサリとしていて残念に思った。

今日的な課題であり、関心が高いテーマであると思われるだけに、”今日はこのくらい”にしてほしくなかった。もっと提携か招致か、自分の中では判然としないが、どちらにしてもそれまでの過程(軋轢、障害があれば、なお面白い)をドキュメント風に描いていれば、もっと興味を惹いた。テーマの描き出しが中途半端であり、観せる演出としてもあまりインパクトが感じられなかった。それだけに勿体無い公演であった。

次回公演を楽しみにしております。
今日はこのくらい

今日はこのくらい

Outside

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2015/09/03 (木) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

皆さまざま
同じ場所にいる人、同じ仕事に関わっている人でも、みんな違う思いや違う生活があるんだなぁと再認識しました。みな違うという、その当り前な感じがリアルで良かったです。役者さん達の演技も良く、特に市役所の若い職員を演じた役者さんが印象的でした。真面目で人が良く、それ故に人一倍に熱い姿を自然に演じていました。皆さまざまだけど、地元への愛を感じるような、心温まる舞台でした。

BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】

BIRTH ~ペルー日本大使公邸人質事件~【アンケート即日公開】

劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/07 (月)公演終了

満足度★★★★

テーマが...
「ペルー日本大使公邸人質事件」を題材にした公演...他の劇団でも上演しているが、政治・経済・民族などといった多角的な視点が必要になる。その要素があまり感じられなかった。武装集団(テロリスト)と人質...どちらを主眼に置いていたのだろうか。
この公演で気になるところが...。

ネタバレBOX

1996年12月17日から1997年4月22日(現地時間)までの127日に及ぶ事件を概観しており、今までの公演に比べ、オリジナリティというか大胆な発想の下にある内容ではなかったこと。

作・演出は森山智仁 氏である。実は、その作家性に魅力を感じていたが、今回は事実取材等を重ねているのであろう。その意味で手堅い...守りの公演というイメージである。自分は、今年この題材を観るのは3公演目である。前方公演墳「もうすぐ、お家に帰ります」(2015年5月」、Trigger Live「祝祭」(2015年7月)である。やはり同じような事実をもとに、またストックホルム症候群をイメージさせる親和性も描く。このチラシのことば...「歪で美しい何かが生まれた。」は物語の進展においては興味を惹くが、逆にその特異性に他の作家同様に目が行ってしまったようだ。
観客の主義、主張を声高に代弁しても面白くない。

描き方が、広く満遍ないペルーの国内事情を説明していることから、その不満が表層的になっており、説得力に欠けた(政治・経済・社会問題が重層・錯綜しているが、芝居としては的を絞るほうが解る)。さらに日本の取材姿勢について、一部マスコミの突出した行動に世界的な批判も出ていたと思うが、今回公演でもそれをイメージさせる場面が多々観られた。

もう一つ、この劇団の魅力はそのアクションにあると思っている。今回も確かにあったが、それはパーティに乱入する時、後日チャビン・デ・ワンタル作戦と呼ばれる制圧時だけである。このラストのセルパ(丹羽隆博さん)落下シーンは見事。しかし、過去には殺陣等、その迫力あるアクションが多く観られたことを思うと、少し残念であった。

以上が自分の感想であるが...。

今回、初めて「バッコスの祭」を観たら、その物語(展開)は丁寧で分かり易いし、登場人物はキャラクターを描きこみ、その親しくなる過程を微笑ましく、それ故に悲しくなる結末に心を打たれるだろう。舞台美術...舞台中央を二階部にし、上手から横向階段で上がる。また上手客席側に横長ソファー。全体的に豪奢な造りがイメージできる。そして舞台技術の音響・照明はいつも効果的で見事。

また、いつも遊び演出があるが、今回はフアナ(金子優子さん 当日パンフに「史実とは異なる架空の人物」との注釈あり)が記念撮影に応じる際に見せるヘン顔、その他にも小ネタはあったかもしれないが。その意味で、劇団カラーを薄めてまで真摯に取り組んだ公演であろう。多くの観客に受け入れられる選択をした好公演である。

次回公演も楽しみにしております
紙の花たち

紙の花たち

スポンジ

「劇」小劇場(東京都)

2015/09/02 (水) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

紙のような裏表が...
表層的に観れば人間...特に女性の外見と内面が描かれていると思うが、それが全てではないことは明らか。紙のように見た目はどちらが表で裏かは判らない。触り感触を確かめるように、人も触れ合い感じあうことが大切なのだろう。
もっとも物語は、そんなキレイごとではなくドロドロした醜悪な面も見せながら、それでも生きていく...そんな逞しい女性像が描かれる。

ネタバレBOX

民宿「ひまわり」が舞台...そのセットは、上手側から入り口、受付カウンター、その前(客席側)にすのことミニテーブル、中央から下手にかけてテーブル席2つ。上手奥が二階へ通じる階段。下手正面にある壁が折りたたみ式になっており、それが開くと二階部屋が現れる。

小豆島という、いわば限定された場所(閉鎖的だと語弊があるが)における開放できない女、解放しすぎた女、解放(く逃避)をする女...その女性の態様が少し怖く描かれる。
実家の民宿を経営する希(後藤いくみサン)、そこへ姉・栞(あんじサン)が突然帰ってくる。同じ頃、アベック客として雪子(志賀聖子サン)が宿泊する。その彼女たちは内面いろいろな悩み、問題を抱えている。平穏な生活を送っていた希を刺激しだし、日々の(もしくは蓄積されていた)憤懣が爆発する。
さて、栞は東京でAV女優(単体)、希は地元で結婚(男は旦那しか知らない)、雪子は男を騙し奪金品のAV(企画)女優という素性である。
栞の素性がわかり、結婚しようとしていた話が流れ...その地域の特性が現れる状況設定に小豆島がある。実に上手いシチュエーションである。

この出会いは、爆発する契機になり、自分自身の本性を知り人生が変わり始めることになった、かもしれない。厭らしいが本音が言える、思いを行動するという性差に関係なく人間が思っている感情が打つかってくるようだ。
当日パンフで中村氏がインド映画 グル・ダット監督の言葉を引用し「いつか自分が狂うんじゃないかという恐怖を持っている。孤独というのは本当に重苦しくのしかかってくるものなんだ。」と書いており、続けて「…小豆島を舞台にした孤独な女性たちの物語です」とある。しかし、それが生きるということであり...というと何故生まれてくるんだという禅問答になる。その孤独であるが、孤独はまだ耐えられる、しかし孤立は耐えられない...とは太平洋ヨット横断した堀江謙一氏の言葉であったような...。

その孤独の脚本作りを続け、次回作を楽しみにしております。

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