最新の観てきた!クチコミ一覧

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ミキシング・レディオ

ミキシング・レディオ

OIL AGE OSAKA

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2015/11/26 (木) ~ 2015/11/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

是非観てください!
約二時間ぶっ通しの暗転もないワンシチュエーションでハイテンポのコメディ!
よくもまぁ次から次へと事件や問題がラジオの生放送中に起きてそれでも番組がきちんと終わるからモヤモヤもしなくて観劇後はとてもスッキリ!
楽しくて面白くてこちらも息つく暇も与えてくれないので心地好い疲れでした。
もう終る…終わってしまう…終わって欲しくないから誰か事件を起こして!とも思いました(笑)舞台を観ているのか
目の前で起きていることをラジオブースの外から観覧しているような錯覚にも。
東京公演は明日まで。
大阪公演も来週からあるのでたくさんの方に観て頂きたい舞台でした。

中二階な人々

中二階な人々

Theatre☆Company ゆみねこ企画

絵本塾ホール(四ツ谷)(東京都)

2015/11/25 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

味わい深い...
同級生の男女6人が共同生活している一軒家が舞台で、そこでの暮らしが坦々と描かれる。変化に乏しい内容かと思ったが、30歳前後の微妙に揺れる心情がしっかり伝わる秀作。
映画であればロング、アップなど画面処理で距離感なりを表現することが出来るが、芝居は舞台と客席の距離は一定で、観る範囲は同一になる。それでも映画にはない、役者の息遣い、客席からの笑い声など、場内一体となったライブ感が演じている人物の心の機微、各人の距離感を表現している。
そう、生活は坦々、心の動きは淡々であるが、それぞれが悩み迷っている姿は、その年齢の人の等身大を見事に映し出した。

ネタバレBOX

舞台セットは、同居している一軒家の共同スペース(リビングか?)で、中央にファッションソファー、テーブル、上手にBOX棚とその上にコーヒーカップ等。下手は観賞葉のみ。上手が玄関、下手が別部屋への廊下か階段のようである。

この公演の時代背景は、2002年。主宰・演出家の秋葉由美子女史が当日パンフに「2002年は、内閣府の調査でニート(就職する意思がなく、職業訓練もしていない若者)数が85万人になったことで話題になった年だそうです。大学に行って、就職して、結婚して、子どもを産んで...という”人生のレール”に疑問を持つ若者が、それだけ増えてきた頃。」と記載している。
まさにその書いたこと、感じたことが、この公演に現れている。変化に乏しい物語のようであるが、上演時間2時間は飽きさせない。そこには日常の中にあるちょっとした出来事が、ざわざわ、もやもや...表現し難い心境を同居人宴会の中で吐露する。そのキッカケは外部のバイト後輩・ワタナベミユキ(古河遥香サン)を同居人・タカギ(奥村俊サン)への愛告白という形で刺激を与える。その小さい波風を立てる演出が巧い。
仲が良い時ばかりではないだろう。嫌悪の部分を描けば、メリハリは出るだろうが、敢えてそのシーンは使わない。そこに優しさ、信頼というポジティブ面だけで描くという信念のようなものを感じる。

タイトル「中二階な人々」は、若者と呼ばれる年齢ではなく、もう少し自立を迫られそうな中途半端な感じが読み取れる。”今”の居心地は良い、しかし本当にそれでよいのか、日常に流されているのでは、自分が本当にしたいことは、その疑問の数々と自分でも捉えきれない本心...その”もどかしさ”が、その年齢を通り過ぎてしまった自分には愛らしく思える。今だから言える”ガンバレ!

この舞台設定の前年(2001年)には、アメリカ同時多発テロ(9.11)が発生しており、日常の生活に埋没して苦悩する姿も描く。平和集会から帰ってきたであろうシーンは少し唐突感があったが、さりげなく911をイメージさせるTシャツを着るなど、細かい所にも配慮している。

物語に変化が少ない分、演技力が試されると思う。会話する面はテンポがあるが、無言...いわゆる”無の間(ま)”は若干長いシーンもあったと思う(自分感覚)。
繰り返しになるが、日常をしっかり捉え、そこに内在する人の揺れる危うさのようなものが共感できる、そんな秀作であった。

次回公演を楽しみにしております。
Jugend~青春~

Jugend~青春~

Team ドラフト4位

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2015/11/27 (金) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

Team ドラフト4位 :Team ドラフト4位 旗揚げ公演『Jugend~青春~』
 「ヒーローに憧れる一人の高校生が自分を変えるため、
仲間達と学園祭のステージで《 ヒーローショー 》を目指す!

 様々な困難を乗り越え、
彼らは無事にステージに立つことが出来るのか――

 あの頃に置いてきたものを、もう一度…。」

 熱くて、弾けて、キラキラした読後感の良い青春小説を読んだような爽快感が、見終わった後に残る舞台。

 子どもの頃、夢中になったヒーローも、成長するに連れて、遠い存在、思いでの一部になって行く。

 それを人は「大人」と呼ぶ。

 子どもの頃に見たご当地ヒーローがきっかけで、ヒーローにあこがれる一人の高校生が、自分を変えようと友達や仲間と学園祭でヒーローショーを実現する為に、目の前に立ちはだかる困難を乗り越えて行く姿を、たっぷりの笑いとスパイスのようなホロリとする甘酸っぱさで魅せる熱くて、爽快な青春に、思わず高校生の頃を思い出す人もいると思う。

 「青春だなぁ~」と思う。いいな、こういう高校時代と思う私には、こんなキラキラと甘酸っぱい高校生活の思い出はないからだ。

 中学3年、15歳の春に母を亡くした私は、自分の悲しみしか見えなくなった父と兄と住む私には、家での居場所はなく、悩んでも親兄弟は当てに出来ず、「これからは、一人で悩み、答えを出し、乗り越えて行かなければいけないんだ」と思い決め、まともに育って当たり前、少しでも曲がったり、グレたりしたら、「そら見たことか。あそこは母親がいないからああなった」と世間や大人に後ろ指さされてはならじと、気を張って、生きるだけで精一杯、ただただ、必死に生きてきた。

 戻りたい過去も、若い頃にも戻りたいとは思わない。

 それだけに、この高校生たちのきらきらした熱さと将来を考え始める思春期の不安とハチャメチャさが、甘酸っぱくて眩しい。

 普段は可愛いのに、殺陣の稽古になると男っぽくなる橘奈穂さんの真琴のギャップがおかしくて可愛くて。

 最初は、真琴のおっかけっぷりにちょっと引いてしまうところのある松下芳和さんの松谷が、真琴が落ち込んだ時にかける言葉と態度に、何だかいい奴だなぁと印象が変わって行く。

 女手ひとつで育ててくれた母の為に、いい大学に入ろうと勉強に打ち込みながらも、最初はしぶしぶ参加したヒーローショーの練習との狭間で現役合格か人生に二度と訪れない高校生活最後の今しか出来ないヒーローショーかで、悩む横山展晴さんの広瀬はぴったりと合っていた。

 最後のヒーローショーのシーンは、殺陣とアクションが本当にかっこよくて、わくわくしながら見ていた。

 兵頭結也さんとヒーローに憧れる小暮の河村悠基さんの動きが綺麗でかっこよかった。

 人によって、青春の時期は違う。

 高校生の彼らに、今が、青春という実感はないのかも知れない。若い時の青春は、後からしみじみと振り返った時に、あれが青春だったと思うものだと思う。

 高校生の時に、こんなにも熱くて、きらきらした思い出を仲間と持てたら彼らは幸せだと思う。

 けれど、大人には大人の青春がある。

 人によって違いはあるものの、きらきらしている、楽しいと充実している時がその人の青春だろう。

 だとすれば、私の青春は今だと言える。

 人は、一生の内に一度でも何かに夢中になったり、熱くなった思い出があれば、その先にどんな事があっても、生きて行けるのだと思う。

 そんな事を考えながら観ていたら、ポロリと涙が頬を伝った。

見終わった後に、スカッとカラッとした爽快感のある舞台でした。


文:麻美 雪

緋色、凍レル刻ノ世界、永遠

緋色、凍レル刻ノ世界、永遠

黒薔薇少女地獄

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/11/24 (火) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

黒薔薇少女地獄:『緋色、凍レル刻ノ世界、永遠』
 昨日は、観劇三昧の一日。お昼は、新宿のSPACE雑遊で、松本稽古さんの出演される舞台、黒薔薇少女地獄の『緋色、凍レル刻ノ世界、永遠』を観劇。


 「少女は右手にカッターナイフを握ったまま、動かなくなった相手と唇を重ねた。

その瞬間を永遠にして、凍らせるように。

だが15年の刻を経て、時間は再び溶けだしていく。

2000年と2015年、4人の少女、ふたつの物語は今、重なり合う……。」という内容としては重いもの。

 地下へと続く階段を下り、扉を開けると真ん中にぽつんと置かれた白い小さな台の上に白い一脚の椅子。

 その椅子の周りを、深紅に染まった少女の絹糸のような長い髪を思わせるような、細いリリアンを編んだような糸のカーテンが取り囲む。

 その椅子に座る一人の少女と、その少女と背中から抱き締めるように立つ一人の少女がいる。

 寮生活を送る女子学院の中、少女漫画にあるような、閉ざされた世界の中で芽生える少女期の危うい耽美な少女たちの恋の話かと一瞬見紛うが、背中に立つ少女の手に握られていたのは、一本のカッターナイフ。

 そのカッターナイフがもう一人の少女の喉に触れ、少女の白く柔らかな喉を切る。切られた少女の顔には微かな微笑、切った少女はその唇をそっと重ねる。殺めた少女の面影をその胸の中に凍らせて、永遠に閉じ込めた少女と、少女の胸に自らの面影を凍らせて閉じ込められることを望んだ少女は13歳だった。

 「なぜ、人を殺してはいけないのか?」彼女に問いかけられた同じ問を、15年後、同じ女子学院の同じ場所で、同じ事件を起こした少女15歳の麻緋(あさひ)は、投げ掛けられる。

 虐め、実父からの暴力と性的虐待、救いのない孤独という緋色の檻に閉じ込められ、追い詰められた二組の少女。

 なぜ、彼女たちは、大切なただ一人の親友を自らの手で殺めたのか?

 凶悪な未成年者の犯罪が増えてきている現在、こういう事件があると必ず言われるのは、家庭環境や虐めの問題。今まで見て見ぬふりをしてきたくせに、一度事件が起こると、今の子供たちの心の闇だとか、周りの大人たちは虐めに気づかなかったのかとか、命の大切だとか、虐められて命を自ら若しくは奪われた子を可哀想な子としたり顔で解ったような事をいう人々。

 そんな報道を耳にする度に、小学生3年~6年まで、全クラス対一人という虐めを受けていた私は冗談じゃないと思う。家庭環境とか、親とかは関係ない。

 本人の中に巣くう、本人さえ得体が知れない毒や、残酷さ、苛立ちをぶつける生け贄を探してぶつけたということだ。

 加害者はいつ被害者になるかも知れず、被害者がいつ加害者になるかもわからない。

 生きている限り、先の見えない、永久に続く闇と孤独から逃れられないと絶望した茜と真朱(まじゅ)、そこから解き放とうとした深緋(みあか)と麻緋(あさひ)。

 酒井香奈子さんの深緋は、たった一人真朱だけが居ればいいと望み、「私を可哀想な子にしないで」という最後の言葉に自ら呪縛される事を選んだのではないかと思う。

 自分の心に、真朱と真朱の記憶を消えないように凍らせて、永遠に刻み込み閉じ込めるために。その為に、「なぜ、殺したのか」と聞かれても、沈黙を貫く。

 それは、とても孤独で苦しくて痛いことだ。それでも、なんと謗られ、残酷な言葉の礫を投げつけられても沈黙を貫き、守り続けた深緋の強さは、強さというには余りにも過酷で痛ましい。

 松本稽古さんの麻緋は、きっと本当は普通の子でいたかっただけなのだと思う。それなのに、閉ざされた少女の残酷さが苛立ちとなり、生け贄のように捌け口にされ、教室に入れなくなった麻緋の代わりに標的になり、限界まで追い詰められた茜を解き放とうと深緋と同じ事件を起こした麻緋は、それ故に、「なぜ、人を殺してはいけないのか?」という問を続けられる内に、くず折れて行き沈黙を貫けず、自分の中で凍らせた茜と茜の記憶が溶け出し、薄れて行く事に、孤独と痛みを抱えて行く。

 普通の子として生きたかった麻緋が痛くて胸が締め付けられた。

 生きることに絶望するまで追い詰められた、榎あづささんの真朱と星秀美さんの茜の闇の中の孤独と痛みが伝わってきて、胸が軋む。

 時として、少女の世界は残酷だ。否、少女の世界だけでなく、学校、会社、社会、世間という、ある種の閉ざされた世界は、時に人に対して残酷なのかも知れない。

 誰もが加害者にも被害者にもなる。

 そして、その中には、茜と麻緋、真朱と深緋のように、追い詰められ痛みと孤独の闇の中で、たった一人の親友を救うために、一人が加害者となり一人が被害者となるり、自分達を可哀想な子と何も知らない大人や世間に括られたくないから、沈黙を貫いている事件があったとしたら。

 そう考えると、この舞台の描く世界は、他人事ではない。もしかしたら、この舞台は、一歩間違えばもうひとつの自分の人生だったかも知れないのだ。

 内容は、社会派のものだけれど、それを残酷で痛いけれど、美しい世界になり得ているのは、出演されている女優さんたちの美しさ、可愛さと、衣装と幻想的な照明の醸し出す世界感なのだと思う。

 「社会派お耽美サスペンスファンタジーエンターテイメント」と言われる所以だと実感する。

 人によって、好みが分かれる舞台だとは思うけれど、私は好きだ。

 自分の中の感情が、蠢く素晴らしい舞台だった。


文:麻美 雪

猩獣 -shoju-【殺陣芝居×ノンバーバル×上演時間60分】

猩獣 -shoju-【殺陣芝居×ノンバーバル×上演時間60分】

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2015/11/21 (土) ~ 2015/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

最高でした。
全身全霊でお芝居される皆さんに胸打たれました。幼馴染みーズや悪役さんだけじゃない、アンサンブルの皆さんもずーっと殺陣して走り回って舞台転換して袖に下がったと思ったら違う小道具持ってまた走り回って…。そしてストーリーが進むにつれて変化する感情をちょっとした仕草や表情で表現していく、その姿に前のめりで魅入ってしまいました。そして竹村さんの殺陣。素晴らしかった。殺陣にも感情を感じて涙が溢れました。言葉がないからただただ感じるままに観れたので楽しかったです。
もう1週間経つのに昨日のことのように頭から離れない。
ただ音の記憶がほとんどない。なので早くDVDを観たい。観たらきっと、あ!この音!!ってなるはず(笑)

十七人の侍

十七人の侍

企画演劇集団ボクラ団義

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2015/11/20 (金) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

涙なしには観られません(T ^ T)
今回「十七人の侍」二回目の観劇。舞台というのは観るたびにやっぱりそうなんだという再認識と新たな発見があって面白いものだなって改めて実感しました。殺陣シーンは迫力満点で舞台の上からキャストさん方の熱い思いが伝わってきました。また今回のテーマでもある「ソードアクション会話劇」。僕はこの作品を観るまで殺陣を観たことは1度もなかったのですが、こんな僕でもなんとなくその意味が分かったような気がします。刀を交える度に生まれる”無言の間”、そこに沢山の言葉が込められているのだと。終盤に向かうに連れて数え切れないほどの伏線が回収され、真実が明らかになっていくという流れはボクラ団義さん特有のシナリオであり、その流れがこの作品との相性抜群です。最初はボクラ団義さんは素敵な方々ばかりで手の届かない存在に感じていたのですが、今回色んな形で優しく接して頂いたのを実感して、実はファンにとってはすごく近い存在だったのかなと思いました。この「十七人の侍」という作品と、出演されているキャストのみなさんは最高です!(*^^*)

ネタバレBOX

opで十蔵がさりげなく美樹をかばいながら戦ってたり、ダンスの時にも美樹を守ってるシーンがたまりません!終盤で夢破れた者の数という17という数字の意味が明らかになった後、それぞれの思いを背負って闘い、相打ちになっていくシーン…ボロ泣きでした(T ^ T) 個人的にはハッサン・テリーヌとハチロウジ・ウズメの兄妹対決が1番泣けました…ヨシモト=夢麻呂さんのキャラもすごい好き!壁ドーン、顎クーイ笑 デススラッシュもカッコいいですが、個人的にはopでマタベエが刀を口で咥えてポーズする所がもう\(//∇//)\ 美樹さんの長台詞には頭が下がりますm(__)m
おかしな2人

おかしな2人

江古田のガールズ

「劇」小劇場(東京都)

2015/11/26 (木) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

おかしな2人
「※俳優が台詞を噛んだら、1噛、10円、お客様へご返金致します」とは書いてあったけれど冗談よね?と思っていたら本当に返金されました。しかも私が見た回は最高の18回噛みとやらで、観客も満席に近かったし「劇団解散だ」なんて言う声も聞こえて来ました(笑)。確かに私が聞いても「あ、ここ噛んだな」と分かる部分もありましたが、噛んだのか演出なのか分からないところもあり、脚本見ながらカウントしているんでしょうね。「人類最速・演劇史上最速」を達成するためにはニール・サイモンの脚本をそのままやらないといけないわけですが、設定を現在の日本にしたらもっと笑える話になったのではないかと思いますので、次回そう言う路線でやってみてください。

お召し列車

お召し列車

燐光群

座・高円寺1(東京都)

2015/11/27 (金) ~ 2015/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

必見、花五つ星
 “お召し列車”と聞けば、誰しも思い浮かべるのが天皇・皇后・皇太后の為に特別に運行される臨時ダイヤだ。並行して他の列車が走ってはならないとか、行き違う列車は速度を25Km以下にしなければならないなどの規則がある、例の列車である。まあ、こんな細かいことまでは知らなくても、何となく特別で内部に立派な装飾が施された特別の列車というイメージを持つ人が多いだろう。
 だが、今作の“お召し列車”はハンセン病(長く使われてきた別名、癩病)患者を国立療養所に集める為に運行した臨時列車の隠語として用いられていたという事実に基づいている。(追記2015.12..2 01:47)

ネタバレBOX

 大日本帝国が戦争一色に染め上げられてゆく国家総動員体制の中で癩に対する差別は、ますます激しくなっていった。そのさまは、癩を発症したとなれば、家族からも絶縁され、患者を知るものは生涯口を噤み、発症者は療養所に隔離された後は居なかったものとされるほどであった。男女ともに強制的に断種手術が施されたことや、亡くなった場合は解剖に付されることが、施設入所時に確約させられた。その為、妊娠している女性が亡くなった場合、その胎児も解剖に付されたのである。
 ところで物語は、この痛ましい差別を受けた人々と第二回東京オリンピック向け“おもてなし企画会議”の企画コンペモニター達のコンペの模様とが入れ子細工になって展開する。代理店は二社。一社は昔ながらのロイヤルトレインを復活させるという案。もう一社は“和(なごみ)”の愛称を持ちJR東日本の会員制クラブである「大人の休日倶楽部」などで運行しているE655系ハイグレード車両(5~6両編成)を走らせる案。更に第三の案として昭和30年代にハンセン病患者に開校された唯一の高校教育の場、新良田教室に入学する為、新入生が乗せられた「お召し列車」を再現した車両案。世界記憶遺産候補として競合二社の車両の中間に連結されているのだが、これを売りにしようというのである。因みに物語は常時、この車両で展開する。
 By the way,1941年アメリカで発見されたプロミンによって癩は治る病となった。にも拘わらず敵国アメリカからプロミンが輸入されるはずもなく効果の無い薬ばかりを注射され続けた患者たちは、病そのものの齎す苦しみのみならず、徹底的な排除と差別によって痛めつけられていた。そのような状態に一抹の光が見えたのは1955(昭和30)年、岡山県の長島に開かれた新良田教室という高校教育の場(公立高校の分校)であった。普通科4年制で全国唯一のハンセン病患者向け公立高校教育であった。今作に登場するのは、この高校の卒業生や関係者だが、内容は観て頂くとして、今回は、女優の究極の形を観たように思うので、そのことについて。
 その人は居た。板の上に存在していた。そのさまは、観客の想像力を映し出す写し鏡のようであった。過不足なく存在していた。
 この女優さんが渡辺 美佐子さんである。客演だ。無論、劇団員は客演を立てるのが、通常のセオリーだろう。今回もこのセオリーに従って、鴨川 てんしさん、中山 マリさん、猪熊 恒和さんら劇団のベテランが素晴らしい脇を演じている。
田中さんの青空

田中さんの青空

劇団CANプロ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2015/11/27 (金) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

繋がると・・・
すっきりして気持ちイイ、のですが、
観客席から聞こえてくる色々な音が邪魔でした。

ローリング・ストーン

ローリング・ストーン

Terra岡山芸術会

おかやま未来ホール(岡山県)

2015/11/28 (土) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

我等思う、故に我等在り
 いわゆる「擬人化」という簡単な造りではなくて、“石”ころが“意志”を持ち、動き出し活きて―――“意思”を失って“無機物”に戻る―――といった難解な筋立て・・・カナ?
もう1・2回観たらより良く理解出来るのかもしれませんが、私の老いた脳細胞には処理不可能でした。
ダジャレとネタっぽい無国籍ネーミングを覚えられないまま、御国事情や相関図を会話から構築しろと云われても・・・ねぇ・・・。
まぁ、物語を引っ張っていくのが、女達のドロドロな嫉妬・見栄・プライドであって、男は種馬(ヒドイ)か目的の為の道具なのネ、っつーシェイクスピア悲劇みたいな背景である事は良く解ったんですが。

  ただ、「ヨクワカラン」≠「オモロクナイ」なのです。
ローマ風の衣装も豪華だったし、深紅の布を使った演出とかも綺麗でした。
キャストの演技力も高く(特に、終盤ず~っと舞台上で死んでいる人、大変だったと思います)、スパイスの効いた掛け合いやギャグには笑わせて頂きました。
アクションや殺陣も見応えがあり、特に女王同士の一騎討ちは鬼気迫るものがありました。

  今回、市の芸術祭の一環という事もあり、万人受けするカジュアルなエンターテイメントではなく、敢えてハードルの高い舞台芸術に、力を併せて挑んだ、その理想と意気込みには拍手を送りたいです。
 ただ・・・複合ビルの5Fにあるこのホール、終演後の21時過ぎはあちこちシャッター閉まっていて迷路に迷い込んだネズミみたいにウロウロさせられました・・・もう1時間、上演時刻を早めて頂きたかったです。
 

義経ギャラクシー

義経ギャラクシー

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

魅せることに突出してて好き。
ソワレを奥側3列目から観劇。

義経と宮沢賢治という、知られた題材だったので
あれこれが交錯するシーンも
まくし立てるようなスピーディーなセリフ回しにも
混乱せずについていけました。

壁、床面など舞台空間全てにうつし出される光、
前楽だったのに疲れを見せない殺陣、
キレのある言葉遣い、
3列目でも汗まで見える近さ、
どれをとっても魅せられました。

天井を見上げたところの、舞台装置も美しかったです。

カンフェティで買ったチケットを、
終演後希望者には
劇団オリジナルチケットに交換してくれるのも
半券にこだわる人には嬉しいサービスだなと思いました。

義経ギャラクシー

義経ギャラクシー

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高でした。
千秋楽おめでとうございます。ほんと行って良かったという作品でした。遠方から行った甲斐がありました。感想は皆さんと同じです。全てが良かった。やっぱり四面制覇したかったです。大好きな役者さん経由で知ったクエストさんでしたが、この縁に感謝。次回作楽しみにしています。

義経ギャラクシー

義経ギャラクシー

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

残すはあと1回。なのに。
それでもまだ照明や演出に追加があって進化し続けています。
リピーターとしてはその変化を見守るのも一つの楽しみだったり。。。

僕は割と死なないほう。

僕は割と死なないほう。

モリンチュ

koenji HACO(東京都)

2015/11/27 (金) ~ 2015/11/28 (土)公演終了

満足度★★★

見棄てられたらオワリ?
それぞれの事情にはうなずかされた。ファンタジックな世界に没入し続けようと‘想像ごっこ’を頑張ってみたものの、オモチャ箱感、満月感を設えで少し補ってもらえればより深く浸れたかなと思う。バトル系以外のオモチャが絡んだやりとりも観てみたい。

義経ギャラクシー

義経ギャラクシー

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

パフォーマンス
殺陣にダンスに今回も楽しかった。

マリインスキー・バレエ 『愛の伝説』

マリインスキー・バレエ 『愛の伝説』

朝日新聞社

東京文化会館 大ホール(東京都)

2015/11/27 (金) ~ 2015/11/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!!!
マリインスキー劇場管弦楽団の繊細で複雑な心境を表現する演奏とダンスの一体感は、すごい!!!
音楽にダンスにこれほど堪能できるのは、そうそうあるものではない!

ドローイング

ドローイング

ハグハグ共和国

劇場MOMO(東京都)

2015/11/25 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高!
ハグハグ共和国の舞台にはまってしまいました。家族の問題笑あり悲しい場面もあって感動しました😄次回の作品も観たいです。

十七人の侍

十七人の侍

企画演劇集団ボクラ団義

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2015/11/20 (金) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

見応えあり
個性的で魅力的な登場人物。あの舞台上で繰り広げられる殺陣・アクションは、目が追い付かない程。見応えありました。客演なさっている皆様も、良かった。1回だけだったので、2回以上観ると余裕をもって観れたのかなと。

義経ギャラクシー

義経ギャラクシー

X-QUEST

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/11/18 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

何度でも観たい
四面とも観ましたが、もっと観たくなりました。
高速殺陣やダンスも凄いですし、テンポも良く、思わず笑ってしまう所もあり、面白くて楽しくて仕方がない。また観たくなります。照明もとても綺麗で、包まれる感じが、その場所に本当に居るかのように、自分がその一部になったかのように感じました。
私にとって、また大好きな作品ができました。

田中さんの青空

田中さんの青空

劇団CANプロ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2015/11/27 (金) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

剥がれ落ちる快感
バラバラな糸の先を引いてみたら人間模様の絡まりがどさどさと降ってきた、みたいな。エッという内心の呟きとともに引き込まれる匠な演出に紅潮した。

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