満足度★★★★
我等思う、故に我等在り
いわゆる「擬人化」という簡単な造りではなくて、“石”ころが“意志”を持ち、動き出し活きて―――“意思”を失って“無機物”に戻る―――といった難解な筋立て・・・カナ?
もう1・2回観たらより良く理解出来るのかもしれませんが、私の老いた脳細胞には処理不可能でした。
ダジャレとネタっぽい無国籍ネーミングを覚えられないまま、御国事情や相関図を会話から構築しろと云われても・・・ねぇ・・・。
まぁ、物語を引っ張っていくのが、女達のドロドロな嫉妬・見栄・プライドであって、男は種馬(ヒドイ)か目的の為の道具なのネ、っつーシェイクスピア悲劇みたいな背景である事は良く解ったんですが。
ただ、「ヨクワカラン」≠「オモロクナイ」なのです。
ローマ風の衣装も豪華だったし、深紅の布を使った演出とかも綺麗でした。
キャストの演技力も高く(特に、終盤ず~っと舞台上で死んでいる人、大変だったと思います)、スパイスの効いた掛け合いやギャグには笑わせて頂きました。
アクションや殺陣も見応えがあり、特に女王同士の一騎討ちは鬼気迫るものがありました。
今回、市の芸術祭の一環という事もあり、万人受けするカジュアルなエンターテイメントではなく、敢えてハードルの高い舞台芸術に、力を併せて挑んだ、その理想と意気込みには拍手を送りたいです。
ただ・・・複合ビルの5Fにあるこのホール、終演後の21時過ぎはあちこちシャッター閉まっていて迷路に迷い込んだネズミみたいにウロウロさせられました・・・もう1時間、上演時刻を早めて頂きたかったです。