
BREATH
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2015/12/10 (木) ~ 2015/12/25 (金)公演終了
満足度★★★★
クリスマスには
こんなあったかな話もいいんでない?ある劇場に関わる人たちの、いろんな人間模様があちこちで繋がって行く。面白かった!と思って、数日前に観劇したはずの友人にメールしました・・・

幽悲伝
劇団Patch
森ノ宮ピロティホール(大阪府)
2015/12/19 (土) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
1000人のスタンディングオペーション!
末満さんワールド全開の愛憎渦巻くダークなファンタジー♪
照明や音楽で不思議な世界へとどんどんと引き込まれていく…
観る方もかなりの体力を浪費する末満さんの作品
それだけ舞台から力が発散されているからなのか?
そんな作品を見事に熱演する出演者!
中でも印象的だったのは特異なキャラを演じた三津谷亮さん(D-BOYS)
動きといい発する台詞といい鬼気迫る演技に存在感たっぷり!
中盤はちょっと長く感じましたが後半に向けて畳み掛ける展開は流石!
二度目のカーテンコールで約1000人のスタンディングオペーション!
それだけ濃密な2時間を堪能!
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鵺的第一短編集[全日程終了・ご来場ありがとうございました]
鵺的(ぬえてき)
新宿眼科画廊(東京都)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/23 (水)公演終了

ただいま
劇団こふく劇場
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/12/19 (土) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
最初地点ぽいなと思ったけど・・
観てるうちにのめりこんでいったら気にならなくなってきた。
全編女性目線の物語の作り方なのが面白いなと思った。
宮崎弁と言うけれど凄く聞き取りやすい。
最初2時間と聞いてええ、と思ったけど最後は悪くないなと思った。
宮崎というと自分のイメージでは九州のなかでダントツの田舎なんだけど・・(鹿児島なんかは距離的には遠いけど島に行くため東京の人間がいっぱい行くんで宮崎のほうが田舎っぽい気が・・)そこをうまく生かしてるんじゃないかと思った。
ちょっと長いけどがんばって見に行ってもいいんじゃないかと思う。

五反田怪団2015冬
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了

くるみ割り人形
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2015/12/19 (土) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★
キラキラのクリスマス。
牧阿佐美バージョンはあまり好きではないのですが、新国立劇場バレエ団の皆さんの素敵な踊りは見逃すわけには行きません。
クララの奥田花純さんがとても良かったです。ワディム皇子とのパ・ド・トゥもとても軽やかで柔らかく、品があって、ピッタリでした。彼女のクララは、今まで観た中で一番存在感がありました。
輪島パパの娘自慢も可笑しかったし、本島ママの美しさには見とれました。
全編、ダンサーさんたちが素晴らしかったです。
このバージョンは最初と最後が寂しくて、変更希望なので☆4つです。

『うそつき』/『ジョシ』『紙風船』
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2015/12/21 (月) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★
紙風船、ジョシ
「紙風船」は、岸田國士作品です。とても新鮮でした。
岸田作品はセットとか衣装とかを作り込んだものを良く観るので、今回のようにシンプルで、マイムで、若い二人でという演出が、とても新鮮でした。台詞の古くささと今時の彼らのギャップが又なんとも言えない可笑しさ、シュールさを出していて、とても面白かったです。沼田さんとまひろさんもとても良いです。不思議な味わいのある二人でした。
「ジョシ」は、ちょっと怖いファンタジーのような、不条理劇のような印象を受けました。ユニークで、面白い台詞がポンポンと投げかけられ、飛び交います。
出演の二人も元気があってよかったのですが、私の印象としてですが、台詞を元気良くは言えてましたが、その言葉が持つ力やエネルギーや味わいが伝わってきませんでした。がんばれ!です。
と言う事で、紙風船は☆5つ、ジョシは3つ・・・・で、総合で☆4つとさせていただきます。

12月文楽公演
国立劇場
国立劇場 小劇場(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★
楽しめた。
楽しめたというのも変であるが、人形を使って感情を表現する文楽は人間が行う芝居とはちょっと違うが、それがいいのかもしれない。
イヤホンガイドを借りての観劇であったが、わかりやすく解説してくれるのがうれしい。よい時間を過ごせてことに感謝である。

for×for=many mind~士×志=十色~
super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2015/12/23 (水) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★
新撰組???
史実に基づいて新撰組を扱いながら坂本龍馬の影武者を主人公とするアイデアが斬新テンポよく展開される会話のやり取りと汗ダクで動き回りながらの殺陣が小気味よい。
沖田総司[女性]がへへへと強がって笑うシーンの度に胸が詰まった。
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鵺的(ぬえてき)
新宿眼科画廊(東京都)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
スマート
ジェンダーの愛の姿を軽妙洒脱に描いている。3作品とも、最近に認知されつつセクシャルマイノリティーであるが、スマートに演出されていた。役者もその役割を自然に表現し、納得させられた。予想された鵺的とはだいぶ違ったがこういう作品もまた楽しいものである。

SEX
劇団時間制作
サンモールスタジオ(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/23 (水)公演終了
満足度★★★
勢い
すごいエネルギーで圧倒された。最近認知されつつある、同性愛を陰気に描くことなく、世間の常識に立ち向かう主人公の姿を絶妙に表現している。
超満員の劇場が熱気に包まれた。力強い作品であった。

紛争地域から生まれた演劇シリーズ7
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
東京芸術劇場アトリエウエスト(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★
「物語」の普遍性
今年7回目、毎年観るなど、況や全作品観る事など到底無理(時期的にも)だが本当は観たい・知りたい・参加したい企画だ。 「第三世界」という言葉はまだ有用であるのか知らないが、その演劇に触れるのは貴重。厳しい状況は演劇の価値を試される試験場のようにも思える。
三演目の内、フィリピン作家作品を観劇した。音楽劇だという。それで、リーディングにもかかわらず鳴り物・楽器を使った贅沢な出し物になっている。役者に加えて音楽担当もおり、端のほうで演奏する。役者も全員道具や楽器を使う。演出は黒テント出身、立山ひろみ。 リーディングという「分野」の可能性の点でも、興味深い演目。
作品が取り上げているのはミンダナオを拠点とするモロ民族解放戦線とフィリピン政府との対立(紛争)問題である。 最近はこの問題を知らない若い人が増えているので、子供にわかる劇を、との注文を受け、作ったものだという。父母を失った兄妹と仲間が旅をし、やがて散り散りになり兄妹も分かれてしまう。そして兄はある土地のギャングに取り込まれ・・ 妹との不幸な再会、だが困難の中、勇気ある選択へ・・・「子供」目線で見れ、大人の鑑賞にも堪えるドラマだった。音、音楽の使い方も良い(出演者の一人が時々自動とあり、音楽担当もそうかと思えば所属が記されてなく、不明。ただ、それっぽい雰囲気。良い意味で脱力させてくれる音楽は私たちの皮膚から入り込むように心地よい。)
戯曲を発注したのはPETA(フィリピン教育演劇協会)、かの地では住人の意識啓発や自立のための演劇を用いての活動が広く根気よく続けられており、70年代からPETAと交流のある黒テントを通じて今回紹介されるに至ったという。
お話にはイスラム教(モロ)と多数派のキリスト教の対立が描かれている。そうした対立がなく共存状態にあった村に育った兄妹は、それぞれキリスト教とイスラム教と宗旨が違っても普通に過ごしていた。ところがあるとき二人の何気ない会話の中の「イスラム」という言葉を、ある平均的なキリスト者の家庭(集団?)が耳にしただけで警戒し、さげすみ、排除する、という場面がある。
この対立を利用・助長する勢力(はっきり言えば体制側)に同調するキリスト教マジョリティの存在が、ここ日本の、ある局面での自分と重なって来たりする。鋭くて痛い場面だった。
優しく人間的なこの1時間のお話は最後まで「問い」を発しながら終わる。 観客に「あなたはどうしますか」と問いかけるが、(当然?)反応はなく、「そうか、今、考え中なんだ」と言う。「考え中」・・この語が何度もり返し発される。
お説教でなくエンタテインメントでありながら、「問題」をしっかり刻みつけるお芝居、一つの判りやすい見本のように思われたが、「子供たち」と言えば、今の日本はどんな状況だろうか。
正しいと信じることを大人も言えない時代の、子供の「知る」環境の劣化は考えたくもないが現実なのだろう。
・・・・今は言いづらいが時が経てば言える時が来る、<今は忍耐の時>。だがその<今>は延長・更新され、「喋らない」我慢もいつしか追加注文され、受け入れてしまった日本人。 大人よりも、未来を担う「子供」への、演劇の可能性を探るのが今や正常な態度かも・・ともふと思う。さほど深く考えている訳でもないが、コトバにはしておこう。

MIRACLE8
劇団ハーベスト
劇場MOMO(東京都)
2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
大きな壁乗り越え掴んだ奇跡を
どうして演劇をやっている女の子たちはあんなに輝いて見えるんだろう?
千秋楽で広瀬咲楽さんの歌う自作主題歌を聴きながら、全てを出し切ったメンバーたちの清々しい表情を見ながら、今この時がいつまでも続けばいいと思いました。この公演期間は本当に楽しかったです。
舞台は基本的には一期一会。それでも今回は5回観劇しました。その楽しさの成分には確かに舞台そのもの以外の部分も含まれます。しかし、恒例だった終演後のお見送りが無くても楽しさに些かの陰りも感じなかったのは、その演劇公演としてのクオリティの高さの何よりの証でしょう。今回も、彼女たちがまた一つ大きな壁を乗り越えるのを目の当たりにしました。そして、それは涙が出そうなほどに眩しいものでした。
季節が変わる度に、劇団ハーベストは更なる輝きを魅せてくれます。それは回を重ねるごとに眩しさを増していきます。眩しくて眩しくて、何だか少し切なくなります。
次回公演を心から待ち遠しく思います。

明日の君とシャララララ
劇団ハーベスト
シアター711(東京都)
2015/03/25 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
STEP UP TO THE NEXT STAGE
劇団ハーベストとは、その名の通り劇団であり、定期的な演劇公演を活動の主とする演劇集団です。数ある劇団の中で際立つ最大の特異性としては、メンバー全員が高校生から20歳以下の若い女性であるという点が第一に挙げられます。
「劇団」と名乗ってはいるものの、ルックスにも恵まれた若い女の子たちのグループである以上、世間からある程度はアイドルグループであるかのような眼差しを受けてしまう事は免れません。実際、Twitterに公演の感想を書いているアカウントのプロフィールを見ると、アイドルグループのファンと想われる方が多く見受けられます。また、開演を待つ間の客席ではアイドルに関連した会話が聞こえてくることも多く、劇団ハーベストは特にアイドルファンの間で愛好されている劇団と言えそうです。
今日のアイドルという芸能ジャンルを特徴づけるものの一つに、ファンとメンバーとのコミュニケーションが楽しまれているという点があります。多くのアイドルグループでは、握手会をはじめとしたイベントでの直接の会話や、SNSやブログのコメントなどを通じたやりとりによって、ファンはメンバーにライブの感想や励ましの言葉を送り、またメンバーもそれに応えるというように、ファンとメンバーとの間で生じるコミュニケーションが大きな楽しさの一つとなっています。
劇団ハーベストでも、特にそれを外部に向けて訴求してはいないものの、メンバー自身によるグッズ販売や、終演後のメンバー全員によるお見送りといった、観客が直接メンバーと会話したり、公演の感想を伝えたりという機会が用意されています。公式ブログは高い頻度で更新され、メンバーの公演に対する意気込みや、公演直前直後の率直な心情の吐露などがファンに共有されています。演劇公演そのものだけでなく、メンバーの心情や成長過程を見守ったり、メンバーの奮闘を垣間見たり、メンバーとコミュニケーションしたりという楽しまれ方が劇団ハーベストの特徴の一つでもあり、それは劇団というよりもアイドルグループのそれに近似しています。
では、劇団ハーベストとは歌やダンスではなく演劇をメインの活動としたアイドルグループの一種なのでしょうか? 今作「明日の君とシャララララ」は、同劇団がその問いに対して改めてNOを表明した公演でした。
アイドルグループが行う演劇、所謂アイドル劇は、通常の演劇とは異なり、作品そのものよりも出演するメンバー自身を訴求力とし、企画そのものがメンバーの出演ありきで成り立っているものが多くあります。そのため、セリフ量に差はあったとしても、大抵はメンバー全員に役が与えられ、何らかの見せ場が用意される場合が殆どです。(劇団ハーベスト初期の作品である第3回公演「位置について!~girls start up!~」はそちら寄りの構成だったように思えます。)
しかし本作では、メンバー全員に役が与えられる事はありませんでした。オーディションにより出演者を選考し、その結果、本編の舞台に立てたのは13人のメンバーのうち8人のみでした。劇団員である以上、本当は一人の例外なく全員が本編の舞台に立ちたかった事でしょう。しかし、メンバー全員を出演させることよりも作品の完成度を第一としたこのストイックさは、決してアイドル劇のものではありません。
これまでの同劇団の公演とは大きく方向性を変え、出演者を絞り込んだというのは、かなり思い切った決断であったと推測します。しかし、この公演を通して観客に何を伝えたいか、何を創りたいかという、一本芯の通ったブレない軸があったからこそ、作り手もメンバーも恐れるものは無かったのでしょう。考えてみれば、劇団員全員が毎公演で必ず役を得られる訳では無いのは普通の劇団なら当然です。オーディションに落選して前座のみの出演となったメンバーも、自ら裏方を志願したメンバーも、皆が一丸となって作り上げた本作品を通じて、劇団ハーベストは美少女演劇集団と呼ばれるような存在ではなく、当たり前の、普通の劇団へと大きく歩みを進めたと言えるでしょう。
もちろん、本公演がアイドル劇ではないという裏づけはそれだけに限りません。もしもアイドル劇を想像しながら劇場を訪れた人、あるいは女の子だけの劇団というだけでクオリティに疑問符をつけながら観劇に臨んだ人がいたなら、本公演の完成度の高さに必ずや驚いたことでしょう。脚本にはメンバーへの当て書きやファン向けの内向きの要素などは一切ありません。本作で重点が置かれているのは純然たるメッセージ性であり、描かれているのは「命」と「自立」の物語です。実際に公演を観た人の感想は、アイドル劇にありがちな、どのメンバーが可愛かったとか、誰々が頑張ってたなどというところに収斂するものではありません。物語が進行するにつれて、客席のあちこちで聞こえてくるすすり泣く声。それに交じって自分も中盤からは涙が止まりませんでした。ラストシーンの満開の桜と共に、この作品を観て流した涙はいつまでも心の奥に咲き続ける事でしょう。
これだけ演劇ファンにも充分届き得るようなクオリティの高い公演を打ちながら、ある一定の客層だけが客席を占めている現状は非常に勿体無い。次回の夏の公演が開催される中野の劇場MOMOの客席数は90席で、今回のシアター711と同程度です。ここのところ小さな劇場での興行が続いているのは、単に劇団の台所事情なのか、それとも何らかの意図があっての事なのかは判りません。しかし、メンバーとのコミュニケーションをはじめとした、アイドル的な楽しみ方をするファンには、同じ公演を何度もリピート観劇するという特性があります。ここから危惧されるのは、もしこのまま小さな劇場だけでの公演を続けているのでは、既存のファンで客席が占められたまま、新しいファンを劇場に入れることができないのではないか、また、アイドル的な楽しみ方を求めるファンが多くなれば、一般的な演劇ファンに敬遠されやすいのではないかという事です。
今回の公演で劇団ハーベストは普通の劇団に一歩近づいたと先ほど書きました。しかしその事と、終演後のお見送りや自ら物販を行うようなアイドル的な振る舞いを続ける事とは些かの齟齬を感じます。観劇後に直接メンバーに感想を伝えられるのは得がたい機会ですし、この上なく楽しいものです。自分自身それを楽しんでいますし、メンバー達も楽しんでいるものと信じます。しかし、彼女達の魅力はコミュニケーションの往還にこそあるわけではないはず。そういった要素が無くとも、これだけクオリティの高い公演を見せることができるならもう充分なのではないでしょうか。
劇団ハーベストはどこへ向かい、今後どうなっていくのか。遠からぬ将来、女優として巣立っていくメンバーも出てくることでしょう。メンバーの卒業・加入を繰り返しながらさらなる高みを目指していくのか、それともいつか泡沫の夢として消えてしまうのか、それは誰にも判りません。
劇団ハーベストの創る舞台のクオリティは非常に高いものですが、それだけでなく、メンバーとのコミュニケーションの楽しさも大きな魅力の一つとなっています。しかし、そうした要素を楽しみながらも、彼女らがそれを訴求力としない場所へと早く歩みを進めることを、作品のクオリティのみで勝負できる、当たり前以上の劇団になることを心から願って止みません。

しずかなごはん
劇団ジャブジャブサーキット
ウイングフィールド(大阪府)
2015/12/18 (金) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
初観劇に感激!さすがの30周年記念!
20周年記念公演の再演が、30周年記念公演第2弾!
もう鉄板です!
「痩身願望」から始まる「食べ吐き」を繰り返す患者を暖かく見守る「摂食障害」専門医師とカウンセラー達の奮闘。
そこに、女優の自殺の謎、カレを親友に寝取られた患者、ルポライター、そして女子校生と元カレとの歪んだ関係…。
お医者さんの洞察力…、凄い!
盛りだくさんな内容を、スッキリ観させていただきました♪
面白かったです♪
満足度は4点か5点か悩みましたが、30周年記念ご祝儀ということで5点でお願いします♪

高学歴娼婦と一行のボードレール
猫のホテル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/12/10 (木) ~ 2015/12/17 (木)公演終了
満足度★★★
ある女性についての女性の筆による劇
実話を基に書かれた舞台だというが、その基の事実が説明されない事には評しようがない所があった。台詞の中にヒントは散らしてあったようだが。前半、劇団員男子のだべりの戯れは団員の長い付き合いそのまま舞台に乗った塩梅が自然で緩急もよい。見事。「事件」の被害女性をめぐる、やや下品た会話の、隠微な部分への「踏み込み」具合が絶妙である。一転、いつしか男が消え、女性二人による対話のシーンでは、事の本質(女性の存在のあり方=生き方)に迫るやり取りが展開するが、これが非常に抽象的で、「何か切実なものがあったのだ・・」とある結論らしきものを仄めかして去る、と行きたい所、そのために置いたヒントが、ボードレールの詩、しかしこれがあまりピンと来なかった(何と言ったかは忘れた)。 他の何かでも置き換わる抽象度の高い表現で、着地がいまいち、対話の内容も熱をこめて語るわりに、語る役者の口に馴染んでいないのではないかと勘ぐられるような具合だった。
言うなら「思想劇」。・・これは余程深く思考を潜らねばやれない代物という事だろうか。 それとも、女性被害者をめぐる劇の言葉は、女性からは共感を獲得できていたのだろうか・・。
ところでこの公演の趣向としてバーのママ役が日替わり(三名)で、おそらく出演者の参加事情からなのだろうが、私の観た回は平田敦子、体格さながら演技者としての骨太さを間近に堪能させてもらった。

宮地真緒主演 「モーツアルトとマリー・アントワネット」
劇団東京イボンヌ
スクエア荏原・ひらつかホール(東京都)
2015/12/08 (火) ~ 2015/12/10 (木)公演終了
満足度★★★★
演劇を建てるには音楽を犠牲にしなければならない、、のか。
東京イボンヌ初観劇。その期待を「観たい!」にも書いたが、舞台上にクオリティの高い演奏家を置き、芝居にもしっかりと噛む。如何にも贅沢な、未だ観ない光景だと思った。私の一方的な期待だが、舞台はそれとはやや違って、その違いは、この舞台を「演劇」として観る場合、大きかった。 「未だ観ない」とは括弧付きで、オケ付きの「舞台」としてはオペラがあった。こちらは得意分野では全くないが、ズバリ今回の舞台はオペラかオペレッタの崩しみたいだ、と思った。
モーツァルトが登場し、声楽家も居るので「フィガロの結婚」の一節が歌われてもおかしくないが、本格的な声楽家(欧州在住日本人の声楽家をわざわざ呼んだというから気合いは半端ではない)が、そこでフィガロを歌ってしまったら、そこはフィガロの空間以外の何者でもなく、それを包みこんで物語が流れるはずの「芝居」のほうは、こいつには到底勝てない。
全体にコメディの味付けが濃く、近世ヨーロッパの王道的傑物二人の懐の内に遊んでいるといった感じで、そうした細かな笑いを挿入することで傑物の傑物たる所を引き立てているとしても、以上にはならない。
ドラマとして見た時、超有名人であるアマデウス・モーツァルトとマリー・アントワネットが何ゆえ「特筆」されるべき人物であるのかを、作家独自の視点で「説明」し得ているか・・それが気になった。 一般教養のレベルで、少し勉強すれば判るだろう・・、という前提を受け入れるにしても、作家自身の捉え方は作品の中に一本なければならないように思う。
プロの声楽家にオペラの一節を歌わせること有りきで、その上で「演劇」を成立させるギリギリの努力をされたのだろう・・が、相対的に「演劇」が疎かになったとの評価は、否めないように思う。
そのポイントを幾つか羅列すれば・・
○構造としては「芝居」が始まり、その中に「音楽」が組み込まれる、という外形はとっているが、「フィガロ」の一場面が歌われると、その場面の位置づけがあやふやになる。「オペラが上演されている場面」なのか、「芝居の進行上の挿入歌」なのか、何らかの意味を付されねばならないが、この舞台では「ひらつかホール」で声楽家が声を披露している」という事になってしまう。もちろんその側面があってもよく、それで拍手が起きてもよいのだが、しっかり「演劇」の中に組み込まれているかが問題だ。
○他の演奏場面も、「上演・演奏風景」として位置づけられている事が多かったが、生演奏の再現力はドキュメント性を強く持ってしまい、一節の終わりまでしっかり演奏する事で尚更、音は独り立ちしてしまう。「上演・演奏風景」以上のものになる。つまり「ひらつかホール」で演奏を披露している、という事にやはりなってしまう。
○これには、(他の投稿にもあったが)「物語」の流れに沿った音楽であったかどうかが「音楽そのもの」から伝わって来ないという事が大きかったのではないか。有名な曲目をチョイスしたのだとすれば、そのチョイスの仕方が既に「音楽・演奏ありき」で「演劇」は二の次だったとなりそうだが、実のところどうだろうか・・。
○また、これを言っては身も蓋も無い?が、複数の声楽家を招いたことで一定の「披露の場面」を準備することとなり、歌の比重が大きくなった、その事で「物語に沿った音楽」という使用はいよいよ狭まり(オペラ曲では尚のこと)、モーツァルトの仕事の中でも歌劇が前面に出ることになった。その事がストーリーの組み立て(あるいはモーツァルトという人物の位置づけ)に与えた影響は無かっただろうか。。
○同様の難点は、舞台の上方に演奏者がデンと終幕まで座って、「演劇」の中に生きる存在として見えにくいという事もあった。(他の難点がなければさほど気にならなかったかも知れないが)
○モーツァルトの音楽が「民衆」に対して、本来寄り添おうとするものだったという視点、モーツァルトの中に庶民性を発見する事が、フランス革命をドラマに大きく取り込むことの意味になると思われるが、(でなければ例えば、逆に彼の中の貴族性が暴かれ、彼自身の=神との約束との=葛藤が浮かび上がる、といった展開も可能?) フランス革命に対し懐疑的な描き方がされており、はっきりして来ない憾みがある(能力のないリーダーが威張ってみる等のギャグ)。 ・・権力の肥大化、その挙句の絶対王政の下、硬直した社会システムに苦しむ人々、そしてついに暴動に至った、つまり、「不平分子」が居たり「洗脳」によっては、大規模な革命など起きない。革命の前に支配と権力があり、沈黙する民衆はその下で疲弊する。さてそこへアマデウスは自らの音楽で何を変えようとしたか。そして「何に挫折したのか」、そこを鋭く描いてもほしかった。
彼の音楽が受け入れられていく、人気を博していく、という導入は良いが、人気の中身が何であったかについても、知りたい所だった。
○マリーとの接点は、フィクションであって良いけれど、モーツァルトがどこに立っており、マリーとどう出会ったのか(人に理解されない穴を埋めあう、とか、政治的立場が違うにも関わらず惹かれあう、とか・・)、アマデウスの物語にとっての、マリーの存在の「意味」。
○神に頼んで地上に降りたモーツァルト、という着想は色んな可能性を孕んでいると思う。ただこの部分にしても、神世界に属する存在が「人間」になった時、初めて発見することというのがありはしないか。それとも今回は何度目かの事か。何のために彼は人間界に来ようとするのか、そのメリットは・・。そういったディテイルはとても大事だと思う。彼にとっての「超課題」は何か・・「演劇」ならそここそ重要だと考える。
難癖ばかりになってしまうが、舞台装置は見た感じからして辛いものがあった。横に長く、前後に狭い。中央で芝居をやると役者がはけるのに時間がかかったり。中央の(高台二つの切れ目の)通路はいまいち利用されていない(使いづらかったか)。上段に楽隊が占め、上手中央寄りにピアノも置かれ、動線の工夫も大変だっただろう。
(これらも「演奏を聞かせるパフォーマンス」の一つと見直せば、有効な形なのかも知れない)
様々な条件を制約と抱えながら舞台化を遂げた努力はしのばれ、「思い」のようなものは感じる、ものの、「演奏」を「演劇」(物語)の中に美しく組み込む試みは、まだその「始まり」に思えた。 難しい取り組みを、それでも取り組み続け、成果をあげて行って頂ければ私は嬉しい。
・・・と「演劇」(私定義による)好きの一人が長々と申したが、単に「違う路線」ゆえの「違い」に過ぎないかも・・

テノヒラサイズの人生大車輪'15
テノヒラサイズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2015/12/22 (火) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
見にゃいと損にゃ! 花5つ星
普段大阪で活躍しているグループなので東京公演は嬉しい。初めて拝見した時から、そのレベルの高さに驚くと共に楽しみにしている劇団である。

ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG〜スナフキンの手紙Neo〜
虚構の劇団
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/08/25 (火) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★
遅くなってすみません
感想、ブログに書きました。
http://ameblo.jp/kangeki-jyoshikai/entry-12070111226.html

かもめ
花組芝居
セーヌ・フルリ(東京都)
2015/08/08 (土) ~ 2015/08/15 (土)公演終了
満足度★★★★
遅くなってすみません
感想、ブログに書きました。
http://ameblo.jp/kangeki-jyoshikai/entry-12064968368.html