
藪原検校(やぶはらけんぎょう)
こまつ座
世田谷パブリックシアター(東京都)
2015/02/23 (月) ~ 2015/03/20 (金)公演終了
満足度★★★★★
人間ってヤツは……
陽気なふてぶてしさと哀切さが同居する主人公の印象、劇中で語られる早物語の完成度、時代の風俗も織り込んだ物語の面白さなど多くの見どころがあったが、それ以上に、人間というモノのおろかさやみにくさ、あるいは業(ごう)とでもいうしかない何かが感じられて、何度も冷たいものが背筋を上っていくような気がした。

再生ミセスフィクションズ
Mrs.fictions
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2015/03/27 (金) ~ 2015/03/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
珠玉!
『伯爵のおるすばん』以来1年数ヶ月ぶりのMrs.fictions単独公演は「再演とかしない村」出身の彼らが禁を犯して挑んだ(!?)再演作品集でした。
それぞれ趣向を凝らした(作・演出・キャストすべて初演通りだったり、外部演出家を起用したり、別メンバーの戯曲のリメイクだったり)ラインナップに加えて、インパクトの強い怪人ビジュアルのチラシや怪人カードみたいなチケット、予約者全員に公演DVDプレゼントなど、いろいろと面白い試みもあり、企画力の確かさを感じました。
かねてから評価の高い『東京へつれてって』や『お父さんは若年性健忘症』の安定感はもちろん、登場人物のチャーミングさが印象的な『ねじ式』、奇妙な味わいでじわじわとしみてくる『まだ僕を寝かさない』など、まさに珠玉の作品集だったと思います。

大塚愛vs.家具
宇宙論☆講座
新宿トップスペース(東京都)
2015/12/28 (月) ~ 2015/12/30 (水)公演終了
満足度★★★
音楽の力は偉大
久々にとんでもないものを観ました。アングラです。演劇でしか出来ないことでしょう。そしてグダグダです。そのグダグダがどこまでが計算で、どこからが本当にグダグダだったのかはよくわかりません。かなりの部分、本当にグダグダだったのでしょう。それでも随所に光るものがあり、表現しがたい魅力があります。
きっちり稽古して計算できるようになったら、驚異となるかもしれません。
役者面では、石原さとみ役の飯田みゆさんが光ってました。

究極町内会
爬虫類企画
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/12/25 (金) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
年の瀬に相応しい
年末。池袋の人ごみをかき分け観劇。30人を越える多人数のキャスト、大きな劇場、しっかりした舞台美術で、年の瀬に相応しい豪華な舞台でした。
ただ、いかんせん自然な感情を伴う演技ではなかったため、少々展開に無理があるように見えてしまいます。
役者としては、青木満理子さんが良かったです。

墓場、女子高生
ベッド&メイキングス
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
墓場、女子高生
ベッメイ初演の再演
トミーさんと出会ってから観たいと思ってたのだけど
この頃はまだ遠征してまで観るのは限られてた。
『南の島に雪が降る』がとても良くて
次の『サナギネ』もとても良くて。
ここのはもう間違いないって確信。
(あくまで私にとって)
今回のお目当てはたくさん!
葉丸あすかさん(柿喰う客)、望月綾乃さん(ロロ)、猫背椿さん、トミーさん。
1回くらいしか観たことないけど気になる役者さんで
清水葉月さん、根本宗子さん、佐藤みゆきさん、杉ありささん。
この女子高生たちが皆様とても素晴らしかった。

NEW HERO
さんぴん
東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)
2015/07/17 (金) ~ 2015/07/22 (水)公演終了
満足度★★★★★
NEW HERO
体が使える方たちなので
演劇というよりダンスよりかなと思っていたけど
それだけではなく
色んな要素が含まれていて面白い作品になってました。
第1回めのテーマは東京。
色んな人の東京への思い、エピソードを俳優4人がインタビューをし
それを構築して作品に仕上げられた。
ダンスだったり、落語だったり、ラップだったり、リーディング風だったり
色んな想いを色んな方法で伝える作品。
全然知らない人たちのエピソードなのだけど
素敵な表現者たちが客席へと届けてくれました。

阿弖流為
松竹
新橋演舞場(東京都)
2015/07/05 (日) ~ 2015/07/27 (月)公演終了
満足度★★★
阿弖流為
初見は少し物足りなく感じました。
新感線と歌舞伎の殺陣が続けてあることに間延びしてるように思ったり。
物語はとても面白く新感線のいのうえ歌舞伎好きの自分はたまらないのですが
歌舞伎NEXTとしてどうなのか?という疑問もぬぐえないような気もしました。

不倫探偵 ~最期の過ち~
大人計画
サンケイホールブリーゼ(大阪府)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
不倫探偵
"21世紀の不幸を科学する 日本総合悲劇協会"
サブタイトルすごい。
あんまり大人計画に興味はなかったのだけど
松尾スズキさんが好きで
新感線とコラボのラストフラワーズとかドラマ植物男子ベランダーに出てくるキャラクターが好きで。
松尾さんが書かれた 小説『クワイエットルームへようこそ』も好きで。
とにかくこの方を知りたいって欲がありまして観劇。
今回 主人公でしたけど私の好きな松尾さんのキャラクターでした♪
動きだけで面白くてずーっと笑ってた!
お隣の方も結構声を出して笑われる方で安心して思いきり笑えたのでスッキリ。
『あまちゃん』に出てた方が勢揃い。
二階堂ふみちゃんも。

珈琲法要
ホエイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/12/31 (木) ~ 2016/01/06 (水)公演終了
満足度★★★★
元旦早々
大晦日公演の観劇は体力無く、断念。年明けてアゴラへ参ると、閑散としているかと思いきや意外に席は埋まっていた。
本作、この再演で初めて拝見。これまで見た青年団リンク・ホエイの舞台や劇団野の上(作者の山田百次主宰)の舞台とは一つ、趣き、というより深まり具合?の違う芝居になっていて、ほのぼの・のほほん・ほんわか といった雰囲気を思わせる題名(ひーとかほーが入ってるし・・)を引っぺ返すと軽い麦でなく(麦も美味いけど)、ずっしりとお米だった。
三人によるシンプルな芝居。だが語られる事柄の重さ・広がりが、津軽弁の飄けた会話の中から徐々に立ち上がってくる。
最後に近い場面、女の口からぽそりと投げられる台詞は、効く。

アドルフに告ぐ
KAAT神奈川芸術劇場
京都芸術劇場(京都芸術大学) 春秋座(京都府)
2015/06/27 (土) ~ 2015/06/28 (日)公演終了
アドルフに告ぐ
ギリギリにチケットを買ったので後方席から拝見。
下調べせずに観劇したのをちょっと後悔。
自分の無知でこの作品の半分も分かっていないと思う。
役者さんは皆さま素晴らしくもう一度観たいくらい。
勉強しなおして。

悪い芝居 vol.17『キスインヘル』
悪い芝居
HEP HALL(大阪府)
2015/06/17 (水) ~ 2015/06/23 (火)公演終了
満足度★★★
キスインヘル
前作のスーパーふぃクションに続く作品のイメージ
内容は覚悟していたけどまたちょっと違って面白かった。
だけど・・・。

オールスターチャンピオンまつり『五右衛門vs轟天』
劇団☆新感線
シアターBRAVA!(大阪府)
2015/05/27 (水) ~ 2015/06/30 (火)公演終了
満足度★★★★
五右衛門vs轟天
昨年に舞台も観ましたが
ただいまWOWOWで視聴中。
ネタモノは苦手だったのですが
35周年ってことで観たらクセになり3回も行ってしまいました。
過去キャラ知らなくても楽しめました。
くだらないと言えばくだらないから好き嫌い分かれると思いますが
35年続けてらっしゃるところで尊敬です。
賀来くんが素晴らしくなじんでらっしゃったので
私の中で今後期待する俳優さんの一人になりました。

わかれ道のリテラシー
9-States
小劇場B1(東京都)
2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

ガーデン~空の海、風の国~
オフィス3〇〇
ザ・スズナリ(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/29 (火)公演終了
満足度★★★★
作り続ける主体
劇団3○○/オフィス3○○はもとより、渡辺えり(子)作品の舞台じたいが初。漸く体験できた。
80年代~小劇場演劇の賑わいの一翼であったとの説明が、納得のできるスズナリ公演の千秋楽観劇、何かと趣き深いものがあだった。 前作「天使猫」を戯曲で読んだが、確信に満ちたト書き、にも関わらず複雑でよく解らず、「これは見なきゃ判らない」と思っていた所、なじみのスズナリが会場という事で、チケットを購入。
駅への道中、自転車のチェーンが外れ途方に暮れたかけたが、強引にペダルを回すとカツーン!と嵌り、開演ギリギリに駆け込める電車に駆け込んだ。
着いてみると外に人が並んでおり(当日券目当てか)、自由席の残席は下手の端の前方、鮨詰めだ。楽日、何と15分押しで開演。だが会場の空気は好意的。客層は意外に若い人が多い(周りは10代後半~20台前半風情)。「渡辺えり」ファンというのが居るんだろうな・・と推察。
舞台+客席はオーソドックスな組み方で、正面奥は目いっぱいタッパを使って二階部分の壁が見え、下部は奥から人の出入りが出来る。左右の壁も何らかの境界として機能し(それを示すようにコンクリートの隙間に生えたような植物が何箇所か植わって照明が当たっている)、三方の壁に囲まれた一つの「ガーデン」が形作られ、空間として程よく詰まった心地よさがある(箱庭的)。 夢か現か、幻か、謎めいて来た時点で、この舞台が人の想念の世界としても成立するような雰囲気が控えめながら仕込まれていると判る。(美術=伊藤雅子・・3○○とは初仕事のようだ)。
舞台の中嶋朋子は三度目、毎度堅実な演技と、謎めくと華やぐ風貌でハマり役。驚きは主宰渡辺氏自身の出張り具合、が、終演後の挨拶によれば今回は氏の還暦記念という事で出番の多いこの作品を選んだのだとか。俳優としてもやり手であった。他の俳優も「出来る」役者たちばかり。「塾生たち」として最後に(千秋楽につき)紹介されていた人達も結構いたが、舞台上で遜色なく(出番は少ないが)動いていた。
渡辺氏が戯曲や演劇について語る時の理屈の勝った印象が、舞台ではどこへやらで、この世界あっての渡辺えりなのだな・・と認識を改める。
お話はファンジー。冒頭の幻想的なシーンから、突如原始人三人組が登場するが、この三人(渡辺含む)のやり取りが秀逸で、氏がよく口にしそうな持論の片鱗も見えて「らしい」。彼らは「進化」を目指しているが、「なぜそうするのか」判らない。人間の歴史の、あるいはこの芝居の「要請」でやっているのだと半分判っている、という人格を演じ(コントに近いが)、要はメタシアター的な存在たる事を表明(狂言回し?)。この原始人らの行動が人間のゴテゴテした感情のモチベーションを持つとすれば、どこからか迷い込んだ中嶋演じる女は逆に無意識裏に何かに操られている雰囲気で存在する。シリアスな語りをここから広げ、一方ダイナミックな展開の大技を素朴で豪胆な原始人界隈が正当化する、という具合に行き来しながら舞台はヒートアップして行く。
細かな物語の進行は覚えていない(まず覚えられないと思う)。何やら事態が逼迫して来ると、何らかの「解」を得ようとあがき、想定がなされ、行動し、邪魔が入り、あれこれあって何らかの解決を見る、となるが、このかんの渡辺、中嶋の二役の転換(早替え)も見ものであるし、全体として流れるような進み方そのものが、「予定された事柄」であるかのような後味にも繋がる。技量を要求する芝居であり、主宰が舞台に当然に求めてきたこれがレベルなのだろうと思われた。
後でアフターイベントやトークのゲスト布陣を見ると、渡辺えりでなければ、という豪華さだったが、千秋楽での渡辺氏の思いの溢るる挨拶は、それをもって替えたいサービス精神の発露であったかと。
書き手・演出家としての渡辺えりは自らの方法論をとうに確立しており、これをこれからもやり続けて行くのだろう・・そんな想像をさせられるが、「現在」に機能する演劇を生み出す素地があると感じさせる溌剌さも同時にあった。
遅れ馳せであるが今後の仕事にも注目したい。

戯作者銘々伝
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2015/05/24 (日) ~ 2015/06/14 (日)公演終了
満足度★★★★
戯作者銘々伝 兵庫にて
兵庫芸術文化センターで拝見。
二幕仕立て。
井上ひさしさんの二つの物語をつなげたような作品。
なので幕間(まくあい)挟んで全く雰囲気変わる。
登場人物の主軸は変わらないけど
話の進むスピードというかリズムが変わる。

舞台『夜想曲集』
ホリプロ
天王洲 銀河劇場(東京都)
2015/05/11 (月) ~ 2015/05/24 (日)公演終了
満足度★★★
夜想曲集 梅田にて
梅田シアタードラマシティにて拝見。
てがみ座『空のハモニカ』を観てすっかりファンになった長田さん。
小川さんは昨年『ロンサム・ウェスト』を観て好きな演出家さんで。
役者さんはこのお三方が目当て。
近藤芳正さん、長谷川寧さん、中嶋しゅうさん。
主演は東出昌大さんと安田成美さん。
3組の二人の話がそれぞれ微妙に繋がっていて
大人な雰囲気のストーリーでした。

ともだちが来た
KUNIO
元・立誠小学校(京都府)
2015/05/14 (木) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

東京裁判 pit北/区域閉館公演
パラドックス定数
pit北/区域(東京都)
2015/12/22 (火) ~ 2015/12/31 (木)公演終了
満足度★★★★★
やはりすごかった。
超満員の観客が芝居に飲み込まれていくようなすごい作品であった。
役者の鬼気迫る演技は驚嘆すべきものであり、今年最後を最高の作品で見終えることができた。

「ラグナロク」
BLACK★TIGHTS
近鉄アート館(大阪府)
2015/05/04 (月) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

極上文學「草迷宮」
CLIE
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)
2015/04/10 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了
満足度★★★
極上文學 草迷宮
出演者の方々ほとんど初めてでしたので
少しの不安とたくさんの期待を胸に拝見しました。
まだまだ和装での所作は改善できるところもありましたけど
妖しい魑魅魍魎の世界へはしっかりといざなってくださいました。
美術にも凝っていて楽しかったです。
劇場が広すぎた印象なのでもう少し客席と密接な劇場なら
なお良かったと思います。
シリーズ化されてるのでしょうか。極上文學。
こういう作品はできれば続けてもらいたいです。