最新の観てきた!クチコミ一覧

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藪原検校(やぶはらけんぎょう)

藪原検校(やぶはらけんぎょう)

こまつ座

世田谷パブリックシアター(東京都)

2015/02/23 (月) ~ 2015/03/20 (金)公演終了

満足度★★★★★

人間ってヤツは……
陽気なふてぶてしさと哀切さが同居する主人公の印象、劇中で語られる早物語の完成度、時代の風俗も織り込んだ物語の面白さなど多くの見どころがあったが、それ以上に、人間というモノのおろかさやみにくさ、あるいは業(ごう)とでもいうしかない何かが感じられて、何度も冷たいものが背筋を上っていくような気がした。

再生ミセスフィクションズ

再生ミセスフィクションズ

Mrs.fictions

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

珠玉!
『伯爵のおるすばん』以来1年数ヶ月ぶりのMrs.fictions単独公演は「再演とかしない村」出身の彼らが禁を犯して挑んだ(!?)再演作品集でした。

それぞれ趣向を凝らした(作・演出・キャストすべて初演通りだったり、外部演出家を起用したり、別メンバーの戯曲のリメイクだったり)ラインナップに加えて、インパクトの強い怪人ビジュアルのチラシや怪人カードみたいなチケット、予約者全員に公演DVDプレゼントなど、いろいろと面白い試みもあり、企画力の確かさを感じました。

かねてから評価の高い『東京へつれてって』や『お父さんは若年性健忘症』の安定感はもちろん、登場人物のチャーミングさが印象的な『ねじ式』、奇妙な味わいでじわじわとしみてくる『まだ僕を寝かさない』など、まさに珠玉の作品集だったと思います。

大塚愛vs.家具

大塚愛vs.家具

宇宙論☆講座

新宿トップスペース(東京都)

2015/12/28 (月) ~ 2015/12/30 (水)公演終了

満足度★★★

音楽の力は偉大
久々にとんでもないものを観ました。アングラです。演劇でしか出来ないことでしょう。そしてグダグダです。そのグダグダがどこまでが計算で、どこからが本当にグダグダだったのかはよくわかりません。かなりの部分、本当にグダグダだったのでしょう。それでも随所に光るものがあり、表現しがたい魅力があります。
きっちり稽古して計算できるようになったら、驚異となるかもしれません。

役者面では、石原さとみ役の飯田みゆさんが光ってました。

ネタバレBOX

「エンディングでJ-POPをかけるな」には同意です。私も気をつけなければ・・・
究極町内会

究極町内会

爬虫類企画

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/12/25 (金) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

年の瀬に相応しい
年末。池袋の人ごみをかき分け観劇。30人を越える多人数のキャスト、大きな劇場、しっかりした舞台美術で、年の瀬に相応しい豪華な舞台でした。
ただ、いかんせん自然な感情を伴う演技ではなかったため、少々展開に無理があるように見えてしまいます。
役者としては、青木満理子さんが良かったです。

ネタバレBOX

主宰の方が上半身裸で女優さんを抱くのは、ちょっと引いてしまいました。
墓場、女子高生

墓場、女子高生

ベッド&メイキングス

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

墓場、女子高生
ベッメイ初演の再演
トミーさんと出会ってから観たいと思ってたのだけど
この頃はまだ遠征してまで観るのは限られてた。

『南の島に雪が降る』がとても良くて
次の『サナギネ』もとても良くて。
ここのはもう間違いないって確信。
(あくまで私にとって)

今回のお目当てはたくさん!
葉丸あすかさん(柿喰う客)、望月綾乃さん(ロロ)、猫背椿さん、トミーさん。


1回くらいしか観たことないけど気になる役者さんで
清水葉月さん、根本宗子さん、佐藤みゆきさん、杉ありささん。

この女子高生たちが皆様とても素晴らしかった。

ネタバレBOX

話はギャグも盛り込まれ、歌もあり、
笑える内容だけど
日野を巡って色んな人の気持ちが渦巻いて
複雑な感情が私にも。

日野ちゃんは皆に
それぞれのニックネームで呼ばれてる。
それだけ日野ちゃんを独占したいって思える人だったんだろう。
日野ちゃん、日野っち、ぴの…日野ぺちーの

でも日野ちゃんは皆と付き合いながら自分だけの世界も持ってる感じ。
ちょっと皆より大人な雰囲気。
もしかしたら輪廻を皆より繰り返しているのかなと思った。
輪廻を繰り返すと精神年齢が高くなると聞く。

日野役の清水さんは『サナギネ』も良かったけど
今回も可愛くて。声が良い。
ねもしゅーさんはこういうぎゃんぎゃんする役が多いんだけど。
違うのも観てみたい。でもすごく似合っててよかった。

綾乃さん(ビンゼ)とみゆきさん(メンコ)のこの作品での役が好きだった。
今まで観た作品ではそんなに魅力的に思わなかったのだけど(すみません…)今回とっても良かった。

チョロ役の山田さんは初見。
精神的には日野ちゃんと親密に繋がってるみたいな役で
バランスが良かった。

ナカジはもうあすかさんにピッタリ!
表情も、踊りのキレもさすが。

みんなのキャラクターが愛らしかった。

でも今回すごく目で追った方が。
ジモ役の青山美郷さん。

この方は舞台で観るのは初めて。
表情とか動きが幅広くて
ずっと見てたいって思いました。
映画『円卓』でも良かったのでこれから注目したい。

セットがちょっと中屋敷さんの『露出狂』を思い出した。
だからこれの男版も面白いんじゃないかなと思った。

合唱が上手かった。

「生」について考えさせられる作品で
でもそこまで重くもない仕上がりになってた。

これをブルースミュージカルだと言ってる劇評家さんがいらしたけど
納得。
泣きを歌で表してるって。

深いなぁ。




NEW HERO

NEW HERO

さんぴん

東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/22 (水)公演終了

満足度★★★★★

NEW HERO
体が使える方たちなので
演劇というよりダンスよりかなと思っていたけど
それだけではなく
色んな要素が含まれていて面白い作品になってました。

第1回めのテーマは東京。

色んな人の東京への思い、エピソードを俳優4人がインタビューをし
それを構築して作品に仕上げられた。

ダンスだったり、落語だったり、ラップだったり、リーディング風だったり
色んな想いを色んな方法で伝える作品。


全然知らない人たちのエピソードなのだけど
素敵な表現者たちが客席へと届けてくれました。


ネタバレBOX

オムニバスぽくエピソードが続いていて
そこを繋げることとかは特にされず。
予定上演時間が延びたのも
カット出来なかったからと。
伝えたい気持ちが溢れてる。

東京芸術劇場シアターイースト横にある
アトリエの細長いスペースの舞台。

真ん中に音を出すサンプラー?みたいな機材が置かれ
音響も照明も全部役者がやりながら演じられてた。

舞台袖も見えていて能のような舞台脇。

エピソードそれぞれの繋ぎが少しぎこちないところもあったように思ったけど
後半気持ちも盛り上がり
とても面白かったし考えさせられたし元気が出た。

「君の人生の断片は誰かの人生の本編だ。」

これすごい言葉。


誰でも生きる権利はあるし
誰でもHEROになれるし。
「生」へのメッセージがあって 強さがあった。

ごり押し感は無く。そこが良かった。

帰ってきてから
じわじわとまた観たいなぁと思えて
舞台のあの人にまた会いたいなぁ、河合塾のあの4人に…
マンホールマンのあの子に…
あの講談師に…

また行くことにしました。
気持ちが動かされると体も動くのです。



その後千秋楽観劇

とても小さい、劇場とは言わないようなところ。
役者がとても近く客席は3列しかない空間。

旗揚げされたばかりだということもあり
小劇場観劇者の少なさ、同じ人が結局回り回って観ている実態も思い知るそんな客数だったのが
千秋楽は満席で(と言っても70人にも満たなかったかも)

やはりそうなると役者もノってる感じもし、
それだけ公演をこなしてきてこなれてきたというのもあり…
いや、やっぱり客席が満たされていたのが大きいと思う。

さんぴん風に言うと
会場のヴァイブスがあげぽよでした!

お客さんと作り上げるものでもあるんだなぁと改めて実感。
リピートして良かったです。







阿弖流為

阿弖流為

松竹

新橋演舞場(東京都)

2015/07/05 (日) ~ 2015/07/27 (月)公演終了

満足度★★★

阿弖流為
初見は少し物足りなく感じました。
新感線と歌舞伎の殺陣が続けてあることに間延びしてるように思ったり。

物語はとても面白く新感線のいのうえ歌舞伎好きの自分はたまらないのですが
歌舞伎NEXTとしてどうなのか?という疑問もぬぐえないような気もしました。

不倫探偵 ~最期の過ち~

不倫探偵 ~最期の過ち~

大人計画

サンケイホールブリーゼ(大阪府)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

不倫探偵
"21世紀の不幸を科学する 日本総合悲劇協会"
サブタイトルすごい。


あんまり大人計画に興味はなかったのだけど
松尾スズキさんが好きで
新感線とコラボのラストフラワーズとかドラマ植物男子ベランダーに出てくるキャラクターが好きで。
松尾さんが書かれた 小説『クワイエットルームへようこそ』も好きで。
とにかくこの方を知りたいって欲がありまして観劇。

今回 主人公でしたけど私の好きな松尾さんのキャラクターでした♪

動きだけで面白くてずーっと笑ってた!
お隣の方も結構声を出して笑われる方で安心して思いきり笑えたのでスッキリ。

『あまちゃん』に出てた方が勢揃い。
二階堂ふみちゃんも。



ネタバレBOX

罪十郎(松尾スズキ)が警察を辞めて探偵になった。罪十郎は人妻にしか興味がないので不倫探偵と呼ばれてる。
ある時探偵事務所の隣の部屋で殺人事件が起こり
昔の相棒 赤星乱 通称レッド(片桐はいり)が現れ事件を調べていく。

罪十郎に関わる人たちが絡んでしっちゃかめっちゃかな話なんだけど
その裏には愛やら憎悪やら性癖やらが隠れていて…
突き詰めれば重くて良い話だったりする
こちらの取りようで深い話にも浅い話にもなるような
そんな話。


私はもう浅く取りました。
ただ、ただ笑ってました。

小ネタがいっぱい。新感線とはまた違うタイプのネタもの。
でもどちらも世代が近いのですごいわかるから有り難い!


はいりさんのレッドの髪型とか
全体的に漫画風。


くだらないギャグがちりばめられて面白かった。
ネタものだからあっという間に笑ってたら終わってしまった。

音楽のセンスが良かった♪
スティービー・ワンダーのアナザースターとか。

探偵では食っていけないから歌を歌ってる罪が
美輪明宏さんの風体で1曲歌っててそれも大爆笑でした。
何故か赤井英和の歌?
ライザップとか引っ越しのサカイのCMネタ。

公園さんが半沢の時の赤井英和の風体で出てきてかなり似てた。

紙ちゃんが古本買い取りに来たのよ~って
ごまかしてる時に
罪が売りたい本あるんだよ~って
百田の殉愛出したのには大笑い!

大満足でした。
珈琲法要

珈琲法要

ホエイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/12/31 (木) ~ 2016/01/06 (水)公演終了

満足度★★★★

元旦早々
大晦日公演の観劇は体力無く、断念。年明けてアゴラへ参ると、閑散としているかと思いきや意外に席は埋まっていた。
 本作、この再演で初めて拝見。これまで見た青年団リンク・ホエイの舞台や劇団野の上(作者の山田百次主宰)の舞台とは一つ、趣き、というより深まり具合?の違う芝居になっていて、ほのぼの・のほほん・ほんわか といった雰囲気を思わせる題名(ひーとかほーが入ってるし・・)を引っぺ返すと軽い麦でなく(麦も美味いけど)、ずっしりとお米だった。
 三人によるシンプルな芝居。だが語られる事柄の重さ・広がりが、津軽弁の飄けた会話の中から徐々に立ち上がってくる。 
 最後に近い場面、女の口からぽそりと投げられる台詞は、効く。

ネタバレBOX

舞台は簡素だが、その中でアイヌの民族衣裳や、奏されるムックリ(アイヌの口琴)の上手さ、子守唄など、アイヌの風俗がとても丁寧に再現されている。ここに好感が持てた。というより芝居の要であるか。。(アイヌを演じた菊池氏に敬服)
 史実を基に書かれた話という。江戸時代だけにお上の命は絶対、ヲロシア国警備のために派遣された者たち。しかし相手はせめて来ず。 ただ、寒さと飢えの中で人が次々死んで行く。

 ポストトークでの河村氏の発言・・「日本の国はなぜ兵站を軽視するのか」
 確かに、、先の戦争でのインパール作戦、泰緬鉄道しかり。
 日本のアジア進出では、補給路を確保しつつ進軍する計画でなく、中国~東南アジアどこも例外なく、食糧から燃料からを現地調達するという甚だ無責任な方針で、だから強奪が起きたし、逆らう民間人も殺したし、組織的に食糧を奪って百万単位の餓死者をベトナムで出したという話もある。
 南方での玉砕も、餓死すれすれ。米軍の攻撃を受けて辛うじて「戦死」できたという・・・(苦)
 と考えると、「この後先考えなさ」は、文明と合理主義の浸透したはずの今の日本で、もう憂える必要のない心配事、なんだろうか・・
 このところ愚かな決定が頻発している中、最終的に誰も責任をとらない体制が結局何百年も続いてきたのだと、最悪の状況の中で気づくのだけは、避けたいものだ。
アドルフに告ぐ

アドルフに告ぐ

KAAT神奈川芸術劇場

京都芸術劇場(京都芸術大学) 春秋座(京都府)

2015/06/27 (土) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

アドルフに告ぐ
ギリギリにチケットを買ったので後方席から拝見。

下調べせずに観劇したのをちょっと後悔。
自分の無知でこの作品の半分も分かっていないと思う。

役者さんは皆さま素晴らしくもう一度観たいくらい。
勉強しなおして。

悪い芝居 vol.17『キスインヘル』

悪い芝居 vol.17『キスインヘル』

悪い芝居

HEP HALL(大阪府)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/23 (火)公演終了

満足度★★★

キスインヘル
前作のスーパーふぃクションに続く作品のイメージ
内容は覚悟していたけどまたちょっと違って面白かった。

だけど・・・。

ネタバレBOX


最後の最後でなんかしらけたというか
そこの意味を自分が欲しがってしまって
何で?何で?
何でここで最後歌うの?みんな一緒に歌うの?

何なの?その煽り。
最後の歌やから盛り上がれ?何で?
ってなってスタンディングしたけどちょっと冷めてしまってた。

『マボロシ兄妹』のモヤモヤはすごく好きだったけど
今回のは心地悪いモヤモヤの種類。

1回だけの観劇ではイマイチ解りきれない私なので
もう1回観ればまた変わるのかもしれないけど…

席を前から後ろに変えてもらったのは良かった。
照明がすごく綺麗に見えた。
舞台美術も高く使うので後ろの方から観るのは正解だったかも。

場転への流れていく音、植田さんと畑中さんの感じはすごい好き。
時々歌舞伎のツケみたいに感じる音が入ってたり
見得きるような台詞もあって古典な匂いをうっすらと感じて(実際は違うと思うけど)そこは面白かった。

りょうさんの業はほんとキャラ的にずるく て
ずっと笑える。
だけど既視感もある。
ロッキーホラーショーのフルター思い出す。唇のセットもRHSのイメージがあって…。

でも…終わる寸前まで嫌いではなかったのだけど
最後の最後でポカーンとなってしまった。
オールスターチャンピオンまつり『五右衛門vs轟天』

オールスターチャンピオンまつり『五右衛門vs轟天』

劇団☆新感線

シアターBRAVA!(大阪府)

2015/05/27 (水) ~ 2015/06/30 (火)公演終了

満足度★★★★

五右衛門vs轟天
昨年に舞台も観ましたが
ただいまWOWOWで視聴中。

ネタモノは苦手だったのですが
35周年ってことで観たらクセになり3回も行ってしまいました。

過去キャラ知らなくても楽しめました。
くだらないと言えばくだらないから好き嫌い分かれると思いますが
35年続けてらっしゃるところで尊敬です。

賀来くんが素晴らしくなじんでらっしゃったので
私の中で今後期待する俳優さんの一人になりました。

わかれ道のリテラシー

わかれ道のリテラシー

9-States

小劇場B1(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
スタイリッシュな群像劇。ちょっとカッコつけすぎの気もしますが、惹かれちゃいますね。

ガーデン~空の海、風の国~

ガーデン~空の海、風の国~

オフィス3〇〇

ザ・スズナリ(東京都)

2015/12/16 (水) ~ 2015/12/29 (火)公演終了

満足度★★★★

作り続ける主体
劇団3○○/オフィス3○○はもとより、渡辺えり(子)作品の舞台じたいが初。漸く体験できた。
 80年代~小劇場演劇の賑わいの一翼であったとの説明が、納得のできるスズナリ公演の千秋楽観劇、何かと趣き深いものがあだった。 前作「天使猫」を戯曲で読んだが、確信に満ちたト書き、にも関わらず複雑でよく解らず、「これは見なきゃ判らない」と思っていた所、なじみのスズナリが会場という事で、チケットを購入。
 駅への道中、自転車のチェーンが外れ途方に暮れたかけたが、強引にペダルを回すとカツーン!と嵌り、開演ギリギリに駆け込める電車に駆け込んだ。
 着いてみると外に人が並んでおり(当日券目当てか)、自由席の残席は下手の端の前方、鮨詰めだ。楽日、何と15分押しで開演。だが会場の空気は好意的。客層は意外に若い人が多い(周りは10代後半~20台前半風情)。「渡辺えり」ファンというのが居るんだろうな・・と推察。
 舞台+客席はオーソドックスな組み方で、正面奥は目いっぱいタッパを使って二階部分の壁が見え、下部は奥から人の出入りが出来る。左右の壁も何らかの境界として機能し(それを示すようにコンクリートの隙間に生えたような植物が何箇所か植わって照明が当たっている)、三方の壁に囲まれた一つの「ガーデン」が形作られ、空間として程よく詰まった心地よさがある(箱庭的)。 夢か現か、幻か、謎めいて来た時点で、この舞台が人の想念の世界としても成立するような雰囲気が控えめながら仕込まれていると判る。(美術=伊藤雅子・・3○○とは初仕事のようだ)。
 舞台の中嶋朋子は三度目、毎度堅実な演技と、謎めくと華やぐ風貌でハマり役。驚きは主宰渡辺氏自身の出張り具合、が、終演後の挨拶によれば今回は氏の還暦記念という事で出番の多いこの作品を選んだのだとか。俳優としてもやり手であった。他の俳優も「出来る」役者たちばかり。「塾生たち」として最後に(千秋楽につき)紹介されていた人達も結構いたが、舞台上で遜色なく(出番は少ないが)動いていた。
 渡辺氏が戯曲や演劇について語る時の理屈の勝った印象が、舞台ではどこへやらで、この世界あっての渡辺えりなのだな・・と認識を改める。
 お話はファンジー。冒頭の幻想的なシーンから、突如原始人三人組が登場するが、この三人(渡辺含む)のやり取りが秀逸で、氏がよく口にしそうな持論の片鱗も見えて「らしい」。彼らは「進化」を目指しているが、「なぜそうするのか」判らない。人間の歴史の、あるいはこの芝居の「要請」でやっているのだと半分判っている、という人格を演じ(コントに近いが)、要はメタシアター的な存在たる事を表明(狂言回し?)。この原始人らの行動が人間のゴテゴテした感情のモチベーションを持つとすれば、どこからか迷い込んだ中嶋演じる女は逆に無意識裏に何かに操られている雰囲気で存在する。シリアスな語りをここから広げ、一方ダイナミックな展開の大技を素朴で豪胆な原始人界隈が正当化する、という具合に行き来しながら舞台はヒートアップして行く。
 細かな物語の進行は覚えていない(まず覚えられないと思う)。何やら事態が逼迫して来ると、何らかの「解」を得ようとあがき、想定がなされ、行動し、邪魔が入り、あれこれあって何らかの解決を見る、となるが、このかんの渡辺、中嶋の二役の転換(早替え)も見ものであるし、全体として流れるような進み方そのものが、「予定された事柄」であるかのような後味にも繋がる。技量を要求する芝居であり、主宰が舞台に当然に求めてきたこれがレベルなのだろうと思われた。
 後でアフターイベントやトークのゲスト布陣を見ると、渡辺えりでなければ、という豪華さだったが、千秋楽での渡辺氏の思いの溢るる挨拶は、それをもって替えたいサービス精神の発露であったかと。
 書き手・演出家としての渡辺えりは自らの方法論をとうに確立しており、これをこれからもやり続けて行くのだろう・・そんな想像をさせられるが、「現在」に機能する演劇を生み出す素地があると感じさせる溌剌さも同時にあった。
遅れ馳せであるが今後の仕事にも注目したい。

戯作者銘々伝

戯作者銘々伝

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2015/05/24 (日) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

戯作者銘々伝 兵庫にて
兵庫芸術文化センターで拝見。

二幕仕立て。
井上ひさしさんの二つの物語をつなげたような作品。

なので幕間(まくあい)挟んで全く雰囲気変わる。
登場人物の主軸は変わらないけど
話の進むスピードというかリズムが変わる。

ネタバレBOX

東京公演の感想をチラッと見たりしてたら
一幕がつまらないとか二幕から面白くなるってのが多かった。

でも私は逆に一幕が面白くて二幕がちょっと物足りなかったと感じた。

これだから面白い。
観る人の数だけ感想はある。


一幕はたくさんの人物が出てきて
ある種、短編集みたいなつくり。
わちゃわちゃしてるけど
それが井上ひさしさんらしくも思うし、観てて楽しかった。

映画『駆込み女と駆出し男』を観ていたので
その時代活躍してた戯作者のこと、何でも書ける時代でなかったこと、銭湯が交遊の場だったこと…など
理解していたのですんなり入れた。


これを観た後にまた映画を観に行ったら
やっぱり面白かった。


北村有起哉さん山東京伝役。
井上ひさし作品が似合う。
有起哉さんの持ってる匂いが合ってる。

他の出演者の方々も素敵。

なかでも山路さんお初でしたが
この方に持ってかれた。


歌が結構あって意外だったけど
新妻聖子さんがいらっしゃりさすがの美声。

あともう1回くらい観たかった。


舞台『夜想曲集』

舞台『夜想曲集』

ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2015/05/11 (月) ~ 2015/05/24 (日)公演終了

満足度★★★

夜想曲集 梅田にて
梅田シアタードラマシティにて拝見。

てがみ座『空のハモニカ』を観てすっかりファンになった長田さん。
小川さんは昨年『ロンサム・ウェスト』を観て好きな演出家さんで。
役者さんはこのお三方が目当て。
近藤芳正さん、長谷川寧さん、中嶋しゅうさん。

主演は東出昌大さんと安田成美さん。


3組の二人の話がそれぞれ微妙に繋がっていて
大人な雰囲気のストーリーでした。

ネタバレBOX

私が好きだったのは安田成美さん演じるリンディと近藤芳正さん演じるスティーブンのお話。

安田成美さんがとてもキュートでした。
近藤芳正さんの佇まいは可笑しみがあって
それでいてペーソスも感じられて。
前妻に電話して漸く「ありがとう」って伝えたあとの表情が切なくて…
そのお顔が見られる席で良かった。

リンディとトニー(中嶋しゅう)のお話も大人の恋って感じで素敵でした。

ヤン(東出昌大)とエロイーズ(渚あき)のチェロの講師と生徒みたいな話はちょっと解りきれないところがあってモヤモヤ。


小説を読んだら何かわかるかな。


長谷川寧さんは色んな役柄で3つの話に。
さすがに所作が美しくてウェイター姿もかっこ良かった。


音楽も素敵でした。
東出くんのチェロに加え、ギターとコントラバスとの心地よい音色。

音楽は阿部海太郎さん。
他の作品でもお名前を目にすることが多いですが
ノスタルジーな感じが好きでした。



ともだちが来た

ともだちが来た

KUNIO

元・立誠小学校(京都府)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★

ともだちが来た
二人芝居
まだまだ青い匂いがするくらいがちょうど良い

狭い音楽室のあの感じも良かった。

東京裁判 pit北/区域閉館公演

東京裁判 pit北/区域閉館公演

パラドックス定数

pit北/区域(東京都)

2015/12/22 (火) ~ 2015/12/31 (木)公演終了

満足度★★★★★

やはりすごかった。
超満員の観客が芝居に飲み込まれていくようなすごい作品であった。
役者の鬼気迫る演技は驚嘆すべきものであり、今年最後を最高の作品で見終えることができた。

「ラグナロク」

「ラグナロク」

BLACK★TIGHTS

近鉄アート館(大阪府)

2015/05/04 (月) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★

ラグナロク
衣装がとても良かった。
作品としてはもっともっと期待してしまいます。


極上文學「草迷宮」

極上文學「草迷宮」

CLIE

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

2015/04/10 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

極上文學 草迷宮
出演者の方々ほとんど初めてでしたので
少しの不安とたくさんの期待を胸に拝見しました。

まだまだ和装での所作は改善できるところもありましたけど
妖しい魑魅魍魎の世界へはしっかりといざなってくださいました。

美術にも凝っていて楽しかったです。

劇場が広すぎた印象なのでもう少し客席と密接な劇場なら
なお良かったと思います。

シリーズ化されてるのでしょうか。極上文學。
こういう作品はできれば続けてもらいたいです。

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