
家族
オーストラ・マコンドー
吉祥寺シアター(東京都)
2015/03/05 (木) ~ 2015/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
うむ
親子で鍋を囲み、母が去るシーンが美しく悲しい。あのシーンがピークであり、幕でいいのに…と思いながら観ていた。観終えて分かった。父の涙からのあのシーンが確かに感情の頂点。でも、もっとぬくもりを残したかった訳ですね。後味が格段に違う。昭和の匂いがプンプンする、ノスタルジックな作品なのに、現代という驚き。人を愛し、大切に思えばこそのすれ違いが切なくも温かい。あのゆったりとした父が、母(妻)の病状を聞かされた時の目と、他界した息子の嫁とのやり取りの涙は、心をえぐられる。特筆すべきは、俳優としても出演しているmogmosの歌う『カントリー・ロード』の素晴らしさ。沁みる。「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない」というサビの歌詞がヤバイ! グッとくる。 終演後にロビーでCD販売していて、迷わず購入。あなたも是非。

たぶん世界を救えない
東京マハロ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2015/03/25 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
傷跡
震災と原発。違う視点で作られていた。人間の愚かさ、醜さ、逞しさ、優しさ…。そして、生きる。電力会社員演じる工藤潤矢さんの激昂が作品を高めた。山口芙未子さんの美しさが悪女をリアルにした。山口さんをメインにした作品を熱望する。

現役女子中学生アイドル連続失踪事件、他
santacreep
RAFT(東京都)
2015/03/24 (火) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
『晴れ、ときどき束縛、のち解放』
ナンセンスで、バカバカしい楽しさ。終演後に会場を出て、わずか5メートルばかりで缶詰めのフタが落ちているという奇跡 たなか沙織さんの、ぶっきらぼうでオドオドした感じに心をくすぐられる。

十二夜
青年団リンク・RoMT
アトリエ春風舎(東京都)
2015/03/11 (水) ~ 2015/03/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
千秋楽
素晴らしい。今年No.1。これまでの全ての中でも指折り。演劇の素晴らしさに溢れていた。娘たちに観させてやりたかった。再演すべきだ。一度しか観られなかったことを呪いたい。冒頭からヴァレンタインの横地梢さんから目が離せなかった。李そじんさんの麗しさにウットリ。男装して愛しい人に仕え、しかも姫への恋のキューピットを仰せつかるジレンマを、纏ったその柔らかなオーラと潤んだ瞳が匂い立たせた。完全に心を射抜かれた。そして大好きな小瀧万梨子さんのコメディエンヌっぷりに脱帽。こんなのできちゃうのね。

誰
水素74%
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/04/16 (木) ~ 2015/04/22 (水)公演終了
満足度★★★★★
もう
鮎川桃果さんの美しさから目が離せない。ズッキュン娘『ダーリン!ダーリン!』に始まり、Straw&Berry『ワンダーランド』、さらにはNHKドラマ『徒歩7分』を挟んで、舞台出演を3作品拝見した。言うまでもなく美人なのだけれど、作品の中でしっかり生きている。惚れる。

谷間にカンパイ!
劇団ズッキュン娘
シアター風姿花伝(東京都)
2015/04/22 (水) ~ 2015/04/27 (月)公演終了
うむ
今作のイチオシ。「わたし、時間あまっちゃったよ。」他界した婚約者に向けた名台詞。月夜野彩音さんが爽やかだった。虐げられた状況からの脱却。爽快だった。憎まれ役を熱演された山田梨佳さんが群馬の学生と知り親近感がわいた。はちみつシアターの栗野さんと前園さんはハズレ無し。それにしても、ズッキュン娘の客層は、他の劇団や公演とは明らかに違う。開演前の行列にも驚く。この集客力は、主宰の藤吉みわさんの魅力とコンセプトの確かさだな。集客に苦戦する公演も多い中…スゴイ! うーむ…状況や会場の空気と、自分とのギャップが大きくなってきたカモ…。

売るものがある性
財団、江本純子
アトリエヘリコプター(東京都)
2015/04/23 (木) ~ 2015/04/29 (水)公演終了
江本ワールド
何とも表現し難い作品。ある意味『コーラスライン』だな。食品工場?の…『君たちキウイ…』の時の動き…左手をごにょごにょする…笑える。しんぺーさんのオバサンに、心くすぐられた。佐久間麻由さんは何してもカワイイ。荻野友里さんが意外と逞しくてトキメク。ラストを、あの香りの中であの台詞で締めるシュールさ。いいね。市川しんぺーさんと荻野友里さんの息のあったコンビネーションが最高。寒さに耐える荻野さんの脚を擦ったりバタつかせたりする姿がリアル。二人のペチペチダンスが袖から戻ってくるのも堪らない。豆乳、チョコ、ピーナッツ、カマンベール。あれは何だったのだろう。やけに気になる。そして、佐久間麻由さんのスタイルが美し過ぎて見惚れる。ときめく。

俺達なりの、旅。
グラウンド02
OFF OFFシアター(東京都)
2015/04/22 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了
満足度★★★★★
千秋楽
大好きな小松台東の松本哲也さんが作・演出で、面白くないはずがない。ファンクラブ会員にもなっているほど大好きなモダンスイマーズの西條さん、組曲空想で虜になった川田希さんが出演。そしてまた素敵な女優さんに出会った。蓮菜貴子さん。心を射抜かれた。好きな女の子の前ではカッコつけたいし、優しくありたいオトコ心。なのにそういう思いは大抵うまくいかない。そして友達の自然な振る舞いがウケて激しく嫉妬する。ダメだとわかっているのに意地をはってどツボにハマる負のスパイラル。痛いほどわかる。やけっぱちな「申し訳ない」合戦からの「おめでとう」「ありがとう」「…大丈夫」に、安堵。わだかまりが解けて良かったね。名言「どうなるかわかんないことを考えても仕方ない」。あと、女の子と二人で歩く(帰る)ことは、やはり特別なことなんだなぁ。カワイイ子は自由人。カワイイから許せちゃう。でもちょっと失敗すると大バッシング。芸能人に対するマスコミや世論も全く同じだな。それにしても蓮菜貴子さんの口元、ビカビカの白い歯の笑顔、大きな瞳にゾッコン。まっすぐに見つめられたら命はないな。神秘。

『冒した者』/『ウィンドミル・ベイビー』
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2015/05/07 (木) ~ 2015/05/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
『ウィンドミル・ベイビー』
スタジオ空洞に長蛇の列。アマヤドリの雨天決行。中村早香さんのひとり芝居。こんなに並んでいるなんて…なんか嬉しい! アマヤドリのホームグランドだからなのはわかるけれど、アマヤドリの認知度の高まりを感じる。ヤッホーィ

すべての犬は天国へ行く
ぬいぐるみハンター
インディペンデントシアターOji(東京都)
2015/04/29 (水) ~ 2015/05/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
オール女優
すべて女性キャスト。というより登場人物がそうなのだ。男性かと思う登場人物もみな女性。そういう作品だから当然だ。そして女優さんがみな魅力的。まずは、ザンヨウコ。あの声で、真顔で、すっとぼけたことをサラッと言うんだから。たまらない。美しさの豪速球で心を撃ち抜かれた小川夏鈴さん。あんな娼婦がいたらダメでしょ。オトコはみな、カネとココロを奪われる。胸元のホクロの妖艶さを語り出したら、エロおやじ丸出しになるから禁物。たくさん拝見したい女優さんがまた一人増えちゃった。志賀聖子さん。おちゃめな娼婦。ちょっと的外れな天然キャラが可愛らしい。何と言っても、くりっくりの大きくて澄んだ瞳で真っ直ぐに見つめられたら愛しさが溢れて溺れると思う。トトロともネコバスとも思える(褒めてます)大きな口もカワイイ。青山祥子さん。まるで少女漫画から飛び出してきたような貴公子のよう。もうカッコよさが国宝級。小さい顔にスラーッと長い手脚。同じ日本人…というより同じ生物とは思えない。かっこいいけど、ドレスとか着たら…想像が掻き立てられる芸術的美しさ。目当てのたなか沙織さん。ワイルドな容姿で毒づきならも人の良さが滲む。もっと刺激的な衣装でも…いや、そうなると冷静に作品を観られなくなっちゃうか。清楚からセクシー、ヨゴレまで、幅を広げてますね。ラストシーンが印象的でした。

幕が上がる
パルコ・プロデュース
Zeppブルーシアター六本木(東京都)
2015/05/01 (金) ~ 2015/05/24 (日)公演終了
教室
中学生の感受性、舐めたらあかんな。改めて認識した。そして、生徒の前からいなくなってはイケナイ。逆に、生徒の前から去ったとき、心に何かを残し、より良く生き続けたい。そう強く願った。彼らの前に立つことの意義を高めたいと強く思う。

窒息
女々
千本桜ホール(東京都)
2015/05/22 (金) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
破壊
とみやまあゆみさんを観た。同業者でビックリ。相変わらずの美しさに目が離せなかった。「本質」や「本音」をさらけ出すことの先には笑顔と涙があり、両刃の刃だった。その解放には緊張感があり息が詰まる。その窒息しそうな空気をぶち壊すラスト、嫌いじゃない。

エンドロール
トム・プロジェクト
赤坂RED/THEATER(東京都)
2015/06/10 (水) ~ 2015/06/17 (水)公演終了
満足度★★★★★
木村多江さん
コメディエンヌの才能を開花。ウッチャンとの共演であっても清楚な妻キャラは拭えないのは、あの美貌なのだから仕方ない。でも今回はキュートで笑わせてくれる。勿論、美しさは観ているだけで幸せになれる。彼女の視線が、舞台上にたくさんの共演者を見せてくれた。

やぶれた虹のなおしかた
こゆび侍
駅前劇場(東京都)
2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
女子高生
今更ながら、素敵な作品だった。王子で「くまマーク」を集めていた女子高生が、高校の現代文の教師になってた。そして裏では母になってた(^^) 時の流れを感じる。主宰の、劇団員への愛とエールを感じる台詞がいっぱいだった。島口さん。おかえりなさい。小園さんの目がキラキラしてて、観ていて幸せな気分になった。とてもキレイだった。心がキレイなイイ役だった。なるほど、納得した。今回もまた、女子高生に胸を鷲掴みされた。王子の二人と下北沢の二人。タイプは全く違うのに、どちらも最高にカワイイ。今回は、あの美しくカワイイ二人によって成立していた。前回は田舎娘っぽさが最高だった。こゆび侍の女子高生にハマる。登場人物がみんな魅力的。誰ひとりとして間違ったことをしていないのに、とっても切ない。真実を告白したのに信じてもらえないことの絶望感。痛々しかった。でも、一人でも味方・理解者がいてくれれば生きていけるんだね。そして、facebookは怖いね。

墓場、女子高生
ベッド&メイキングス
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
再演希望
娘に観せたくなった。生徒に観せたくなった。君たちにも、青春を謳歌して欲しい。あんな風に駆け抜けて欲しい。生きていることを実感して欲しい。死ぬ理由になるような付き合いをする必要はない。ただ、本音の多い人生を生きて欲しい。▶彼女たちの二度目の衝撃。二度も逝かねばならない彼女。「あたし、ウンコの話がしたいんだもん!」のパンチ力にKOされた。彼女の存在感が突出していた。佐藤みゆきさんのエネルギーを全身に浴びた。これだから、観劇やめられない。前回の女子高生キャストは、皆さん各方面でご活躍で、キャスティング力に感心。今回も素敵な女子高生キャスト。ただ、どちらがイイという意味ではなく、キャストが代わるとこんなにも違うのかと思い知る。登場人物の関係性やイメージが、もう完全に別の作品のよう。それも楽しい。もう、定期的に再演を繰り返して欲しい。女子高生は毎回総入れ替えで。そして観客は、東宝やら松竹やら四季やらのロングラン作品のように、無責任にお気に入り女子高生でベストキャスティングを考えたりすればイイ! ワクワクする。

戯曲Operation
ACTOR'S TRIBE ZIPANG
中野スタジオあくとれ(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
初日
初日。練り込まれた逆転に次ぐ逆転のサスペンス。仕掛けているのは誰なのか。騙されているのは誰なのか。ラストにあっけらかんとうっちゃられる感じも面白い。それにしても、梅宮万紗子さんの牽引力に驚いた。彼女の登場で物語が動き出す。パワー全開。腕上がってるなぁ。

ハイスクールミレニアム2015
アリスインプロジェクト
六行会ホール(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
期待以上の面白さ
凄い!
これまで何本か見て来たアリスイン作品の中でも、これは絶品の作品だったと思います。
まずストーリーとしては、期待以上にとっても面白かった。
2000年問題という、分かるようで良く分からない事象にかこつけて、
様々な時代から集められた個性的なキャラクター達。
西暦2000年の高校を舞台に、過去や未来が複雑に絡み合いながら、
最後には全てのストーリーが次々と繋がっていくところがとても面白かった。
謎の人物「カオリ」さんの正体が判明する場面では、
なるほどそう来たか!とワクワク感も倍増。
東京オリンピックや災害等の時事ネタも登場する中で、
中には悲しい結末を迎えてしまう人も。
良く知ってる事象で想像出来てしまうだけに、
その悲しみにグッと共感してしまって、涙こらえ切れずウルウルでした。。
次の4000年問題もぜひ舞台化を期待したいです。

珈琲法要
ホエイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/12/31 (木) ~ 2016/01/06 (水)公演終了
満足度★★★★★
今が観時(みどき)/約80分
津軽藩士大量殉難事件を題材に、我(が)を殺して長いものに巻かれたあげく痛い目に遭う典型的日本人像を毒っ気たっぷりに描いた秀逸なダークコメディ。
再び日本が全体主義に向かいつつある今この時期にこの作品を観られたことに、とても意義深いものを感じた。
ドタバタ色の強い前半部では、山田百次と河村竜也の息ピッタリなコンビ芸を満喫。津軽弁によるリズミカルでバカバカしい掛け合いに最盛期の加藤茶&志村けんを思わせる見事なドタバタが加わって、じつに愉快でした。

ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG〜スナフキンの手紙Neo〜
虚構の劇団
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/08/25 (火) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★
オープニングが強烈で
他の場面があまり覚えていません、、、
テーマは面白かったけど、それほど深掘りした話でもなかったので、さーっと終わってしまった感じです。

《満員御礼》雑種 晴姿
あやめ十八番
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2015/07/22 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
祝
金子侑加さんが構成員になられて最初の公演となれば、拝見せずにいられません。三姉妹の長女とは。ヤンチャな次女より、お淑やかな長女へのフィット感は高く、納得。それにしても、三姉妹のキャスティングが見事。従業員の荒井志乃さんも最高。昭和の匂いがプンプンする下町のホームドラマ風。オムニバス的な短篇をつなぎ合わせ、見事な構成と演出。お芝居って楽しいなぁと実感させてくれる作品だった。金子侑加さんの声色の変化に溶ける。家族でも敬語を使い、人を大切にする思いを含んだ柔らかな声に痺れた。三女の小口ふみかさんのしなやかさにトキメク。寝坊して家族に絡む姿のあるある感に笑いながらも、そのスタイルの美しさに惚れ惚れ。おまけに、表情が万華鏡の如く七変化。家族とのやり取りに見せる可愛らしさと、キリッと鋭い攻撃的な目と口元。また観たい女優さんです。差し込まれたもう一つの物語の喫茶店。妻の霊を演じる片桐はづきさんに泣かされる。いつものボソボソ語る台詞がマッチしていた。BGM(生演奏)をカントリーソングにした演出の堀越さんのセンスが光る。イイ作品に出会えた幸せに浸った。