最新の観てきた!クチコミ一覧

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独りぼっちのブルース・レッドフィールド

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2015/02/22 (日) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

抱く想い
物語が始まってまもなく登場する飛び道具的な強烈なキャラクターと
ドタバタな笑い、そしてこの劇団名などから、スラップスティックな喜劇かな、と思っていると少し違った。

この物語の主人公は、奇妙な記憶障害のあるガンマンだ。家族を無残に殺された彼は、復讐のために25年も旅を続ける。

最後の仇を倒した直後に、彼が知る残酷な真実。そして、彼の決断。このためにこれまでの設定があったのか、と思うほど良くできていたのだけれど。

脚本・演出の吹原氏が終演後にツイッターに書いていた。はじめに想定していた結末のこと。それはずっと救いのないものだった。

物語としては、切実なものとなったかもしれない。けれど、それは自分たちの描くべきものだろうか。そういう葛藤。その上で彼の、いや彼らの選んだラスト。

この劇団は、サービス精神が旺盛だ、と思っていた。しかし、この舞台を観るとサービス精神という言葉だけでは収まらない。

彼らの舞台を観にきた人々に、どんなものを渡せるか。それを真剣に考えている、そういう劇団なのだろう。たとえば私たちが、誰かを大切に思う感情の暖かさを抱いて帰路に着くこと。

この舞台を観終わって、そんなふうに思った。

盗賊と花嫁【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】

盗賊と花嫁【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】

くちびるの会

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/05/20 (水) ~ 2015/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

言葉と身体
仄暗い地下の劇場の客席に挟まれた空っぽのステージ。黒一色の空間を色鮮やかに満たしていく言葉と身体。

話の種から広がっていく言の葉たち。疲れた、いや憑かれた人々と、満開の桜。憑くのは狐か、女か、それとも桜か。

それは、一夜の夢で観た長い年間のような、不思議な時間だった。

もっとも迷惑な客死

もっとも迷惑な客死

上野くん、電話です

スタジオ空洞(東京都)

2015/11/17 (火) ~ 2015/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

スパイ映画みたいな……
某国ホテルで繰り広げられる、レトロなスパイ映画のような印象の舞台。

ストーリーの大半はそのホテルの2つの部屋で進んでいくのだけれど、時間や場所の異なる会話を重ねたり、過去の場面をはさんだりする構成が上野さんらしい気がした。

哀愁を感じさせるベテラン。裏切り者を突き止めるために取引をする男。取引に応じて家族の情報を持ち出す女。脅されて協力している女。美貌の新人諜報員。一見クールな野心家。情報屋。情報屋の恋人。ホテルマン。それぞれある意味典型的な造詣に、ピタリとハマッてみせるキャスト陣も素敵だった。

チケットに記されたホテルの名前と部屋番号と同じようなこだわりが随所に感じられて、舞台をより楽しいものにしていた。

無頼茫々

無頼茫々

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2015/09/12 (土) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

背筋を伸ばす
大正デモクラシーという言葉に象徴されるような民主主義や自由を求める動きがある一方で、米騒動に対する報道規制など、きな臭くなっていく時代と、そこに生きる人々の思いを描く群像劇。

報道の自由。新聞の使命。そして、受け取る側の責任と権利。報道とは何か、新聞とは何か、という問いかけが何度も繰り返されるけれど、それはある意味、自由や平等という言葉へとつながっていく。

自由も平等も、当たり前にそこにあるものでなく、意識して勝ち取り、あるいは守らなくてはならないものだと。

それを示すように劇中の人々が見せる誠実さや情熱が胸に迫る。

堂海や村嶋らが、抑圧に対して彼ららしい戦い方を見せようとする場面では、思わず目頭が熱くなった。

周囲一面に新聞を張り巡らせた美術。そこにかけられた、劇中でキーとなる言葉の書かれたいくつかの札。物語の最後に、秋川が「大正デモクラシー」という札を、客席に向けて掛け直す。

昨今の状況をも思い起こさせる骨太なテーマ性と観る者の目を惹きつけるエンターテイメント性を兼ね備えた完成度の高い舞台だった。

登場する人々の、それぞれのなすべきことに向き合おうとする真摯さに、今の自分を省みて思わず背筋を伸ばした。

penalty killing【18日14時追加公演決定!!】

penalty killing【18日14時追加公演決定!!】

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2015/02/12 (木) ~ 2015/02/18 (水)公演終了

満足度★★★★★

劇場の中のアイスアリーナ
ザ・スズナリにアイスアリーナを再現した風琴工房の『penalty killing』は、日光市に実在するアイスホッケーチームをモデルに、男たちの熱い戦いを描いた舞台だった。

チームの中心選手の引退試合を軸に、シーズン前からその試合にかけてのさまざまな出来事を通して選手たちのそれぞれの個性を浮かび上がらせる。

それぞれの想いが、リンクの上でぶつかり合う試合の場面は圧巻で、敵チームも含めた選手全員が、惚れてしまいそうなくらいカッコよかった。

毎日のように通っている観客もいて、その気持ちが痛いほどわかる。
できれば自分ももう一度観に行きたかった。実際のスポーツのように、今日と明日で試合の結果が違ったりはしないけれど、リンクの上で生きる選手の息遣いは間違いなく毎回新鮮に感じられたはずだ。

ワンピース

ワンピース

松竹

新橋演舞場(東京都)

2015/10/07 (水) ~ 2015/11/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

期待を上回る楽しさ
アニメは少し見たことがあるが、熱心な原作ファンとはいえない。
歌舞伎だってそれほどちょくちょく観る訳じゃない。へぇ、『ONE PIECE』を歌舞伎でやるんだ、と思ったときはだからまあほとんど他人事だった。

観に行きたい!と思ったのは、脚本と演出に横内謙介氏が参加すると知ったからだ。横内さんが料理するんなら、その組み合わせは面白いものになるに違いない。異質なものをきちんと面白く化学変化させてくれる、と思えるだけの信頼感がある。

その期待を裏切らない、充実したエンターテイメントであり、同時にいい舞台を観た、と感じられた。

ネタバレBOX

二幕の滝のように流れ落ちてくる大量の水を浴びながらの立ち回りでは、キャスト陣が楽しそうに(?)客席に届くくらいに水を跳ね飛ばしてくる。(前方の席には、あらかじめビニールシートが配られていた)

水だけでなく、炎や紙吹雪、宙乗りや早変わり、映像やフライングなどさまざまな仕掛け。殺陣・踊り・ダンス・アクロバットなど見応えのある芸。見得や六方、ツケなども印象的に使われており、
そういう歌舞伎らしさと、歌舞伎らしくなさとが同居する舞台となっていた。

波に乗って頭上を横切るルフィに思いきり手を振り、
通路で踊る人々とハイタッチする。その空間にいるたくさんの人々が、心から楽しいと感じていたはずだ。

しかし、そういう芸や仕掛けを見せるだけでなく、
芝居としての、いや、物語としての面白さをもはずさない。

血のつながらない兄を助けようとする主人公の前向きな一途さ。
同じ目的を持つ者やそれを手助けする者。

人が何を大切に思うのか。何のために生きるのか。
そういうシンプルな問いに対する答え。

生身の人間が目の前で息づいている、そういう実感。

ストーリーや登場人物の魅力。印象的な台詞。

これが歌舞伎かどうか、あるいはワンピースらしいかどうか、そういうこと以上に、ああ、これは演劇なのだと感じられたことが個人的には印象的だった。
土砂降りぶりっこ

土砂降りぶりっこ

ピヨピヨレボリューション

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/04/14 (火) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★

遊び心たっぷり
シンプルなファンタジー風の物語を、クォリティの高い歌や生演奏、ダンスなどで綴っていく。
多彩なキャストの方々の熱演や遊び心たっぷりのアフターイベントなど、様々な角度で楽しめる公演だった。

残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』

残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』

ネルケプランニング

【閉館】AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都)

2015/12/18 (金) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ライチ☆光クラブ
AiiA theater は初めて。
あまり劇場としての良い噂を聞かなかったのですが
この作品にはこの見世物小屋感が合ってるなぁと思いました。

横にワイドに上下もめいっぱい美術が組まれているので
前方から見るととても目が疲れました。

少し引いて観た方がよかったです。

ネタバレBOX

中村倫也さんのカリスマぶりも声も素敵でしたし期待通りでした。
それよりも
ゼラの本当は小物である感じ、弱さからの残虐なゼラの背景が伝わり
こちらの倫也さんも良かった。

びっくりしたのは尾上さんの踊りがしなやかだったこと。
(勝手なイメージです)

東京ゲゲゲイさんのキレあるダンスやKUMIさんのポールダンス、本水と
光クラブの世界を彩っていて
素晴らしいショーで演劇でした。

本水のところの歌は個人的には必要なかったかなと思いました。
あそこで勢いが止まってしまったみたいでしたし
曲も難しそうな音程のもので
あまり有効でないように見えました。

でもさすが河原さん!と思えた作品。とても好きです。
銀のロバ

銀のロバ

オペラシアターこんにゃく座

大平文化会館(栃木県)

2015/10/10 (土) ~ 2015/10/10 (土)公演終了

満足度★★★★★

物語は旅をする
劇中で歌われていた「物語は旅をする」というフレーズが、観終わって帰る道すがら何度も脳裏に浮かんだ。うわぁ、これはたぶん観ているとき以上に、あとからじんわりくるタイプの作品だ、とそのときになって気づいた。

森の中で幼い姉妹が出会ったのは、眼の見えなくなった脱走兵だった。彼の語るロバの物語は、ひとの優しさと温かさを思い出させる。それを聴くキラキラした少女たちのまっすぐなまなざしがいつまでも胸に残った。

観終わったあと、彼らの想いに共鳴することで自分まで少しだけ浄化されたような気がした。

珈琲法要

珈琲法要

ホエイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/12/31 (木) ~ 2016/01/06 (水)公演終了

満足度★★★

珈琲
85分。

ネタバレBOX

文吉(河村竜也)…本受難を文書にて残す。
忠助(山田百次)…病になる。
弁慶(菊池佳南)…アイヌの女。文吉らに恨みをもちつつ、助力する。

蝦夷地域の防衛のため派遣された津軽藩士らが、ロシアは襲ってこないかわりに、謎の病と寒さに四苦八苦する。
実は、病でなくアイヌの女による殺害という視点で描かれる舞台で、コメディな感じとシリアスな感じでメリハリはついてた。もう一声、アクの強い感じがほしかったかな。
ライン(国境)の向こう【ご来場ありがとうございました!次回は秋!!】

ライン(国境)の向こう【ご来場ありがとうございました!次回は秋!!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/12/17 (木) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

ラインの向こう
念願の劇チョコさんが観れる!と思っていましたが
どうやら今回は少し違うようですね。

私にとっては馴染み深い
高田さん、近藤さん寺十さんが出演で嬉しかったですし
そこに戸田さんもってことで凄く豪華な面々でした。


ネタバレBOX

急に国境が出来て人の心にも線が引かれていくようで
戦になるとそうなるんだろうなぁ、いずれリアルでもそういうことになるんだろうか、
と色んなことを考えつつ観ていました。

3人の軍人が3つの立場から考えてあの家族たちを守り
その後それぞれの持ち場に戻り
やりたくない選択を強いられ生きていったのかと思うと
ずっとあのままあの地だけは曖昧でいれたらよかったのにな・・・と思います。

みんなの憩いの場であれば・・・。


書を捨てよ町へ出よう

書を捨てよ町へ出よう

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/12/05 (土) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

満足度★★★

書を捨てよ町へ出よう
タイトルだけは目にしたことがありなんとなく文庫本を古本屋で見つけ買っていた。

慌てて劇場へ向かう新幹線の中で読んでみた。
エッセイのようなのでこれがどんな風な演劇になるのか
見当もつかず。

マームとジプシーの作品も未見で全くわからない。


寺山のこともよく知らない私が観て
全然わかってないと思うけど
観に来て良かったなと思えました。

ネタバレBOX

ミナの衣装がとにかく素敵で。
これが作品に合うのかと言えばどうなのか。
でも目は楽しかったしワクワクしてた。

目の解剖から始まり
ガチャガチャとパイプを組み立てる中のセリフは聴こえないところも多々あったけど
そこはさほど大事じゃないんだろうなぁと思い
視覚だけで追っていた。

虚構なのか現実なのか
大人なのか子どもなのか
曖昧なその感じは
村上虹郎19歳になろうとしている青年の危ういものがよく合っていたと思う。


最後の女優二人のセリフを聞いて涙があふれたのはなんでなんだろ。

青柳いづみ・・・恐るべし
今後も観たい役者さん。

音楽もかっこよかったし
又吉さんより穂村さんの映像が面白くて好きでした。

TRUMP

TRUMP

ナッポス・ユナイテッド

サンケイホールブリーゼ(大阪府)

2015/12/04 (金) ~ 2015/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

TRUMP
大阪公演全部観ましたが足りないくらいでした。
物語の深いところを見逃してるようで。

マーブルの配役が特に好きでした。
陣内さんのクラウスと早乙女さんのソフィの危うさがヒリヒリとした感じが伝わってきて
他のバージョンを観ずして
これが一番なんじゃと思ったほどでした。
(結果やはり一番好きでした)

ネタバレBOX

陣内さんが前回公演も出演されていて
TRUMPの世界の理解をされてるというか
この世界を舞台の上でちゃんと生きてらっしゃるように見えました。

しかし、そこに対峙する主演の19歳のお二人も素晴らしく
それぞれの色の二役を見せてくれました。

岡田さんやメタルさんの存在も大きかったですし
キャスティングが幅広く、
色んな世界で頑張ってる方々が集められていてバラエティー豊かで
そういうのも良かったと思えたところです。

新良エツ子さんの歌はぴったりでこの曲の役割も大きいと感じました。
照明もきれいで上から見るのも素敵でした。

再演を繰り返されてるのもわかりました。
ホンのチカラが凄いなと。
殺意は月夜に照らされて

殺意は月夜に照らされて

WBB

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/11/14 (土) ~ 2015/11/23 (月)公演終了

満足度★★★

殺意は月夜に照らされて
シチュエーションコメディでアガサクリスティー好き設定の登場人物たちだから
ミステリー仕立て。

伏線結構あって二度観て解ったのもあったり。

それらの回収もキレイだし
それがキレイ過ぎるとも感じるくらいで
すーっと流れていく物語でした。

ネタバレBOX

柿喰う客の永島さんと動物電気の森戸さんがおもしろ担当というか
割りと場を引っ掻き回す役で面白い。

森戸さん、林野さんがテンポ、間が良いなぁと思った。

荒牧さんも良かった。
ライフルで撃たれたところを再現するくだりで
「僕は僕の役をやらないとダメなんですっ!!」ってところが一番笑った。

脚本も上手くまとまってたけれど
個人的にはもっと裏切りが欲しかったような。
マキノくんって謎の青年の人物も浅く感じたし。
後味が物足りなく感じました。

圧倒されるものばかり最近見てるからそう感じたのかもしれません。

作品としてそういう雰囲気じゃないから
それを欲するのは場違いなのかもしれないけど…

椿説 おくのほそ道

椿説 おくのほそ道

劇団BRATS

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2015/12/22 (火) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ありがとうございます‼
前回公演の際、自由席の為寒い中を並んでいた私達を気遣い、急遽整理券を発行してくれた時に『次回は考えます』と言ってくれた桃太郎さん。
今回は整理券付きの優先チケットを発売してくれました。
そんな優しい桃さんをはじめ、皆さんが動ける方ばかりなので本当に楽しい6日間でした!
毎回少しずつ変わっていくのもライブならでは。
ケガなく無事に千秋楽を迎えられて何よりです♪ 
楽しい時間をありがとうございました‼

演劇計画Ⅱ-戯曲創作- 山崎彬 作・演出 「また愛か」

演劇計画Ⅱ-戯曲創作- 山崎彬 作・演出 「また愛か」

京都芸術センター

京都芸術センター(京都府)

2015/10/24 (土) ~ 2015/11/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

また愛か
8回公演のうち4回観ることが出来ました。
あと2回行けたけど物語がしんどくて…

作品はとても満足でした。

この企画の制作段階のリーディングなんかから数回参加したけれど
その時の設定はほとんど残っておらず。
(役名だけは残っていた)

この裏切りは心地よく
意表をつかれることしきり。



ネタバレBOX

Jkたちの入場からしてやられた。
開演の諸注意からすーっと入っていく物語。
幕の使い方、音楽、照明
すべていい塩梅。
美術がたまらなく好き。
廻り舞台は展開が止まらないので元々好きなんだけど
三方の使い方がまた新鮮で一幕終わりのあの混沌とした感じ好きでした。

そういうところは
『グッド・バイ』だったし、
終幕は『春よ、行くな』だったし。
『マボロシ兄妹』っぽくもあり。

過去作品全部観てないけど
あらゆるところに過去の作品の影を感じ
それが良い作用をしてるなと感じた。


物語は
最近の事件のことも浮かび辛かった。
事件自体のことも勿論だけど
犯人探しみたいなことがネットでは噂になってて
母親が怪しまれてたりしていて。
そういうのを自分も覗いてたりしたものだからそこを突かれたみたいで痛くなった。


良郎はめんどくさくて嫌な奴。
妻に外出る時はコンタクトにしろだとか。
一番ムカついたのは
パートだからって行かなくても何とでもなるだろうって言ったこと。
自分は俺しか出来ない仕事があるのに休んでる…とか。
お前も居なくてもどうにかなるっちゅーねん!
自意識過剰で傲慢な奴。自分の事しか考えてない。
(あの性癖も)

咲は咲ですぐ謝って…なんで謝るん?
二人とも嫌いでした。

だけどいっぱい考えて感じて
考えられなくなって感じれなくなって。
その二幕の二人の叫びは痛くて痛くて。
特に千穐楽の二人は傷だらけに見えました。

逆井万太、美津子夫妻は
過去の傷が瘡蓋になってたのをこの事件でまた剥がされたようなものかもしれません。

天ちゃんの『もう充分』で救われた。
観てる自分も救われた。
天の赦しで光が射した。
扉の向こうへ。

まだ感覚は無くならないのかもしれないけど
1か月ごとの約束で
生きていられたら…命が延長出来たなら…
そんな思いで最後の二人を見送った。

良郎くん
「ダラダラ何もせずに過ごしたい。その時…」って言ったら咲が
「横に誰かが居てくれたらいいね」って。
良郎くんは咲に居て欲しかったんじゃないのかなぁ。

藤原大介さん、中西柚貴さんは毎回素晴らしかったけど
千穐楽の二幕は玉置玲央さん、田中良子さんがとても良かった。

他の出演者方も良かった。
年輩の役者さんがいらっしゃるのは個人的に好きで
落ち着くのか何なのか。

こういう東西混合の役者さんのお芝居が観たかったからキャスティングも最高でした。


山崎彬さん、これを作ってる期間中に先に二幕もの作ってしまったって。
その「グッド・バイ」もとても良かった。
二幕ものが合うのかも。
というか山崎彬さんの頭の中で巡り巡ってることが
二幕になることによって観客にわかりやすくなるのかもしれない。


最後の『また愛か』嗚咽しそうになるくらい泣けてきた。我慢した。

二幕は誰の言葉を聞いても泣けてきた。我慢した。
涙流しても鼻はすすらない。
爆音の時にすすった。

天の赦し。扉。光。じゅうぶん。じゅうぶん
土砂降りぶりっこ

土砂降りぶりっこ

ピヨピヨレボリューション

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/04/14 (火) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

旗揚げでこのクオリティ!
昔々、人間と魔女たちが共存していた頃のおハナシ。
最初の“ちゃんとした”合唱曲に始まり、いかにもミュージカルな重唱や手拍子、足拍子とカホンだけのほぼアカペラコーラスなど多彩な楽曲と民間伝承風の物語(洋風HげD夫気味??(笑))がいかにも、みたいな。
出演者も個性が様々で、歌も声楽系やゴスペル系がいたり、もちろん踊れるメンバーもいるし、単なるミュージカル以上の布陣?
旗揚げ公演でこれだけのものを創りあげるとはおそるべしっっ!!!
なお、曲終わりでいきなり次の場に飛ぶのは「ジーザス・クライスト・スーパースター」的と感じたり、空を飛ぶシーンに劇団四季「ユタとふしぎな仲間たち」(こどもミュージカル版)を連想したりと、勝手にオマージュと受け取る。

龍宮の庭

龍宮の庭

劇団皇帝ケチャップ

萬劇場(東京都)

2015/08/18 (火) ~ 2015/08/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

初日にA班、楽日にB班を観劇
1990年代の月9ドラマ(音楽によるところが大きいかも?)か柴門ふみか…な王道胸キュン恋愛物語。
思い切りベタなラプストーリーをリアルな人間界を舞台に90分程度にまとめるのは、ましてや惚れ薬やら疫病やら出てくるのでは難しかろうところ、龍宮というファンタジー世界にしたのは妙案。
更に龍宮での出来事とすることで人間関係の説明を省くことも可能ならしめているし、新たな価値観さえ附加(←過言)して見事。
切ない終盤からラストにかけても良く、プロローグが実は…と終盤でワカるのや紙ヒコーキの使い方とか惚れ薬の使い方とかもまた巧い。(ラストの装置のシカケは劇団桟敷童子や劇団離風霊船を想起)
また、ある人物の「心の声」の「見せ方」(A班のみ)にはワロタ。
欲を言えばあの「憎まれ役(“悪役”ではないよね)」にはもっと暴れて…と言うか掻き乱して欲しかったが、全体のバランスを考えればやむなしか?
スタッフワークは他に“承認式”と“走る乙姫“の場面の明かりがイイ。
ただ、音楽も良いが1曲目のアレは知っている身として違和感あり。
あと、いつもながら会話/台詞のセンスが良くて心地好い。
物語のキーとなる大事な台詞とかいわゆる名台詞などではなく、単に物語を進めるだけの何気ない会話がウィットに富んでいると言うかウマいことを然り気無く言うと言うか、だから具体例を挙げられないんだが…
そんなこんなで、今まで観た中で(旗揚げの「フランスパン…」は見逃した)一番好き。
なお、定刻開演もお見事!(本来は当然のことをしているのについ誉めてしまう昨今の小劇場界…(毒))
ちなみにA班(18S観劇)はファンタジックなのに対してB班(23S観劇)はリアルタイプ(配役もそうだし、一部の演出もオーソドックス)と差別化を図ったのもイイ。
で、結末を知っているとプロローグでクるよなぁ…。

珈琲法要

珈琲法要

ホエイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/12/31 (木) ~ 2016/01/06 (水)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

青年団リンク・ホエイの【珈琲法要】を観劇。

1800年代頃に蝦夷の斜里で、津軽藩兵はロシアの侵略に向けて警備に当たっていた。
だが慣れない寒さと栄養失調(ビタミン不足)により、兵士達は警備すら出来ずに死んでいき、幕府は万病の薬として珈琲を配っていくのだが......。
幕府がひた隠しにした実話である。
それは兵士達が何もせずに死んでいく事態になり、幕府がその事を隠蔽したのだが、その状況を書いていた兵士の日記が、100年後に発見されて、明るみに出たそうだ。
ただ今作で描かれるのは、幕府の当時の失態や批判ではなく、日本人とは?を描いている作品である。
そしてこの事件のあらましを見ていくと、グローバル化とはいえ、やはり島国の我々の民族性は、諸外国とは全く異なるのだなぁ~と感じてしまう。
『地域の物語2015 あっちはこっち、こっちはあっち~介助・介護をかんがえる』発表会

『地域の物語2015 あっちはこっち、こっちはあっち~介助・介護をかんがえる』発表会

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2015/03/22 (日) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

地域の物語2015
介助・介護の現場にいる/いた市民による実体験を聞き書きし読んで伝える演劇。舞台作品の完成度の高さに驚いた。

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