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『[フキョウワ] × 演劇ユニット衝空観』

『[フキョウワ] × 演劇ユニット衝空観』

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/06/20 (火) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

death/next:暗い、良くわからない
トイレット・カルテット:明るい、ベタ

あぁ、自殺生活。

あぁ、自殺生活。

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2023/06/27 (火) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「自殺生活」、死と生という矛盾したタイトルに心の葛藤を見るようだ。劇中 何度も言われる「自殺力」「自殺道」にも、<力>とか<道>という前向きと思える台詞、そこに死への逡巡が観て取れる。
会社員 頼道は中年男から ほろ苦いコーヒー牛乳をもらうが、これから死のうというのに「あぁ上手い。生きてて良かった」と言うような安堵の表情をする。

主な登場人物は男二人…一人は会社員、もう一人は奇妙な中年男。駅ホームにいた見ず知らずの人、それが徐々に相手の心に入り込むような濃密な関係へ変転していく。

しかし、時に史的ネタ・時事ネタが織り込まれ蘊蓄・問題意識を喚起するが、これが卑近すぎて興ざめし冗長にも感じられたことが憾み。不条理に道理が入り込み違和感のような。出来れば あり触れた世相等を排除し、二人だけの距離感・空気感、そんな独特の世界観に浸りたかった。
(上演時間1時間35分)

ネタバレBOX

舞台装置は、暗幕で囲い 中央奥に大きな風景墨絵が3枚吊るされ、白い形状の異なる椅子が3つ。シンプルだが、中央・上手・下手へ配置を変えることで情景に変化をつける。因みに椅子の形状が異なるのは、人に準えて個性・特徴を表しているかのよう。

電車が近づき 駅ホームからフラフラと線路へ向かう会社員 頼道(山田哲郎サン)、近くにいた男(益田喜晴サン)が自殺を止めるかのように割って入る。男は「自殺許可書」を持っているかと尋ねる。頼道は自殺するのに誰かの許可が必要なのか、死ぬことすら儘ならないのかと訝しがる。男 曰く、多くの駅関係者に迷惑をかけ、特に運転手は罪の意識に苛まれ、これから生きていくのに支障がでるのだ と。

頼道は、融通が利かず 生きるのが不器用な人間、会社では無視され苛められている。道に外れないように生きてきた、その真っ当さが時に不自由で息苦しくなる。意を決して自殺を図るが、男に阻まれ決意が凋む。いや阻むというよりは、自殺幇助するかのように励ますが、そうすると逆に自殺し辛くなってしまう。
一方、男は呆けが怖い。爺さんも父さんもボケて みっともない姿になった。どうしょうもない恐怖、死にたい思いと必死に戦っている。頼道は、男に対して不思議な感情を覚え<あんたがいないと生きていけない>と哀願するような表情が可笑しい。

男は「どんなに人生が不条理だろうとそれを恨むな。人間はゼロのように孤独で野良犬のように一人なのさ。」と不可解な哲学論めいたことを言う。また、自殺は他殺だと言う。意味不明の理屈だが、自殺するにはそれなりの理由・原因があり、追い込まれたからなのだ。頼道は、会社で苛められ 孤立し誰からも話しかけられない。男は頼道のそんな孤独を癒すかのように話を聞き持論を展開する。

人は何らかの意思表示をし、寂寥や退屈、物足りなさ、不愉快さを消している。頼道は男に親近感を抱き、友情が芽生えだしたかのような錯覚を覚える。だから頼道は<あんたが居ないとダメなんだ>と心の中で叫ぶよう。人と人との繫がりが稀薄になってるからこそ心に響く光景だ。

脚本と相俟った演出…男の身悶える姿、それを朱色の照明が妖しく照らし、恍惚とした表情が何とも艶めかしい。音響は列車への飛び込み自殺であるから、遠くで轟音が響く。シンプルな舞台装置に効果的な照明と音響、その調和は見事だ。因みにブレーキ音は聞こえなかったような…。
次回公演も楽しみにしております。
あぁ、自殺生活。

あぁ、自殺生活。

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2023/06/27 (火) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

旅立つ家族

旅立つ家族

劇団文化座

あうるすぽっと(東京都)

2023/06/27 (火) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/28 (水) 14:00

座席1階

文化座と新宿梁山泊・金守珍のタッグに過度の期待をして劇場へ。結論から言うと、梁山泊の迫力ある舞台を彷彿とさせるような盛り上がりと、文化座の緻密な舞台が融合していい演劇に仕上がったと思う。今や文化座のエース・藤原章寛の熱演が今回も舞台を支えた。

日本占領下の元山(現在の北朝鮮の主要都市)出身の画家・イジョンソプが日本に留学中に知り合った女性・山本方子との物語。時に第2次大戦終結間近。展覧会のため朝鮮半島へ渡ったジョンソプが戦況悪化のため戻れなくなり、半島で生きることを決意した方子は空襲の中を汽車に乗って東京から博多へ渡航する。日本占領下で伝統のチマチョゴリを着た結婚式のシーンはとても印象的だ。
だが、朝鮮戦争勃発で幸せな結婚生活も引き裂かれる。「見ていないものは描けない」と芸術家の心をかたくなに守るジョンソプを、藤原が情熱的に演じる。大音響、歌と踊りが随所に挿入されるところなどは、梁山泊の舞台を思わせる。
文化座の佐々木愛が演じる老境の方子の視点で舞台は進む。今作では激しい動きはないものの、やはり存在感は抜群だ。

メリハリがあってとてもいい舞台なのだが、3時間近くの上演時間は少し、長かったか。梁山泊が花園神社でこの演目を上演したらどうなるだろうか、という私の勝手な妄想が膨らんでいく。(そのような機会があったら絶対に見逃さないようにしたい)

ヴィクトリア

ヴィクトリア

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2023/06/24 (土) ~ 2023/06/30 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

今更褒めるも何もないのだが、大竹しのぶさんは凄い女優だ。もう一度観たい演目。北島マヤ(『ガラスの仮面』)だよなあ。『ガラスの仮面』の最終回は大竹しのぶさんの独り芝居でどうだろう?何か皆を納得させるものになりそう。ヴィヴィアン・リーのような、精神を患った美しい女の独白は古今東西の女優魂を刺激し興奮させる永遠の題材なのだろう。

イングマール・ベルイマンの幻の映画企画『ある魂の物語』。脚本は1972年に書かれた。女優のクローズ・アップのみ全編ワンカットを狙った実験的な意欲作。どの映画会社にも受け入れられず、主演予定だった女優の降板で企画は流れた。1990年スウェーデンでラジオドラマとして日の目を見る。
フランスで2011年、ソフィー・マルソーの一人芝居として舞台化。その舞台をそのまま2015年TVドラマ化(『A Spiritual Matter』)。
成瀬巳喜男も高峰秀子に背景なしで撮影する映画の構想を語っていた。役者以外何も存在せず、逃げ道のない世界。

ステージングは小野寺修二氏。空間設計なのか、シーンとシーンの繋ぎのアイディアなのか。照明の日下靖順(やすゆき)氏と共に幻想的な世界を味あわせてくれる。揺れるカーテン、漏れる光、何処からか聴こえる音、一人芝居を名アシスト。ヴィクトリアの脳の中、心の中、記憶の中を『ミクロの決死圏』のように彷徨い歩く観客達。巨大な薄手の白いカーテン、柔らかなたゆたいに目眩を覚える。

ベルイマンの女性論のようにも感じた。普遍的な脚本。必見。

ネタバレBOX

43歳のヴィクトリアは大学教授の夫に問い詰める。「何故、私とSEXしないのか?」「手でだってしてくれない。」「何故あの女のもとに通うのか?」

パーティー会場での尊敬するリヒャルト・シュトラウス。

いじめられっ子だった少女は突然周囲にちやほやされるようになり、世界に違和感を覚える。画家に憧れて芸術に全てを捧げ。

チャリティー・イベントでのレセプション。グランド・ピアノ。

追い詰められた夫は拳銃自殺を遂げる。

葬式では死体の腐敗臭に吐き気をもよおす。

侍女と列車で旅行。隣の個室の紳士二人組に興味。

公園で声を掛けられた見知らぬ男とモーテルへ。実は私は下層階級の男の観察に来た女優、いや金さえ出せば何でもしてあげるすれっからしの売女。

やっと見付けたこの世の真理。『現実なんてものは存在しない』。

精神病院の閉鎖病棟に監禁された老女。久方振りに鏡を見せられて声を上げる。そこには人間ではない別のナニカが映っていた。

食中毒が蔓延して吐瀉物にまみれた院内。運良く無事だった私は別の部屋に案内される。そこに現れた8歳位の少女。血の色をした涙のような赤いメノウ。
あぁ、自殺生活。

あぁ、自殺生活。

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2023/06/27 (火) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

出演者は5人ですが、概ね2人の男の会話劇。かなり共感できる内容なのに、どうも一本調子に感じてしまい、集中力が続かない。良い作品だとは思いますが。

瀬戸内の小さな蟲使い

瀬戸内の小さな蟲使い

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

サドル研究会の逆襲

サドル研究会の逆襲

三栄町LIVE

三栄町LIVE STAGE(東京都)

2023/06/27 (火) ~ 2023/07/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽しく見れました❣️
笑いと涙の舞台です❣️

Pickaroon! -ピカルーン-

Pickaroon! -ピカルーン-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/26 (月) 19:00

Bチーム。150分。休憩なし。

キューちゃんは僕を探さない

キューちゃんは僕を探さない

projecttiyo

元映画館(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

物語の元になっている逸話は面白かったのですが、ラストが少し.....
会場も雰囲気があって良かったです!

キューちゃんは僕を探さない

キューちゃんは僕を探さない

projecttiyo

元映画館(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/23 (金) 13:00

 CoRichに載っていたチラシのデザインが斬新で、良い意味で演劇の雰囲気じゃなくて、どちらかと言うと実験映画や写真美術という感じに惹かれた。また、あらすじに当たるところには、詩的に文章が書かれていて、どんな内容なのか気になり、元映画館というのも引っかかるところがあったので、とても期待して、実際に観に行った。

 主人公のひろは、自分の祖母に対して屈折した感情を抱いていて、その原因は生前あまり構ってもらえないどころか、祖母にかなり厳しく指導され、突き放されて無視され、ネグレクトになったのを彷彿させ、祖母の支配から抜け出せず、解放されたいがために友人であるあい子、太郎と祖母の家の中にあるピアノを壊し、火を付ける。しかし、壊れ燃え上がるピアノが消え、そのピアノが2足歩行で歩くピアノの赤ちゃんとなり、天からピアノの赤ちゃんの見守り役として塚井がどこからともなくやって来たことにより、祖母との生前の関わりを吹っ切れるどころか、むしろ深く関わらざる負えなくなり、そのピアノの赤ちゃんに「キューちゃん」と名付け、みんなで育てることにするが、生前の祖母とのピアノを通したトラウマがキューちゃんを見るたびに呼び起こされ葛藤し、祖母の呪縛に悩まされ、一人で抱え込もうとし、友人たちとの溝も深まっていき、どんどん孤独になっていく、ひろの人間らしさや自分探し、一歩進もうとするが、祖母とのことが頭を離れずなかなか前へ進むことができない、そのもやもやした感じに、途中イライラさせられつつも共感できた。
 一方の主人公、ピアノの赤ちゃんから少女へ急速に成長していくキューちゃんは、純粋無垢で、言葉を覚えたり、算数や英語の上達も早いが、ひろの友人たちとをも狂わせていく、本人も気付かない魔性さを秘めており、ひろにとっては、唯一最後まで慰め、諦めずに一緒にいて、元気付けてくれる存在でもあるキューちゃんだが、このままでは、キューちゃんの影響によって世界が崩壊しかねない状況で、ピアノの少女人間体のキューちゃんを壊すしか世界を元に戻せない状況になって、決断に悩むひろと、その究極の状況において、キューちゃん自身が壊されるのに、それを承知のうえで、おおらかに、のほほんとし、ひろに笑いかけ、優しく語りかけ、一緒に踊る場面に至っては、何とも言えずやるせない思いに駆られ、感動し、思わず涙が出た。
 それに究極の選択の場において、仮にその行為で世界が元に戻るとしても、自分を犠牲にすることをそうやすやすとはできないと思うので、キューちゃんがにこやかに自分が犠牲になることを了承したあり方に、関心してしまった。
 ピアノの少女になったキューちゃんとひろが最後のほうの場面で、キューちゃんが結婚式に着る白のドレスを着て、ひろと手を握って一条の光が放たれる開いたドアのほうに向かって仲睦まじく、しづしづと歩いてく姿は、ピアノの少女キューちゃんの人間体としての最後をイメージシーン風に幻想的に描いてるとも取れるし、ピアノの少女と人間のひろとだって、プラトニックな純愛は成立し、成就できるんだとも解釈できるのだが、いずれにしろ感慨深かった。

 劇中使われた音楽や音響、照明の的確さや実験性、劇内で使われる言葉の端々が詩的で、絶妙な間や文芸作品のようにゆったりと、また情感豊かに湿り気がある、それらが見事にマッチしていて心地よく、引き込まれた。
 ファンタジーなのに、そこはかとなくところどころ現実味があったり、社会問題がさり気なく練り込まれているように感じ、深く考えさせられた。
 元映画館という特性にあった、あんまり本編の劇には直接関係のない実験性に富んだ映像が時々流れているのも、良かった。

 劇の後のトークショーでは、脚本家、演出家の女性それぞれの静かな対話の中で、お互いの美的感覚やここでしか聞けない裏話、苦労話なども聞けて、ためになることも結構ある気がしたので、良かった。

Pickaroon! -ピカルーン-

Pickaroon! -ピカルーン-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#ピカルーン2023 特に集団の殺陣シーンは圧巻でした。ぜひ見て欲しいのだが一列目でなければS席は薦めない。わりと大事なシーンが見えない危険が高いから。少しでも近くで見たい勢はもうチケット買っているだろうからネガティブな情報ですがあえてあげときます。あと、大野さんが異常にカッコよかったので多分主役です

ネタバレBOX

一部特殊武器については流れが悪いシーンもありあれなら普通の剣にして見栄えより流れを重視した方がいいように思った。(後半はそうでもなかったので日による?シーンによる?)モブ役の方も殺陣に関しては動きはいいように思いましたがお芝居がイマイチ好きではなくモヤモヤ。BGMが爆音なシーンが多くありすぎて効果が薄れてただの騒音に感じるくらい。台詞の後ろでうっすらかかっているシーンもあったがあんだけうっすらかけるのであればむしろ消した方がいい。映像であれば何度も調整していい感じに仕上げられるでしょうが舞台ではそうもいかないので。ゲストシーンは酷すぎたので記憶から消します。(けっしてゲストさんが悪いわけでは無い)
瀬戸内の小さな蟲使い

瀬戸内の小さな蟲使い

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台装置は極めてシンプルであり
役者さんの演技で場面を想像しての笑いが
なかなかに楽しめた80分強の作品

ネタバレBOX

基本 黒の素舞台に
正方形の木の枠を2つ重ねて椅子にしたりしての
表現となりましてー

家業を継ぐために東京を離れて実家に戻る事を決めた男
その男についていく事にした女・・・だが
男は実家に戻るのと女との結婚はイコールでは無いと
言い切るクズ男でした
その会話が地方の寂れた遊園地でのフリーホール頂上付近
それも停止して5時間以上たってて
その男女と隣の女同志のペア+影の薄そうな男性が
止まったアトラクションの椅子に固定されて
会話をするという極限な話~(^-^;)
関わる遊園地側の職員2名
何というか
会話が巧い

男の家業の話も
タイトルに絡めて出てくるし
唐突に時間経過を舞台背景に投影するし と
なかなか展開の先が読めなくて
作品世界に引き込まれました
小劇場らしいかなーとか思えたデス
瀬戸内の小さな蟲使い

瀬戸内の小さな蟲使い

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

下北沢駅前の劇場。迷うことなく一直線。
関西弁と気取らないやり取りが面白かった。
それぞれの立場で放つ会話は今の自分ならどうする?と考えながら観てました。
次の公演も是非とも観たい。
その前にもう一度、千秋楽までに観たい。

パラサイト【6月21日昼~24日公演中止】

パラサイト【6月21日昼~24日公演中止】

Bunkamura

THEATER MILANO-Za(東京都)

2023/06/05 (月) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

舞台ならではのオモシロがありました。

青春の会 第四回公演「熱海殺人事件」

青春の会 第四回公演「熱海殺人事件」

ゴツプロ!

新宿シアタートップス(東京都)

2023/06/20 (火) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

いろいろな演出が詰め込まれていて、初めての方も笑って楽しめる作品だと思います。
ルッキズム完全無視の笑いについて来れない方は遠慮した方がいいです。

ある馬の物語

ある馬の物語

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一幕75分休憩20分第二幕50分。

最前列はF列。
ステージを大きく使っていて俳優は通路にもどんどん現れる。建築現場の作業員達がおもむろにトルストイの古典を始めるのは『ジーザス・クライスト・スーパースター』、その後の展開は馬版『キャッツ』を思わせる。
サックス4人組が奥でジャズり続ける。ソプラノ小森慶子さん、アルト、ハラナツコさん、テナー村上大輔氏、バリトン上原弘子さん。

小宮孝泰氏がこんなに歌が上手いとは。
小西遼生氏はリアル「紫のバラの人」、若き川崎麻世の風格。黒がよく似合う。
元宝塚雪組トップスター、音月桂さんは流石のヒロイン。細かいフランス語の演技で会場を笑わせる。
『さらば箱舟』で主演だった小林風花さんはターン連発、ぱるるっぽかった。

長く伸ばした髪を盛り上げて馬のたてがみを表現。顔のペイントで模様を表現。ハーネスとワイヤーを素早く装着してのフライング・ワイヤー・アクションを多用。あっと驚く程のスピード。

主演の成河(ソンハ)氏の凄まじさ。高額チケットを購入する価値がある役者。観れば観る程に評価が上がる。プロレスラーのような運動量。野生動物か。余りに凄すぎて言葉が出て来ない。彼の代役をやれと言われたら、殆どの俳優は震え上がると思う。化け物。

老いた馬から若い馬へと時は遡る。囲んだ演者達が髪型を整え、服を脱がすと成河氏は精悍な若馬に。纏っている空気がガラリと変わる。

ある老いぼれた馬、ホルストメール(成河氏)が子供時代に仲が良かった牝馬(音月桂さん)と再会して、半生を語り出す。血統書付きの名馬として生まれたが、まだら模様(ブチ)だった為に嫌われた。ある時、公爵(別所哲也氏)が馬を買いに来て、一目で彼の素質を見抜く。

岡田真澄ばりの貴族、別所哲也氏の登場からどーんと面白くなる。それまではちょっと停滞気味。そこからラストまでは一直線。第一部のラストなんて鮮烈。
成河氏の馬を見逃してはならない。

ネタバレBOX

クレーンの重心を真ん中にしてシーソー状に設置。両端に成河氏と御者(小柳友〈ゆう〉氏)が乗る。疾走する橇をダイナミックに上下するクレーンで表現。相当危険なんだろう、本物の特機のスタッフが押さえている。何処までも何処までも走り続けるホルストメール。御者は興奮し、伯爵は上機嫌。町の人達も上下回転し続ける重機を慌ててすり抜ける。素晴らしい演出、第一部の終わり。

始めの方は作品の意図が掴めずに、余り面白くなかった。もっと時代背景など無視してニューオーリンズ・ジャズを陽気にかき鳴らして欲しい気分。(暗い曲調が多かった)。ホルストメールが人間を風刺的に観察し、その異常なる所有欲を分析する。「馬から見た人間社会」がテーマかと思ったらそれも違った。伯爵に所有されていることに誇りと生きる喜びを感じていく。だが伯爵もホルストメールも等しく老いさらばえていく。全ての生物に共通する「生老病死」、その無常感。それだからこそ、ホルストメールが人生最高の日々だったと述懐する伯爵との二年間が眩しく煌めき胸に焼き付く。誰の心の中にも封印されている“あの頃”を。

スキャンダルの飛び火でとばっちりを受ける不運もあったが日本演劇界を代表する俳優。
3RDEYE〜自動運転車の中の死体〜

3RDEYE〜自動運転車の中の死体〜

劇団Lacrimosa

SPACE9(大阪府)

2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

〈チームScience Fiction〉観劇。
アンドロイドが人の仕事を奪い、AIが人を監視する0.1秒監視社会。
自動運転車内の密室での事件?!を通して透けてくる「人間らしさ」とは?
谷屋俊輔&近澤ゆうきさんの、息あったコンビ、良かった。

黄昏ワルツ

黄昏ワルツ

くじら企画

ウイングフィールド(大阪府)

2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

人生に躓き、浮浪者となった3人。
寂しいし、未練もある。
そして哀しく、黄昏つつも、逞しい!
『己達の為の、
 己達の手による、
 己達の応援歌』
3人を観てると、自分の悩みが小さく思えて、元気を貰えた。

25年前のオリジナルキャストが大車輪のご活躍。
凄かった。
愉しい時間をありがとう♪

ヴィクトリア

ヴィクトリア

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2023/06/24 (土) ~ 2023/06/30 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/25 (日) 14:00

ベルイマンの作品を大竹しのぶ一人芝居で送る。大竹らしい舞台。67分。
 白を基調とした舞台に、白い衣装で大竹が横たわる形でオープニング、43歳のマダムが語る現在と過去の回想、…、かと思うと、後半はピアニスト,娼婦,精神病者、と人格が変わる。ライティング等を変えてはいるが、一瞬で人格が変わるあたりは大竹の見事な部分で、少女から初老までの幅のある女性像を描く様も凄い。ただベルイマンなので(っていうのもどうかと思うが)、分かりやすい物語ではないし、正解があるわけでもなさそうな気がする。

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