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平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-

平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-

九十九ジャンクション

小劇場 楽園(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

直球の政治劇
日本が他国の戦争に対して、どう向き合っていくべきか、どうにも難しい問題である事が、冒頭のシーンでよく分かりました。 
なので、その妙案である「積極的平和主義」によって国民は団結できるのか、争いは減るのか、その過程にもっとスポットを当てて欲しかったと思いました。
その代わり主人公である大学生達の政治活動の過程がテンポ良く解りやすかったです。 
感情移入できる人物がいれば、もっと良かったのですが。

平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-

平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-

九十九ジャンクション

小劇場 楽園(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

来月や過ぎたあたりにリアルな選挙控えて・・
割とタイムリーかなぁと思える話でありました

自分的にはサクサク進むストーリー展開は好みであった1時間50分

ネタバレBOX

徴兵制は嫌だからとの代案通すために国政に出た大学政治サークル・・

まぁ最初の一人は当選しても
次々とサークルメンバーが次回選挙で当選する
御都合主義的展開は否めないが
まぁ娯楽と割り切り
話の持って行き方をみると結構楽しませてくれたなぁと
超個人的感想=合わない人はトコトン合わんだろうと思えたデス

2桁の年数は見据えても
3桁の年数を読まなかったサークルメンバーの近視眼的行動の結果が
まぁ当たり前だなぁと思わせたブラックジョーク的で受けたデス(^^;)

でも徴兵制の平等理論が甘く説得力と薄く
解り難さ=説明の柔らかさが無く残念だったかしらね~

でも楽しめたから星はサービスです♪
ギンノキヲク2

ギンノキヲク2

演劇制作体V-NET

TACCS1179(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

いろいろと登場人物の多さはあるが
全体として観やすく上手に介護の実態を表現できてたなぁと感心です

開演前からの繋ぎ的エピソードも
つかみは上手だなぁと思えたが・・

笑いどころが今一つリズムに乗れていなかった感あったかしら
と思えた1時間50分の作品でありました

ネタバレBOX

キャストがパンフレットで紹介あるも
舞台上で連作な分
登場人物たちの説明とかナレーションとか
漫画風書き割り出したりとかして
人物紹介とかする工夫があったら嬉しいなぁとか思ったですよ
平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-

平和な時代に生まれて-終わりなき道の標たち-

九十九ジャンクション

小劇場 楽園(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

なんだにゃ~~~~~~~~~~~っ
(追記後送)

ネタバレBOX

  いい年をして引用ばかりしている馬鹿、その上で重箱の隅をつつくことで得意になるのもこれらイマジネーションの根本を認識する術を根本的に欠いた馬鹿共の得意とする所であり、この馬鹿に追随する更なる馬鹿共が、嘘を蔓延らせる温床なのである。彼らは、燃え盛る炎に喜んで飛び込む虫の如く、本能はあっても知性を残酷なまでに欠如させたヒトの形をした愚物である。現在、この植民地に蔓延るのはこのような愚物であり、エセである。
今作は、このような呆れ果てた世の中に、活を入れるべく立ち上がってきた作品とすることができよう。Noblesse obligeという表現が今作に一度だけ登場する。植民地に欠けている最も大切で普遍的な概念である。主人公たちが結成する政党の初代党首を務めた佐久間 修造の言葉の中に在った訳だが、佐久間は象山をベースにしているのは明らかだろう。(佐久間 象山と聞いて分からないヒトは勉強が足りない、もっと勉強もすべし。ところで、勉強って遊ぶことだよにゃんちって)
令嬢ジュリー

令嬢ジュリー

劇団螺船企画公演

演劇スタジオB(明治大学駿河台校舎14号館プレハブ棟) (東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/18 (土)公演終了

満足度★★

う~む
 今作を今、掛ける意味が分からない。時代設定も場所も曖昧で、ジュリーが本当にエキセントリックなのかどうか、作品に描かれたレベルでは客観化できない。これは大変な問題である。自他の区別をつけることが、演出家にできていないことが明らかだからである。
 役者陣の演技も、これが明治大学の演劇か!? と思わせるレベルのものであった。残念至極である。これは何も本編に限ったことではなく、ネット上での案内の内容でも、現場のインフォメーションのあり方にしても、とても被差別者として生きることで表現の鋭さ、温かさ、人間味、社会の諸制度が持つ問題の本質を抉ってこれた人々の位置に立てるレベルではない。猛省を促したい。明大の演劇関係で初の星2つ。残念至極である。
 いずれにせよ、自分の力で勝負することなしに権威に頼るなどと情けないことを表現する者は決してしてはならない。これが、表現する者の最低限守るべきモラルであり、美学であろう。下らない生き方なんぞ、下種共に任せておけば良いのだ。表現する者は総て、精神の貴族をこそ目指すべきではないのか?

COLORS

COLORS

天才劇団バカバッカ

吉祥寺シアター(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

てんこ盛り
伝えてたいことが沢山ありすぎて、凄くわかりやすいし笑いが満載。
ダンスもオープニングから見せてくれてかなりかっこいい始まりでした。が、私はまだ、がちゃがちゃザワザワしてうるさい舞台かなぁ…って、感じましたが、今まで観た作品の中では1番よかったと感じました。

スイーサイズ・ハイ ver.2016

スイーサイズ・ハイ ver.2016

UNITレンカノ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2016/06/16 (木) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★

みんな色々あるんだよ
飛び降り自殺志願者があるビルの屋上に続々集結して色々な事を行うコメディ。

ネタバレBOX

飛び降り自殺しようとしてる男の所に更に自殺志願者が現れる、という設定はコメディとしてはよくある感じではあるけど面白い。
飛び降りの気持ちをリアルにやるとコメディ色が薄くなってくるから難しい面もあったと思う。
役者のレベルは悪くないし、演出もしっかり演出の仕事をしていると感じたのだけど、この設定を元に2時間上演するのはキツかったかな? という印象だった。
集まった自殺志願者達の「最後にやりたい事」を順々にやっていったり物語は動くけれど、シーンは屋上一ヵ所なのでちょっと退屈だった。短編にした方がコンパクトに纏まるのではないだろうか?
テーマ、物語の答えもちょっと掴みにくかった。世の中全てが上手く行きはしない。でも自殺はダメって事なのかな?
ルービックキューブ

ルービックキューブ

ThE 2VS2

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/06/04 (土) ~ 2016/06/05 (日)公演終了

満足度★★★★

1年ぶりの2vs2、楽しかった♪
開演にギリギリ間に合いました!
1年ぶりの2vs2、楽しみにしていました!
そして今回もご出演されている下島さんはほとんど劇団員ですね!
さて、気合いを入れて観るぞ!面白い!楽しい!大笑い!
そして、お漏らしをしてしまった、小学校の時の黒歴史…、共感度大!

…だっ、…だけど、終演後、どういう訳か、脱糞しか頭に残ってない…!
今回はかなり下ネタ度がきつかったです♪

追伸、昨年言われていた大赤字が気になっていましたが…、順調に膨れあがっているようで…。
くじけず、頑張って下さい!応援してます!次回公演も来ます!

雨夜の月に 石に花咲く

雨夜の月に 石に花咲く

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

批評精神
文壇やマスコミに対する批評精神溢れる面白ステージでした。人間と作品、そして作家という職業について、あれこれ考えさせられた1時間半。

ネタバレBOX

金物屋のおじさんがそのまま引退し、幻の作家になってしまったパターンも見たかった。
天一坊十六番

天一坊十六番

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

メシアはどこに現れるのか
江戸時代の天一坊騒動を軸にした物語。
初演の『天一坊七十番』の「七十」込められたものは何なのか、そして、今回の「十六」には何が込められているのか。
メシアとは何者か、それは舞台の上に現れてくるものなのか。

(ネタバレボックスに長々書いてます)

ネタバレBOX

青年座だから、こってりとストレートプレイかと思っていたら、いい意味で裏切られたオープニング。
なるほど、近藤良平さんが振り付けしているんだ、と思い出した。

ダンスシーンがなかなかいい。よく演劇公演で見かける、「役者が一応踊ってます」という感じとは少し違う。
きちんとしているのだ。個々の動きがとてもいいし、それは全体のバランスがいいからに違いない。プロの振り付け師が携わるとこんなところに違いが出るのだ、と実感。

現代の作家が戯曲を書いているシーンから始まり、これが演劇であることを明らかにする。
劇中の主人公、天一坊とは、作家の知り合いイワン・イワノビッチ自身の話を江戸時代にトレースしたものだと言う。

天一坊は、小鳥の声を聞き、貧しい者に施しをし、欲もなく、どこか仙人めいている。
そんな天一坊の不思議な魅力に惹かれた人々が集まって来る。
前半は、天一坊が将軍の御落胤ではないかということで、奉行・大岡越前と絡んでくるのだが、大岡越前も天一坊に惹かれていく。

そのあたりから話がぐらりと変化し始める。

イワン・イワノビッチも、あるお方の御落胤である、つまり「神の子」と等しい存在であるという話とも全体が重なってくる。

天一坊が民衆に受け入れられ、その存在が大きくなってくることで、彼の存在に恐怖を感じた幕府は、彼が御落胤というのは偽りではないのか、という疑いをかけ始める。
その結果、世の中を騒がせた罪により縛り首になるという。

天一坊は周囲の人々に別れを告げるのだが、それがまさに「最後の晩餐」となっていく。
ワインを飲み、パンを与える天一坊。
天一坊がイエス・キリストになぞられていく。

「将軍の御落胤であると偽り国を騒がせた」というのは、イエスが「イスラエルの王だと自称し、ローマ帝国に反逆しようとしている」というエピソードに重ねているのだ。
だから、天一坊を罪人にしたくない大岡越前は、総督のピラトであるということなのか。

ただし、イエスのときのように天一坊を裁けという民衆はおらず、天一坊も死ぬのはイヤだと言い出す。
天一坊は「きちがい」であるということで、落着しようとするのだが、彼はその中に収まることができなかった。

ラストに作家が「荒野で呼ばわる者の声がする……」という一連の台詞を言う。
もちろんこれは聖書の中の一節で、ヨハネの言葉である。

ヨハネは「自分はメシアではない」と言う。自分が荒野で呼ばわる声は消えていくものであるということなのだ。
「メシアを示す声」とともに消えて行く。

われわれは「メシアを待望しているのか?」
この作品が初上演されたのは1970年、戯曲の書かれたのが1969年だという。
60年代最後の年、1969年は全共闘など学生運動が最も参加で、アメリカは国内の反戦気運の高まりから、ベトナム戦争から撤退し始める年でもある。

そんな中で「メシア待望」という気持ちが出てくるほど、ナイーブな感情があったとは思えず、逆に「メシア」ではなく「大衆」や「世論」と言った多くの人の声が最も力があると信じられていた時代ではなかったのか。

つまり、「お上」という威光はなく、だから「メシア」への期待もない。
そういう時代の中で、ウソの御落胤騒動「天一坊」がテーマとっているのだ。

幕府と将軍は、天一坊を祭り上げる「民の声」に恐怖し、弾圧しようとするという図式が、この時代にマッチしてくるのではないか。
安田講堂の攻防も確か1969年だったのだから、『天一坊十六番』(戯曲発表時は『天一坊六十九番』)の実際の作家・矢代静一さんには何か予感があったのかもしれない。
そして、天一坊はどうするのか、その去就について作家が先に進めることができないのはそのためだ。
混沌と静寂の中へ物語は収束していく。

『天一坊十六番』の「十六番」とは何なのかと思ったら、上演した年のことを示しているらしい(1970年の初演は『天一坊七十番』というタイトル)。
つまり、その時代性を矢代静一さんは「六十九番」のタイトルの中に込めていたのだろう。

さて、天一坊と時代の関係についてはそんなことではないかと考えるのだが、もうひとつ「荒野で呼ばわる者の声がする……」の台詞には別のものも込められているのではないだろうか。

それはつまり、この台詞は劇中で「天一坊」を書いている作家が口にするのだ。
作家の「声」は、舞台の上の荒野に響くのだが、消えていくものである。
「自分はメシアではない」と述べるヨハネと同様、作家の物語も作り物である。しかし、ヨハネがキリストを指し示したように、作家は「真実」を指し示すことができる。

そして、作品が立ち現れてくれば、作家そのものは消えて行くという運命にあるのだはないかということだ。キリストを指し示したヨハネのように。
「メシア」=「真実」を指し示すことが、ヨハネ、つまり作家や演劇に携わる人の役割ではないかということなのだ。。

これがこの作品に込められていた、もうひとつのテーマではないかと感じた。

天一坊を演じた横堀悦夫さんは、無欲な形で立ち、話す姿が見事だ。「きちがい」となって激高する姿との対比もうまい。
大岡越前守を演じた山路和弘さんも、声もいいし、台詞を笑いに変えるタイミングもさすがである。
椿を演じた安藤瞳さんの、美人風からの豹変ぶり、天一坊への憎悪のようなものは恐ろしかった(笑)。
ダンスと歌の合唱隊は、リズム感もチームワークも良かった。生演奏もいい感じ。

セットや衣装はシンプルながら、要所要所にセンスが感じられ、小劇場で活躍している人たちの参考になるのではないかと思った。
特に後ろの幕の使い方、ビジュアル的にもナイス! 衣装の色合いも。

演出の金澤菜乃英さんは、この作品で演出家デビューと言う。しかし、複雑な作品を、わかりやすく、見やすく、うまくまとめたと思う。なかなかの力量ではないか。

ただ、『天一坊十六番』としたのだから、2016年をきちんと舞台にしてほしかった。
戯曲に手を入れるのはためらわれると思うが、「佐藤栄作」ではピンとこない観客も多いのではないか。
ありふれた愛、ありふれた世界

ありふれた愛、ありふれた世界

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

やられました~!
文句なしの満点です!
この劇団の舞台は、動物の声が聞けたり、人が入れ替わったりと、内容が現実離れしていますが、とても暖かくかつ社会に一石を投じるものが多く、見終わった後の満足感がハンパではありません!
今回の作品は5日前に観ましたが、皆さんのコメントを読んでいると、まだ余韻でウルウルしてしまいます。
絶対に観た方がいい作品だと、自信を持ってオススメできます!

The Fiend with Twenty Faces 幻燈の獏

The Fiend with Twenty Faces 幻燈の獏

ACRAFT

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

読みたい乱歩作品が、また増えました
舞台上下手側も座席にした、カギ型の席配置。
マチソワで両面から観劇しました。

江戸川乱歩はここ数か月前にかじりだした者で、
明智小五郎やいくつかの作品タイトルは知っていましたが、
怪人二十面相についてはほぼ無知識でした。

それでも思わずニヤリとさせられる乱歩モチーフの使い方や、
現実的な部分とフィクション全開の仕掛けの組み合わせが絶妙でした。
休憩なし2時間ちょっとの、
映画のようで、かつ、人間の熱を直に感じる時間、楽しかったです。


内容もさることながら、スタッフワークもよかったです。

KASSAIのお手洗いは女2、男1で3つあるのですが、
開演10分前まで男女共用で混雑解消。

また、開場時間には
整理番号付き40名+当日精算で、開場時間は大所帯が移動するので
「入場が落ち着くまで、
空席がわかるよう、着席したままお待ちください」
ってアナウンスも、スムーズに入場できて快適でした。


個人的に、ちょっと…と思ったのは、
有料のパンフレットを買わないと配役一覧が手に入れられなかったこと。

内容的に「何人の人間が出てくるか」、「役の名前は」などは
開演前に知らないほうが楽しめる作品でしたし、
何も知らない状態で観ていても
登場人物の名前などはするっと頭に入ってきました。
ですが、終演後に「あの役の役者さんはなんて名前だったのかな」が
すぐに調べられないのはちょっと不便だなぁと思いました。

終演後に受付付近で配ってくれたらよかったのになぁ、と思いました。

あと、開場中に明滅するの電灯の美しさが、
入場者(舞台下手側)の足元を危うくさせてるのが一長一短な感じでした。

ネタバレBOX


「獏」を、役者3人が演じているのに、機械に見える演出が
特に面白かったです。

あと、すべてを知ってからもう一度見ると何を意味しているのかピンとくる
伏線ちりばめられたオープニングも素晴らしかったです。
(1度目に見た時は美しさに、2度目のときは伏線の張り方に感動しました)

女優さんが少年役を演じるのは何度か見ましたが、
今回は「少女か、少年か」っていう言葉がキーになってたので
そんなに違和感はなかったです。
(有料パンフレットの対談部分に意図も書いてあって納得)

妖しさと繊細さを備えた役者さん揃いで、
乱歩の小説を読んでいるときに感じるゾクゾクした感触が感じられて、
観に行ってよかったと思いました。
アンケート項目にあったスピンオフ作品、実現楽しみにしています。


雨夜の月に 石に花咲く

雨夜の月に 石に花咲く

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

みんな良い声してますね。
脚本というか演出というか、出演者全員にそれぞれ活躍の場があって、良い舞台でした。演技は活気がある(多少大げさ気味ともいう)のに全員のセリフが実に聞き取りやすく、テンポよく話が進むのであっという間の80分でした。

ネタバレBOX

場面転換無で舞台上にだんだん人が増えていくという構成なので、チラシに載ってた俳優さんが全員登場したところで、もうこれ以上誰も家に入ってこないという事が判ってしまいました。なので結末も予想がついてしまうのが残念。わかっていても、勿論おもしろいですが、なにかチラシの出演者欄を使って観客を騙すというやり方を次回作で使ってみてはどうでしょうか。
天一坊十六番

天一坊十六番

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/20 (月)公演終了

満足度★★★

「僕の使徒行録」というサブタイトル付き
もともとは青年座こけら落とし公演作「天一坊七十番」というタイトルだったらしい。作者の矢代氏が「再々、再々演されたらその年の数字を記そうと考え」その流れで今回が「十六番」となった模様。

その当時の戯曲をそのまま(多分)改訂せず、上演しているので「昭和」という下地を感じながら見ていたが、2016年の現代には、初演当時の劇中の「首相」や「て」の人の昭和の人物をすぐには想像できず、上演当時の世俗をイマイチ把握出来ていなかったため、そのセリフにいささか戸惑った。
ジャズのような生演奏に、コンドルズ風味のキレがあって賑わいあるの狂乱のような祝祭のようなオープニングダンス、コロスにあたるそのメンバーに山野さんがいることにもまたびっくり。
とはいえ、劇中劇に黒電話が出てきたり捩り鉢巻き姿の女性や70年代前後のヒッピー風にも見える衣装などで、なんか変な話で面白いなとは思ったが、最終的に小骨のような不条理感も残り、70年代の摩訶不思議古典劇を見た感じ。

終演後、公演プログラムを読んでサブタイトルがあったことを知る。それだけでネタバレになるとは思えないが、チケットにでもあらかじめ記載していた方が良かったのではないかな。

ネタバレBOX

現代パートで作家が講談や歌舞伎題材の「天一坊事件」をベースに戯曲を執筆してて、そのお話が『八代将軍吉宗の御落胤と称する天一坊がインコから教わったという「私たち人間は、あと一年足らずでみんな死ぬ」という啓示を説いて回り、江戸の民衆をも巻き込んで〜』と史実とは若干異なっている展開。が、やっているうちに現代の劇団員は、いつしか江戸の住人になったと思ったら、稽古途中の現代へと戻ったりと、慌ただしい。

現実世界の場面では、劇団員?が執筆中の作家に対し不平不満を漏らすも、作家はこの天一坊にはモデルとなる人物がいる、それはイワン・イワノヴィッチという日本で一番偉い人の御落胤、つまり「て」のつく名前の人の隠し子で、天一坊の台詞はほぼイワノヴィッチの言葉」だと言い切り、劇団員を驚かせる。

ここらへんから、天一坊とイワノヴィッチが一緒くたになり始めるけど次第に達観してくる天一坊の行動がキリストのようにも見えてくる不思議。戯曲書いた矢代氏がクリスチャンということもあり、キリストに重ね合わせたのかな、と、ほかの登場人物もペテロやマグダラのマリアやマルタにあてはめたら、そう思えてきた。
インコの予言以後、民衆に崇め奉られたのに、事情を知った大岡越前からキチガイ呼ばわりされて、憑き物が落ちたように元に戻るが、近しい人々には不平不満罵詈雑言を言いまくり、最後の晩餐よろしく狂乱の場から、忽然と居なくなり終わる。
幕切れは鮮やか。傍らで作家はウトウトとしながら眠りから覚める、頭上からインコ?鳥の羽が落ちてくる。最後まで姿を見せなかったイワノヴィッチに、全ては作家の頭の中で思い描いた単なる夢オチだったのだろうか。
登場人物が勢ぞろいし、歌舞伎場面よろしく見栄を切る姿はかっこよかた。

最近キリスト教にまつわる舞台を立て続けに見ていたので、多少の知識は持ってはいたが、初見だったらすぐには理解できなかったと思う。
終演後、公演パンフレットを読んで舞台の内容を補完したが、どこか小骨がひっかかているような詰まりもあって、せめて現代版の部分を平成の時代にしていれば、違った感想もあったかも。
ありふれた愛、ありふれた世界

ありふれた愛、ありふれた世界

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

小劇場が好きな方にお勧め!
舞台の魅力はいろいろあると思うけれども、小劇場のよさは何といっても役者との距離の近さ。舞台の隅々まで好きな所を観られる上に、役者の小さな息づかいに滲んだ感情まで味わえる。つまり、舞台上の魅力的な役者をとことん味わえるのが小劇場だ。
逆に言うと、役者が残念だと小劇場の魅力は半減してしまう。チラシの顔写真や物語のあらすじで選んで失敗という事もなくもない。
その点、この舞台は完璧だ。ベテラン中堅の細やかで的確な演技、若手のパワーみなぎる魅力、笑いとペーソスの変化球、それぞれの役がそれぞれの役として、また場の部分として、完璧にその仕事をこなしてみせてくれる。出演者の誰を追っても、楽しく哀しく美しい。
それは当然彼らが総力で紡ぎ出す物語そのものの美しさによるものでもあるのだけれども。
なんか、ああ芝居っていいなー、って思える舞台に出会いたい、そういう方にガッツリお勧めできる舞台だった。

ネタバレBOX

この舞台のテーマは複雑だ。
問題とされている事周辺の、いったいどこが問題なのか、という事を考えるだけでも、現実の持つ否応なさのようなものに押しつぶされそうになる。
ただ、この脚本はそれに対して正しい答えとしての回答はしない。ただ姿勢だけを示す。何もかも人間の物語じゃないか、と。ぼくらが感じ、ぼくらが考え、愛し、悩み、生きていく、結局は全てそのことそのものなのだと。
自分の人生に起きたすぐには得心のいかない衝撃。そういうものどもと向き合って来た脚本家の骨太な魂がそこにある。
本当の物語、抗いがたい現実はおそらくこの後にあるのだ。ぼくは是非ともその続編を見せて欲しいと思う。
コペンハーゲン

コペンハーゲン

シス・カンパニー

シアタートラム(東京都)

2016/06/04 (土) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★

学術ミステリー
ナチスドイツ占領下の時代、かつて師弟関係だった2人の男、住む国や立場が変化するも、生きながられてきたのは豊富な知識量と咄嗟の機転で難を逃れていたんだろうか。2人の会話を立会人のように聞いている妻。
専門的な用語で膨大なセリフに圧倒されるが「シュレーディンガーの猫」が用いられたように幾つかの仮定が示される。物理、原理、数学、宇宙、と科学者たちの多様な思考解釈から祖国、民族、倫理の葛藤など、この3人もどこかの仮定に救いを求めたかったのかも。
被爆国の人間だから、なぜそうなったのか、などと答えを知りたいわけではない。科学者としての真摯な探究心が国の思惑に左右された虚無のようなものを感じた。
コペンハーゲン繋がりからか、チラシ絵のヴェルヘルム・ハンマースホイの絵が示すように寂寥感ある舞台セット。そういえば、ハンマースホイの描く世界も妻や親しい個人を描いているくらいで、人物や風景は排除ものが多くあるし、タイトルで色々と想起させる部分があり、その辺りはこの舞台と似ているのかも。

それにしても、「NOISES OFF/ノイゼス オフ」の戯曲を書いた人と同一人物とはとても思えない。クールだな。

ネタバレBOX

登場人物の3人とも死者としての立場で語り出すが、1941年を基盤に時代を遡ったりと場面の変化はあるが、髪型や衣装、口調やセットが変わるとかなく、特にメリハリない見せ方だったので、これ若い頃の話?いつの時代?と少し戸惑った。
また、科学者2人の風貌などの立ち位置から見える関係性はわかるが、そこに妻マルグレーテが加わると、ボーアの後妻のように見え、そこだけ違和感があった。
COLORS

COLORS

天才劇団バカバッカ

吉祥寺シアター(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

観客を
クオリティーというか完成度は高くはないのですが、演者がとても楽しんでやっているのを、公演を重ねるごとに観客をどんどん巻き込んでいってるように感じました。国際色というかそれ以上のcolorを出しているところは変わらないですね!?楽しかったです!

ココロコロガシ(26日完売!)

ココロコロガシ(26日完売!)

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2016/06/16 (木) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

近い!アツい!
演者さんたちの息遣いまで聞こえそうな近距離で、お世辞にも広いとはいえないスペースでも、安定のど迫力のアクション。

ギャグ(特に特撮好きにはたまらない)も満載。

小細工なし。真っ向勝負のアツイ、そして、ココロの中には何か心地よい余韻が残る、カプセル兵団だからできる、エンターティンメント。

「日替わり座長」さんの個性も加わると、さらなる化学反応も期待できそう。

ありふれた愛、ありふれた世界

ありふれた愛、ありふれた世界

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

心を揺さぶられた2時間でした
重たそうなテーマですが、伝えたい事(どう伝わるかは見る方によって様々でしょうが)を上から目線で諭すのではなく、本の工夫と役者さん達の演技力で物の見事に伝えきっていたと思います。笑える場面沢山ありますよ、と聞いていたので、前半と後半で状況が一変するのかと思いきや、冒頭でいきなり…えっ、この後どうやって笑わせるの?と思いましたが…
あっ、まだまだ20日まで続くのでネタバレは避けないと…😆
お時間あったら…、ではなく是非時間を作って見て欲しい作品です🎵

『あの娘のランジェリー』

『あの娘のランジェリー』

エマニュエル

Ito・M・Studio(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

保田あゆみさんと藤沢玲花さんの「女子高生コンビ」と、「学年主任」の太田正一さんのやり取りに注目です!
昨日、初めて見ました。

所感については、ブログ記事にまとめましたので、ご覧下さいませ。→ 

【速報!】舞台「あの娘のランジェリー」は、保田あゆみさんと藤沢玲花さんの「女子高生コンビ」と、「学年主任」の太田正一さんのやり取りに注目です!…子を持つ親からすれば、見ていて複雑ですがね…  

http://idolarayama.seesaa.net/article/439060692.html

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