
名なしの侍 (28日より大阪公演開幕!直前予約受付中!)
劇団鹿殺し
サンシャイン劇場(東京都)
2016/07/16 (土) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★
THE鹿殺しな音楽劇
知り合いがこの劇団の大ファンで勧められていたが、一歩踏み出せずにいた所、劇団HPで過去作品の動画を無料公開していて、それらを観たうえで今回初めて劇場での観劇へ
過去作品とフォーマット的には一緒で、過去を知っていると「おっ!」となる部分もあり、安定した劇団の強みでも有り、新規の人間にとってのハードルでもあるのかなと感じた。
内容については、音楽劇は生だと心臓に響くビートとか波動とか迫力が違う。堂島孝平の歌まで混ぜられちゃ反則すぎて聞き惚れてしまった

野狂~おのしのこのし~
カムカムミニキーナ
座・高円寺1(東京都)
2016/07/22 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★
境があってこその自由。夢と現実の境
絵力のある舞台だった。夢のなかにいるようなホラーファンタジー。夢や意識の境界が有るということ無いということ。そこから得られる自由。最近色々考えていた事にちょうど当てはまっていたテーマだったので観てよかったと思う

魔族会議
たすいち
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/08/27 (土) ~ 2016/09/04 (日)公演終了
満足度★★★★
漫画的キャラたちの織りなす会議という名のバトル
たすいちの公演は初見。
魔族たちの会議劇というフォーマットだが、出てくるキャラクターの能力や設定、会話のネタなど、こういった世界観あるあるが観客側にも共有されている前提であり、それが面白くも難しくもさせている部分があったかなと。
しかし、それぞれのキャラクターやそれを演じる俳優さんたちは魅力的で、テンポよく、楽しく観ることができた。

虚構の劇団第12回公演「天使は瞳を閉じて」
虚構の劇団
あうるすぽっと(東京都)
2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
観てきた!
地方公演あわせて都合7回観劇。
観れば観るほど好きになっていく、そんな作品でした。
正直、初日はなんて長いんだろうと思いました。
それが回を重ねることに歯車がキチッキチッと合っていくようで。
大楽は最後まで集中が全く途切れること無く2時間があっという間に感じました。
この作品は今回が初見で過去の公演は観たことが無いのですが、
今回の配役は見事に全てはまっていたと思います。
どの役もその役者さんしか考えられない。そう思えるほどでした。
以下ネタバレ

無情
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2016/08/24 (水) ~ 2016/08/30 (火)公演終了
満足度★★★★★
愛の表し方
MCRは初見だったが、笑えて、泣けて、感情を揺さぶられて、帰り道でベッドの中で思い出し、考えさせられる良いお芝居だった。
ちょっとずれた会話で笑わされて、嫌悪感を受ける登場人物でこころをささくれ立たされて、とにかく感情を引き起こして揺さぶって放り投げてくる素晴らしい構成
本当にどうしようもなく絶望的な時って、笑ってしまったり、傍から見たら笑えるような行動をとってしまうもので、泣いても笑っても構わないとボールを預けられたような気分になった
そして想像した。僕が飴玉を贈ったら、あの娘はどんな顔をするんだろうと

ハジケル、
もぴプロジェクト
池袋GEKIBA(東京都)
2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しいオムニバス
「ハジケル」事以外に何の関係性も見出せない異質な三つの物語が、
それぞれの時代を象徴する男女の物語でもあった。
クラシックな二編はもちろん、
オリジナルの作品も良くできていて引き込まれる舞台でした。
また、幕間のつなぎも面白く、
テンポの良いオールキャスト紹介に、上質な歌声。
声楽家の方なんでしょうか素敵でした。
できれば当日パンフに各話のタイトルや原作データ、
役名とお名前が判るものが折り込まれていると優しかったと思う。
販売パンフもあったようだが、狭い物販に面会、挨拶がごった返し、
手に取る隙もなかったのは残念。

「アンドロイド・ア・ゴー!ゴー!」
劇団ハッピータイム
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2016/08/19 (金) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

フィニアンの虹
Seiren Musical Project
萬劇場(東京都)
2016/08/24 (水) ~ 2016/08/28 (日)公演終了

土木座
guizillen
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2016/08/17 (水) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

未開の議場〜北区民版〜
北区民と演劇を作るプロジェクト
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2016/08/26 (金) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

王の血脈
劇団ZTON
人間座スタジオ(京都府)
2016/05/06 (金) ~ 2016/05/08 (日)公演終了
満足度★★★★
新人公演!!!
弾けていた。
初演を知って更に上に行くのに必要な熱を貰う。
チーム力を高める群像疾風劇。
堂々たるエンタメに熱くなる!
色々と考えさせられる作品。
そして続編、またゼロ作品を連想させ、
かなり胸熱な広がりにニヤニヤする。
よく高められたチーム

「ダークマスター」
庭劇団ペニノ
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2016/05/05 (木) ~ 2016/05/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
緒方晋怪演!!
原作:狩撫麻礼
画:泉晴紀 先生の25ページの漫画を極上の空間を作って見せる!
いや空間というより建築工事の舞台セット!
また演出が冴え役者も呼応す

ラジオドッグ
KING&HEAVY
HEP HALL(大阪府)
2016/05/13 (金) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

THE KING OF THEATER
がっかりアバター
HEP HALL(大阪府)
2016/05/20 (金) ~ 2016/05/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
返ってきた異能劇団!
圧倒的境地を目指し、
観劇料:Pay What You Want(利用者が商品の価格決定する)システムで戦う若武者たち!
僕は推します
そして、
圧倒的
圧倒的!
圧倒的い!
圧倒的いいい!
これだから、がっかりアバターは凄いと言われるのだ。
はっきり言います。
攻撃は最大のなんちゃら。
演劇公演で戦う姿勢を目撃しに来て下さい!
異空間を我が物顔で滑降する異能集団!
解き放たれたイマジン。
最早猶予なしの極上突破感

あの日からのみちのく怪談
コマイぬ
古民家ギャラリーしあん(東京都)
2016/09/04 (日) ~ 2016/09/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1927(16-217)
14:00の回(晴)。
13:30受付、開場(お菓子とラムネ)。
庭が下手側となり正面壁沿いに3つの椅子、上手にアコースティックギター、下手にヴァイオリン(既に弾いています)。
飲食、撮影(周りの迷惑にならないよう)自由。ラムネを開けるのが「怖い」人は芝原さんがさくっと開けてくれます。
コマイぬは「花束を渡すのは誰だ?(2013/3@FIND」「「明日は天気」「わたしのお父さん」(2014/2@森のテラス)」「親戚の話(2015/10@asagoro)」と4作目。
お盆は過ぎてしまいましたが「霊を祀る」11のちいさなお話しが、語り、器楽、衣装に引き寄せられ、ちょっと立ち寄ったかのような古民家しあん。ラムネの冷たさと甘さがのどを潤し、記憶を刺激し、5年前のことを思い出し、振り返り、また前を見ようとする約100分ではなかったかと思います。
演者(役者&奏者)はみな白い衣装。
演奏曲の中に「Blackbird」がありちょっと嬉しくなりました。あの鳴き声は何を使っていたのでしょう。また白黒の小さな鉄琴のような楽器は音板の長さがみんな同じに見えました。
東日本大震災と朗読。
tea for twoが「遠い町 知らない町 でも、誰かの故郷」~浪江町と南相馬市、避難地域の今~朗読」という公演を2016/1にキッド・アイラック・アートホールで行いました。朗読は西尾早智子さん。ギャラリーに展示された写真を見ながらの朗読。今の風景、新しい街としかみえないのにもう人が戻ってこないかもしれないところ...。

スケルトンの呼吸
くらやみダンス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2016/08/26 (金) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
スケルトンの呼吸
ソーダなんか飲んで走ったらゲップが出て走れないんじゃ?と思いながら見てました。お芝居とは言え、たくさん走って元気な舞台でした。音響がいつもと違うのはマイクを使っていたかららしいです。
チラシが半透明で(そりゃあスケルトンですから?)ロマンチックな感じでしたが、あまり関係なかったみたいです。

撃鉄の子守唄 2016年版
劇団ショウダウン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2016/09/01 (木) ~ 2016/09/04 (日)公演終了
撃鉄の子守唄
ドイルさんが行ったかもしれないアメリカでの冒険物語。ビリー・ザ・キッドやカラミティ・ジェーンなど昔西部劇映画で見たことのある人物の登場が楽しかったです。悲しいラストを予感してはいましたが、ドイルたちと一緒に冒険をしている気持ちで3時間を過ごすことができました。ちょうど「からくりサーカス」を読んでいたので、人形使いはどうやってそんなにたくさんの人形を操るんだ?いや、それよりあるるかんってどうなの?とか突っ込みたくなりましたが。声が枯れてしまって気になる役者さんがいました。千秋楽まで保たせることができるようにお気をつけ下さい。

ラムサル
超人予備校
舞道ダンスシアター(大阪府)
2016/05/22 (日) ~ 2016/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
流石!!
流石!
染み入る不条理こそが突き抜ける為の命!
ミツルギさんは勿論、
個々のメンバー力がきちんと発揮される干支マジック劇団!
鉄平オンステージ爆笑!

どろどろどるーんぷらすてぃっく
カメハウス
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2016/05/12 (木) ~ 2016/05/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
亀井ワールド
亀井ワールドの新しい側面を見せる作品だった。
僕は奇蹟的にも彼、亀井伸一郎くんが作ってきた作品を、最初からほとんど全部目にしている。
だからこそ、その時々の揺らぎや産みの苦しみを目の当たりにしてきた。
そしてその作品ごとに自身より滲むものをスプリットしている事もよく感じていた。
で、
今回の作品だ。
この作品をやる!と、決まった時に彼は僕にこう言った。
「まだ今までマサさんが観たことのないカメハウスを見せます。」
作品を作る前にいつも彼がいう儀式のようなものだ。
そして、
その言葉が発されるたびに、彼はそれを超えてきた。
色んな意味で!
とにかくこの作品について書こうと思う。
作品についてはデリケートな部分も多いし、
何より作者の内面世界が描かれており、
ライトノベルのようでもあり、
淵の見えない闇のようでもあり、
そうした心像風景を亀井くんは自身から滲み出るパフォーマンスを駆使して舞台を彩る。
僕はTwitterにてツブやいた言葉がある。
それをここに書き出してみる。
「やはり亀井演出のパフォーマンスは一級品!
しかも文学的要素が更に高くなり宮沢賢治が滲む。
蒼と紅の時間。」
これは的を得た言葉だと思っている。
アニメのコマ割を舞台でまんま表現するとして、
それらを物理的にも、ねじれ空間を表現し尽した舞台が面白くない訳がない。
僕が作品を観て喚起する「宮沢賢治的な描写」も、
亀井ワールド全開で、
美しく耽美なものを僕ら観客に届けてくれる。
しかも途中で挟まれるキスシーンやセックスシーンの描写なども、
昨今の小劇場では考えられないくらい踏み込んでいる。
またそのシーンにはその粘膜が響く音と、女の子の喘ぎ声だけが浮かび上がるように演出されている。
静かな時間ではあるが、
人の脳内を、そして本能を刺激するシーン。
とにかくコラージュ的に主人公のモテ男ぶりが鼻につくが、
彼はそれを静かに受け入れているだけで、
肉食的ガッツキがないし、
何よりも佐藤駿くんの無味無臭さが許せる許容量を有する。
さて長々と書き連ねたが、
この作品は今年の演劇作品の中でもかなり上位に評価される作品だと僕は思う。
チープさも含め、それはその時にできたMAXであり、
彼らの「もがき」だとも感じているから、
僕も奇蹟的に3回舞台を感じ取れて嬉しかったのだ。
更なる躍進を望みます。
ありがとうございました。

LEFT〜榛名ベース到れる〜
遊劇舞台二月病
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2016/05/20 (金) ~ 2016/05/22 (日)公演終了
満足度★★★
初二月病
レッド(山本直樹氏)を念頭に置きながらの観劇。
濃密な、やるせない過激派のどん詰まりの青春。
だがどこまでも破滅へと向かう滑稽な正義という妄想。
役者の熱量もいい。
欲しいのは怨讐。
以上のようにツイートさせて頂いたのだが、
まさにその通りであって、
上記に書いた赤軍派の漫画が今まさに連載中の漫画なのである。
2006年より講談社の漫画雑誌『イブニング』にて連載を開始し、
今や最終章ともいえる『レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ』を絶賛連載中なのである。
脇道に逸れるが、山本直樹氏といえば80年代のエロ漫画を牽引した伝説的な漫画家さんである。
それが時代を流れ、今や硬派な社会派を上梓するに至る訳だが、
そうしたところは割愛させて頂くとして、
だからこそこの作品の根底のディテールがリアルであり、
あらかじめ決められた悲劇的ラストに猛進していることが、
身を切るように切なく苦しくなる山本作品としては近年最も強い逸品なのである。
さて、
話が逸れた。
「総括」
そうかつ。
物事を一つにまとめ、締めくくること。
左翼団体において、取り組んでいた闘争が一段落したときに、これまでの活動を締めくくるために行う活動報告のことを「総括」と言っていた。闘争の成果や反省点について明らかにし、これからの活動につなげていく。
ところが連合赤軍では、「真の革命戦士となるために反省を促す」と称して行なわれたリンチ殺人を意味することになった。
(ウィキペディア)
総括という言葉にかけられた呪いと恩讐。
僕は上記の漫画で血塗られた「総括」を目にして、
目の前の演劇は奇しくもそれを超えるようには作られず、
敢えて舞台中央に人間の模型を鎮座させ、
それを殴り、ナイフで刺し、えぐる事で表現を促した。
素晴らしい変換である。
実際に演ずることをせずに痛みや やった事実を観客に伝えるオブラートに包んだ表現。
離反した精神世界の淵を撫でているかのような表現。
発想の転換。素晴らしい。
ただその事による「痛み」「恐怖」「悲しみ」は和らいだように思う。
副作用ではあるが、どちらを取るかでこの作品は大きく変わってしまう。
演出は前者を取った。
成功か失敗は観客が決めること。
ただ僕は半々でもよかったのではと思う。
あの人形を殴るのも捨て難いし、
また直接に殴る表現も捨て難いと感じた。