最新の観てきた!クチコミ一覧

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凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

ピヨピヨレボリューション

インディペンデントシアターOji(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょべりばペット:あら!女性ファンが多いのね!と思ったのでしたが、女性が割引の日だからこの日のチケットを取った事忘れていました。と言う事は数少ない男性の皆さんは割高チケット買って来ている訳ですね。いえ、私もイチオシの劇団には似たようなことしていますので、応援の気持ちは大事にしたいです。さてちょべりばペットは、ビターでセクシーな大人向けの内容を展開するピヨピヨレボリューションの新コンテンツのdark sideということでした。確かにすっきりしない終わり方はdark sideっぽかったですが、それほどセクシーでもなかったので次回に期待したいと思いつつ、無理はしなくていいんじゃないかなとも思いました。dark sideと言う事で、お見送りや物販がないと言う気遣いは良かったと思います。
凝り性のサンタ、苦労する:せっかくなのでマチソワでと言う事で、こちらも見てきました。サンタさんがしなくてもいいような苦労をしていて笑えました。dark sideの後がこちらだったので、楽しく終われて良かったです。クイズを中心のアフタートークは、あっという間に負けてしまいましたが楽しめました。

ある晴れた朝に

ある晴れた朝に

空想実現集団TOY'sBOX

北池袋 新生館シアター(東京都)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

泣ける舞台です✨おすすめです😊

「ロストマンブルース」

「ロストマンブルース」

SANETTY Produce

テアトルBONBON(東京都)

2016/12/20 (火) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

中身が濃いです。約2時間がとても濃い内容と思いました。強烈なメッセージが発信されていたと感じました。

ネタバレBOX

切なくなりました。奇跡はめったには起こらないけれど、小さな奇跡は、たまにならば、起こりうるのではないかと強く感じました。カズヨシの熱演ぶりはすごかったです。全力投球の演技には敬意を表したいと思います。カーテンコールのさくらさんの唄はよかったです。酔いしれました。
「ロストマンブルース」

「ロストマンブルース」

SANETTY Produce

テアトルBONBON(東京都)

2016/12/20 (火) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/21 (水)

死ぬとはどういうこと、という問いかけから物語は始まる。その人の存在を忘れてしまうこと。このタイトル「ロストマンブルース」は、音楽を忘れたらどうなる。世の中、変わるのだろうか。
謎めいた人物が登場するたびに、話が増幅するようで思わず身を乗り出す。この後、どう展開するのか興味は尽きない。そして全てが明らかになった時、人の思いの深さを知ることになる。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

舞台になるのがシェリーというライブハウスだった場所。上手側奥にドラム・ピアノが並び、下手側はカウンターと棚。中央に2セットの丸テーブルに赤い椅子。床は赤黒の市松模様という、いかにも音楽に所縁がある雰囲気が漂う。

物語の登場人物は、主人公の朝倉一義(夢麻呂サン)を除き、全員が劇中芝居をしているという設定である。朝倉は1992年に交通事故に遭い、記憶障害(喪失)になっている。何故か事故に遭った同じ日、毎年このライブハウスを訪ねてくる。
現在は2016年、事故から24年経つが本人の意識は当時(24年前)のままである。実はこのライブハウスも随分前に倒産(閉店)しており、現在はコンビニになっている。

この事実(朝倉が訪ねてくること)に元店長は、ビルオーナーの承諾を得てコンビニを一時的に元のライブハウスに改装している。店内は張りぼて仕様である。事故当時4歳,2歳だった娘も28歳,26歳に成長した。そして妻の名を忘れ、娘を妻と勘違いし出す。担当医が記憶の認識をさせる診療の一環として考えたのが、今回の芝居(バンド音楽)によって「記憶の覚醒」を図るもの。その結果...。人は張りぼてではなく善人ばかり。羨ましい家族、友人関係である。
1992年、尾崎豊の歌を聞いてきた自分には懐かしい。同時代もさることながら、同じ思い出の地(場所)を共有する人々には、そこはいつまでも在ってほしいものだろう。

冒頭、間もなく無くなるライブハウスに訪れた中年のバンドマン。熱く語る音楽への思い...しかしその言葉とは裏腹に仕事があるのかどうか。今は過去を振り返るのでも、未来を夢見るのでもないような暮らしぶり。それでも何か...好きな音楽であることは間違いない。そのあがく姿が自分(観客)のそれぞれの場であがく姿と変わらないような気がする。あがいた先に安易な希望は見せないが、だからこそ最後にかすかに差す光に胸が熱くなる。

物語は終盤まで「謎」だが、それが段々氷解していく過程に色々な伏線を張り巡らせている。確かにリアリティはないが、自分がその立場になったらどうするか、その問いが投げかけられているようで目が離せない。

キャスト陣の演技、シーンの転換に応じコミカル、シリアルにと変幻自在。やはり親子の分かり合い、夫婦の貧しいながらも理解しあった仲。それが記憶障害で妻の名を呼ばれなくなる寂しさ、切なさ...ラストに小さな奇跡と大きな感動。

次回公演を楽しみにしております。
リンドバークたちの飛行

リンドバークたちの飛行

ゲッコーパレード

旧加藤家住宅(埼玉県)

2016/12/15 (木) ~ 2016/12/21 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題1990(16-280)、20:00の回(晴)。

19:45受付、開場。部屋に7つの椅子(7人の飛行士たち用)。

先日(12:00の回)帰りに寄り道をして図書館で借りた戯曲を読み、復習してきました。また、位置を変え、視点を変えてみました。

何も知らないで観て、原作に触れて、もう一回観て。このパターン、なかなかいいものでした。

ほんの少しの灯りの変化や壁の向こうから聞こえてくる声、上階からは吹きすさぶオルガンの響き。肝試しのような緊張感。人のようで人ではない存在が静かに現れ、呪文のように繰り返し呟き、暗い穴の中へ導く。

オルガンは身悶え軋みながら風を起こしている。

ライト兄弟が1903年、およそ四半世紀後の1927年、飛び立ったスピリットオブセントルイス号、その半世紀後の1981年にはスペースシャトルが宇宙に向かって飛んでいった。

「2001年宇宙の旅」、高く放り投げられた「骨」は「宇宙船」となった、そのシーンに重なる。どちらも「武器」。

そんな想像すらできるいろいろな工夫(遊び心)いっぱいのセット。所狭しと「AKIRA」「デビルマン」や星野之宣、大友 克洋、松本 零士...。

2ケ月に1つの公演、5作目。どれも風変わりだけど実に面白い。勝手口から入った畳のない部屋で観た「アンティゴネー」。これがベースだと思っていたら、あにはからんや「生活ができる」ではありませんか。どこから何が出てくるかいつも楽しみ。

またもうひとつの楽しみは、引っ越した後の蕨駅周辺の探索。無くなってしまったものの間に見覚えがあるものがあったり、今年になって閉鎖されたお店があってびっくりしたり。


次回はどんな作品になるのか。

八月のシャハラザード

八月のシャハラザード

学習院大学演劇部 少年イサム堂

学習院大学富士見会館401 演劇部アトリエ(東京都)

2016/12/21 (水) ~ 2016/12/24 (土)公演終了

満足度★★★★

 原作は1994年に初演された劇団ショーマ主催の高橋 いさを作品である。

ネタバレBOX

脚色・演出は、役者としても劇団血風過激団主催者、木島として出演している小澤 美慧。主人公の亮太は、所属する演劇部で溺れた人を演ずる為に海に出るが、大波に巻き込まれて遭えなく落命。三途の川をあわや渡る所であったが、現世に脱走。理由は、彼女であるひとみに一言別れの挨拶すらできなかったことが悔やまれて成仏できなかったからである。辿り着いたのは、葬式後にひとみを癒そうと演劇部の仲間が集まっていた部室。だが、彼の発する言葉も、姿さえ皆に認められることはなかった。だが、諦めきれない亮太にチャンスが巡ってきた。現金輸送車を襲った強盗川本が、仲間に裏切られた挙句腹部に銃弾を受けて死に近づいた為、彼の姿を見、声を聴くことができるようになっていたのである。
 あの世への渡しを担当する夕凪も協力して亮太の最後の望みを叶えるべく作戦が開始されるが、川本の復讐への思いは矢張り断ち切り難い。裏切り者の梶谷の背後には悪知恵の働く女、マキが居る。こんな攻防の中、ひとみが、裏切り者一味に攫われた。人質として取られたのである。果たして、亮太の思いは、川本の復讐心は、そしてひとみの運命は? 更に各々の思いと結末は!? 初日が終わったばかりなのでこの辺りで。あとは観てのお楽しみだが。明暗転の際、場転がスムースでシャープである。役者の演技も中々上手い。自分が殊に気に入ったのは、川本役、梶谷役。他の面々も中々良い。
「ロストマンブルース」

「ロストマンブルース」

SANETTY Produce

テアトルBONBON(東京都)

2016/12/20 (火) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

熱い想いが言葉がたくさん詰まった素敵な作品、是非劇場で観て欲しいです。
初演をDVDで、再演を劇場で観させていただきましたが、この作品を含めそれぞれに素敵な色を持った作品。
また、再演される事願います。
そして素敵な歌のプレゼントも
ありがとうございました。

楽園王25周年「図書幻想」「旅行記とその船」

楽園王25周年「図書幻想」「旅行記とその船」

楽園王

d-倉庫(東京都)

2016/12/20 (火) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/20 (火)

無題1989(16-279) 19:30の回(晴)。

18:47受付、ロビー開場、19:01開場。

ほぼ正方形の舞台、縁で囲まれ一段高くなっている。下手に階段、2階部分あり、上手には格子ドア(横)、椅子3脚、黒表紙の「本」が放置され山となっている。黒と白の世界。

19:37開演~22:04終演。

楽園王を初めて観たのは「仮病ガール(2011/12@上野ストアハウス)」、本作で3作目(久しぶり)、セリフを聴いて思い出す。

視覚的にはとても好み、照明の降らせ方も「幻想」的。ただ、初日だからなのか句読点ずらしの「セリフ」が硬く、もっと優雅さ、艶やかさが漂う中に登場人物たちの生と死を繰り返す世界として現れていたらよかったなと思いました。

発声は呼吸なのだから「自然」でなければ「不自然」。

物語の大枠(2つの場面が交互に)がなかなかつかめず、最後のシーンでやっとひとつにまとまったように見えるのは、それまでの間、表面的なものに囚われていたからかなと思うのでした。

図書館、世界各国の図書館写真集があります。何百年、何千年もの知の蓄積。もう少し厳かな雰囲気があったら。

最初のメモ。ずっと落ちたままなのがやけに気になる。

一番客席よりで、背を向ける位置に立っていると...みえない。

当パンはなかった?

岩澤繭さん「スーザンナ・マルガレータ・ブラント(2014/5@ APOC)。
大迫健司さん「見よ、飛行機の高く飛べるを(2015/6@明石)」。
丸本陽子さん「舞首ー三つ巴の里ー(2015/5@ 711)」。
色鳥トヲカさん「ダーリン!ダーリン!(2016/1@ MilkyWay)」。

ローザ

ローザ

時間堂

十色庵(東京都)

2016/12/21 (水) ~ 2016/12/30 (金)公演終了

満足度★★★

時間堂解散ということで観に行きました。

ネタバレBOX

ローザというドイツの革命家の墓前に集った関係者がそれぞれ彼女を演じることによって彼女のことを知ろうとする話。

亡命を勧められても、他国からの遠吠えでは存在価値がないとして断り殺されたこと、英雄色を好む面があったことなどが明らかになりましたが、そもそも全く知らない人のことなので、少しばかりの隠れた一面が分かったところでへえそうなんだといった感動もなく全く興味が湧いてきませんでした。

彼女が生きていればナチの台頭はなかったのか、あるいは彼女たちの運動が激しかったが故にその反動によって右傾化してしまったのか、それとも彼女の影響など大してなかったのかなど考えました。
シブヤから遠く離れて

シブヤから遠く離れて

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/12/09 (金) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/17 (土)

村上虹郎という才能。
演技力の細かいところは分からないが、きっと才能に恵まれた逸材なのだろう。
親の遺伝子を受け継いでいて何だか不思議な雰囲気がある俳優さんだ。
作品に関しては、蜷川さんがやったらすごいものになるのだろうなーと思ってしまうのが悲しいところ。

痴女を待つ

痴女を待つ

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2016/12/21 (水) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/21 (水)

久しぶりのスマッシュルームズの初日を観劇。
前半が若干流れてはいたがエンディングは最高(笑)
相変わらずここの劇団は面白い演劇を作る。
今だ小劇場でちまちましているが、個人的にはもう少し評価を受けても良いと思う。

砂漠のクリスマス

砂漠のクリスマス

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2016/12/16 (金) ~ 2016/12/24 (土)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/12/18 (日)

題材が難しい。
どうしても翻訳劇には大きな壁が立ちはだかり、作品との距離感を感じてしまう。
俳優さん達は頑張っていましたが、根本のところで受け入れにくい作品でした。
じゃあ観に来るなよって話ですね。

モグラ…月夜跡隠し伝…

モグラ…月夜跡隠し伝…

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/12/15 (木) ~ 2016/12/27 (火)公演終了

満足度★★★★

同劇団に何回も通う身としては、強力な客演の存在は良い刺激になって大歓迎です。 
松田賢二氏が6年前の公演「蟹」で観た時よりも、随分と箔が付き一回り大きく見えて驚きました。

雪女ー密室の行軍ー

雪女ー密室の行軍ー

鬼の居ぬ間に

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/17 (土)

行軍の話しなのに行軍をせずにその過酷さや極寒の雪山の恐ろしさを感じさせ、一部隊に起こった恐ろしい悲劇を見ている人に突きつけた!
なぜ足を負傷した岩木だけが生き延びることができたのか、女はなぜ突如山小屋に現われたのか、その真実に近づくにつれ、もうこれ以上は知りたくないと目を閉じ耳をふさぎたくなるようなその先に待っている恐怖。
暗く恐ろしい話しではあるけど、ミステリー要素を含んでおってひとつひとつ謎が明らかになっていく展開は単純に面白かった。
丁寧に丁寧に物語を繋げているのがめっちゃ伝わってきた!
緊張感あふれるシーンでセリフがちょいとつまっちゃったのがもったいないなぁって思ったけど、小劇場らしさを堪能できるいい作品でした。

12月文楽公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』

12月文楽公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』

国立劇場

国立劇場 小劇場(東京都)

2016/12/03 (土) ~ 2016/12/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

2日に分けて観ました。
長い時間でしたが、あまり長さを感じませんでした。
人形、義太夫、三味線・・・・とても素晴らしかったです。

天獄界~哀しき金糸鳥

天獄界~哀しき金糸鳥

玉造小劇店

近鉄アート館(大阪府)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

初めての玉造小劇店さん、さすが、皆さん芸達者でした。

政府に殺されたアナーキストの娘・ルイズのその後を描いた作品。
歴史の狭間と人の愛情、両親を殺した将校、シリアスな内容でしたが(もっと重厚ないまーじを持っていましたが)、お笑いを挟みながら、あっという間の2時間でした。
楽しかったです。

「最悪のメタファー」

「最悪のメタファー」

ポンポンペイン

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2016/12/21 (水) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/12/21 (水)

7つの「個性」とぶつかる一人の男との「禅問答」にも似たやりとり、それぞれの「個性」にビタッとはまった役者陣の演技は見ごたえがあり濃厚な時間を過ごせたと思った。
初見では、自分の頭のなかを整理しながら観たので、「メタファー=たとえの技法」が何だったのを思い巡らすまでは至らなかった。
複数回観る予定なので、次回は自分の中でいろいろな目を持って観たいしそれができる作品だと思う。


ルーツ

ルーツ

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2016/12/17 (土) ~ 2016/12/26 (月)公演終了

満足度★★★★★

KAAT大スタジオ一面が高低差のある「町」で、左右のバルコニーも「路」の延長として役者が移動に用いる。その意味で舞台の隅々までこの世界の秩序の行き渡り感が視覚的にも圧倒して、隙が無い。閉山した「鉱山(やま)」らしく、黒くくすんだ町(というより廃村に近い)の全容、この地にへばりつくように暮らす住民たちの独特な、歪つな、猥雑なエートスが、この僻地にやってきた青年の眼差しと体験を通して顕在化していく。「個と集団」を探る企画の狙いが、作者・松井流に執拗に追究され、答えの無い混沌の中に放逐される。「砂の女」のテーゼがなお探求に値する今の現実があるという点には同意。
休憩10分を挟んで2時間40分。架空の村の生態観察は、言わずもがな変態性に満ち、私には好みである。

ネタバレBOX

この芝居の「主人公」とも言えるこの「村」の歪さは、ある一点(村独自に生み出した宗教的慣習)にあり、村で自身のライフワーク(古細胞の研究)を続けることを望む青年は、他の事では村に従うがこの一点において村の趨勢に抗い、英雄的行為に走るという割合爽快なラストがある。
だが、宗教を生み出す「異常さ」にでなく「必要」に迫ろうとした戯曲ゆえ、その部分をもって「歪」の判子を押して打ちやるには躊躇いが生じる。
話の時代設定ははっきりしないが「今」ではなく、廃坑以来何十年かが経った、戦後のある一時期のよう。すれば世代は3世代ぐらいか。しかし村の宗教的挑戦での「神」第一号に当たる男(年齢不詳だが老齢ではない)が、「神」の任を解かれ、次の「神」の誕生への代替えの儀式が、(この宗教の開闢以来・・つまり十何年だか何十年だかを経た今)第一回目のそれとして芝居の中で展開する。ここで奇妙なのは、実験の途上でもあるこの宗教が、その独特で柔軟性のない=具体的な実践に他者を巻き込む教義における「次段階」が到来した時、村人は「初めて」の経験でも「信じる」ゆえか戸惑いがない。想像するに奇態な心理状態がよぎって嘔吐しそうになる。
ところがなんとここで、(この教義であれば当然)「あってもおかしくない」事態が起きる。それまで「神」とされた者が「解任」された事により人の視線をまともに受け、パニックを起こすのだ。それは「醜態」と呼ぶに相応しく、村の発明品(宗教)を無言の内に酷評されたに等しい。いかにひどい「試み」であったかの証左となる。そうすると、その時点で「神の目」を持つ観客は、村を脱出しようとする者、村の大勢に抗う者が本質的に「英雄」であり主役の側である、と感知する。
だが。・・「神」を必要とする事と、その「神」を頭上に頂く「方法」についての是非は別であり、世から打ち捨てられたような村で慎ましく暮らす彼らは、励まされこそすれ、一点の過ちで指弾さるべきでない、とも思われるのだ。
松井氏は単純な答えを用意したとは思わないが、この芝居での集団(村)は目先の利益のためでなく、極めてまじめに、人間救済の宗教を生み出そうとした、そこは間違いないように思われる。そして(キリスト教が発祥当初そうであったように?)カルト化していることには間違いないが、一方「私は神を<生む>人になる」と宣言して母と妻を廃業した女性の登場など、物語の副流ではカルトの権力構造に(結果的に)切り込む事で「宗教」自体に普遍性を付与させ行く契機・・世界宗教のような・・が垣間見えたりする。
「外」からやってきた青年の現代的な感覚は、差別にさらされた村で細々と暮らす感覚に比して格段に「軽」く、ヘラヘラと見える青年のほうに自分を重ねた観客も多いだろう。「閉じた」村であって何が悪い?という台詞もあった。ラストでは「村」的思考の敗勢がみえたが、一つ一つの問いは容易に答えへと導かれない。
・・終演後、「私はどこに行っていたのか」と思う。希有な体験を持ち帰り、吟味しようとするが、松井氏の爽やかな童顔と変態的存在性とのギャップに悪夢を見そうになる。
奇怪な人物(関係)の景色を、舞台上に生み出した仕事には敬服。
コンカツ狂騒曲

コンカツ狂騒曲

ピウス

サンモールスタジオ(東京都)

2016/12/17 (土) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

Bチーム観劇。想定どおり、一人者にはザクザク刺さったシナリオでしたが、とても楽しかった!そして、ハートウォーミング!ザキさん素敵だし、大野さんの役がレアだし、小野瀬さんが成長なさってた!何より、榎エドガーちひろさんのストレートプレイが堪能出来て嬉しかったです。

「ロストマンブルース」

「ロストマンブルース」

SANETTY Produce

テアトルBONBON(東京都)

2016/12/20 (火) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

前回のキャストともガラッと変えて、今回は今回の良さがある。物語をすっかり忘れた気でいたけど、展開していくうちに思い出して、表情や行動の意味に気付いて胸が詰まる場面多数。初めてでも複数回でも味わえる素敵な舞台でした。

主演の夢さんと、ずんずしあのんがいい仕事しすぎてて、小劇場フィールドにこんなにいい役者がたくさんいることが幸せだなぁって思った。なるさんも小技効いててずるい。この間の百瀬の時のヘタレどこいった!

ネタバレBOX

ここの団体さんは、お金に"シビア"なんだろうと毎回思います。(ブラックジョークですよ?)

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