最新の観てきた!クチコミ一覧

641-660件 / 189522件中
車窓から、世界の

車窓から、世界の

市民の為の読み合わせの会

SUITA×ART(吹田市文化会館メイシアター内)(大阪府)

2025/10/29 (水) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中々リアルな作品
女子中学生三人が電車に飛び降り自殺 一人は意識不明で、2人は…
その電車を運転していた車掌、学校の先生とその彼氏、PTAそして三人が入っていたガールスカウトと自殺の原因を作ったと悩むオタクの会話劇
上手く出来ていたと思います

レ・ミゼラブルより『ファンティーヌの祈り』」

レ・ミゼラブルより『ファンティーヌの祈り』」

Lucy Project(ルーシープロジェクト)

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2025/10/21 (火) ~ 2025/10/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

火劇の一作
あの独特な男優の声が印象的
楽しめました!

かもめ

かもめ

劇団 新人会

上野ストアハウス(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 長尺ものの脚本を用いている為、短いヴァージョンに比べチェーホフの作品の持つ奥深さ、繊細性、先進性と往時のロシア社会とのギャップとがより明確に出而も痛切に観客の魂に刺さる。流石に新人会の公演。東京演劇アンサンブルの志賀さんの演出、新人会役者陣の上手さも光る。華5つ☆(追記後送)

3人歌姫物語

3人歌姫物語

四宮由佳プロデュース

サンモールスタジオ(東京都)

2025/10/15 (水) ~ 2025/10/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/10/19 (日) 13:00

結成から25年を経てまだライブ活動を続けている3人組(元?)アイドルグループに縁あってテレビの音楽番組出演の話が舞い込むが……な物語。
彼女たちを20年以上追い続けている追っかけトリオに、考えてみればよく存じている(そして意外な顔合わせの)お二方を初めて観てから20年以上経つ我が身を重ね合わせて決して他人事でなない、的な(笑)。
あと、あの方々がアイドルっぽく歌って踊る(しかもサマになっている)のも意外!(真顔)

地味な労働者三部作

地味な労働者三部作

Ahwooo

新宿眼科画廊(東京都)

2025/10/31 (金) ~ 2025/11/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

〈東京ver〉

①Ahwooo「すぐやるか すぐにやるなよ 考えろ(上の句)」
如月萌さんの経営する会社が神戸の海岸通に引っ越し。友達のハイソの専業主婦・牧野亜希子さんがお祝いに駆け付けた。まだダンボールだらけの事務所、何処に何があるのか分からない。その内の一つに謎の文言が書かれた紙の束が。リストラした従業員の誰かの嫌がらせか?

②わたしとともに現前×mooncuproof「キャッチャー・イン・ザ・フトン」
末延ゆうひさんの一人芝居。会社を辞めて実家に帰って来た病んだニート、ダンボールの山の中でハローワークカードを探す。散々なボロボロの自分の半生を思い返しながら。幼い日、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』に心を揺さぶられたこと。

③排気口「海につながる湯船のほうへ」
大学の卒業旅行として佐藤暉(あきら)氏、坂本ヤマト氏、中村ボリさん、大久保佑南(ゆうな)さんが海へ向かう。バスを間違えて仕方なく山奥のひなびた旅館に泊まることに。番頭の坂本ヤマト氏は「この村には守って貰わねばならない決まりがある」と語る。

末延ゆうひさんは要チェック。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

①富裕層の神戸の女性の感覚が愉快。急に泣き合ったり妙な笑いのツボにハマったり。「レジ前のおばちゃんって···」(爆笑)。

②末延ゆうひさんがNOKKOみたいで魅力的。声と表情が良いのでずっと観ていられる。凄く人気出そう。小5で『ライ麦畑でつかまえて』の読書感想文を書くのは早熟すぎる。駄目な自分を許容して適当に生きること。適当でいいんだ。

③観客お待ちかねのお笑い。凄く人気があるんだな。「沈黙は肯定ですよ。」
我ら宇宙の塵

我ら宇宙の塵

EPOCH MAN〈エポックマン〉

新宿シアタートップス(東京都)

2025/10/19 (日) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

客入れSEにデヴィッド・ボウイ「I Wish You Would」が流れる。何故かそれだけで気分が良い。

ステージ上に置かれた椅子に突っ伏して寝ている宇佐美星太郎(しょうたろう)少年のパペット。幼稚園児位の大きさ。肌はフェルト生地っぽく見える。毛玉が付いている。背面は全て壁面に貼り付けたようなLEDビジョン。どうなっているんだか分からないが迫力満点。星太郎は首の後ろの下辺りにグリップが付いている。後頭部の真ん中にも掴む部分が。左手でグリップを掴み、右手で頭部もしくは他の部分を動かす。歩く時は自分の靴の上に星太郎の足を載せて一緒に動く。床に大量に散乱している紙には何がが書かれている。床の穴から次々と人々が出て来て開幕。

多分、今作が評価されているのは語り口なのだろう。一見何の話なのか全容が見えない。『インターステラー』的なものを期待していたが全く違った。どちらかと言えばジョディ・フォスターの『コンタクト』か。

小沢道成氏を初めて認識した。星太郎を操演。
異儀田夏葉さんは観る度に美しくなっているように感じる。プラネタリウムの背景が高速で移動する度、一人パニックを起こす設定は面白い。
渡邊りょう氏は今回も流石の強キャラ。今年何度観たことか。泣き上戸、笑い上戸の発達障害。彼の小太郎のエピソードからぐんと面白くなった。

※しょうたろう=正太郎だと思っていたので「鉄人28号」から名付けたのかと誤解。

ネタバレBOX

5年前にトラックに撥ねられて亡くなった父親。星太郎は父親が何処に行ったのか知りたかった。毎日骨壺を見つめ続ける。母親(池谷のぶえさん)は「お父さんはお星様になったのよ。」と伝える。その日から毎晩毎晩夜空の星を数え出す星太郎。一体どの星なんだろう?その内、学校でも家でも会話をしなくなる。毎日夜空の星の数を記録し続ける。そしてある朝、家からいなくなった。

ジャイアント・インパクト説(=原始地球に原始惑星が衝突し飛び散った破片が地球の軌道上で合体し月になった)を知った星太郎は亡くなった父親はその周辺にまだ漂っていると仮定。事故現場に向かう。当時の事故現場は工事中だった。頭の中を整理する為、石で地面や壁に絵を描いて考えをまとめる星太郎。落書きを注意しようと見ていた作業員・ぎたろー氏。

父親が運ばれて行った病院に行き、看護師・異儀田夏葉さんに質問する。病院で治療できなかった者は最終的に火葬場に行くことを伝える。

火葬場で立ち昇る煙を眺め、職員・渡邊りょう氏に焼かれた者は何処に行くのか尋ねる。渡邊りょう氏は愛犬・小太郎を亡くした経験を語る。遺骨でも墓でもない、一番思い出のある場所に行った時、小太郎と過ごした日々の記憶が溢れ返ってきた。小太郎はここに居る、と思った。

父との思い出の場所、ぎたろー氏が経営する個人経営のプラネタリウム。星太郎を捜して池谷のぶえさん、異儀田夏葉さん、渡邊りょう氏が訪れる。星太郎はぎたろー氏の語る「地球から夜眺めている月は太陽の光を反射しているから目に見える。月側の時間としては昼間。」という言葉にハッとする。月から見れば地球も星の一つ。

焼かれて煙になったとしても宇宙までは行けない。激しい火山の噴煙でも成層圏止まり。父は地球という星にいる。地球という星を構成するマテリアルになった。

※質量保存の法則、エネルギー保存の法則から、人間が死んでもこの世界の総量は決して変わりはしないことが真理。この世に存在するエネルギーの総量は決して変わらない。増えもしなければ減りもしない。死んだ人間の肉体は化学変化を起こすがそれは原子の組み合わせが変わるだけ。別の形態に変換されエネルギーとしてこの世に存在し続ける。意識や感情や思考も一種のエネルギーだとしたらそれもこの世に形を変えて存在し続ける。そういう意味からは生命は永遠なのだ。
(『あるアルル』の時に書いた文章の再録)。

一体どんな所にまで連れてってくれるのか、発想の飛躍先に期待していたのだが凄く古典的。渡邊りょう氏の「小太郎はここにいる!」の感覚の方がぐっと来た。理性でまとめ上げているので感情が揺り動かされないのか。人や動物は亡くなっても優しい想い出はいつまでも色褪せない。
デンジャラス・ドア

デンジャラス・ドア

劇団アンパサンド

ザ・スズナリ(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ面白かった!役者さん全員面白い。会場も大盛り上がりでした。ドアを見るたびに思い出しそうです。

リヒテンゲールと二つ国の詩

リヒテンゲールと二つ国の詩

Jungle Bell Theater

萬劇場(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ジャングルベルシアター30周年記念公演
30周年に相応しく、浅野さん(脚本)王道のファンタジーでした。
ホントに児童書として出版したり、アニメになったりしても良い作品だと思います。
演者の皆さんの動きや全体のテンポも良くストーリーを楽しめました。
「わけあり割引席」(一番後方席、更に後に機材あり)で観劇しましたが、全体が見渡せ、後の機材も気にならず…ストーリー重視の私にとって、とってもお得な席でした。
31年目も楽しみにしています。

ネタバレBOX

ひとつだけ違和感を感じた所は、最後近くの王女の歌声です。あのオペラのような歌い上げる感じと物語の世界感が合わない気がしました。
もっと稚拙でも素朴な感じの方が良かったのでは…と個人的に思いました。
(どなたかが悪いとかいう問題では無く、1人の感想として受け止めていただけると幸いです)
リヒテンゲールと二つ国の詩

リヒテンゲールと二つ国の詩

Jungle Bell Theater

萬劇場(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/10/29 (水) 19:00

価格5,500円

野イチゴチーム初日観劇
劇中劇がファンタジーという王道の設定。
芝居のうまさが際立つ人が居たのがよかった

白貝

白貝

やみ・あがりシアター

浅草九劇(東京都)

2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やみ・あがりシアターさんらしい、でも毎回毎回大きく違う、よくこんな発想が生まれるものだなと思う世界設定。
お芝居の構成としては複線回収ってことなんだけど、最初は何のつながりもない点と次々道ですれ違うだけの連続に見せかけておいて、実はそれら全てがまとまってきて…という体験が、このある障害を持つ人物の視点から見た世界…覚えられない他人達の正体とつながりが段々分かってきて…と同じような感覚を疑似体験出来るようになっている、と考えると新しい観劇体験をしたように思った。

ネタバレBOX

観劇後に調べたら人の顔を覚えられない障害ってホントにあるんですね。自分も比較的そうかも…
知らなかったので、そんなことあるのか?という目で観てしまったけど、実際ありうるんだと考えると山に逃げ込みたくなる気持ちも分かるし、そうでなくても山は人に会う煩わしさから解放させてくれるのかも。
それを追いかける多様な事情を持つ素人登山者達が手を替え品を替え下手なお芝居を繰り広げるとか、良くできた仕掛けだなと思いました。

個人的に、劇中出て来た山の中腹から下山して東京の劇場まで観に来ていたので、とても親近感を持ちましたし、ほとんどが実在する山なので、色々思い浮かびました。東京から関東近辺を巡ってる人があの山に行くのならそのサービスエリア(実際にはパーキング)には行かないよなぁとか、あの峰からそっちにいったのかなぁとか…など、それはそれで楽しい体験でした。

あと、これ仕方ないのだけど、何度も出はけするお芝居で、会場の構造上、奥の奥の席に座ると、裏通路を通る役者さんの振動が伝わって来るんですよね。
Waltz for Daddy

Waltz for Daddy

幻灯劇場

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2025/10/23 (木) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

生演奏、反転した天井まで届く凝った美術。
とてもとても素敵な表現が連続するステージでした。
ふわっとした、抽象的な物語でして、テイスト気に入って、どっぷりになれれば最高なんだろうなって。

自分個人としては、睡魔に襲われる部分もあった。
意外とセリフを立ててきていて、もっと、言葉によらない表現中心なのかしら?って思っていたので、やや肩透かしではあったかな。

かもめ

かもめ

劇団 新人会

上野ストアハウス(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

さすがです。贅沢で重厚な時間。しっかりとした演技力と普遍的なストーリー。血の通った人間の感情を表現する際のお手本みたいな舞台でした。

ネタバレBOX

チェロとクラリネットの音が所々に効いています。生演奏は良いですね。
華岡青洲の妻

華岡青洲の妻

文学座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2025/10/26 (日) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

華岡青洲、江戸時代和歌山県の医師。外科手術を行なうにあたり、麻酔薬の開発こそ必須だと知る。十年間動物実験を重ね、六種類の毒草を調合して麻酔薬を作る。曼陀羅華(まんだらげ=チョウセンアサガオ)、トリカブト、白芷(びゃくし=ヨロイグサ)、当帰、川芎(せんきゅう)、天南星(てんなんしょう)。全身麻酔薬として発明した麻沸散(=通仙散)。だが実際に人間に投与する為には更なる人体実験が必須。十数人の親族の協力があったとされる。
1804年、記録に残る所では世界初、全身麻酔での乳癌手術に成功。(アメリカでウィリアム・モートンがエーテル麻酔での手術を成功させたのは1846年)。
それ以前の外科手術は患者に激痛をひたすら我慢させる悲惨なものだった。

一番今作を象徴するのが現在では使われていない江戸時代の紀州弁。語尾にOshiが付く独特の語感。「〜のし」「〜よし」「〜とし」と音として面白い。この会話を女性陣が柔らかく紡ぐ屋敷にはゆったりと漂う優しげな空気感。これが後半、どろどろ煮えたぎる修羅界へと堕ちた屋敷にて見事なる異化効果を上げる。小面(こおもて)を被った般若達の口にする雅な方言として。

華岡青洲(幼名・雲平〈うんぺい〉) 釆澤靖起(うねざわやすゆき)氏
妻・加恵(かえ) 吉野実紗さん
母・於継(おつぎ) 小野洋子さん
妹・於勝(おかつ) 太田しづかさん
妹・小陸(こりく) 平体まひろさん

原作者有吉佐和子は華岡青洲の偉業よりも嫁姑の確執に焦点を当てた。母・於継を杉村春子が演じた舞台は大評判、当たり役となった。女優陣の織り成す剥き出しの生き様こそが人気の所以。

8歳の時、美しくて賢いと噂で聞く於継をどうしても見たくなり、乳母に頼んで隣村まで足を伸ばした加恵。夏の照りつける太陽の下、垣根越しにこっそり庭を覗き見ると無数の気違い茄子(キチガイナスビ)の真白な花が狂ったように咲き乱れている。その中に凛と立つ於継の横顔。余りの美しさに眩暈がする。真白で清らかな美しい花と於継を重ねて見た幼き加恵。その正体が気違い茄子=チョウセンアサガオ=曼陀羅華であることを後に知る。実に巧い文学的仕掛け。

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

華岡青洲の理念とした活物窮理(かつぶつきゅうり)=治療を具体に即して考え、方法を合理的に見出す。目の前の生きた患者に合わせて柔軟に治療法を見出すこと。重要なのは知識や経験だけでなく、目の前の患者の症状である、と。

江戸時代最大の飢饉、天明の大飢饉は1782年から1788年、冷夏や長雨が続いた。全国で90万人以上が餓死。

第一幕 1782年
第二幕 1785年
第三幕 1793年〜1795年
第四幕 1808年
(原作は小説なので事実とは年代も違っている)。

話の構成や演出は古くて退屈も感じた。前半は居眠りが多い。だがその伝統故の良さもある。重厚な歴史あるドラマを味わっている悦楽。商売としては嫁姑の見応えある攻防をこそ売りにすべきホン。そしてそれを身近に目撃し続けた妹・小陸が結婚に恐怖し生涯独身を貫く悲劇にも。
平体まひろさん目当てで観に行ったのだが流石の存在感。嫁姑の地獄を目の当たりにして自身の縁談に震え出すシーンは客席から笑いが起きた。

松竹が8月に大竹しのぶさんで『華岡青洲の妻』をやっていた。大竹しのぶ版母の於継も観たかったなと思ったら68歳にして妻の加恵役だった‼(青洲の母・於継役は波乃久里子さん)。

映画版は増村保造監督で市川雷蔵主演、若尾文子VS高峰秀子‼これも観なくては。ここに高峰秀子をキャスティングしてくるセンスが素晴らしい。絶対に悪女ではなく善なるイメージの女優がやらないとこの作品は駄目。往年の倍賞千恵子とかが演ると客は興奮する。

映画版では加恵が於継に対し憧れを超えた同性愛的なものさえ感じさせたらしい。青洲の取り合いではなく、深遠なる女の性を描ければこの作品はもっと別の意味を持つ。
舞踏/音楽 即興劇 「起源論」

舞踏/音楽 即興劇 「起源論」

東京戯園館

座・高円寺1(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/02 (日)公演終了

実演鑑賞

この名義の公演は座・高円寺でここ数年毎年やられていたようで(座高円寺公演情報は押えていたはずであるが..)今回が初めてであった(舞踏であった事は当日劇場で知った)。
初耳の名前を観に出かけたのは競演者の名が目を引いたから。日替わりの競演者は皆音楽家でとりわけ初日の二名は少々特別感あり。一人が林栄一(sax)、一人が石渡明廣(g)。前者は40年スパンで日本のジャズ界の第一線で活動する人。ライブハウスのラインナップを見ていた大昔はこの名前が頭一つ出た所(バンド)で演奏。後者は言わずと知れた祝祭的(法外)バンド渋さ知らズのリーダー。恐らくはジャズ畑の人だろうと踏んではいたのだが、今回その無尽の音世界を堪能した。80分の上演時間ほぼ全編音を出す。林氏もサックスの持つ音の迫力、美しさ、繊細さを体現するが、既に老境にある風貌に驚きつつ「現役の音」にも驚いた。
これはほぼ音楽ライブである、と思いつつ、初の工藤氏の動きも目に入れていたが、音が彩る「相」のダイナミックな変遷に導かれて、という所が大きいのであるが、音に乗っかりつつ蠢いているだけの相関と見ていたら、最後には音に拮抗する存在として俄然姿を現わして来た。舞踊には踊り手の数だけ「言語」があると思っているが、工藤氏の中では一貫した何か(言語体系?)が、最終的には観客に見えて来たという事だろうか。危機と逼迫の時間、事態を俯瞰する時間、世界を愛おしむ時間・・それらとシンクロする身体があり、緊張の持続する時間が一つの作品と思える最後を迎えるという感じ。こちらの深読みもあったか知れないが、胸が熱くなる瞬間もある。
林氏とは以前一度競演歴あり、石渡氏は前回に続いて二度目という関係。過去作品でも競演する「音楽」を重視している事が分かる。しかし全く異なるだろう別日の「音」とのコラボはどんな空間を作るのか、と興味は募る。(観には行けないが・・)

全速全進!

全速全進!

劇想からまわりえっちゃん

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/10/16 (木) ~ 2025/10/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

漠然と「システム化された現代の海賊界に身を投じた主人公が野生に目覚めてゆく話」を予期していたらほぼハズレ(笑)、スティーヴンスン「宝島」に出てくるような「いわゆる海賊」でこれはこれで楽しい。
そしてそんな海賊たちが(現代だけに)スマートフォンで連絡をとったりするのが「いかにもフィクション」な感じで楽しいし、登場人物たちが「キャラクター見本市」のようで愉快。
また、時折挟まれる歌(オリジナル)とダンスの場面も佳き♪

笑いの神様へ

笑いの神様へ

RISU PRODUCE

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

説明文にあった通り、父を探しに来た娘と浅草芸人たちのドラマ。展開は想像を超えるものではなかったが、いくらでもウエットにできそうなところを抑えて、変に泣かせに走るような真似をしていないのがよかった。

此岸と彼岸の間

此岸と彼岸の間

獏天

劇場MOMO(東京都)

2025/07/01 (火) ~ 2025/07/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

若い活気ある演技。笑い有り涙有りの感動で素敵な時間を過ごさせて頂きました。本当に今の時代は幸せだと実感しました。この平和を後世にを考えさせられ涙。次回も凄く楽しみにしております。多忙な日々を送っておりますので現実逃避出来た様な素敵な時間でした。7月3日、鑑賞させて頂いたのですがコメントが出来るの今日知り遅ればせながらです。

月は今日も僕を見ている

月は今日も僕を見ている

劇団十夢

キーノートシアター(東京都)

2025/10/26 (日) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/26 (日) 17:00

価格2,000円

10月26日〈日〉17時鑑賞

心温まる、すばらしい劇でした。

登場人物はサラリーマンの桂太とその妻優香、そして霊媒師の麗樹。
優香は1週間ほど前に、交通事故で死去。
桂太は心の整理がつかなくて、霊媒師に頼る。
霊媒師は最初、多額の金品を要求するが、
しだいに桂太と優香に心打たれ、2人の関係を取り持つように…。

桂太は亡くなった妻に再会するため、一生懸命努力します。
麗樹も霊媒師として精一杯協力します。
そして、最後に……。

最後のシーンは本当に感動しました。
桂太と優香の、お互いを想う気持ちがひとつになりましたね。
ワンピースに着替えた優香は本当に素敵でした。
そんな優香を見つめる桂太も輝いて見えました。
周囲の観客も皆、涙ぐんでいました。

脚本も役者さんもすばらしい。
劇団十夢さんが作られたこの作品。
今後、他の劇団も、この脚本を踏襲して
演じていくようになると思います。
すばらしい劇でした。
ありがとうございました。

蛍の光、窓のイージス

蛍の光、窓のイージス

劇団文化座

あうるすぽっと(東京都)

2025/10/17 (金) ~ 2025/10/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/10/23 (木) 14:00

価格4,500円

10月23日〈木〉14時鑑賞。

卒業式での生徒の答辞。
その中に、政府に対して批判的な内容が…。
修正を迫る教員とそれを拒む生徒。

劇を観るまでは、生徒の側を応援する気持ちでいっぱいでした。
でも最後は穏便な形で解決してよかったです。

学校の職員室が舞台です。
舞台装置がリアルで立派でした。

おおまかな話の流れは以上のような形ですが、それ以外にも、
学校特有のさまざまな物語(テーマ)がちりばめられていました。
管理職と一般教員という、教員内部の確執。
理事に媚びる教員と、そうでない教員。
部活動での教員の役割。
ブラックな教員の労働環境。

脚本もしっかりしていて、飽きさせない内容。
役者さんもお上手で、文句なしの120分でした。
すばらしかったです。

かもめ

かもめ

劇団 新人会

上野ストアハウス(東京都)

2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
何度か観たことがある戯曲だが、とても分かり易い舞台として楽しめる。作中の人物像がしっかり立ち上がり、日常生活における会話や人間模様の織りなす関係が だんだんと盛り上がっていく。戯曲の持つ 力 もあろうが、四幕を実に巧みな手法で紡いでいく。戯曲の力、演出の技、演技の思いが調和した好公演。
(上演時間2時間10分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台上の上手に客席を設えた 変形2面客席。舞台美術は 上手奥に階段、下手は、冒頭 幕が下りていて奥が見えない。登場人物の1人 トレープレフが、自作を家庭劇として上演するため仮設舞台を設えているため。床は 継ぎ接ぎ絨毯に椅子が無造作に置かれている。下手客席寄りに演奏スペース。演奏は星 衛さんでチェロや横笛の生演奏。
シンプルな舞台美術だが、暗幕へのプロジェクションマッピングで光景を立体的に映し、生演奏で情感豊かに紡ぐ。幕が揺れると水の揺らめきのようだ。四幕ものだが、一瞬にして場景が変わりテンポよく展開していく。勿論、場景に応じて小道具の搬入/搬出や衣裳替えをする。ラストは ランプの灯りが情緒的で印象に残る。

物語は、女優 アルカージナの息子トレープレフが従来の(古い)芸術を革新する作家を目指し、日々思い悩む。また女優になることを夢見て人気作家トリゴーリンに思いを寄せる娘ニーナ。閉塞した状況、その出口が見い出せない絶望と憂鬱が作家志望のトレープレフと女優を志し挫折したニーナを通して描かれる。若者2人のすれ違う愛は、この時代の変わり目に痛み悶えながらも希望の煌めきを放つ。ニーナだけは客席通路を使い、別場所(外の世界)や閉塞状況からの脱出を試みる、そんな暗示を感じる。

チェーホフ戯曲の特長とでもいう静劇、静かな湖畔に建つ家で猟銃の音が鳴り響く。そのラストシーンに向かって だんだんと迫力と緊張感を増していく。とても雰囲気のある場景の中で繰り広げられる会話、その間(ま)が絶妙で生き活きとした人間の語らいがある。工夫し計算されつくしたような会話は、作者 チェーホフの人生観を垣間見るようだ。それを抒情豊かにしているのが生演奏、それを感情的な表現とすれば、効果音---例えば暴風雨などは物理的に聞かせる巧さ。さまざまな演出上の工夫や技巧が駆使されている。

ラスト---トレープレフは、これから向かうべき道が見い出せず、夢とイメージの混沌とした中を さ迷っている。信念もなければ使命も解っていない。一方 ニーナは、絶望し挫折しながら、自分がどうすれば良いのか知っている。女優という仕事で大切なのは、かつて夢見た晴れがましい名声・栄誉ではなく<忍耐力>だと…。
ニーナの言葉は 現代人へのメッセージ…世界のどこかで起きている戦争や紛争下にいる人たちへの希望(一刻も早い解決)に繋がるような。
次回公演も楽しみにしております。

このページのQRコードです。

拡大