
ワレワレのモロモロ 東京編
ハイバイ
アトリエヘリコプター(東京都)
2016/12/10 (土) ~ 2016/12/23 (金)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/12/22 (木)
出演者8人による8編の体験談を基にした短編良品な面白い舞台だった。
その中の1作、ネグレスト気味な母の話は、その出来事を笑って見るほどは肝が座っておらず、個人的に見る未熟さがあるんだろう。
平原さんは私の中では実力ある役者さんなので、これからもっと活躍の場があるはず!
良々の酔っ払ったお父さんの横暴さは九州男のあるある感満載だったが、ノストラ〜の部分は教室の部分にあたるのか。
永井さんの悲惨な体験にちょっと笑ったけど、舞台作るのって本当大変なんですな、演出している岩井さんの激しさは素の部分で演っているだけのなのか、それとも演じてるのか、どちらなのかわからないくらいの素晴らしい威圧感があった。
岩井さんの戯曲はあのショートショートだと奇妙な話にも思えたが、違うアプローチを加えて、もっと長く見たくなった。
川面さんの話には、短編ながら登場人物の人柄の魅力と話の中に引きこませる筋に少し目頭が熱くなった。
後半4作は特に面白く感じたが全編面白く、10分ほどの休憩が入ってもあっという間の2時間半だった。

モグラ…月夜跡隠し伝…
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2016/12/15 (木) ~ 2016/12/27 (火)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2016/12/18 (日)
靄のようなものが漂う中、劇場内に一歩足を踏みいれば、無数の木立ちのダイナミックな光景に圧倒される。
荒唐無稽、だけどスペクタクルな日本民話の浪漫伝記とでもいうのか、前半の展開にはワクワクしたんだが、途中からどう収拾するのかと見ていれば、最後の局面で慌ただしくなり、あれもこれもと詰め込んだ展開で話をまとめた感がなきにしもあらず。が、終わってしまえば面白かった、という矛盾した感想になってしまった。ケレン味ある歌舞伎を見た、と思えばよかったのかな。
約130分。
劇中「らいらいら」って言葉を発していたが、どう書くんだろう?また、衣装の半纏の衿部分に梵字のようなものが見えたけど、あれも何か意味があったんだろうか?
舞台裏も見たかったが観劇日は談話会があり。ロビーに舞台模型があったらしいが、多勢の人がいたのでどこに置いてあったのかもわからず。談話会では雰囲気に負けて何も質問出来ず。いろいろと無念。

よこみち〜4回まわって”にゃー”と言え〜
よこしまブロッコリー
K・Dハポン(愛知県)
2016/11/19 (土) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/11/20 (日)
にへいさんの短編脚本を、新進の演出家に渡して好き勝手してもらうという好企画。
こういう「新しい血を注ぎ込むような試み」は、相乗効果高くて大好きです。
以下、ネタバレBOXに作品別の感想。

冥王 ver1.02
パズル星団
G/Pit(愛知県)
2016/11/18 (金) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2016/11/20 (日)
平行宇宙、原発、謎の世界システム…異色のピースを掛け合わせたSF劇。元の短編が震災直後で、本公演後に今回の地震…と因縁めくものを感じる。
とてつもなくスケールの大きなピースを扱いながらも、行為のモチベーションをごく身近に求めたことで小劇場演劇として収まりが良かった。SFとして疑問の残るところもあるけど、細かい辻褄合わせを捨てて説明しないことで、核心の人間ドラマに集中できた。
主役の武井嶺朗さんは謎の人物の雰囲気たっぷりでしたね。名無し達の掛け合いも結構好み。

リーディングフェスタ2016 戯曲に乾杯!
日本劇作家協会
座・高円寺2(東京都)
2016/12/10 (土) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

燦々
てがみ座
座・高円寺1(東京都)
2016/11/03 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了

遠野物語・奇ッ怪 其ノ参
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/10/31 (月) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

はたらくおとこ
阿佐ヶ谷スパイダース
本多劇場(東京都)
2016/11/03 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

悪巧みの夜
同級生演劇部
梅ヶ丘BOX(東京都)
2016/11/01 (火) ~ 2016/11/06 (日)公演終了

珍渦虫
プロペラ犬
ザ・スズナリ(東京都)
2016/10/27 (木) ~ 2016/11/08 (火)公演終了

メトロポリス
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2016/11/07 (月) ~ 2016/11/30 (水)公演終了

かもめ/桜の園
地点
吉祥寺シアター(東京都)
2016/12/13 (火) ~ 2016/12/24 (土)公演終了

イマジン
イマジネイション
「劇」小劇場(東京都)
2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

全裸物語 改め 実家物語
ろりえ
シアター風姿花伝(東京都)
2016/12/28 (水) ~ 2016/12/31 (土)公演終了

轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は
空宙空地
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2016/11/11 (金) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/11/13 (日)
大掛かりな舞台装置を活かした重層的な演出。役者が行き来することで空間と時間の奥行きを感じさせる。光陰矢の如しを地でいく展開のテンポはコミカルでもあり、翻弄される姿は切なくもある。コントラストが非常に効果的でした。
以降、同時上演の短篇も含めて、ネタバレBOXにフルver.の感想を書きました。

ド曇天
fuzzy m. Arts
G/Pit(愛知県)
2016/11/12 (土) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/11/12 (土)
割と濃い変キャラひしめくコメディ展開。特に失踪長女の経緯なんて奇想天外で面白かった。そ~んな笑いの中で、じわじわ積み重ねて心に沁みてくる家族愛の空気を作り上げるのだから不思議。マイノリティの生き辛さや優しさを感じさせるところも良かった。手持ちの布を使ったスクリーンの演出も良い味。
お父さん役石田さんの、な~んか愛嬌のあるナチュラルに酔っぱらっている様な物言いと佇まいが独特。味わいある。周囲を取り巻く変態?達と渡り合って毒を吐く次女役イーダミサキさんも印象深かったなぁ。あと、出自不明・謎のベンガル部長も少ない出番の中でも印象深く、もっと観たかったな。他の役者の皆さんも良い味が出てて、座組としてよいバランスでした。今回、初めて拝見した劇団でしたが、また別の芝居も観てみたいですね。

楽屋―流れ去るものはやがてなつかしき―
オトナの事情≒コドモの二乗
インディペンデントシアターOji(東京都)
2016/12/23 (金) ~ 2016/12/27 (火)公演終了

女子にしか言えない~プールの底で見た、私の幻燈~
穂の国とよはし芸術劇場PLAT【指定管理者:(公財)豊橋文化振興財団】
穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース(愛知県)
2016/11/05 (土) ~ 2016/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/11/06 (日)
作家の創作…と言うより、高校生の等身大の経験や悩みや想いが取り込まれてる感じにとても好感。高校生の役者達にすごく合ってるし気持ちが乗ってる気がする。全く他人なのにカーテンコールの彼ら彼女らの涙目に貰い泣きしそうになった。
こういうクリエイションの定番として、各人にしっかり重きがある群像劇的な構成だけど、やっぱそれでこそ、このキャストが活きるよなぁ。王道で良し。そして、女子中心なタイトルになっているけど、中身はそうでもなかった。父や祖父、そして同世代の男子たちの想いもしっかり練り込まれてて、それゆえ女子の群集が活きた感もあり。結局、運命共同体だしなぁ。感想文の題材となる宮沢賢治の「やまなし」が象徴的にこの群像を映す鏡になっていて、とりとめが無くなりがちな群像劇に一本筋を通している気がしました。
役者で特筆すると、キョどる彼氏役ハルチカ君のインパクトは絶大。怪獣と呼ばれるのもさもありなんだけど、怪獣と対等に渡り合った彼女役の子も大したもんだった。相乗効果だなぁ。あと、神様娘も印象強いな。あんどぅ君も面白かった。女子が群像になるが故、個人は男子が記憶に残る。

やえちゃんと、
妄烈キネマレコード
ナビロフト(愛知県)
2016/11/03 (木) ~ 2016/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/11/06 (日)
役者陣が時間と空間を縦横無尽に駆け抜けるスーパーハイテンポ・ロボット演劇。コミカルな掛け合いとスピーディな場転を調味料にしながらも、作演・澤井さんの絞り出すような大切な言葉がぎゅうぎゅう詰まっていることが窺い知れる。やや、その数が多いのと展開のスピード感ゆえに一度で全ての流れと関係性を呑み込みきれないトコもあるけど、個々の気持ちがすっごく伝わってくるので、買った台本をじっくり読み返したい。でも、パンフでの「分かられてたまるか」って言葉もイカしてるなぁ(笑)
役者はみんなハマっているので、良いキャスティングだなぁと思う。河内さん、ロボ感と、それと対照的な情愛がよく出てた。久し振りの棚橋さん、経験の背景を色々感じさせる強さが印象的。アンジェさんの口よりもモノを言う眼力、さすが。
平手さん、いつもの不思議キャラから一転、切なさがよく出てた。竹淳さん、独特のマッドサイエンティスト気質が愉快だった。西尾さん、終始重い雰囲気を貫いて、作品でひっくり返すべきラスボス感を形作ってた。ホント2回観たかったよ。DVD化希望

くだんの件
KUDAN Project
三重県文化会館(三重県)
2016/11/05 (土) ~ 2016/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/11/05 (土)
全編に不条理感溢れ、言の葉が舞い踊り、その繋がりが捩れ、連鎖する。めくるめく様に変化しながら、その実、不変の様でもある世界。会話劇であり、コントであり、イリュージョンでもあり・・・ ぐるぐる頭の中を掻き混ぜられる無限ループの中、辿り着いたかに見えたヒトシとタロウの過去と今。自分の頭の中に浮んだイメージがあるんだけど、こういう作品は、頭に浮んだことが全てが真理であり、百人に百個の「くだんの件」があるんだろうなぁ。多様な楽しみを与えてくれました。