「ごんべい」(2016年版)
ゲキバカ
HEP HALL(大阪府)
2016/05/27 (金) ~ 2016/05/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
歌ありダンスあり。大迫力で涙もホロリ。
いっぱい笑っていっぱい歓声あげて。
カーテンコールでの西川さんの挨拶に思わずもらい泣きしました。
『不眠普及』/『止まらない子供たちが轢かれてゆく』
キュイ
アトリエ春風舎(東京都)
2016/06/24 (金) ~ 2016/07/02 (土)公演終了
満足度★★★
『止まらない子供たちが轢かれてゆく』
過剰さが面白い。
スピード感が気持ちいい。
ネタバレBOX
過剰さが面白い。
スピード感が気持ちいい。
しかし、ラストと、言うか、オチ的なことは意外と面白くない。
そこまでのトーンと違うためか。一気呵成に行ってほしかったような気もするし、上手くスピードを止める方法もあったのではないかとも思う。
過剰な台詞と、普通の会話との差が上手く処理しきれていない印象も。
小学生って思った以上にオトナなのかもしれないと思いつつも、やっぱり子どもなんだな、という細かい描写もほしいところだ。
とても乾いた感覚の子どもたちが登場する。
台詞が重なる。誰が誰だかわからない感覚になっていく。
しょせんオトナから見たら、誰が誰なのかはわかるはずもなく、これは学級崩壊を黙認した教師そのものの視線かもしれないとも。
舞台の上には実際には出てこない、その他大勢の、空気たちのような存在が、実は主人公だったりする。
東京物語
赤星マサノリ×坂口修一
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/05/20 (金) ~ 2016/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★
客入れから映画『東京物語』の音声が流れている。
舞台の上には、台詞に出てくる映画などのポスターが飾られている。
「ゲバラ」「道」「アラビアのロレンス」「キャットピープル」など。
ネタバレBOX
ある刑務所。「革命家」ブレーキと「オカマ」のオリーブが退屈を紛らすためるに語る映画の話。
そして脱獄へと。
『東京物語』を語る、語り口のうまさ。
2人芝居の面白さがある。
2人のバランスがとてもいいのだ。
台詞のタイミングやトーンなど。
上演回数を重ねているだけの良さがありつつも、マンネリ化してない新鮮さもある。
ゆびさきの半景
サカサマナコ
遊空間がざびぃ(東京都)
2016/03/31 (木) ~ 2016/04/03 (日)公演終了
満足度★★★
今後が楽しみなカンパニー。
初めて目にするカンパニーで、なぜ気になったのかは覚えていないが(フライヤーしか目にしていないので、たぶんフライヤーを見てだとは思うが)、思い立って劇場に行った。
ネタバレBOX
受付から案内までも丁寧で気持ちがいい。
とてもシンプルな舞台装置と手作りの衣装。
しかし、センスはいい。
細かいところまで神経が行き渡っていることが窺える。
音の出し方まで含めて。
若々しさが活かされている演出。
ダンスのような舞台での動き。
限られた照明を使った効果。
客席の後ろまで使った。
(これは必要ないかも、と思ったが)
強く伝わるものがなかったが、全体的にはとても好印象である。
女性ならでは、しなやかさを感じられ、今後がとても楽しみである。
作品とは関係ないが、私の観た日には関係者の親族らしき高齢の女性が観客席にいた。
暗い中での動きや台詞に「暗くて見えない」、あえて囁くような台詞に「聞こえない」などと声を出していた。さすがに「んー」とは思ったけど、付き添いの女性が気を遣い、高齢の女性に注意はしているけど、ご老人なので、どうしても声が出てしまうようだ。
まあ、しょうがないか、と思っていたら、その高齢の女性の後ろのほうに座っていた男性がかなり強い口調で注意をした。
付き添いの女性とのにらみ合いのようになり、かなり気まずい空気が漂ってしまった。
注意したい気持ちはわかるけど、どうしようもなさそうだ、というのは見てわかったと思うのだから、より悪い雰囲気になってしまうことが予測できるので、ここはひとつじっと我慢するが良かったのかもしれない。
その女性を追い出しても後味が悪いし、周囲の人も楽しくない。
こういうのって、難しいですよね。
前もってこういう方がいらっしゃるのがわかっていたのならば、その方には申し訳ないが、少しだけ端のほうの席に着いていただくという方法もあったのではないかと思うのだった。
星くず14号 ~PLAY
はちみつシアター
シアター風姿花伝(東京都)
2016/09/15 (木) ~ 2016/09/25 (日)公演終了
満足度★
ストーリーとまったく関係ないどころで、少しだけ面白いと思ったが、その後は笑えるところがなく、ほぼ苦痛だった。
ネタバレBOX
最初から台詞を叫びすぎで、真相がわかっていきつつの盛り上がりが感じられない。
全体的に台詞が聞き取りにくいし。
作品全体のリズムをきちんと計算してないのではないか。
観客が笑っていたところが、ほとんどテレビネタなのも御寒い。
コメディのフェスなのに、団体の紹介のようで、コメディ要素はほとんどない。
でもファンはいるようなので、私にはまったく合わなかっただけか……?
本公演は面白いのかもしれない、と思ったりして。
赤い蝋燭と人魚
人形劇団ひとみ座
県民共済みらいホール(神奈川県)
2016/02/06 (土) ~ 2016/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★
劇団俳優座の岩崎加根子さんによる朗読と人形劇。
裁縫の動きなど、人形の動きはさすが。
朗読のテンポもいい。
ネタバレBOX
「月夜とめがね」「野ばら」「赤い蝋燭と人魚」の3本立て。
「赤い蝋燭と人魚」は、登場人物がすべて白い紙で出来ているような人形を使っていた。
顔には目鼻などもなく、表情は観客にゆだねられる。
拾われた老夫婦から金のために売られていく人魚娘の悲痛さや、売ってしまった老夫婦の後ろめたい表情などは観客の中にある。
白い人形の中で、人魚の娘が残した「赤い蝋燭」が存在感を増し、老夫婦を責める。
哀しい「死」を感じさせる3作品だった。
Mark(x):まーくえっくす
劇団鋼鉄村松
シアター風姿花伝(東京都)
2016/09/15 (木) ~ 2016/09/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
鋼鉄らしいストーリーを、かっちりと上手くまとめた。
面白い!
中短編の作品で、このクオリティーにはなかなか巡り会えない。
ネタバレBOX
バブルムラマツさんはどんどん腕を上げていっているのではないか。
(ボスさん焦ってる? 笑)
物語が「鋼鉄村松」という枠をはみ出ず、演出がタイトになっていきながらも盛り上げていく。
次回作『オセロ王』にも期待が高まる。
ボスさんがいい役者だということを再認識させてくれた。
朗々と語る台詞が、物語の軸になっている。
そして女優の小山さんが、ものすごくいい。
鋼鉄村松役者陣の大きな支柱であった、ムラマツベスさんが休止中の今、そのあとを継ぐのは彼女かもしれない。
すぐにでも「村松」の名前を与えるべきだ。
こい!ここぞといふとき~男色道中膝栗毛~
ポップンマッシュルームチキン野郎
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2016/11/17 (木) ~ 2016/11/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
とにかく最初から最後までずっと笑った。
前説から笑った。
再演だか再々演だかの作品。
なので、非常にこなれていて見やすい。
ネタバレBOX
サイショモンドダスト☆さん(以下長いのでサイショモンドダストとする)は、実はかなり苦手な役者さんだった。
ポップンマッシュルームチキン野郎を初めて見たときに、「うわー」っとなった。
でかい声がうるさすぎるからだ。
しかし、徐々にこちらが慣れてきたのかもしれないが、作品の中で浮いていた彼がしっくりとハマっていくのだ。
とにかく存在をアピールしようとしすぎるところが少し変化してきたのかもしれない。
彼を主人公にした短編からそれが如実になってきたように思える。
そのサイショモンドダストさんは、あいかわらず鬱陶しいのだが(笑)、とてもいいのだ。
会話がきちんと成立しているし、聞かせる。
サイショモンドダストさん、最高! だった。
彼がいいから作品が良くなったのではないかとさえ思えた。
ストーリーは前回を見ているので知っているにもかかわらず、笑ってしまう。
戯曲自体がしっかりしているのと、演出が巧みでダレさせないからだ。
役者も作品と演出の呼吸がわかっているので、タイミングは絶対に外さない。
前回は車が飛び出す仕掛けがあったりしたが、今回はそういう仕掛けはない。
ほとんど「素」とも言える、シンプルなセットや装置でこれだけ楽しませてくれるのだから、彼らの力量がいかに凄いかがわかる。
この作品には、シンプルに彼らの良さ、面白さがすべて詰まっている。
お下品でナンセンスで、不敬で、純情で。
いろんな仕掛けや装置に頼らなくても、これだけのものを作り上げることができるのだ、ということを示してくれた。
星降る夜に猿は哭く
青年団若手自主企画 伊藤企画
アトリエ春風舎(東京都)
2016/05/13 (金) ~ 2016/05/19 (木)公演終了
満足度★★
タイトル思わせぶりすぎて少しださい。
連作短編的な印象から、カズオイシグロ原作の舞台『夜想曲集』が少しだけ思い浮かんだ。
ネタバレBOX
福島、障害などか唐突に現れてくる。
しかし、これらが登場することの納得度が低いのだ。
普段の生活の中に紛れている、という視線だとしても、唐突にしか感じられなかった。
1つひとつのシーンの中でのインパクトと意味合いでそうしたのだろうが、全体を俯瞰するとしっくりこない。すなわち、構成力が足りないのではないか。
5年後に死んだ妻と会うとか、最初の場面の違う時間を見せるとかは、ないほうが良い。湿り気が少なくクールなほうが引き締まったのでは。
「なぜ来たの?」は、自分のことを聞いてほしいからだろう。
わが家の最終的解決
アガリスクエンターテイメント
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/05/04 (水) ~ 2016/05/15 (日)公演終了
満足度★★★★
「会議コメディ」とは別のアガリクスのもう1本の柱、「不謹慎シットコム」。
東京大空襲の前日を描いた『大空襲イヴ』では、主人公を含めすべての登場人物が翌日の東京大空襲を知らないまま物語は進んでいく。
観客のみが知っている悲劇が笑いの下に流れていて、どんなラストにせよ、悲しくて強いメッセージの裏打ちがあった。
そして今回は……
ネタバレBOX
今回の『わが家の最終的解決』は、ユダヤ人であることで待ち受けるホロコーストと、それを匿うことで主人公が被るであろう死が、背中に張り付いたまま進む。
こちらは、その後、彼らがどうなるのかは観客もわからないのだ。
この点が『大空襲イヴ』とは異なる。
どちらがいいか、ということではないが、『大空襲イヴ』のほうが、どう転がっても悲劇なので、戦争をテーマにしたということが、きちんと伝わってきたのではないかとも思う。
とは言え、あいかわらずテンポがいいし、知られたくない情報と顔合わせをしたくない人、そうした関係が、人ごと、時間ごとに変化して突き進む戯曲は面白い。
1本の中心ストーリーを交差して、絡めてくるエピソードの多様さがうまいのだ。
ただ、逆に言えば、盛り込みすぎで山場がうまく作り上がっていかない気もしたし、ガチャガチャしすぎな印象もある。
小さな緩急と、大きな盛り上がりがうまく組み合わされば、静かなラストを演出でき、さらに最後のオチも鮮やかに決まったのではないだうろか。
ラストで言えば、単純な「メデタシ、メデタシ」でないところが、「うまいな」と思わざるを得なかった。
音楽でメンデルスゾーンとワーグナーの対比が効いていて、さらにワーグナーの『結婚行進曲』が使われているオペラ『ローエングリン』では、ローエングリンが自分が何者であるかを、妻エルザに告げることで彼女の前から去るというストーリーであり、このラストを暗示してたのではないか、と公演を観てからしばらくして気が付いた。
……そこまで意識して作ったのかどうかはわからないけど。
ゲシュタポの黒い制服は、この時期はすでに着用禁止だったと思うのと、そもそもゲシュタポの場合、制服と私服のどちらでもOKだったはずなので(実際、上司は制服着てないし)、主人公ハンスは、私服のままでよかったのではないかと思う。
ハンスの制服にまつわるドタバタはそれほど意外性もないので、むしろハンスの友人のどちらかが、黒い制服にこだわりがあり(着用禁止にもかかわらず好きだから着続けている的な)、彼が現れてから彼を匿っている家族から見えないようにする、さらに制服を脱がせる(太陽と北風的な)というステップのほうが、よりハードルが高くなり、面白さが増したように思うのだが、どうだろうか。
ハンスを演じた甲田守さんだからこそ、の変な生真面目さが良く出ていたが、よくよく考えるとゲシュタポに入っていてこんなことをやっているというのは、明らかに頭がおかしい(笑)ので(愛のためとはいえ)、甲田守さんの一途さが段々不気味に見えてきた。
逆にエヴァを演じた熊谷有芳さんは、明らかに頭の回転が早く、行動力もあるので、ハンスが何者か知っていて、ハンスの間抜けさを利用したように思えてきた。だからラストはあっさりと分かれるのは当然。
2人が愛し合っている、という雰囲気もまったく伝わってひなかったし。
レジスタンスの淺越岳人さんは、あいかわらずの屁理屈王だったが、ちょっと無理矢理そうさせすぎたか。
タイトルは上手い。
僕の居場所
劇団あおきりみかん
インディペンデントシアターOji(東京都)
2016/10/01 (土) ~ 2016/10/03 (月)公演終了
満足度★★★★
隠されていて見えない、舞台の後ろ側。
そこには何があるんだろうと、少しわくわくした。
予想できなかった、その後ろ側が現れたときには「これは面白くなるぞ」と思ったのだ。
ネタバレBOX
結局、後ろの採掘現場は、主人公の「心の中」であって、それをまるで「自分探し」をするような作品だったのではないか。
彼にかかわってきたいろいろな人がそこに次々に現れる。
彼らがいるはずのネットカフェ自体も、そこに存在しているのかと考えると怪しくなってくる。
彼はネットの中で生きているようだ。
まるで大団円のように「メデタシ、メデタシ」となったラストではあるが、本当にそうだったのだろうか。
つまり、ここで繰り広げられていたのは、「彼の心の中」のことだけであり、そこに現れてくる人々とはすべて「彼の中」にある「妄想の産物」ではないのか。
例えば、彼のトラウマになっている、幼稚園時代の熊の縫いぐるみのエピソードも、実はこうでした、という彼ににとって「救い」になるような「真相」も「彼の中」でのことであって、本当かどうかはまったくわからない。というか、単なる願望でしかなく、彼を励ます母親の姿も彼の願望であろう。
したがって、大団円もまた「彼の心の中」に去来したものであって、実は彼はネットカフェの1室で妄想に耽っているだけの彼の可能性がある。
誰も注意を払っていない、誰も見てすらいない彼の哀れな妄想がこの作品の内容むそのものではないのだろうか。
ネットカフェの1室で、垣間見た、救いのある妄想を見ているだけの男の話だったように思える。
主人公の名前が「ななし」と言うのもそれを裏づけているのではないだろうか。
したがって、『僕の居場所』というタイトルは相当つらいタイトルではないだろか。
主人公を演じたカズ祥さんは、声のトーンといい、繊細で追い詰められている感があって良かった。
メゾンの泡
無隣館若手自主企画vol.15 柳生企画
アトリエ春風舎(東京都)
2017/01/07 (土) ~ 2017/01/11 (水)公演終了
満足度★★★★
星空を見上げる幸せを感じつつ、羨望と畏怖の混じる眼差しで手元を覗き込む人波に呑み込まれ・・・あ、上下逆転はもう始まってるな。詰まる所、自分が ”そうあって欲しい” ように生きて行く、生き物。善し悪しで片付かない、ピンポン・ダッシュでチャラにはならない。方向音痴を気取る人たちへの不発(?)弾。
ぬるい体はかたくなる
深夜ガタンゴトン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2017/01/05 (木) ~ 2017/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
作・演出の方が昔、霊安室でアルバイトをしていた経験を生かした作品だそう。
不謹慎ながら死体を扱うアルバイトは結構時給が高いと聞いた事がありますが、実に淡々としたもので待機がほとんど。
どうやら高収入ではなさそうです。
そこで働く30歳目前の一見悩みなど無さそうなアルバイターの、まだ何者にもなれていない焦燥感。
その焦燥感が仕事を通じて関わる人々や、グズグズ付き合っている彼女とのやり取りを通じて実にリアルに伝わってきました。
彼女を突き放したり、他人を恨んでみたり、肉欲に走ったり、ど~しよーもないなーという感じですが、なぜか憎めないナイスキャラ。
窮地に追い込まれている程ではないが、このままではいられない!でも面倒臭いのはちょっと・・・。
ガッツリ共感できてしまう若者は結構多いのでは。
さりげなく力作だと思います。
劇王東京Ⅲ
劇王東京実行委員会
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/01/06 (金) ~ 2017/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
1月6日のAブロックから始まった劇王東京チャレンジⅢも予選最終組のFブロック3団体の上演となった。Fブロックは、タッタタ探検組合、劇団人間嫌い、ニュートンズの3劇団が出場。準決勝に勝ち進んだのは、観客票で他を大きく引き離しトップをさらった”タッタタ探検組合“だ。
ネタバレBOX
Fブロックの結果発表の後、準決勝での上演順が決められた。準決勝第一部は本日14時からA、B、C各ブロックの勝者と全団体の敗者中で観客票の最も多かった団体の作品が上演される。続いて19時半からは準決勝第二部。D、E、F各ブロック勝者と前年度の劇王東京が参加して開催される。決勝は1月15日18時からだ。決勝戦は、準決勝第一部の勝者VS第二部の勝者で行われる。
さて、今回自分が拝見したFブロックの3団体について以下にレビューを記しておこう。
各レビューは上演順。因みに、各演目は上演時間20分以内、出演者3人迄。次の団体の開演迄の場転は数分以内。仮に上演時間が20分を超えた場合、1分超過する毎に、獲得した点数の10%が減点される。
「局地的な電極人」(タッタタ探検組合)
2年程前から、体に強い磁力を持つ人間が出現するようになった社会で、偶々通りかかったS極の男とN極の女が引き付けあって公衆の面前でくっついてしまい、互いに離れようともがくが、磁力は極めて強く容易に離れられず苦労している所へ3人目の登場人物(女)が現れ、始めは磁力から自由な人間のように振る舞っていたのだが・・・、というちょっとシュールな悲喜劇。ネタバレは此処まで。何せこれから準決勝でもあるし。無論、笑える。
而も、Wミーニングだと解釈するなら、極めて鋭いアイロニーをも含んだ作品であるが、それは、勝敗が付いた後で追記する。
「合コンしようよ」(劇団人間嫌い)
大学に入ったものの、も女(もてない女)と互いに思い込んでいるらしい3人の女。3人のうちの1人の家で、も女卒業の為の特訓が行われるが。特訓教師役も本当はも女であり、生徒役の女も女なのだが、第三者的に構えていた女は、実はしっかり元カレ、今の彼がいた、という話で、新味はなく話としても当たり前過ぎる。が、19歳の女性作家が自分の周りや若い女性の最も大切な問題と向き合って作品を完成させている点で、今後も真っ直ぐ、もの・ことを観る視点を継続して成長して欲しいと思わせた。
「何者か」「feat」(ニュートンズ)
作家自身「策士策に溺れる」と言っていたが、作品そのものより、創作態度にあざとさを感じた。歌舞くのも良いが、1団体だけ2作品を上演したというのは、矢張りこの企画の約束事を守っていないのではないか? と考えたので評価の対象外とした。
煩悶耽溺無色の青年が積み上げる模範と成功、とそれに喰らわす一撃
the pillow talk
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2016/08/05 (金) ~ 2016/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/08/06 (土)
価格1,800円
ある高校のギター部(活動は軽音部的)の1年を描いた面白うてやがて哀しき共学校版「けいおん!」。
ダメ男の事例を各種取り揃えているので笑ったり呆れたりハラハラしたりする中、時々古傷をかきむしられたりもするのが巧妙。
一方、ダメ男見本市(爆)な男優陣に対して女優陣は複数が態度や見かけで二面性を見せてくれて、そんなところが女優系としての見どころだった。
なお、中心的人物の言動に「お前、自分を棚にあげて何言ってんだよ!」とハラハラするのは歪「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」と二夜連続(笑)
落ちこぼれアイドルだった私が社長になって1年で会社を立て直した10の方法
ガラス玉遊戯
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/07/27 (水)
価格3,000円
いつもの(?)ビター風味かと思いきや痛快ファンタジーにちょっぴり感動もまぶしてちゃんと落ち着くべきところに落ち着くのはさすが。
物語はワカり易く人物設定/役割分担も的確かつやはりワカり易く、肩肘はらずに観ることができたし、何より面白かった。
憎まれ役的な2人の人物に、ある大好きな有名作品を連想したりも……。
厄病神とジレンマ
ジョナサンズ
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2016/06/01 (水) ~ 2016/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/06/01 (水)
価格2,500円
説明過多でも説明不足でもなく、観客に想像の余地を与える語り口の匙加減が巧く、マイナス×マイナスがプラスになるような終盤がステキで「幸せとは?」なんてことも考えさせられた。
ネタバレBOX
ネガティブな2人(探偵社の彼らね)が、マイナス×マイナスがプラスになるような作用により少しだけポジティブな方向に向いた(向かい始めた?)…的な結末が心地好く、最初のエピソードが一区切りついて2つ目のエピソードが進むと2つの関連が見え隠れし、両方に登場する人物がいて、な構成も面白い…ってか好み。
ダメ男と付き合っている女性それぞれを、主人公(?)は不幸と思っているが、当人たちは幸せを感じている、というのも巧み。
舞台奥の壁のトリックアートが奥行きを感じさせるし、その手前に小テーブルなんかあるからより効果があがっているんだよな。なお、開演前は下手側の実際の通路も描いたものに見えたのだった(笑)
探偵社のあの2人で続編も可能ではないか?
10歳が僕たちを見ている
第27班
アトリエヘリコプター(東京都)
2016/04/15 (金) ~ 2016/04/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/04/16 (土)
価格2,800円
前半に冗長感無きにしも非ずながらある時点以降グッと迫ってくる「等身大の25歳たちの物語」、終盤の若干強引な部分が気にならないでもないが、ギリギリ「芝居の嘘」か?
若い頃の佐藤浩市がリアルタイプのジャイアンを演じたりしているようでもあったな。(笑)
なお、20日に再見。
【勝手にキャッチコピー】あの頃の友だち……あの頃の夢……………25歳たちのスタンド・バイ・ミー
グランメゾン・アカシア
the pillow talk
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2016/05/27 (金) ~ 2016/05/30 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/05/28 (土)
価格1,300円
「〇〇家の7日間戦争」なホームドラマ(あるいはビター風味ホームコメディ)、 修羅場で笑える不思議さ、幕切れの巧みさよ!
ともすればあんな目に遭っていたかも知れない、と身につまされたと言おうか、パラレルワールドにはあんな目に遭っている自分がいるのでは?と心配したと言おうか…(笑)
舞台となるリビングルームがそれなりにきっちり作られているのでそこから扉ごしに続いている他の部屋も想像できるのか?
たたかうおとな
演劇企画アクタージュ
荻窪小劇場(東京都)
2017/01/06 (金) ~ 2017/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
Bキャストを観劇しました。4人の会話劇でしたが、喧嘩の方向性が変わったり、戻ったりする様がリアルで、あっという間に惹き込まれました。確かに、こんな人っているよなぁと・・反面教師にしようと思いました。舞台美術も見応えがあり、演出も驚きでした(ただ、リアルで、少し気持ち悪くなってしまいました)。役者さん達の熱演も良く、いい意味でイライラしました。とても面白かったです!