最新の観てきた!クチコミ一覧

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ミス・サイゴン

ミス・サイゴン

東宝

帝国劇場(東京都)

2016/10/15 (土) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

今回の公演で最後となる「市村エンジニア」!
やっぱり市村正親でないと!しかも帝劇で!
舞台上の市村さんはまさにエンジニアそのもの!
そして、新演出版の初期は映像だけになってしまった
ヘリコプターも、映像に加えて実物大セットで登場!
そう、初めて観たとき、この実物大ヘリが舞台上に登場したことに
えらく驚いて、感動したものでした。
そして改めてこの内容を自らエンターテインメントにしてしまう
アメリカは凄い。
キム・スハのキムは最初声が弱かったですが、
初々しさ、幼さ、強さがよく出ていて良かった!

銀髪

銀髪

アマヤドリ

本多劇場(東京都)

2017/01/26 (木) ~ 2017/01/31 (火)公演終了

満足度★★★★

個人の集合体である企業がひとつの生き物の様に、成長し変形していく様子が面白い。
集合体(企業)としての物語と、個々の構成人物の物語が小気味よく切り替わり3時間が流れるように過ぎていきました。
スキャンダラスな毒気が媚薬のように効いてきます。

TRICK OR TRUTH

TRICK OR TRUTH

劇団たいしゅう小説家

萬劇場(東京都)

2017/01/25 (水) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/27 (金)

なんとも いろいろで 最後 謎が解けてたのでDVDでも堪能したい。
助教授さんの頭の未来感?と御足元の時代感?も 教授とのきしめんもツボでした。

うえをむいてあるこう

うえをむいてあるこう

劇団天動虫

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2017/01/28 (土) ~ 2017/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★

本公演「うえをむいてあるこう」の説明文は「空に心を吸われたままに、熟しはじめた女の世界が、今、解き放たれる。」…なんとも抽象的というか詩的な表現。この公演は劇団「天動虫」の5周年のしめくくりでスペシャルなものだという。その思いがしっかり伝わる心温まる作品である。
(上演時間1時間45分)

ネタバレBOX

登場人物は7人、そのうち主人公にあたる人物は翔子(平野直美サン)、旭(劇団の主宰・帆足知子サン)、それから木曽・藁科・黒部・姫川、そして常願寺 天龍(ジョニーサン)。何となく地名(川の名)のような苗字。

この人達は、ある老朽化したビル屋上に集まってくる。そこは色々な思いを抱いた人達の溜り場である。そして高校時代の友人・翔子がいる。死者は別のところに逝くだけ。彼岸(ひがん)とは自然や現実とは異なる時空のよう。そして現世・此岸(しがん)にいる生者と対話できるような言葉…。いつでも死者と魂と通わせ合うことができる。
そして翔子に向かうように叫ぶ…その儀式のような台詞「アンゴルモア、コイ(来い)コイ(乞い)」と繰り返す。もちろん、世紀末のノストラダムスの『予言集』に登場する言葉である。話の途中で翔子が亡くなっていることが解るが、それでも結末がどうなるのか最後まで興味を持たせる。この物語では、登場人物が「死」んでいるが、それでも「生」きていることを感じる。地縛霊になっている死後の人と交感する。「空」には道がないが、それでも一歩ずつしっかり歩く。上ばかり向いて歩くと少し不安だが、それでも歩く…そんな”生”を思わせる台詞が印象的である。

5周年記念ということだろうか、「おひさま新聞 ①号」が配布された。そこに主宰の帆足さんが好きなものとして「てんとう虫」が紹介されていた。それは色々な世界で幸せの象徴になっているからだという。またてんとう虫はお日様に向かって飛ぶ習性があるらしい。この芝居の主人公の女性2人は「翔子」と「旭」、そんな意味合いを込めて名付けたのだろうか。この2人の演技は息もピッタリ。さすがかつての流山児事務所の先輩・後輩の間柄。

最後に衣装について、この劇団の拘りの1つになっているらしいが、この芝居でもカラフルな飾りが付いた帽子が印象的であった。死は、無色または鯨幕のようなイメージであるが、カラフル=その極際色は、ここでも”生”という躍動感を思わせる。

次回公演を楽しみにしております。
『エンジェル・フォール騎士 ANGEL FALL KNIGHT』

『エンジェル・フォール騎士 ANGEL FALL KNIGHT』

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/01/27 (金) ~ 2017/01/30 (月)公演終了

満足度★★★★

B級活劇ストーリー「騎士」シリーズ第9作目。その手馴れた物語の展開は、架空の都市(サウスベイシティ)を疾走するような早いテンポで進む。この都市、街は殺伐、退廃したイメージを持たせているようだが、一方その佇まいのようなものはスタイリッシュ、洗練されているという感じでもある。そんな混沌とした街での探偵業は、今日も仕事の選り好みをしている。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

舞台はほぼ素舞台。シーンによって探偵事務所内、BarカウンターやオカマBarのソファなど簡易な家具が置かれる。全体が走り回るようなアクションシーンであることから、ある程度のスペースを確保しておく必要がある。その情景・状況は役者の演技で体現しており、緩急ある動きは思索とアクションというメリハリを表している。

梗概…クリーンな市政を標榜して当選した初の女性市長の秘書が自殺した。その市長にはゴミ処理場の入札をめぐる収賄疑惑が持ち上がっている。未亡人が夫の自殺に納得できず、その理由・原因を探ってほしいと。その調査を進めると市が絡む利権問題が浮き上がってくる。さらに依頼主の真の目的も明らかになってくる。
この物語は、登場する人物が魅力的である。特に主人公・風吹淳平(シラカワ タカシサン)はお茶目にして外柔内剛といった性格のようだ。さらに一癖も二癖もあるような人物、そしてマイノリティを思わせるようなオカマ(Bar)を描き、人の性癖などの内面も弄る。その坩堝(るつぼ)的な様相は、混沌とした街の概観と重なる。

観(魅)せ方、その展開は次元や時間を越えることなく、”今”という時の中で描かれる。それだけに分かり易いしストーリーに集中できる。事実は芝居(小説)より奇なりかもしれないが、この公演もリアル(現在の東京都政・初の女性都知事、築地移転などから連想)と虚構の狭間を彷徨し、あわいの危うさに心が躍ってしまう。そんな面白さのある公演であった。
当日パンフにも書かれていたが「色々な陰謀や謎が絡んできますが、謎解きよりも、気楽な感じ」とあったが、まさにその通りに楽しませてもらった。

次回公演を楽しみにしております。
少女仮面

少女仮面

劇団座☆名張少女

川口総合文化センター リリア(埼玉県)

2017/01/28 (土) ~ 2017/01/28 (土)公演終了

満足度★★★★

宝塚歌劇団の伝説の男役、春日野八千代をモチーフにその人間が持っている精神と肉体の相克するような物語。その描き方は現世か来世か、はたまた夢か幻か、そんな幻想的な雰囲気が漂う。話は舟を漕いでいるのか漂流しているのか、その行き先が気になるような興味を持たせる。

前説では昭和44(1969)年に初演。今と時代が違い、不適切な言葉(台詞)があるかもしれないが、原作通りに演じる。また本公演の感想(アンケート)に率直な意見-解り難いなどを書いてほしいと…。
当日パンフにも「決して分かりやすい作品ではなく観る者の解釈に委ねられる部分も大きい」と記している。自分は初めて観る作品であったが、とても観応えがあった。
ちなみに、翌年に岸田國士戯曲賞を受賞している作品である。
(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

舞台は、地下喫茶店。その店内は、バラの花を浮き彫りにしたような焼け板が何枚も張り合わして壁面を覆う。上手側は厨房イメージ、下手側は店出入り口がある。店にはテーブルと椅子が置かれている。後景(絵画ではない)には水道蛇口、風呂、3段ほど高くした通路が下手側から舞台中央まで設けられている。

梗概…宝塚スターを夢見る少女・貝は老婆と一緒に、往年の宝塚のスター・春日野八千代を訪ねるため、とある地下喫茶店にやって来る。その名も「肉体」である。店内は、腹話術師と人形が客として座っていたり、水をせがむ男が来たりして、一見荒唐滑稽のようだ。ボーイに邪魔されながらも、時間が止まったような日々を過ごし、春日野に見初められ演技指導を受けた貝は、夢心地になる。そして地上では地下鉄工事が始まり、喫茶店の天井からは砂が落ちてきて……。

現在では肉体も衰えた春日野八千代が、かつて満州で公演を行っていた時代(当時19歳)の自分自身や慕っていた甘粕大尉と邂逅するような場面が甘美に描かれる。現実の肉体と虚構の精神、その倒錯した世界観が妖しく蠢き、そして切ない。
「老いていく肉体」…その生身の人間の姿(時間の経過)が戦後日本の歩みと重なるようだ。公演チラシ「屍累々嵐が丘、巣食うは花の幽霊たち」は戦前・戦後の大きな転換を宝塚の男役スターの肉体の変化を持って表現している。自由を謳歌するようになった現代、しかし、その少し前の時期の悲惨な出来事の上にあることを忘れることは出来ない、そんな思いにさせる。

演技は、落ち着きのある重厚さと、コミカル軽快さというテンポの違いを上手く表現しており、メリハリがあったと思う。総じて年配の役者陣であるが、それだけに安定感もあった。そして着ている衣装が時代を遡行させ、時代感覚を呼び起こしてくれた。そしてシーンに応じてバラの花びらが落ちてくるという印象、余韻付けも巧い。

次回公演を楽しみにしております。
狼王ロボ

狼王ロボ

劇団千年王國

かでるホール(北海道)

2017/01/28 (土) ~ 2017/02/04 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/01/30 (月)

座席1階c列

価格3,000円

また観に行きたいと思った作品♪

MOTHER

MOTHER

シアターレトロマーケット

安佐南区民文化センター ホール(広島県)

2017/01/20 (金) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/20 (金)

価格2,500円

平日の夜、比較的長い上演時間なので最後まで集中して観れるかなぁ・・と思ってましたが、話も1月に観るには良く(正月ものっていうことで・・)、演出も素敵で、最後まで飽きずに楽しく観させてもらいました。
(とても大げさに言うと、新橋演舞場へ正月公演を観に行ったときのワクワク感。)

今まで観たことのある役者さんも何人かいらっしゃいましたが、話し方含め演出でここまで変わるのかなぁと思った人も多く、観ていて妙に新鮮で、
与謝野晶子、与謝野鉄幹がいた時代の青春群像劇っていうよりも、自分には今も昔も変わらぬ良き夫婦の物語という感じでした。

配役はみなさんぴったりで、自分がもし役者だったら谷田さんの役とか美味しそうで良いなぁとふと。

良かったです。

ネタバレBOX

大きな月の演出は素敵でした。
日の脚、わづかに見えて

日の脚、わづかに見えて

空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画

小劇場 楽園(東京都)

2017/01/24 (火) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/01/26 (木)

価格2,500円

序盤に出てくる動きはまさに「森脇ムーブメント」だし、テーマの表現方法や言葉遊びにやはり野田好きっぽさが感じられてニヤリ。(以降、再演や映像でご覧になる方などの可能性からネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

リジッター企画流の、そしてやや過激な「この世界の片隅に」(すずさんはあんなに毒づいたりしないもんね(笑))なオモムキ。
太陽はある場面では旭日旗(ひいては大日本帝国)の、そして他の場面では原子爆弾の比喩、そしてあの家族は一つの家族ではなく「あの夏」を経験した複数の家族の複合体的なものあるいはそんな人々の残留思念?と解釈。
2008年に観たLastBrand「言葉の消えゆく街で」で使われていた筒井康隆「残像に口紅を」の「文字消し」に想を得た手法を想起したが、その手法で物資が手に入りにくくなり、訳のわからないものまで食べなくては生きてゆけない状況を表現したのは妙案。
ハムレット

ハムレット

ラゾーナ川崎プラザソル

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2017/01/25 (水) ~ 2017/02/01 (水)公演終了

満足度★★★★★

20歳の頃、テレビで白黒の古い映画がやっていた。
ハムレット
かの有名なシェイクスピアの中でも有名な作品
何百年の間にどれだけの人がこの戯曲を作品にしたのか。
20歳の頃の自分は、
そこまで考えるほどのこともなく、有名だから面白いのかな?程度の軽い気持ちで見始め、
白黒の古い映画のせいか、聞きなれない西洋の長い名前のせいか、みんなしかめっ面しているせいか、重くるしく、何シーンか見てやめてしまった。
そもそも言葉が字幕を読んでも何言ってるか分からない。
頭に内容が何にも入ってこない。

五年前、
夫と行ったイギリスでリア王を見た。そもそも英語は頭がシャットアウトしてしまうからか、贅沢な劇場で数分で爆睡。
夫いわく、シェイクスピアは言葉のリズムがキレイな戯曲だから聞いていて心地よく、良い芝居はよく眠れる。
え?そんなんでいいの?
みんな一生懸命やってるのを目の前で観てて、寝ちゃダメだよね。
マンマミーアは英語でもちゃんと内容が分かって面白かったしね。

土曜日川崎ラゾーナプラザソルで公演中のハムレットを観てきた。
面白かった!
カッコよかった。
切なく苦しかった。

生きることへの葛藤
普遍的なもの

言葉が溢れているシェイクスピア
言葉を紡ぐことで、気づきながら、展開する物語

言葉自体はやはり難しいけど、
言葉を飛び越えてストーリーが迫ってきた。

役者たちがこの作品に真摯に向き合って、あの膨大な言葉を心体から発しているからこそ、シェイクスピアに苦手意識しかない私に熱いものが入って来たのだと思う。
そしてやはり生きることへの葛藤は普遍的で、今に生きる我々も同じもの持ってるでしょ?見ないようにしてるだけで、、心揺さぶられないようにしてるだけで、、、ということを突きつけてくる演出。

面白かった。
カッコよかった。

演劇、ってLive

映画とか本を繰り返し観たり読んだりする習慣がなかった。
内容を知ってしまえば繰り返し観る必要が無いと思っていた。
だからみんなが知ってる古典戯曲を演る意味がもともと分かっていなかった。
でも夫が何度も同じ映画、芝居を何度も観る。
受け手は時を経て、また感じることは変わるし、作る側次第で同じストーリーも違う意図をもつ。
映画とは違うのは、ミュージシャンのLiveに何度も行くのと同じように、毎回その日にしか無い面白さがある。

日程を調整して、なんとか一度しか観に行けないのが普通だから、観に行った時には完璧なものが観たい、と思う。
けれど、Liveである以上、同じものはなく、ナマモノだから面白いのだ、

そういう事が少しずつ分かって来た。

演劇を観たことない人、シェイクスピアってどうなの?という人が、絶対面白かった、と思える舞台になっている。
同じものは二度と観られない。観ないともったいない。
だいぶ席も埋まって来てるようなので、興味がある方はぜひ。

世界

世界

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2017/01/14 (土) ~ 2017/01/28 (土)公演終了

満足度★★★★

コクーン進出赤堀雅秋作演出舞台第三弾。常連の大倉、鈴木を配しながら「大犯罪」の絡まない話で、リアル・ストレート勝負に好感が持てる舞台だった。上部に歩道橋、下が回転舞台で4場面。メインは自宅居間兼会社の待合場所、そしてスナック。またとある青年の自宅。内気な青年を巡るいささか酷な話と、親族経営の会社従業員と家族によるけだるい話の二つが並行し、接点を持つのは終盤だが、二つが繋がってもそれで世界がさほど広がる訳でもない。所詮その程度な「世界」に生き、死んで行く市井の人生たちへの讃歌。

音楽劇 メカニズム作戦

音楽劇 メカニズム作戦

公益社団法人日本劇団協議会

Space早稲田(東京都)

2017/01/13 (金) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

宮本研の戯曲は硬いものしか読んでいない(舞台は未見)ので、これには驚いた。あみだくじで選ばれた4人の新組合幹部が大活躍(男3人と女1人)。彼らをサポートする長(今やレギュラーのこんにゃく座井村タカオ)が秀逸。「宇宙」を現状打開のキーワードに持ち出すところが半世紀前という時代を感じさせたが、劇全体は「今」に再現されたと言えるのは朝比奈尚行の音楽の功績が大きい。さすがと唸った。流山児演出は力みを顧みない演技が肌に合わないと感じる事も多いが、今回は総合点でマル。役者達も魅力的であった。

Re:call

Re:call

d-contents

ザ・ポケット(東京都)

2017/01/25 (水) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

開演直ぐから不思議な空間に引き込まれ、すれ違い続けていた想いが少しづつ伝わる様子にこちらも笑顔で観劇出来ました。
大切な人と素直に分かり合えたらと願いたくなる素敵な作品でした。

『エンジェル・フォール騎士 ANGEL FALL KNIGHT』

『エンジェル・フォール騎士 ANGEL FALL KNIGHT』

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/01/27 (金) ~ 2017/01/30 (月)公演終了

満足度★★★

今までの因縁とかが全然分からないので、チラシやら当日パンフを読みましたがやはり途中で「あれ?それってだれだっけ?」状態になってしまいました。相関図があると良かったかな。なんでもありのハートボイルドらしいですが、歌のシーンはもっと安心して客席も参加できるところにしてほしい。三つ巴でさてどうなる?のシリアスシーンの展開があれでは残念。風吹さんがアル中になりそうなのも心配です。

誤解

誤解

アルシェ提携公演

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2017/01/23 (月) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

  1回目の観劇。

ネタバレBOX


 今作、初演は不評だったようである。恐らく当時のフランス人には理解を超える作品だったのだろう。だが、カミユは気付いた。東欧で起きた事件を契機にこの物語を紡いだのだから。ピエノワールの面目躍如といった所だ。
カミユの書いた哲学的な書物で有名なのは1冊、「シーシュポスの神話」だが、無論、通常の意味での救いはない。今作も同様である。通常の意味での救いなど何処にもないのだ。然し、現代社会に於いて難民化した人々を襲うのは再難民化、再々難民化という負の連鎖の危機であり、実際に四度目以上の難民化を経験した人々すら存在している。そのような状況にあって尚生き続けるのであれば、この事件を起こしたマルタと母のような人々が再び現れない保障は無い。また彼女たちが味わったような深い絶望と失念に研ぎ澄まされた生き残り哲学が生まれないとの保証もないのだ。
パレスチナ人の苦境を作り出したシオニストとシオニズムを支持する欧米のグロテスクなイデオロギーには、公正、公明、公平もない。そのことが、難民を追い詰め、絶望が彼らの背中を押して取り返しのつかない所まで追いやるのだ。現在、世界の多くの場所で、今作で描かれた事件の背景にあるもの・ことが現実化している。その問題の深刻さを理解できない日本で、今作を今上演することには大きい意味があろう。
銀髪

銀髪

アマヤドリ

本多劇場(東京都)

2017/01/26 (木) ~ 2017/01/31 (火)公演終了

満足度★★★★

初本多ということで力が入ったよい公演だった。
いつも前方席が多かったのだが、今回は後方席で群舞を楽しめた。ただ、照明が全体に暗くて表情が分かりにくいのが残念。
ひょっとこ時代からずっと見ているが、組織や集団が解体する物語が多いような気がする。もっと違う切り口の脚本も見てみたい。

世界

世界

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2017/01/14 (土) ~ 2017/01/28 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/28 (土)

この何とも言えないリアルすぎる日常。
毎日繰り返される抜け出すことができない日常。
狭っまい『世界』!
風間杜夫さん演じる実に腹立たしい親父。
その親父と息子の関係。
今の若者のむかつくところを集約した青年を
演じた早乙女太一さんも上手い!
早乙女さん新境地ですねぇ。本気で腹立つ!
4つの部屋を配した回り舞台も面白い。
特に常連しかいないカラオケスナックで、
毎日同じ職場の面々(+親父)と酒盛り…。
超あるあるです。

そうそう、特撮的には、和田正人さんは
「非公認戦隊アキバレンジャー」のアキバ・レッドでした!
煮え切らない気弱な青年を演じてました。
30代でバイトしながら俳優を夢見て、
やっとエキストラという毎日・・・痛い!

『幸福な職場』~ここにはしあわせがつまっている~

『幸福な職場』~ここにはしあわせがつまっている~

エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ / テレビ朝日 / クオーレ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2017/01/26 (木) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/01/29 (日)

座席1階

昭和34年。
精神薄弱者に今より偏見が、より強かった時代に、
彼女を社員として受け入れたチョーク製造メーカーの実話の舞台化。
予備知識なしの私は、単に「会社の話」とだけ予想していました。
素直に仕事を楽しむ彼女に、同僚も、職場も、会社全体が
感化され変わっていったということに、実に、素直に感動しました。
障害を持った少女を演じた、前島亜美さんの明るい演技が適確で、
とっても良かった。
笑えた。
泣けた。
ありがちな一方的な感動話にはならないように、偏見のあるシーンも
セリフも描き、暗くならないよう時折ユーモラスな場面も交えて、
ぎりぎりの線で書かれた脚本が上手い。
また、舞台となった実在の職場が「チョーク工場」だという。
この「チョーク」が、夢を黒板に描いていくイメージがあって、
実にぴったり。
思わず、物販コーナーで売っていた、その会社が作っている
ガラスに書けて水で消えるというチョーク「キットパス」12色!
を買っちゃいました。
観に来たきっかけは、大好きな馬渕英里何さんの出演!
派手ではない抑えた役でしたが良かったです。

ありすとてれす・しんねんかい

ありすとてれす・しんねんかい

東京ノ温度

ホボホボ(東京都)

2017/01/27 (金) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/01/27 (金)

座席1階1列

東京ノ温度『ありすとてれす・しんねんかい』 於:新大久保・ホボホボ

不思議の国のアリスをモチーフに最近話題のVRやARを絡めてシンギュラリティといった問題や「AIと感情」という普遍的なテーマをライトに描いたコメディ作品。
全体的にエキセントリックな感じでしたが、ストーリーの骨子はすっきりしていて分かりやすいお話だったと思います。
ラストの意味深でブラックな終わり方も好みです。

わちゃわちゃと賑やかな展開で奇抜なキャラクターもたくさん登場するので
小さな子供でも楽しめる作品なんじゃないかなと思いました。

懐かしのネタから時事ネタまで小ネタをガンガンぶっこんできていました。
ただ、ストライクゾーンが狭すぎるんじゃないだろうかというネタも…(^_^;)

セリフにつっかえることがちょいちょいあったのが気になりました。
(特に初日は多くてそれで物凄くテンポが悪くなっていた気がする)

ネタバレBOX

お気に入りの場面は
・PHSがつながらない
・不思議の国やサンタに冷静にツッコミを入れるアリス
・桧山やアリスたちの恋バナ妄想で一人テンション上がるてれす
・桧山への冷たい視線とセリフ
・てれすと父親の回想シーン
鯨よ!私の手に乗れ

鯨よ!私の手に乗れ

オフィス3〇〇

シアタートラム(東京都)

2017/01/18 (水) ~ 2017/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★

母親の介護につて対立する姉と弟夫婦の場面は結構リアルっぽいと感じましたね。
でも飛ぶ感じの演劇でもあるの。
演劇素人の私でも面白かったです。

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