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『あゆみ』『TATAMI』

『あゆみ』『TATAMI』

劇団しようよ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/06/01 (木) ~ 2017/06/05 (月)公演終了

満足度★★★

=思い出し投稿=
アゴラで柴幸男作品とは普通に期待が膨らむ。だが、作者本人が冒頭で登場、彼の発案による男ばかりの「あゆみ」上演・・とは私の勘違いであったがしかしそう取って無理のない作者の贅沢なプレゼン付公演の、さて中身は。。他投稿にいまいちな反応があったが、同様、「試み」の難度に比べて俳優の「考えてなさ」に「おいおい」と、つい突っ込みが。
苦あり楽あり切なさあり、失望と妥協と諦観と・・諸々を飲み込んであゆみ来たった人生を俯瞰的に再生したときに訪れる感興が、「あゆみ」の魂であるところ、戯曲の持ち味を有難く再現するというでなく平然とスルーしている、かに見える。まるで体操競技の段取りをこなすスポーティな演技?要は言い方はきついが無神経な演技(実のところは、単に力量の足りなさ、なのだが)が目につく。それは、男が演じることの困難さと、どう折り合うかについての、思考を諦めた感じなのだ。
少しやれる役者は、「女性」性の役柄と齟齬がない線を辿れていたが、それで少しばかり芝居が見えてきたとして、しかし物語は既に折り返し地点を過ぎた頃。
しかも最後、再び作者が登場し、最初彼が役者らにやった「いじり」インタビューを逆転し、作者を質問責めにする。この部分だが、作者がこの集団に対し「趣向」として書いてプレゼントしたものなのか。・・だとしたらあまり成功しておらず、残念感が残る。もし、劇団からの申し出だとすると、おいおい。趣向でごまかせた気でいるなら大間違いだ・・と野次の一つを飛ばされて不思議はない。

酷評であるが、うまく行かなかったにしても、何に挑戦し、敗れたのか、その動機の部分が見えなかった事が、問題な気がする。(というより、「男だけのあゆみ、面白いでしょ」という動機一色だったのではないか、そう想像すると寒いものが走る。)
役者たちは真面目にやっていたので、☆は3つ。

普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧倒的な原作・脚本で、涙が止まらなかった。
月に2本程度観劇しているが、最近では一番感動した秀作。
演出とキャストに賛辞の言葉を送りたい。

VAMPIRE

VAMPIRE

TEAM空想笑年

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/07/06 (木) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

たった今、 TEAM空想笑年さん初観劇をタップリと楽しんできました!そのストーリーはまさかの展開で壮大なファンタジーでした。すごかったなーよく2時間のお芝居になったものだと感心してしまいました。連続ドラマをワンクール見終わった気分になりましたよ!次回作はクリスマスシーズンのハートフルコメディとか。それも TEAM空想笑年さんならどんなエンタメになるのか楽しみですね!期待してますよ。

Hexagram

Hexagram

アブラクサス

OFF・OFFシアター(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/05 (水)

座席1階5列

劇宇宙☆アブラクサス『Hexagram』OFF OFFシアター

ジャンヌダルクの人生を関係者の回想を元にドキュメンタリータッチに描いた作品
当パンの資料をはじめ実直な作品作りに好感が持てました
観劇後、Wikipediaなどを軽く読み漁ってみた感じでは史実どおりの展開だったようです
とても勉強になりました

あと、スタッフさんの対応がとても良かったです

ミュージカル「ソーォス!」KARATE MUSICAL「SAUCE」

ミュージカル「ソーォス!」KARATE MUSICAL「SAUCE」

(株)ユアストーリー

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2017/07/06 (木) ~ 2017/07/13 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/06 (木) 13:00

元気の出るミュージカル。この作品で描かれているソース会社の社長の本物が見に来ていて、最後に紹介されてビックリ。

Y FUTAMATA

Y FUTAMATA

ロ字ック

下北沢ライブハウス 近松(東京都)

2017/07/04 (火) ~ 2017/07/07 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/06 (木) 16:30

ライブハウス公演で、しかも、主宰にはロックとの接点がたくさんあるので、もっとロック色の強い作品を期待してたんだけど、ちょっと肩透かし。でも、ロ字ックならではのスパイスと毒の効いた3つの小作品を堪能。1番目の小野寺ずるひとり芝居が、イッちゃってて特に秀逸でした。

穴熊

穴熊

劇団龍門

シアターシャイン(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/05 (水) 14:00

社会派の舞台でした。色々と交錯し過ぎて、最初は訳が分かりませんでしたが、最終的には、伝えたい事は分かった(?)気がしました。人それぞれだとは思いますが、個人的には、もっとストレートに伝わるストーリーの方が良いと思いました。が、見応えはありました!役者さん達の熱演は良かったです。

Hexagram

Hexagram

アブラクサス

OFF・OFFシアター(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★

ジャンヌ・ダルク…世界史、特に欧州の歴史を学ぶ時、必ず聞く人物の名前であろう。歴史に名を刻んだ人物であるが、活躍した期間は短い。それでも600年以上前の異国の出来事に登場する名前は多くの人に知られている。

物語はジャンヌが神から啓示を受けて、オルレアンの地からイングランド軍を撤退させるが、味方の裏切りで敵に捕らえられの後…。ジャンヌを知る人達が集まり回想するところから物語は始まる。

欧州史に刻んだ出来事であるが、この公演ではその歴史的背景よりはジャンヌ・ダルクという人物に焦点を当てたヒューマンドラマとしての印象が強い。
(上演時間1時間45分)

ネタバレBOX

ほぼ素舞台。下手にクルスを模ったオブジェ…透明な箱に入った鑑賞花、その箱をクルスの形のように組み合わせ飾ってある。
百年戦争(当日パンフで概要の説明あり)最中、突如として神の啓示が”聞こえた”少女が窮地にあったフランスを救った。戦争に至った政治的背景などは、役者の台詞で型通りに説明されるが、むしろ少女の信仰、信念および慈悲といった人間的な描写が中心になっている。登場人物はわずか5人。ジャンヌ(羽杏サン)を除いた4人の回想とジャンヌ本人の行動を交錯させ、主観・客観という異なる立場で見せる。だだ、ジャンヌ火刑から22年後であり、もともと好意的な人々の集まりであることから、ジャンヌの気持に同情、同調しているかのよう。
そしてジャンヌが”啓示を受けたことを表す 羽杏サンの激しく踊る姿が神々しく思える。そんな表現が相応しい圧巻のシーンである。神と人との関係性を実に上手く見せている。
また演出として、社会・政治的な背景を最小限に描き、人間ドラマに重きを置いたことで物語を分かり易くしていたことに好感が持てる。

最近の日本の状況...特に平和、平穏を脅かすような法が次々に成立している。そんな時だからこそ、”聞こえる”に呼応した”声を上げる”ことの大切さを感じざるを得ない。昔のそれも異国の出来事として傍観するだけではなく、今の日本を考える上でも観応えのある公演であった。

個人的な好み...些細・卑小なことであるが、クルスが花屋の「飾り物」のように見えてしまう。公演全体は笑いを封じ一種の硬質感を醸し出している。その雰囲気に対しクルスが華やか過ぎるような...。照明によって流血の赤、未来輝く白などへ変化できるような素材が相応しかったと思うのだが。

次回公演も楽しみにしております。
普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

#劇団時間制作
#前田沙耶香
#平岡謙一
#普通

非常に心抉られた。この劇団の観劇は三作目だが、非常にクオリティ高い。MVPは平岡謙一さん前田沙耶香さん。あとはネタバレbox

ネタバレBOX

時間制作は、『吐き気がするほどに』、『皮肉にも雨は降る』に続いて三作目。過去2回の印象がすこぶるよかったので、偶然空いた時間だったが、躊躇いなく観劇を決めた。
まず、基本密室劇だが、どの作品も空間の使い方が非常に巧い。今回も下手の2つの入り口、メイン、奥の非常階段の上りと下り。(暗喩もあったのだろうが、1回だけではわからず)
そんなに広くない舞台を効果的に使っていた。逆に照明はある意味シンプルで好感。音楽も控えめで好感。最後の流星はグッと来た。

芝居は声を張り上げりゃあいいってもんじゃない。持論だが、舞台上の台詞が全て聞き取れなくてもいい。その情動と行動が伝われば。全て届けようとするとリアリティが失われる。じゃあ、現実で周りの人の会話が全部聞こえるか?という話。その意味でもこの芝居は非常にクオリティ高い、リアリティがあった!
特に、平岡謙一さんと前田沙耶香さんにひかれた。
平岡さんは『皮肉にも雨は降る』のときの先輩役も良かったが、今回の役も、自分の本音を隠しながら、しかし、情動が漏れ出てしまうという役柄を演じるとホントに光る。馬鹿そうにみせる芝居も絶品、またみたい。
前田さんは、芝居の静と動が心理的にも身体的にも表現されていて、魅せられた!最後の犯人との件から、突き落とした後の芝居まで、圧巻!絶品でした!
時間が許せば、楽日までにもう一度観劇したい。
普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

演劇に詳しいわけではないですが、すべてにおいて、とてもクオリティが高い作品だと思いました。
演者のみなさんは素晴らしく、ぐいぐい、胸の奥に迫ってくる迫真の演技。
テーマがストレートに入ってきて、観てる方はすすり泣きしている人が居るくらい、感情移入をしてしまうストーリーでした。
次回作もぜひ観てみたいと思うくらいの作品です!

イヌの仇討

イヌの仇討

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ

ネタバレBOX

こまつ座の『イヌの仇討』を観劇。

江戸の上・松の廊下での刃傷事件後、浅野内匠頭の切腹、吉良上野介にはお咎めなし、という結果に、吉良家の評判は悪くなるばかりだ。そして世間では、いつ大石内蔵助らが吉良家への討ち入りを果たすのか?などの賭け事すら行われている有様である。
そして赤穂浪士らに屋敷に踏み込まれ、秘密の隠れ家にいる吉良上野介と家来たちの密室劇である。
今作では、吉良上野介の視点で描かれた忠臣蔵である。

この吉良の視点というのが重要で、隠れている最中「何故、大石が自分に復讐をするのか?」という疑問を解いていく中で、事件の顛末、お上のイヌとも言われている風評、世間での立ち位置、情報の独り歩き、そしてお上の策略などを鑑みていくうちに何かが分かり始めてくるのである。それによって彼は何を選択し、これからどんな人生を歩もうとするのか?
それが『イヌの仇討ち』というタイトルに引っかかってくるのだが、それ故に身を乗り出してしまうほど劇に没頭してしまい、まるで歴史上の真実であるかのように思えてしまうのである。もうこの面白さには唸るしかないのである。

演出、俳優の上手さは勿論だが、戯曲の素晴らしさには目を見張るばかりである。

とんでもなく面白く、兎に角お勧めである。
七、『土蜘蛛 ―八つ足の檻―』

七、『土蜘蛛 ―八つ足の檻―』

鬼の居ぬ間に

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

男と女の2つの生き地獄を演じています。暗く重く2時間目が離せません。夢中で観たあとしばらく自分を取り戻せませんでした。異なる2つのテーマを1つの舞台でうまく演じ分け役者さんの演技も素晴らしかったです。こんな暗いテーマの芝居を前に観たことがあると思い出しました。この劇団の賽の河原でした。この芝居を観た時も相当衝撃を受けました。

普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/01 (土) 19:00

東京に住んでたら全公演観てる。千秋楽までサンモールスタジオに通う。すっばらしい作品でした。Bチーム拝見しましたが出演者の皆さん芸達者\(^-^)/すべてが衝撃的でした。大満足の公演でした。

普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇場で、演劇のパワー揉みくちゃになって、洗濯機に放り込まれたようなって、泣いて、ちょっとスッキリするも、また、色々考えながら帰って来ました。ようやくなんとなくあたまで整理した事を、下に書いてみた(^_^;)、ま、観劇するのが一番٩( ᐛ )و

ネタバレBOX

生きるためのそれぞれの「普通」があって、それが理想や、憧れだったり、現実だったり、向き合おうとしたり、取り返そうとしたり、逃げたしたり
色んな普通を色んな形で生きてる人間が描かれてたのかな
Hexagram

Hexagram

アブラクサス

OFF・OFFシアター(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★

以前から注目している奥居さんの舞台なので伺いました。この役者は私の琴線に触れる存在感で、出て来たとたんに舞台の空気をつかんでしまいます。張ることないが染みるような台詞を吐き、空気を動かす俳優さんだと思います。まぁ、これは好きだからの贔屓目があるので差し引き下さい、、、。
作品は、一般的には知られていないジャンヌダルクのその後のお話し、誇大妄想かと思われたジャンヌの認識に一石を投じ、日本人には感覚が希薄だけれど、宗教についても一石を投じ意欲ある舞台でした。少々演者の力量差を感じるが、役に向かう姿勢は好感が持てました。
中々の佳作だと思います。おすすめ。

普通

普通

劇団時間制作

サンモールスタジオ(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/07/05 (水) 19:00

役者さんの体当たりの演技は必見!
涙なくして観劇は出来ません。
素晴らしい作品です。

Dimensions Garden Live vol.2

Dimensions Garden Live vol.2

J-Theater

小劇場 楽園(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/05 (水)公演終了

満足度★★★★

 日本の近代作家・詩人4人の5作品をオムニバス形式の朗読+身体表現で構成した部分に、間奏感覚で挿入されたダンスと歌唱のコラボレーションが織りなすエンターテインメントと言って良いだろう。

ネタバレBOX

朗読+身体表現では(科白なし)に演じられる作品と(科白あり)で演じられる作品に別れ、多様性を目指した構造になっている。
 因みに作家名と作品名は以下の通り。
1.「野ばら」小川 未明:国境に接する地点を警備する大きな国とそれより少し小さい国の、若い兵士と老兵の、勤務初期から戦争勃発直後までの人間関係を描いた、有名な作品だが、それぞれの守るモニュメントの中間に咲く野薔薇が、若い兵士の死を暗示して切ない。
2.「失敗園」太宰 治:妻が栽培している野菜たちの呟きを通じて、愚かな戦争に突入していった「軍エリート」や為政者の愚を、またその結果としての敗戦後の、戦中よりも酷い飢えを太宰らしいアイロニカルな視点で綴った掌編。
3.「蜘蛛の糸」芥川 龍之介:説明はいらないと思うが、念のため。大泥棒で殺人なども犯したカンタタは、生前たった一度だけだが無体な殺生をせず、蜘蛛を助けたことがあった。釈迦は、これに免じて地獄に落ちたカンタタに一筋の蜘蛛の糸を垂らす。銀色に輝く細い糸が血の池のカンタタの所迄降りてきたのを幸い、彼は地獄脱出を試みる。然し道のりは遠くさしものカンタタも疲れて休み、その際、下を見ると亡者どもが蜘蛛の糸をよじ登ってくるのが見えた。カンタタは思わず、彼らを拒否する言葉を吐く。するとカンタタの摑まっていた直ぐ上の所で糸が切れ、カンタタは落ちていった。
4.「よだかの星」宮沢 賢治:この作品も余りに有名な作品だから、説明の要はあるまいが、念のため。よだかは、その容姿が醜いと鳥仲間から常に苛められ、からかわれている。名前はよだかなのだが、鷹の仲間ではなくカワセミやハチドリの仲間である。だが、名前に鷹という単語が入っている為、鷹に改名を迫られ明後日の朝までに改名していない時には殺害すると脅されてしまう。悩んだよだかも始めはいつものように羽ばたきながら羽虫を捉えて食べていたが、カブトムシを飲み込んだ時、自分が生きてゆく為に他の命を奪っていることに気付き、他の命を奪って生き続けている一つの命である自分が、鷹に殺されそうになってこれだけ怯え、苦しんでいることに気付いて虫を食べることを止め、どこか遠くへ行ってしまいたい、と願い太陽や諸星に宙へ連れて行って欲しいと願を掛けるのだが、悉く拒絶されてしまった。もう意識も殆ど無くなり地上に激突して息絶えるかと思われた瞬間、彼は最後の飛翔に賭けた。真っ直ぐに上昇し、体が凍って、唯、その息ばかりが炎のように熱く吐き出される中、よだかは上も下も自分が飛んでいるのか否かも分からなくなったが、その涯に遂に自分の体が青白く燃え、カシオペア座の横に輝いているのを発見する。
 今作で、よだかを演じたのは、女優の松谷 なみ。作品の持っているヴィジョンをキチンと見定め、そのヴィジョンを身体化した舞台を見せた。見事である。
5.「虔十公園林」宮沢 賢治:虔十と称され、子供たちからも良くからかわれて、少し足りないと評価されていたのが、虔十である。アメニモマケズのコンセプトを人間化したような人物と言ったら分かり易いだろう。虔十の家の土地で学校に接し、唯芝が生えていた遊休地があったのだが、虔十はある時、ここに杉を植えたいと言い出した。今迄一度も願い事をしたことの無かった虔十が、生まれて初めて望んだことだというので、父は杉の苗を買ってこの土地に植えることを許可したが、表層部は兎も角、少し深い所は粘土層で杉など育つハズが無いと周りの者は彼を馬鹿にし続けた。殊にこの土地の直ぐ横に畑を持ち農業以外にも人に言えないようなことで金を稼いでいる平二は、虔十を虚仮にして何のかんのと難癖をつけてくる。終には周りに人が居ないのを確かめ、虔十をこっぴどく殴る。神が怒って祟りを為したか、その後平二はチフスに罹って死ぬが、虔十もその十日ばかり後に亡くなってしまった。ところで、この杉林、虔十が律儀に整然と植林していたので、子供たちが大勢遊びに来ては、列を為した杉の間にできた道に固有の名前をつけ、隊列を組んでは行進するなどの遊びに使っていた。虔十没後、20年、アメリカに留学して博士号を取った人物が故郷に戻って、鉄道が通り、様々な施設などもできて様変わりしてしまった街に、尚一切変わらず子供達の遊び場となっている虔十の杉林を見、同道していた校長に虔十の名を冠したモニュメントを建て、この土地をずっと守り続けてはどうかと提案、それが実現することになるという話だ。あの時代、現代のエコロジーを先取りし、先の見えない人々に馬鹿にされた人物が実は天才であったかも知れないことを示唆することによって、下らない学力評価を見直す視点をも提示していると同時に、大衆に認められるには余りに早く新たな価値を創造してしまった天才の孤独と生を浮き彫りにしている点も見逃せない。
 J-Theaterは、ベテランが若手になにくれとなくフォローをしつつ育ててゆく傾向を持っているが、今回もその面は変わらない。欲を言えば、ダンス場面でタップやフラメンコ等難易度の高いものも入れ、若いメンバーの更なるスキルアップも目指して欲しい。
Hexagram

Hexagram

アブラクサス

OFF・OFFシアター(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了

満足度★★★★

 ジャンヌの生きた時代から600年の年を経て、尚ジャンヌは世界中で伝説と化した存在だろう。(後程若干の追記予定)花四つ☆

ネタバレBOX

13歳で神の声を聴いた彼女は、僅か19歳でその生涯を閉じた。それも異端審問の末火刑に処せられたのである。だが、彼女の起こしたとされる奇跡によって、またイギリスに負け続けていたフランスが遂には勝利して終わった百年戦争の立役者として、時代の複雑な利害関係と王族・貴族の権謀術数に、教会の権威主義や、ジャンヌの右腕として活躍したものの、ジャンヌ亡き後は、黒魔術に走り領内の子供達を誘拐しては黒ミサの供物としたとされる名将・名君の名を恣にしたジル・ド・レーの謎に満ちた生涯も含め、彼女の周りには様々な謎と不可解が存する。無論、様々な証言にも、当時の利害得失が反映されており、その解釈も一筋縄ではゆかない。だが、これらの複雑な要素を通してもジャンヌの人気が衰えないのは、矢張り、何処かに彼女に与したくなる本質的な“もの・こと”があるからだろう。その本質を今作は、神という名に於いて示された絶対的倫理に向き合う、不完全な存在としての人間の倫理の相克そのものをその短い生涯に於いて生き抜いた少女に託して描いた。そしてこのような見方こそ、この600年の間、我らヒトが彼女の生き方に見てきたことではあるまいか? 即ち弱く不完全なヒトという生き物が、絶対善に向き合う時に抱かざるを得ない恐れや畏怖と己の身体に加えられる痛みや拷問、極刑で殺されることへの恐怖という代償を払いながら人倫の楔として打ち込んだ巨きく、深く、重い問い。人は愛を担い切ることができるか? 己を蔑み、石礫を食らわし、唾を吐きかけ、裏切り、己の親、愛する者達を奪ったとしてもなお、それらの加害者を憎まず、愛によって接することができるか? 裏切られて尚その裏切り者を信じ、己が嘘を吐かずに接することができるか? 等々の極めて厳しい倫理である。そして、このような倫理を確立できなければ、ヒトは互いの不信の果てに自らの種を滅ぼすであろう。
スロウハイツの神様

スロウハイツの神様

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/16 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/07/05 (水) 19:00

演劇集団キャラメルボックス「スロウハイツの神様」@池袋 サンシャイン劇場

1年以上ぶりのキャラメル。やっぱり安心して観られるね、鉄板!
樹里さんと大内さんの絡みも新鮮だったなあ。

七、『土蜘蛛 ―八つ足の檻―』

七、『土蜘蛛 ―八つ足の檻―』

鬼の居ぬ間に

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

男の地獄と女の地獄。体は身じろぎも出来ないほどに、二つの地獄から目を離す事ができない。
凄かった・・・としか言葉がでてこない。

劇場の階段を登り、とりあえず現実界に戻れてよかった。

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