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世界の終わりはCメロを待ちながら

世界の終わりはCメロを待ちながら

tea for two

Blue-T(東京都)

2017/05/26 (金) ~ 2017/06/03 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/05/27 (土) 14:00

価格2,500円

無題2063(17-066)

14:00の回(曇)、13:30受付、開場。今回は舞台が3ケ所に分散。どこに座っても多少の見難さがあるとの説明。

ということでしたので中央のテーブルに。開演の少し前、二人連れのお客さんに席を譲ったところ十字路の真ん中に座っているような景観(前後&左)。

座った位置から見ると、正面、背中、ちょっと離れた下手隅、という舞台配置でした。(上演中は椅子がきしまないように体をずらしながら)

13:53前説(大根さん、90分)、ワンドリンクの注文で押し、14:12開演~15:41終演。

「ヒットパレードvol.10(2013/6@キッド)」が初めて。久々の「vol.11」。

閉鎖したキッド・アイラックに代わりホテルの中にあるカフェ公演。

天井に大きなプロペラ(扇風機)。長テーブル、カウンター(ボトルがずらり)。

香月健志さんは初めて。

男X男、女X女、女X男の3組がそれぞれのお話を進めながら...という構成。

(私の)背後に位置する大岡さん、店長との会話なのでカウンターのほうを向いて座っている。ほとんど背中姿、時折、椅子をくるっとさせ一回り。でも、これがなかなか味がある語り口もあり全然違和感がありませんでした。

もちろん3つの話がそのまま並行して進むのではなく、気づくとひとつの暖かい流れとして集まってきていました。ちょうどよく3つのストーリーのつながりが見えてくる脚本と演出に満足。

名探偵青島青子-劇場版-

名探偵青島青子-劇場版-

片岡自動車工業

HEP HALL(大阪府)

2017/05/19 (金) ~ 2017/05/22 (月)公演終了

満足度★★★★

実力派が多く出演していることもありどのキャラもかわいく楽しかったです。
ただその分話のまとまりがふわっとしてるかなぁという感じ。
もうちょっとすっきりしてる方がわかりやすいのかも?とは思いました

名探偵青島青子-劇場版-

名探偵青島青子-劇場版-

片岡自動車工業

HEP HALL(大阪府)

2017/05/19 (金) ~ 2017/05/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

色んな偶然が交差して出会った片岡自動車工業さん。
出会ったのは必然だったようです。
初見でしたが本当におもしろかった。
いちいち小ネタがおもしろい。
一回だけではマネできないけど言い回しがおもしろい。
音楽の使い方がお洒落。衣装もかわいい。役者も個性的で誰も脇役がいない。大大大大大満足でした。
次回公演も絶対行きます。
個人的には回想シーンの青子の走り方がツボ。

レモンキャンディ

レモンキャンディ

匿名劇壇

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2017/05/18 (木) ~ 2017/05/22 (月)公演終了

満足度★★★★

さすが劇団員オンリーというか、それぞれのキャラがすっと入ってきました。
話もとっても面白いし、前説からつながってるところもなるほどな、と。
ただキャラ名が全然頭に入らなかったのが残念。必要ない人は無理やり名前出さなくてもいいのかも。

『死なない男は棺桶で二度寝する』 &『オハヨウ夢見モグラ』

『死なない男は棺桶で二度寝する』 &『オハヨウ夢見モグラ』

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/05/03 (水) ~ 2017/05/14 (日)公演終了

両作品観てきました。
「オハヨウ夢見モグラ」では笑える話から怖い話、泣ける話までいろいろな短編集を見ることができました。
「死なない男は棺桶で二度寝する」ではやりきれない切ないお話を。

両方に共通するのは徐々にではなく、急に涙腺が崩壊したこと。
もちろんそれまでの積み重ねはあるにしろ、一言のせりふ、一瞬の表情が引き金となりました。

新しい生活の提案

新しい生活の提案

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/05/26 (金) ~ 2017/05/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

私の知ってる壱劇屋の作品で、一番世にも奇妙な感じでした。
ひとつの選択で少しずつ生活がずれていく感じ。
何かがドンっと変わるわけじゃないけど、ちょっとした変化でシュールで怖い場面になる。それが癖になります。

GODIVAより、あたしたち(再)

GODIVAより、あたしたち(再)

踊る酸素

神楽坂セッションハウス(東京都)

2017/05/27 (土) ~ 2017/05/27 (土)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/05/27 (土) 19:00

価格2,000円

無題2062(17-065)

19:00の回(曇)、18:30受付、開場、最前列ー桟敷席の前にベルトパーティションがふたつ。

周囲の壁には黒い額縁19:04時報が鳴り、開演~20:13終演。

(再)とあるようにこの作品の初演は戸塚のギャラリー公演(2016/2)..You Tubeにダイジェスト版あり。

こりっち登録の4公演の他、江古田キャンパスでの公演などもありました。客演作、SAVANANAのおふたりなどいろいろなところで活躍。

初演のときより、(客席を含めた)会場の大きさ、雰囲気、(特に)照明がずっと効果的で、作品がよりいっそう際立っているように感じました。

幾星霜 OKAWARI

幾星霜 OKAWARI

コマエンジェル

博品館劇場(東京都)

2017/05/28 (日) ~ 2017/05/28 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかったです!昭和メドレーにはジュリーも加えてほしいですね。みなさん主婦とのこと、家族の協力もあると思いますがやりたいことをやれている(やっている)のは素敵です!

木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談ー通し上演ー』

木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談ー通し上演ー』

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2017/05/26 (金) ~ 2017/05/31 (水)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ

ネタバレBOX

木ノ下歌舞伎の『東海道四谷怪談』を観劇。

今作は鶴屋南北のオリジナルに沿って、抜粋版ではなく、通し上演で、公演時間は6時間だ。
初演時は、「忠臣蔵」と「四谷怪談」を2日間かけて、1日目に両作品の前半部分、2日目に両作品の後半部分、そしてラストは討ち入りという展開で、表の忠臣蔵、裏の四谷怪談になっているのがミソで、両作品を観る事によって、吉良上野介に復讐を誓う武士たちと、その武家社会に翻弄されながらも、生きていかなければいけない市井の人間模様が描かれている。
「忠臣蔵」を観ることは出来ないが、今作では、浅野内匠頭の藩が、お家断絶になってしまい、それによって生きてく事すら困難な状態になったの武士と庶民たちの話である。

今作は、内容は一切変えずに、セリフは現代口語、背景も現代の様である。歌舞伎として描いておらず、あくまでも現代演劇として描いている。
伊藤喜兵衛にそそのかされて、孫のお梅と夫婦になってしまう伊右衛門、そしてその策略の生贄になったのはお岩で、彼女が呪ったのは伊右衛門ではなく伊藤喜兵衛、惚れた女欲しさに人を殺めたのが、それは以前に世話になった方の子息、そしてやっと手に入れた女は実の妹で、近親相関になってしまう有様、そして病で、討ち入りに参加出来ずにいる又之丞に、命をかけてまで、薬を手に入れようとそる小仏子平などなど、庶民は社会と関係を持たずには生きてはいけないにせよ、それを得るにはあまりにも代償が大きすぎて、生きる事さえ命がけだ。
そんな彼らの生き様を現代演劇という手法で、描ききっているからか、鶴屋南北の書いた当時のテーマが、現代でもいとも簡単に掴み取れるのが、今作の面白さであろう。
そして6時間という長尺ながら、飽きもせず、退屈もせず、疲れもせず、まだまだ観れるぞ!という気分にさせてくれる良作に出合うのは、今の現代では稀有である。
WHITE BLACK

WHITE BLACK

D.K HOLLYWOOD

シアターサンモール(東京都)

2017/05/24 (水) ~ 2017/05/28 (日)公演終了

舞台美術は豪華で、アメリカンって空気。笑って元気。当パンがとってもシュール。

ネタバレBOX

最初は黒人白人についてのブラックコメディなのかと思いましたが、白か黒か決着をつけるような意図でしょうか。面白いのだけど、細かいギャグを入れすぎてお客さんが付いてこれてない気もしました。話が最後の方が一度ではちょっと分からず。シーン代わりも多いけど幕間劇は繋げていると思う。島本須美さんの声は素敵だ。集中して見れた分気になったのが、デリバリーのカバンが体傾けて中身が溢れてるだろと。
常連の方と行ったのですが、これまでの方が面白いとのご意見も。従来の作品もとても気になりました。
木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談ー通し上演ー』

木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談ー通し上演ー』

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2017/05/26 (金) ~ 2017/05/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

昼から夜まで6時間と5分、たっぷり四谷怪談を楽しんだ。日本の古典戯曲がこのように現代の劇場で今ここで生きている人たちの手で今の演劇として上演されるのは大きな喜びだ。蜷川の近松心中に劣らない舞台成果で、ここまで新しいスタイルで古典戯曲をかみ砕いたというだけで、すごい。今年の演劇の評価の一つになるだろう。
古典の宿命で、ネタバレで気付いたこともあるが、多分そんなことは制作側は先刻ご承知と思う。まだやることはある。これが最終形などと言わず、今後も時にこの場に戻ってこの舞台を又見せてください。

ネタバレBOX

(構成について)一幕は完ぺきな出来。二幕の穏亡掘は少し焦点を見失っていると感じた。戸板返しからだんまりはあてぇのつなぎもあるので、もっと説明してもいいと思う。三幕は、大歌舞伎が三角屋敷をあまりやらない理由がよくわかった。原作もここはちょっと持て余したか、中だるみだ。丁寧にやるだけの意味がつかめなかった。コクーンなどがやるこの長さの半分くらいでいいのではないかと思う。復讐の動機付けが解ればいいのだから。大詰めへの物語の速度が落ちる。夢の場の「七夕」の童謡は突然西洋の物語が挿入されたようで、観客も戸惑う。三幕はまだ改良できるところがあると思った。
(俳優について)俳優の皆さんは好演だが。伊右衛門は現代の無知な若者風になりすぎていないか。状況からももっと、現実の社会への鬱屈があるのではないか。仲間の若者が暴走族みたいなのも面白いが、ただの無軌道になっていて、こうしなければ社会に組み入れられないドロップアウト寸前の危うさがない。人物はそれぞれよく書かれているが、そこへ俳優の個性が付け加えられないと生きてこない。蘭妖子がたつのは個性があるからで、それは排除しない方がいいと思う。あと二三人個性が出てしまう俳優がいると舞台が華やぐ。
(美術など)大道具は見事な出来だ。この劇場を立体的に使っている。薄墨のだんだらも生きた。小道具も見た目のバランスがよく神経が行き届いていて心地いい。衣裳もいろいろの工夫が楽しい。
音楽はこれも見事だが、一幕の完璧さに比べると次第に疲れてくる。ことに邦楽と洋楽のクラッシクの交錯する後半は、時に違和感を感じる。純邦楽は完全に外した方がよいのではないか、使うとしても大和楽とか。
音響で事分テンポリズムを作っていていいのだが、ヘリの音は効果的ではあるけど、どうしても「ミスサイゴン」を連想してしまう客はいるだろう。それはマイナスになる。
などと、団菊爺みたいになってしまったが、舞台成果としては本当に見事なもので、感服した。
みましょうか?みえますか?みえません。

みましょうか?みえますか?みえません。

劇団「午後のハンモック」

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2017/04/22 (土) ~ 2017/04/23 (日)公演終了

満足度★★

練習不足感が否めず、素人の集まりのような印象を受けました。

プロとして活動していくのであればもっと芸術としての質を高めるべきだと思います。

降っただけで雨

降っただけで雨

ねこのした

新宿眼科画廊(東京都)

2017/05/26 (金) ~ 2017/05/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/05/29 (月) 19:00

価格2,300円

無題2061(17-064)

19:00の回(晴)、18:10受付(整理券あり)、半券のパンチ穴が洒落ている、18:33開場。

奥が舞台中央にテーブル(お菓子や書類やPCなど)と椅子、下手(ときどき座席になるところ)の一段高いところにもテーブルと椅子(珍しい配置)。部屋の両隅に本棚。

18:56前説(90分)、19:00開演~20:28終演。

過去公演を調べてみますと。
「ねこのした」は2公演目(「いつか」2016/9@ここの地下)、プロデュース公演ははじめて、岡村さんは4公演目。

津嘉山珠英さんは「冗談だからね。(2015/4@HACO)」「恥ずかしげもなく、テーマは愛。(2015/12@王子1)」「飛ばない教室 または、わたしのいないその場所(2017/1@RAFT)」。

吉松竜宏さんは脚演出で「大人生(2017/3@駒場小空間)」...ここには岡村さん出演。ちなみに「やみ・あがりシアター」で観た島田洋樹さんも出ていらしたのでそのつながりで「戦禍の華(2017/5@ゴールデン街)」にも行きました。

新開知真さんは「あゆみ(2016/6@猿楽町)」のスタッフで。

井本みくにさんは初めてですが(母校の演劇を観て)在籍時にいい役者さんだなぁ、としみじみ思ったのは「こいぶみ(2014/10@学生会館)」のときの田久保さん以来。

あらすじに偽りなし、でそのまま。これが実にテンポがよく(場転も機転)、しょうもない「恋愛相談」が"力強く"描かれていてとても楽しい作品に仕上がっていました。


「いつか」のときも感じましたが、岡村さんは役者さんの集め方が上手く、ぴったりはまった配役。

ヒーローにしては地味な事務所にヒーローらしさがあるとすると「お面」と「本」くらい。だけどなんで「家族法」があるんだろう...だれか法学部なのか?

どうやって生活してゆくのか余計な心配をしてしまうが、わかりやすさと終盤に向かって高まる緊張感、颯爽と飛び出してゆくヒーローたち...王道まっしぐら。

終演後、胸の奥から「Heroes」が聴こえてくる。

降っただけで雨

降っただけで雨

ねこのした

新宿眼科画廊(東京都)

2017/05/26 (金) ~ 2017/05/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

軽快でジャブの効いた台詞と、リズミカルで心地よい演出が活きる。
独白的なブリッジのBGMが高めで聞き取りにくいのはご愛敬?
ステロタイプ的な若者像を前面に、判り易い展開は見やすくて気持良い。
なかなか良くできた楽しい舞台でした。

ネタバレBOX

凸凹理論は面白い。自然と俯瞰で疑問を呈する人なんだと感じる。
世界の中心で正論ぽい我儘を叫ぶ男、妙に冷めたヒーロー、金髪ブラコンの妹、白痴のヒーロー見習い・・・中々面白くキャラ立ちする面子。
熱いキャラっぽい事務員姉さんには、もう少しスポットが当たると良かった。
結構笑える構成かつ活きた台詞が効いていた。
ももこ役の井本さん、るみこ役の津嘉山さん同様に、
デスクの岡村さんにももう少し見せ場がっても良い感じもする。
眼鏡の件で異様な大爆笑になったが、身内の内輪受けは興ざめ。
ゴツフェス!

ゴツフェス!

ゴツプロ!

本多劇場(東京都)

2017/05/29 (月) ~ 2017/05/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

1部も2部も参加。
めちゃくちゃ楽しかったです!!!
来年の公演、とてもとても楽しみ
(*^ω^*)

ああ、演劇

ああ、演劇

くによし組

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2017/05/17 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/05/17 (水) 19:30

価格2,200円

バックステージものにハズレなし……どころかやはりアタリ。
これまた「そのテがあったか!」なアイデアあり、メタ構造ではお馴染みのクラインの壷的な層構造アリで大いに楽しむ。
観た回はウワサの「ディスり回」だったのだけれど、むしろ生コメンタリーのようで、「こんな先輩がいました」等の秘話あり、その場でのダメ出しに演者が動揺したりなどで面白かったし、「客席の話し声や雑音も含めて芝居」なんて話題も最近あったので余計愉快♪

バックステージもので劇中現実パートと劇中劇パートがあるのは定番だが、劇中現実パートに作者自身や作者を演ずる役者が出てくるとメタ度が増す。ましてや「ドグラ・マグラ」みたいにその芝居の執筆/稽古場面なんかあると「どこまで実話?」な疑問が膨らんでくるワケで(笑)……なんてことも改めて思った。

『あぁ、自殺生活。』4月~6月/365

『あぁ、自殺生活。』4月~6月/365

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2016/12/31 (土) ~ 2017/05/29 (月)公演終了

満足度★★★★

 今作、2度目の観劇である。前回(3月末)と大きく変わった点は、
(気まぐれ追記2017.5.31)

ネタバレBOX

舞台美術。駅の椅子などにも変化があったが、最も大きく変わったのは、客席天井も含めてラップが垂れ下がっていたり、メインの登場人物2人の体のかなりの部分にラップが巻きつけてあることである。このラップの意味をどう捉えるかという点と、ちょっと分別が難しいのだが、場面が駅ホームなのか、公園なのかである。公園の時、できれば街灯の一つも立てておいて、電燈のオンオフでどちらの場面なのかをハッキリさせ、対比を明確にするなどの演出があった方が、演劇がより立体化するように思う。また、度々衣装を変えて登場する女性と、自殺志願者2人の社会的関係がどうなっているのかについても、より明確なビジョンがあった方が良かろう。つまり、自殺願望を持っているが故に社会の「埒外」で暮らす2人と自殺を望むという陥穽に陥っては居ない精神的に健康な人との対比として女性を位置づけるなどである。
 一方、自殺願望を持つ2人の揺らぎは、対自関係を喪失するレベルの、つまり即自存在に陥るか否かの瀬戸際であろうから、互いの位置が入れ替わるというのは、実存の不如意を表現しているようでこのままで良いように思う。2人の男性の内の1人は呆けることを恐れ、自分の人生を自分で判断することができなくなることを恐れて自殺を考えているのだが、それには彼の祖父、父も呆け、本能をむき出しそれ以前には考えられなかった痴態を演じた事実が横たわっていた。人間の尊厳と本能とが鬩ぎ合う、長生きの時代には避けて通れない問題が提起されていることも見ておきたい。同時に1年の長丁場、様々な実験をしつつ表現の可能性を探って欲しい。
天の敵

天の敵

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2017/05/16 (火) ~ 2017/06/04 (日)公演終了

満足度★★★★

何だろうこの感じ。何に騙された?のか?
演劇って本当に、面白いもんですねえ。

ネタバレBOX

「飲血者」という自ら選んだ在り方が、宿命としての在り方となり、マイノリティとしての存在の呼称となる。そして自らその在り方に終着点を与えようとする逆転。それが「もう十分生きた」満足からの決断ではなく、その在り方を続ける意義をついに見いだせず、弊害を突き付けられた事によるという事実は、彼に取材した聴き手(記者)の在り方、即ち緩慢な死への途上であるという在り方との見事な対照を炙り出す。
この一見荒唐無稽な話を聞き終えた記者が「いやあうまく作られた話だ」と、嘯くその口はすぐさま閉じられ、観客はこれは一体何の話であったのか、狐につままれた感で虚空を漂わされる中、記者の沈黙がやがて嗚咽に変わるに及び、これは己らが寸息なくそれに翻弄されている代物についての話であった事を思い出す。事ほど左様に直視できない、限りある命よ。
俳優の的確過ぎる演技と、嫌みなく挿入された笑いと。褒め所は多いので省略する。
爪の灯

爪の灯

演劇集団円

シアターX(東京都)

2017/05/19 (金) ~ 2017/05/28 (日)公演終了

満足度★★★★

角ひろみ作品の舞台を初観劇。新人戯曲賞受賞いらい頭の片隅にあったが、その公開審査で最終対決となった清水弥生作「ブーツ・オン・ジ・アンダーグラウンド」を自分が推していただけに少々複雑な思いがあった。その印象を思い出すと・・鴨長明を取り上げていた。作者自身の思いよりは企画のオファーに応えた感が漂うが、作風なのかも知れぬ、と判断保留。言葉使いに静謐さがあり有能な書き手である事は確かなようだが、巧く伏せて巧く謎解きを施す、手法に目が行く。その手法は、作者の地元中国地方を襲った豪雨による災害があった年(だったと記憶する)、川の流れをその連想に導きつつ鴨長明にも重ねる「点線で導くような」叙述で発揮されていた。作者が何をどれ程取材したかは判らないが、その苦労(があったとして)を感じさせない作品で、受賞は筆力への評価に着地したとの印象だった。

その戯曲の印象が思い出される観劇だった。撒いた種を最終局面で早業で刈り取る筆には唸ったが、それまで不分明に置かれる時間は私には長く、座りの悪さは否めない。
もう一点は、(受賞作同様?)高度な舞台処理を求める戯曲だったのだろう、役者の「言い方」「処し方」が明らかに違うと思える箇所があり、もどかしい。さらりと流されるがその台詞のはまらなさが、「分からなさ」を広げていたと感じる。役者全員とは言わないが、戯曲の世界との乖離が、ラスト手前あたり、淋しかった感じがある。
ある種の演技、「相手からもらえ」という言葉で導かれる演技が、必ずしも有効でない例では?と思い巡らせながらそこを見ていたが、正解はテキストを発音する人形としてまず存在する事が第一、その上に「関係」が探られていく、という順序ではないか。適当だがそんな印象はある。

円の舞台は数えればまだ二度目。円の神髄はここに‼ という発見を、いつか。

疚しい理由

疚しい理由

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/05/12 (金) ~ 2017/05/16 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/05/12 (金) 20:00

価格2,000円

生命保険の営業マンが顧客の女性と共にその女性の後輩の家を訪れ加入を勧めるという一般的な状況がいつの間にかキナ臭くなり、やがては女性ってコワい、となり最終的に真相は明かされずに観客の想像に委ねられるという、さんざん痒がらせておいて手を縛って放置するような展開が憎らしくも巧み。
ドラマだったらNHKの土曜22時の単発枠か? 考えようによってはテレビ東京か?(笑)

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