最新の観てきた!クチコミ一覧

6001-6020件 / 191524件中
Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

元気な女優さんたち。ダンスもきれっきれ。楽しかったです。

痕、婚、

痕、婚、

温泉ドラゴン

ザ・ポケット(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回目。
考えさせられた。
誰も幸せになれない世界で生きている。クリアの出来ないゲームを死ぬまでやらされている。だが考えた。

ネタバレBOX

カメラが入っていて収録日だったせいもあるのか、山﨑将平氏のちょろっとしたトチリが多かった。

山﨑薫さんの目的が謎で何故恋人を殺した男と結婚するのか新聞記者にも観客にも判らない。籍を入れてきたお祝いの席にてその真意は明かされる。「皆さんがヨンゼフを殺したということを認めて下さい。」
籍に入って日本人にならないことには法律が自分を守ってくれないことが結婚する理由だった。
「私はずっとここで暮らします。私を見る度にヨンゼフを殺したことを思い出して下さい。」
加害者達に求めているのは贖罪や謝罪ではなく、ずっと続く罪の意識。それに日本人はうんざりする。そんなことが一体何になるのか?もう終わった話じゃないか。いつまでそんな話を持ち出されるんだ?

無惨にリンチされて殺された名もなき朝鮮人。だが彼の存在をなかったことにさせない。決してさせない。それが彼女の復讐だ。

朝鮮人大虐殺、南京大虐殺、従軍慰安婦、全てがなかったことにされていく。何故か?ない方が気分がいいからだ。それだけの理由で歴史から消されていく事実。幾らでも書き換えが効く。気分のいい歴史に。

現実問題、イスラエルやトランプ、プーチンなど見ていると人類は過去の教訓なんか簡単に忘れてしまう生物だとよく判る。また当り前のように同じことが繰り返される。だから忘れないように何度でも過去の愚行の戒めが必要なのだろう。自虐史観とされた戦後教育。それを否定して敗戦前に戻るのではなく、アウフヘーベンした高度な価値観に辿り着かなくてはならない。と思いつつも国の経済状態が悪くなると皆戦争を望むのも真理。そしてこんな世の中にこれを叩き付けなくてはならなかった作家の叫びもまた真実。
ガラスの動物園

ガラスの動物園

滋企画

すみだパークシアター倉(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『ガラスの動物園』についてはよく考えることがある。テネシー・ウィリアムズは何を描きたかったのか、果たして自分は何を観たかったのか?いろいろ妄想するのだが正解は見えない。それ故にまた観てしまう類。
今作は素晴らしかった。超満員の詰め掛けた観客。知ってる役者が結構観に来てた。何でこんなに人気あるの?と不思議に思う程。
一つは徹底的に戯曲を溶かした。10分の休憩込みで二幕2時間45分。そんなに長い話か?と思ったが徹底的に煮詰めている。もうこれ以上ない程考え尽くしやり尽くしている。ありとあらゆる方法論を探って行き着いたキャラクター。もうこれしか選択肢はない。納得のいく『ガラスの動物園』。しかもまた更に別のアプローチで観てみたいとも思わせる。行間の空白に広がる無限の可能性を垣間見せた。

母アマンダ、西田夏奈子さん。饒舌でヒステリックで強圧的、自己顕示欲の塊で常に自意識過剰の躁状態、病的に過去の栄光に縋り続ける。憎むべき侮蔑するべき母を西田夏奈子さんは愛すべき人物に仕立てた。名女優・望月優子のような人の痛みを知る弱き者に。アマンダの新しい息吹。

姉ローラ、原田つむぎさん。文句なし、これぞローラ。すっぴんの一幕、メイクした二幕。今作を観た若い奴にとって一生胸の奥底に貼り付く心の疵となろう。クライマックスの表情が物凄い。一幅の宗教画のよう。

主人公トム、佐藤滋氏。今回の趣向の一つに主人公が自分の心の中の情景を演劇として観客に見せているという額縁構造がある。その為、語り手として説明しながら照明や曲出しに合図を送る。この舞台が彼の心の中の光景だと伝える。MVPはそれを見事に担当した照明の岩城保氏だろう。クライマックスの照明は語り継がれる程。

主人公の勤める靴倉庫の同僚ジム、大石将弘氏。弁論部出身ということで石丸伸二っぽいアプローチ。成程そうきたか。

ユングの提唱した元型(アーキタイプ)。人類に共通する心の中にある記憶の象徴。各人の経験を越え人類が普遍的に備えているとされる感覚。今作がこれだけ繰り返し上演され繰り返し観劇される理由はそこに触れているからだと思う。誰か徹底的に論じて本にしてくれ。
曲で例えるとPearl Jamの「Off He Goes」みたいな感触。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

巧いのはローラを跛も引かず、一見普通の女性に描く演出。今までの他の作品では脚に器具を装着したり、彼女が普通ではないことを強調していた。今作では全くそんなことはしない。ただ第二幕、ジムが訪れてからは脚を引きずる描写に変わる。家族の中の生活では誰もそんなこと気にしてやいないという演出。他者が訪れると現実が介入し始める。

トムが電気代を払わなかった為、家が停電に。ここからは蝋燭一つで舞台を照らすことに。(シーリングライトとフットライトはうっすら点いている)。計算し尽くした技術に裏打ちされた表現、光と影。これに照らされたローラの表情ときたら。「ガムを一つ頂こうかしら。」

そしてトムが家を出た後、寄り添うアマンダとローラの姿。この描写は大きい。

ほんの少し不満を感じたとすればクライマックス、ジムとローラのシーンがちょっと冗長か。夢みたいに展開してガクンと落ちる、あの感覚が欲しかった。まるで曲の構成のように仕掛けて欲しかった。あとジムがもっと俗物の方がリアルかも知れない。だが今作が一つの達成地点だと思う。
幽霊

幽霊

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2025/03/25 (火) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

ハツビロコウは松本光生の主宰で、よく西洋名作を上演する。今回はイプセンの「幽霊」である。あの超大作をどのように上演するかと見てみると、いはば、サワリ集である。元戯曲が時代の風潮にあわせて時間制限の中で終了するように出来ている〔三一致〕だから、かなり強引にカットしても話がつながる。それで1時間45分。登場人物は僅かに五人。セットは一つ。これだけ切ってしまっても話は通じるが、サワリの主張を立てると、登場人物がみな勝手に自分の言い分をのべ立てるような感じになってしまうのはやむを得ない。
この劇団はかつて、チャペックとか、あまりやっていないホンを発掘して欧米諸国の劇をやってきた。面白い路線だが、アイルランド劇に日が当たって、昨今では選択の幅が狭くなっている。だが、まだ北欧、東欧、南欧作品には我が国で見逃されている作品も数多くありそうだ。
役者は、千賀・高田以外は経験も少ない様子だが、ガラは悪くない。若い二人〔田村・岡田〕も、本だけで言えばはまり役である。しかし、上手くなるばっかりがいいとも限らないがナマ必至の演劇は台詞だけはもう少しきちんと決まらないと芝居にならない。小劇場の悩ましいところである。
席数は40ほど、満席になっても赤字必至とみえる舞台作品に、あれこれ言うのは失礼な気がする。


Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

3月26日18時00分観劇。

ネタバレBOX

出演者の方々の勢い重視のノリのようなので楽しかったです。
人生は極楽よりも極楽的である

人生は極楽よりも極楽的である

Dotoo!

駅前劇場(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

3月27日 19時00分観劇

ネタバレBOX

登場した文豪の方々の作品をもっと読んでいて、自分なりの文豪の方々についてのイメージや知識があったらもっと楽しめたのかもしれないなと思いました。
Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 沖縄の宝は海と空(そして人の心)。アクアを拝見。

ネタバレBOX


 板上は、沖縄本島からフェリーで4時間の離島がメイン。主要五教科の成績が極めて悪かった者たちの教科合宿である。期間は離島滞在日数3日間。引率するのは担任及び教務主任と思われる教師。主任の大学時代の先輩が、教師を辞めてこの地に引っ越して居た為毎年やってきていたのであった。出演者は総て恐らく14歳以下の子供たちである。18時開演の意味する処が観て初めて分かった。子供が出演できる時刻に法的定めがある為である。
 歌ったり踊ったりするシーンも多いのだが、流石に若さというは凄い! と驚嘆する。体の切れがシャープなのだ。自分は完全爺の体になってしまったから自らの体に気を遣うようになった。そんな自分とは対極のスピーディーで軽やか而も健康的な動きに素直に驚いてしまった。アイドルタレントに極めて細かい点迄演出が指示を出し、人工的な厭らしさを感じさせるような点もない。のびのびと子供たちの躍動を舞台化する懐の深い演出と脚本の自然で大切なことを分かり易く而も柔軟に描いているしなやかさも見事で、子供たちの一所懸命にチャレンジする姿に好感を持った。
 ところで沖縄は国土の僅か0.6%に在日米軍基地の約70%が最も肝要な地域を占領し続けていることもあり、日本全国で最も貧しい県の1つだ。まして離島ともなればその経済的格差は甚大である。先輩は2人の子供(姉・レフト/弟・ライト)を養っている。この姉弟、漫才に鑑みライト兄弟と名乗っている。因みに2人ともに先輩の子ではないことが終盤明らかにされる。2人の父母は存命であるが、上記の経済的格差を埋める為に二親各々が出稼ぎをしていて帰島出来ないのである。
 今作には他にも注目すべきシーンがある。総てのテストを白紙提出した小学校時代成績トップの女子・えり。夫婦で島を訪れるダイバーたちにダイビングを教えて生計を立てていた父母を海難事故で亡くしたこの島の女子・ゆいの2人が潮の満ち引きや海岸線の地形等の条件で非常に危険な事態に陥るエリアで出会い互いの秘密を打ち明け合って、偶々目にしたウミガメの産卵時に懐中電灯で様子を見ようとしたえりを窘めたゆいの忠告と自然の摂理が教えてくれた真の知恵に気付き自分たちの生きてゆく術を体得するシーンだ。
 えりが何故、総てのテストを白紙提出したのか? 大人は先ず、それが一種の救難信号であることに即刻気付かねばならぬ。その訳は、観てのお愉しみ。また、ウミガメの産卵が二人に教えた真の知恵の解も然りである。
 閑話休題。沖縄の人々は優しく寛容だとヤマトンチューは思っていることが多かろう、実際ウチナンチュもシマンチュもゆったりとして寛容であり好感の持てる人が多い。然し、それは彼らが苦労し苦悩してきたことの裏返しである。自分達が人間として生きる為にそのような生き方が必要なのだ。それはパレスチナの人々が抱えている苦悩と基本的に通底している。抑圧の激しさに大きな差はあるが本質的に同じタイプの苦悩なのだ。この事実を意識して観ると益々深みが増す作品である。
蹂躙さん

蹂躙さん

サモ・アリナンズ

ザ・スズナリ(東京都)

2025/03/23 (日) ~ 2025/03/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

サモアリの「最後の公演」と銘打たれ、キャスティングも良く、会場のスズナリは超満員。こんなに満員のスズナリを体験するのは久しぶり。客席もサモアリの魅力を分かっている人が多く、反応は上々で、物語が進むにつれその熱はどんどんヒートアップしていく。ライブ体験である演劇だからこそ起こり得る、楽しい共有でした。

ネタバレBOX

物語は団体が大切にしてきたレパートリーのひとつ「勧善懲悪ものの学園ドラマ」。伝説の不良がいて、更に伝説の番長がいて、その二人の対決?を軸にストーリーは展開していく。座長の小松和重が舞台上で楽しそうに顔を綻ばせる度に、つられて観客も笑ってしまう。小劇場でしか成立しないこの手の笑いに真摯に向き合った団体でした。またどこかで観られる機会が、あるのか、ないのか。それを楽しみに待ちたいと思います。
幽霊

幽霊

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2025/03/25 (火) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

松本光生編「幽霊」といえるが、むしろ原作のエッセンスを凝縮したような台本・演出になっていて、偽善や欺瞞、狡猾さ、身勝手さの表現は全体的に抑制され(省略され)、古い因襲など個人を縛る諸々からの自由というイプセンの本質的なところにより注意が向けられているように感じられた。牧師との会話中、未亡人がオスヴァルとレギーネの関係を自由を理由に容認するかのようなことを一瞬言ったように聞こえたが(はっきり覚えていない)、だとすれば原作よりさらに踏み込んでいるのかもしれない。それにしても、普遍的な作品というものは時代や国を問わず通用するものだな(翻訳や演出次第なのかもしれないが)とあらためて気付かされる。

 wowの熱

wowの熱

南極

新宿シアタートップス(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ーーゴジラを新宿に解き放った南極が繰り広げる、超沸騰メタメタメタフィクション!

前回公演に引き続きの鑑賞でしたが、それも相まって楽しめました。ポッドキャスト聞くのもおすすめです。
それぞれが多彩な魅力を放つプロフェッショナルであり、南極ゴジラであり、南極になった彼/彼女らにしか、だからこそできる演劇だと思います。なんだかんだとありますが、劇団っていいもんですね。結局は見せられたものが全てで、それがこんなに熱かったら、もう。生物からもはや大陸と化した(比喩じゃなく)南極の今後が楽しみです。見れてよかった!

ネタバレBOX

入れ子に次ぐ入れ子の連続で、現実と劇がないまぜになって一つの時間・空間が作られていく。その様は「現実は劇であり、劇は現実である」という言葉を体感するようだった。現実を楽しませるために、あるいは生きるために虚構を作り出すもの、虚構に身をやつすもの。虚構に生み落とされ、現実を羨むもの。皆が救いを求めつつ、生きている。結局全部現実じゃん、と焼石を嚥下しちゃう。
公演中止、お金の話、主役の話と、現実に色濃く映る演劇・小劇場界隈の問題(実際は洒落にならないと思うけど)も含んでいて、メタとフィクションの距離が本当に近い。俳優が発話するだけでその境界が波打って揺らいでいた気もしてくる。
で、本人役も当然面白い!本人そのものじゃないけど、(端さんは特にわからない)実際にこの人たちはこうやって普段生活して、演劇作ってるのかな〜っていう演劇の中身が演劇で見られる(?)
とかなんとかをどんどんの熱量でぶつけてきて、ただ「おもろい!」と最後にはロケットで飛ばされて、宇宙で終わる、そんな演劇だった。演劇ができる。見れる。幸せなことだ。
TARKIE~伝説の女たち~

TARKIE~伝説の女たち~

ケイローズ株式会社

有楽町よみうりホール(東京都)

2025/03/24 (月) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

何とも華やかで楽しいミュージカルレビュー。戦前、戦中の時代背景での奮闘はグッときますね。ラストの昭和歌謡ショーも懐かしい。

CARNAGE

CARNAGE

summer house

アトリエ第Q藝術(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日を拝見。面白い。見応えあり。ナイロン100℃水野小論が思い立っての初プロデュース、海外戯曲をアトリエ第Q劇場で、とだけで未知数だが(否未知数だけに)興味津々であった。
この劇場ではしばしば「劇場」という場(ロケーションを含めて)を意識する観劇体験になる事が多いのだが、本作では開始から劇世界に引きずり込まれる。ソファ、椅子、花を活けた器、電話台といった室内の具象アイテムが飾られてはいるが、(人を超えない存在感で)芝居の進行を支える。これらがタイトな盛りに見えるのはタイトな台詞劇が出来ている事の投射だろう(途中「消え物」を用いるが得てして散漫になりかねない所それさえも計算の内に処理されている風に見えるのを感心しながら見ていた)。
今思い出すに・・2組の夫婦、フランスで、と言えば、ゼレール作品「嘘」があった。ワン・シチュエーション(コメディ)の範疇と言って差支えないが、警句が辛辣で安易な笑いを許さないものがある。攻めた会話が役者個々によって十分に咀嚼され吐き出されているように見える快感。

初日ゆえネタバレは控え、我が注目の一人伊東沙保はやはり秀逸だった、と申すに留める。
後日追加したし。

青少年のための純恋愛入門

青少年のための純恋愛入門

バザール44℃

STスポット(神奈川県)

2025/03/18 (火) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

深谷氏の新ユニットへの興味で観に行ったのだが、タイトルからもっと頭でっかち系な抽象度の高い内容かとの予想は裏切られ、がっつりドラマであった。もっともタイトルに「入門」とある通りの(解説者ありの)講座形式を取り、進行するが、3組のカップルの恋愛模様が「恋愛入門」のサンプルのレベルを遙かに超えてディープな人間模様が描かれる。笑える場面は芯を穿った場面。一方台詞が輝く(美しい)場面もあった。

アンサンブルデイズ

アンサンブルデイズ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東急デパート本体が早々に解体された風景は見ていたが、COCOONが残っていたとは知らなかった。懐かしさも手伝って、また新しく始動した本格的俳優教育プログラムの成果と松尾スズキ作品を観たさに、出かけた。
朱雀組しか観られなかったが、シングルキャストも何名か居り、玄武組と大きな差が生じる余地は認めず。というより松尾スズキのこの新作が3時間弱に及ぶ大人計画本公演並みの本域作品であり、時宜に適った笑える台詞やキレイに通じる荒唐無稽さと、役者志望の若者(彼ら自身でもある)を登場人物としながら痛い人間像、爛れた人間像を手心加えずに描き出す。要は、芝居の中身の方に引き寄せられていた。
約一名、遠目にも既視感のあった俳優はムシラセ等で何度か目にした女優。初見での印象(せいぜい二年前)に比してもスケール感が増し(芝居と役のタイプもあるのだろうが)、他の若い役者たちも松尾作品を奏でる要員として存分に振り切れた演技を繰り出している。
片チームだけでそれなりの人数がいるが、開始して三、四場面で既に俳優個々の役のキャラ付けが出来上がっており、脳内で腑分けされている。これまで松尾氏を劇作家としては我流、独特で舞台化ありきでどうにか成立しているタイプだと、何とはなしに思っていたのだが、彼らのために書き下ろした本作を観て改めて劇作家としての力量を流石と唸った。
多用される歌、群舞(ムーブ)もよく、アンサンブルもグレード高く、胸熱で終演の拍手を送ったのであった。

CARNAGE

CARNAGE

summer house

アトリエ第Q藝術(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
初めて観る演目、映画「おとなのけんか」(邦題)としても上映されたそうだが 観ていない。舞台は、虚構の世界を空間と時間を使って どう描き出すか。しかし この劇は、現実の出来事をその時間の中で紡ぐ、言い換えれば 現実を舞台という虚構の世界で描くといった感覚だ。敢えて空間を作らず、時間も流れない。今そこにあるリアル、その漂流するような会話や行動を覗き観るといった楽しさ面白さ。

舞台はフランス、登場するのは二組の夫婦、その4人が 子供の喧嘩の後始末を話し合うために集まる。中流階級でリベラルを自認する人達が、いつの間にか本質からずれた話し合いになり、だんだんと興奮し我を忘れる。リアルな空間と時間、その中で役者陣の自然な演技が臨場感を増していく。自然(体)という確かな演技、それが異様な雰囲気を漂わせていく。喧嘩の当事者である子供は登場しないが、会話の端々からどのような子供で親子関係なのかが垣間見えてくる。色々なところに飛び火した会話を通じて、一人ひとりの人物像が立ち上がる。いつの間にか(リベラルという)化けの皮が剝がれ 本性剥き出しの激論、それがどこに辿り着くのか目が離せない。少しネタバレするが、この舞台をひっ掻き回す者でありモノが肝。

舞台美術は、話し合いが行われる家のリビングルーム。その光景がさらに現実味を帯びるような錯覚に陥る。どこにでもあるような空間だが、工夫も凝らしている。それは劇中でトイレ、洗面所に行く場面では、ある舞台セットを回り込むという動作が加わる。その動線が同一空間の中で別の意味合い(廊下)を表しているようだ。細かいところだが、これによって居住空間の広がりを的確に表現している。実に丁寧な演出で巧い。
(上演時間1時間25分 休憩なし) 追記予定

ネタバレBOX

舞台美術は、中央にソファとテーブル、その斜め横に椅子2つ。後ろの壁際に2つの置台ー1つは電話、もう1つに煙草、酒瓶が乗っている。客席側の上手/下手に本の山、中央の花瓶に50本のチーリップが活けてある。中流階級の家庭、本の山は 仕事であり良識等といったリベラルの象徴か。

登場人物は わずか4人。被害者側の夫婦=ヴェロニク(水野小論サン)はライター、ミシェル(小林タカ鹿サン)は雑貨商、加害者側の夫婦=アネット(伊東沙保サン)はファイナンシャル・プランナー、アラン(小野健太郎サン)は弁護士。子供同士が喧嘩をして、棒を振り回して相手に前歯2本を折る怪我をさせる。初めのうちは穏やかに話していたが、だんだん本来の目的と違う方向で議論し始める。その行き違いとなる分岐点が曖昧、ただアランの携帯電話が頻繁に鳴り、話し合いが度々中断し、皆 少しずつイラついてくる。一方、ミシェルの母親からも電話が…。この姿を現さない相手(電話)に翻弄されていく。
以降 追記予定
Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/26 (水) 18:00

初日のアクアチーム公演を観てきました。
歌ありダンスあり、笑いあり、そしてしんみりくるシーンもあり、とても満足のいくひと時でした。

お目当てだった美喜あい圭さん、とても可愛かったな💛

TARKIE~伝説の女たち~

TARKIE~伝説の女たち~

ケイローズ株式会社

有楽町よみうりホール(東京都)

2025/03/24 (月) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

日本のエンターテイメント黎明期をエンターテイメント作品に
波乱に富んだ時代背景、松竹少女歌劇団vs宝塚歌劇団の対立シーンは格別に面白く、戦争の闇の中、水の江瀧子さんの逞しさに光を感じました
なんと演劇にも関わる時期があったというのも興味深い
見入っているうちに演出が植草克秀さんだった事を思い出し、あぁ確かにと
めくるめく生バンドでのレビューショー、ラストに向けての大盛り上がり、とことんエンターテイメントで満たされていくスタイルはかつてのジャニーズ公演と通じるところが多い(宝塚との相性も良いし)
アフタートークでは植草さんご本人も登壇
少年隊仕込み、演者に近く親しみやすい演出家という雰囲気がしました

わたしの紅皿

わたしの紅皿

劇団銅鑼

銅鑼アトリエ(東京都)

2025/03/19 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/03/25 (火) 14:00

西日本新聞が終戦からしばらくして設けた女性の投稿欄「紅皿」を題材にした舞台。市民の投稿欄が朗読され、その物語が舞台で演じられることによって、当時の女性たちの思いが生き生きと浮かび上がった。演じるということで伝わる力、その力強さを存分に感じることができる。

舞台で取り上げられている投稿が書かれたのは、朝鮮戦争特需で日本が経済復興し、自衛隊の発足(再軍備)が進められているころだ。戦争で家族を失った女性たちの多くが「もう戦争はこりごりだ」と感じており、舞台では「再軍備は絶対に反対」と言い続ける母親が登場する。その息子が「大国に守られているだけでは自分の国は守れない」などと言って自衛隊への入隊を打ち明け、母親と激しく衝突する。

複雑化する国際情勢、パワーバランスの中で、自国をどのようにして他国の侵略から守るかというのは、戦後80年たった今も変わらない論点だ。しかし、舞台が扱っている当時と決定的に違うのは、「再軍備反対」と声高に叫ぶ女性たちの姿が今は見られないこと。また、それに加えてさしたる議論もないまま、自衛のための再軍備どころか、敵基地を先制攻撃する軍備までそろえようとしているところが大きく異なる。
「戦争などもうこりごり」という市民の姿がはっきり見えないところが当時よりいかにも危うく映る。舞台ではこうした現状まで直接的に触れられていないが、原作者がここを意識しているのは明らかだ。客席もこうしたメッセージを受け止めて、舞台に見入っていたと思う。

単に投稿を読むだけならそれで流れてしまうかもしれないが、舞台化されることで、客席では投稿によって何度も涙をぬぐう姿もあった。「読む」から「見て感じる」へ。演劇という伝え方のパワーを知った貴重な時間だった。

わたしのおはなし

わたしのおはなし

東京ノ温度

新宿眼科画廊(東京都)

2025/03/14 (金) ~ 2025/03/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/16 (日) 13:00

元ネタのないオリジナルだし川島さんは出演しないし、と新境地?
そこで語られるのは時間ものでは馴染みのパターンで、そこを丁寧に描くために理屈っぽい感が無きにしも非ずだが、そのテが好きな身として「因果律と運命論」などに「あーそれな♪」と頬が弛む。
(以降ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

15年後の未来から来た廻里が「身体ごと来た」のではなく「心/意識だけ今のメグリに入った」ことの「舞台での見せ方」とそれを観客に悟らせる会話が巧い。(「もう一人のメグリ」であるアイナ(?)の舞台表現と会話での明かし方も同様)
あと、廻里が母をとめようとする理由を明確にしないので事故死かと思ったが終盤で15年後に戻った廻里が「また病院」と口にすることで命に別条がないことを察して胸をなでおろす。川島さんの優しさか?
極めてやわらかい道

極めてやわらかい道

ゴーチ・ブラザーズ

本多劇場(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

デビューして間もないころ、松井大悟の劇団の舞台で見た。十年前。下北沢の小劇場だったが、この再演は本多劇場だ。それだけに、大筋は変わっていないが、細かいところに手が入っていて、今風の男優に当てて直したところでは一群の若い「推し」女子客だけがどっと嬌声を上げる。尤も全体の入りはやっと半分というところで、この作者も難しいところにきている。
芝居は一時期はやった引きこもり族の純情愛物語で、外側には自己愛的なセクハラ、パワハラ、暴力が張り付いている。そこは風俗的なのだが、ドラマが10年たつと照準が合わなくなる。
三十近い男たちが純情を寄せるコンビニ女店員の日々の生活をのぞき見して話し合っては自己愛の完結を共有する、というのでは、長持ちがしない。今のご時世ではノゾキは即犯罪でご用になりかねない。その為にボール紙で外から見えないようにのぞきあなをつくる、などという小細工からして嘘っぽい。その思いの描き方が異常、暴力、セクハラと紙一重というところで描かれていたからで、かつては当時の若者風俗として容認されていた。
引きこもり族全盛期にはある種のリアリティはあっただろうが、時代がこの芝居を難しくさせている。
ゴー値ブラザーズの長塚圭史も阿佐スパの時代にはこういう青年期の客気充満の身勝手ドラマで売り出したが、これではどうにもならんと方向転換した。面白い物である。10年たって、再演でみると言うことはあまりないことだが、考えさせられることもある公演だった。

このページのQRコードです。

拡大