最新の観てきた!クチコミ一覧

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新宿☆アタッカーズ season2-熱海殺人事件-

新宿☆アタッカーズ season2-熱海殺人事件-

UDA☆MAP

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/08/09 (水) ~ 2017/08/14 (月)公演終了

満足度★★★★

宇田川さんが考え、松本さんの描く火サス。愛・憎・涙・崖。全部あった。
まっつんの振付が素敵で、丸々一曲ダンスなのに場面が変化して区から、飽きないし引き込まれる。踊りながらの表情もいいね。
ツッコミを封印した亜音さんの、旅芸人・雫と、それを支えるだてさきちゃんの滝飯の絆が、涙腺に攻撃を仕掛けて来るんですよ…。サスペンスなのにぃぃぃ。
主役三姉妹のバランスも良くて、キャスティングが絶妙。ゆりんぎ・たみしょーは最早演劇爆弾だった。。。

舞台版ハコオンナ

舞台版ハコオンナ

聖地ポーカーズ

ブディストホール(東京都)

2017/08/09 (水) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★

舞台版ハコオンナ 前楽公演観劇。ちゃんとホラーでした。心理ホラーというよりも物理ホラー。そしてなにより、ちゃんと #ボドゲ でした。戯曲に落とし込むの上手いなぁ。拡張の灰色の男もしっかり存在してたし、遊んでみたい。

カテコは撮影可。
洋館セット、好みでした。

主演の凛太郎さんも良かったし(特にラストの真実からの変化)、語り部で孤軍奮闘してた田渕くんも秀逸でした。途中から手元で何作ってるか、何者なのか解ってきたのでニヤニヤしちゃった。
田渕くん、新演出版の男おいらんぶりかな?いろいろと見たい作品はあったんだけど、行けずじまいだったから。ご自身のゲームイベントとかもやってたから今回は楽しかっただろうなー。

ネタバレBOX

#舞台版ハコオンナのここが魅力という所をネタバレありで語る #ハコオンナ

灰色の男が「黒(ハコオンナ陣営)」「白(訪問者陣営)」の両方、ちゃんと存在したところ。※前売りチケット来場者には、拡張役職:灰色の男のカードとミープルが配布された
こういう仕組み、ちょーーーーー!ボドゲだよね!
演じる方はかなり苦労したと思うけれど。早川さん @Hayakawa_TIN お見事です。
現実世界側で最後に子供”達”と対峙した時の優しい目も素敵。

2個目。
語り部=ボドゲ製作者が、劇中で地道にコンポーネントを切ったり袋詰めしたりして、ここでも”ハコオンナ”が作られている。という入れ子構造。
しかも、演者がリアルにボドゲ愛好家。
イリクラ ~Iridescent Clouds~

イリクラ ~Iridescent Clouds~

イリクラ製作委員会

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/08/09 (水) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★

ヒーロー青春活劇ミュージカル #イリクラ2017 ~Iridescent Clouds~観劇。4度目?の再演らしく、脚本の良さは折り紙付き。戦隊ヒーローものだから『仲間』が軸。
そこに夢麻呂さんとカドショーくんの熱さが加わるから、遠心力が強い。心をぐわんと持っていかれるね。
石部さんがかっこよすぎて辛い。見惚れる。あさちゃんと結ばれてるとかズルいあだつこと安達さんが、けなげで可愛い上に歌上手い!
グリーンちゃんのギャップ萌え要素完璧。
緑谷の中川さんが、姉御かっこいい。美しくて歌も上手くて笑いも取れるなんて非の打ち所ないわよ…。

日替りゲスト、高田ずんさん。登場した瞬間からアクション満載で、しかも太田さんが相手だから二人とも速いし、容赦なく攻め技!眼福。これ、塩様も見たかったな。
しかも緑谷と縁が深い役どころだから、中川さんとの絡みが!打ち合わせなしで、あのシンクロ具合すごくね?超人か!?
去り際の『愛だ』は昨日もやったのかな(笑)。
随所にアドリブも散りばめられてて、リピってる人も楽しいんだろうね。ってか、夢さんと石部さんがいて、遊ばない訳がないか(笑)。
ブルーの須永くん、これまで見てるのは確かでどこで見たのか思い出せなかったんだけど、壊れかけの恋唄と愛しのダンスマスター(たぶん再演)か!!!
個人的には、ブルーとピンクの関係性が好み。あと、突然饒舌になったときの喋りがいいね。

モマの火星探検記

モマの火星探検記

少年社中

天王洲 銀河劇場(東京都)

2017/08/09 (水) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★★

目の前に広がる一面のきらめく宇宙空間。憧れと生活、真逆の軸がどう結び付くのか、その道筋が見事だったこと。宇宙飛行士達が逞しかったこと。ユーリが、ユーリとして生きていたこと。何度も胸が熱くなって、涙して、笑って。幸せな空間でした。

openingの全員が順に登場してくるシーン(開始2分とか?)で、宇宙飛行士が次々出てきて、ちえさんがポーズ決めた瞬間で涙腺崩壊だったんだよね。自分でも早っ!て思ったけど。夢が叶う瞬間を垣間見たような気がして。宇宙兄弟を先に観てるからかもしれないけど。
プリステしかり、openingから泣ける作品はハズレが無くて、演出家ってすげーーーーーなーーーー、って思うのです。
人を殺しそうな視線が多い谷口さんが、優しい目をして会話をするのが、最高に温かくて、胸が熱くなる。こういうまさしさんも観たかったから、幸せ。カテコの並びも前後なの、いいよねぇ。
いちばん楽しみにしていたのが生駒ちゃん。めっちゃ役者だった。似合ってたという評価じゃなくて、生駒ちゃんではなくユーリがいた。
井俣さんとのやりとりがすごく自然で、息が合ってて、感情がそのまま出てた気がする。

社中の舞台は、衣装が最高にかっこよくてかわいいんだけど、今回も最高!!!子供達の可愛さも、ロボ達のメカさも、宇宙服のかっこよさも、舞台でしか観られないのが勿体ないほど。
舞台衣装の写真も販売したらいいのに。でも劇場に来た人だけって優越感も捨てがたい(笑)

あとね、こんなにドラマチックな脚本で、見所もたくさんあって、泣いたり笑ったりするのに、

二時間

なんだよ。
そこに納めるってすごく大変な作業で、なくなった台詞もきっとある。でも、このサイズにしてくれて嬉しかったし、意味があると思ってる。

家族百景

家族百景

七味の一味

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2017/07/14 (金) ~ 2017/07/17 (月)公演終了

満足度★★★★

家族百景 SP版。
私個人は、どちらかというと”家族”というものに縁が薄い方だから、共感を持って見た部分は多くないけれど、それでも胸がギュッとなるシーンがたくさんあって、笑えるところもちゃんとあって、家族っていいなぁと思うのでした。

GLAYの曲だと、
Father & Son
Precious
SAYYOURDREAM
lifetime
だなぁって、SUMMERDELICSを聞きながら思ったのでした。

平台で組まれた剥き出しのステージで、箱馬だけを使って、30人以上の役者が人生を紡ぐ。家族のいろんな景色を形にする。それほどマイムって感じじゃないんだけど、ちゃんと見える。脚本の妙であり演出の妙だなぁ。
30人超えって、役者居過ぎじゃね?って思っていたけど、必要な人数だった。
たくさんいるからこそ、見せられるリアルがあった。

SP版気に入った登場人物を何人か。
紅葉1の前原さん。かわいい。おちゃめ感とでもいうのか、愛嬌満点。光郎2&紅葉2、最大×最小かな?落差萌え。あ、通常版だとここが1?光郎4、凛太郎さんのがっつりコメディ枠は深いね。表面だけじゃやれない役柄。バク袖も思い出す。
光郎6&紅葉6、沙予さんの押し引きが絶妙で、そこに吹上さんの適確な答えが乗っていく。夫婦ってこうなのかもねっていうリアルが垣間見えて、一番刺さった。
遼の函波さん、場面で目の色が変わる印象。このタイプ好き。
モノトーンズ亜音しゃん。自由で生き生きしてた!笑顔がキラキラにまーっ!
日替わりネタ、 「ぞ」で始まるあいうえお作文って、鬼だな(笑)!

通常版とSP版の両方を見ることができた #家族百景 だけど、配役が変わってすごく見え方が違っていたのに物語の印象が変わらなかった。上手く言葉にできないのだけど…。泣くとこ同じだったんよ。やっぱり脚本がしっかりしてるのかなぁ。役者の力量も平均点以上だったよなぁ。素敵な一味だったなぁ
仁美おかーちゃん、いや、仁美総長役の亜音しゃん。
夜露死苦!って勢いなのに、めっちゃ悦郎命でラブラブで可愛かったんや…。
そして、立派に”母親”になってて、視線が優しかったよ。
いい作品を見るといい役者を発掘できる法則。 家族百景 で一番の収穫は、函波窓 @kannami_mado くんかな。
今日の通常版を見ても、こいつやるな…!感が。調べてみたら団体主宰で作・演もやってるとか、才能溢れすぎでしょ…。

ヒロシマの孫たち

ヒロシマの孫たち

NPO法人子どもコミュニティネットひろしま

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2017/08/10 (木) ~ 2017/08/11 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/08/10 (木) 19:00

価格1,500円

広島にずっと住んでるわけで、8月にはこういった舞台を観て、
自分の居場所を確認しとかないといけないのかなと思います。

過去の体験から立ち上がった舞台を観ながら
当時、生きていた人たち、思いををリアルに肌で感じ
自分の中で、過去を再度見つめる作業。。
観劇というよりそんな感じになってるのかなと思います。

チケット代は前売りです。

バルバトス

バルバトス

TABACCHI

小劇場B1(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

開場前に長蛇の列で、満席の賑わい。タイトルからは気づかなかったけれど、大好きな某戯曲だった。アレをこのサイズの劇場で上演する挑戦を見届けた。
これから観る人は絶対に上着か羽織るものを持つことをオススメします。

東おんなに京おんな

東おんなに京おんな

演劇ユニット体温

広島市南区民文化センター スタジオ(広島県)

2017/07/28 (金) ~ 2017/07/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/07/28 (金) 19:00

価格2,000円

劇的な事件が起きるわけでもなく、
穏やかに時間は流れてゆくのですが
親子ほど近くなく、他人ほど離れてない
主人公女性ふたりの微妙な関係の中での心の機微を
うまく描いてたと思いますし良かったです。
恵南さんはかなり年齢が上の役を演じてたんだろうなと思いますが、
とても役にぴったりでした。

チケット代は早割りなのですが、
こういうシステムは助かります。

まいっちんぐマチコ先生

まいっちんぐマチコ先生

舞台版まいっちんぐマチコ先生実行委員会

ブディストホール(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/08/18 (金) 14:00

いやぁ〜、とにかく楽しくて、夏休みらしい舞台でした!外のお天気は関係ないですね。そう言えば、臨海学校って良く雨になりませんでした?『まいっちんぐ台』も素晴らしい出来でしたね!(笑)
とても賑やかで、臨海学校らしい舞台でした♪夏休みの思い出、ありがとう!絵日記に書かなきゃ^_^

秋心SUMMER

秋心SUMMER

宰団紡人企画

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

非常に緻密かつ自然に流れるお芝居です。このお芝居、観客は「普段」とは違う目線でそれぞれのやりとりを眺めます。「エクストラで良いから反対の目線で観たい!」そう思わせるくらいに、演出家の意図、役者さんの技量が上手く絡まり合っています。劇場はコロシアム型(?)で、正に全体を俯瞰で見下ろせます。この一年で一番良かったお芝居です!٩(◜ᴗ◝ )۶

PTA

PTA

ホチキス

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★★

登場人物(職業)に配役に舞台セットにストーリーとよく考えられた作品。
2時間10分の公演でしたが、笑わせるところがたくさんあり、とても楽しく観覧することができました。
超満員のお客様。

アラタ~ALATA~

アラタ~ALATA~

スタジオアルタ

オルタナティブシアター(東京都)

2017/07/07 (金) ~ 2017/12/23 (土)公演終了

満足度★★★★

先週、豊洲の「髑髏城の7人(鳥)」に行ってきた。
今週は吸い寄せられるようにこちらの「アラタ」を見たが両者には誰かの仕掛けかと思わせるような興味深い対比がある。
1.どちらもできたばかりの劇場である。
しかし東京のど真中のビルと原っぱの一軒家の違いは、終演後に行き場所がたくさんあるところと、ゆりかもめに乗るしかないところの違いとなって現れる。
逆に豊洲はあれだけの感動的な大仕掛けを作ることができたが有楽町は制約が多く吊りワイヤーとかプロジェクションマッピングなどの小技にとどまっている。
2.どちらも時代劇である。もっとも「アラタ」は現代の場面もあってそこで繰り広げられるダンスも売りの一つである。ダンス好きの私はもっと長くやってほしいのだがバランスを考えるとこんなものだろう。できればこちらの衣装にもお金をかけてほしいと感じた。
3.どちらも早乙女兄弟が主役(の一人)を張っている。妖艶な兄と凛とした弟、兄の柔剛緩急自在の剣さばきは驚くばかりだが弟の求道的な動きも美しい。
4.「アラタ」は“ノンバーバル”ということでせりふはほとんどない。
あってもマイクはなく役者は普通にしゃべっているだけで後方の席に聞こえないことは想定内であろう。
一方「髑髏城」は“いのうえ歌舞伎”とも称されるように言葉に気合が入りっぱなしだ。
ノンバーバルの利点は日本人以外にもわかることである。実際、多くの外国の方をお見掛けした。
しかし最大の欠点は俳優の発した声が観客の魂を直接揺さぶるという重要な働きを放棄していることである。観客席との一体感を得るには何か仕掛けが必要だろう。
終わってから開演前の伝統芸能と前説が一部その役目を担っていたことに気づいた。
それなら重要なアイテム(鼓など)を使うべきだ。「ああ、あれさっきの鼓」と親近感が湧く。
5.俳優はオール若者とベテラン主体の違いがあって、何をやっても客が喜んでくれる「髑髏城」に対して、ちょっとのミスで白けてしまう「アラタ」は本当に大変だ。もっとも豊洲の松雪泰子は少しのミスもない最高の演技だった!
こちらでは玉野尾がEndingで面を取ると実にチャーミングであった。面をしなければ悪役に見えないとはいうものの、ああ、もったいない。
6.「アラタ」は70分で休憩なし、「髑髏城」は休憩20分を含んで3時間半近く。
70分はさすがに短いがこのまま延ばされても飽きるだけであろう。斬新なアイディアがほしいところだ。
7.すっかり完成してバリエーションで勝負する「髑髏城」とゼロから不可能ごとに挑戦中の「アラタ」、両者は真逆の立ち位置にいる。「安定を取るか革新を取るかそれはあなたの生き様次第だ」と言ってはちょっと大げさだけどね。

最後に「髑髏城」はいろいろな意味で必見であるが、いかんせんチケットが取れない。
こちらの「アラタ」は日によっては中央最前列が空いている。
皮肉に聞こえたかもしれないが、舞台が近いので手が届くほどのところで繰り広げられるチャンバラとダンスを心行くまで楽しむことができる。
*ただし、前方の席には空中のアクションやイリュージョンを十分楽しむことができないという大きな欠点がある。皆が避けることには理由があるのだ。
採点は将来性込みで4つ。

鎌塚氏、腹におさめる

鎌塚氏、腹におさめる

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2017/08/05 (土) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/08/08 (火)

面白かったぁ。毎回見続けているけど、鎌塚アカシさんに釘付けです(笑)
チタルちゃんがお人形さんみたいに完璧で面白かった。
ヤサブロウさんがかっこよくって…
スミキチとアカシのやり取りはもうたまりません~!!
次も待っています。

8人だけ〜

8人だけ〜

劇団ダブルデック

d-倉庫(東京都)

2017/08/10 (木) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★★

カブいた動きで要所要所で笑わされました。いつもながら、エンタメ的に楽しめながらテーマも伝わり、ラストも心に残りました。

ネタバレBOX

地元から都心へ出てきた身として、今回の話は感じるところがありました。スーパーウーマンと老人のつながりに多少気がついていながらも、ラスト明らかになるところはその後が気になってしまいました。
フィクション・モテギモテオ

フィクション・モテギモテオ

ライオン・パーマ

駅前劇場(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

自分の拝見した回は満席であったが、昨夜時点で日曜日に未だ若干残席があるとのことであった。問い合わせてみることをお勧めする。観劇すれば芝居の醍醐味を満喫できるであろう。

ネタバレBOX

先ず、テーマを恋愛にしたのが、今作成功の秘密だろう。この問題、如何にDNAに命じられた行動・欲求とは言え、性差ある生物には死活問題であり、本能の衝動そのものであり、つまりは普遍的なテーマであるからだ。流行歌でも何でも兎に角、人口に膾炙する音楽一般の殆どは恋に関するものであるという単純な事実一つみても、このことは納得がゆくであろう。貴賤の区別も貧富の差もまして性差も知的優劣の差もない、我ら生き物の本質的衝動なのだ、ということを改めて思い知らせてくれる傑作。
 喜劇なので、必然的に順当な切り口はしていない。本能を逆手から切り込んでくる。モテない、それも半端でなくモテないタイプが主人公なのである。で、であるからこそ、その本能的欲求は極点に達しており、純化されている。喜劇の面白さに矢張り誰かが誰かをからかうという視座がある訳であるが、演劇における喜劇が成立するのは、舞台上で役者達が歌舞いている造形を観客がからかいの目で見ているという構図が成り立つだろう。今作は、この歌舞き(歌舞くという動詞から生まれた名詞)が、箍外し、大小様々などんでん返し(観客の読みを更に先読みして、ひっくり返す極めて知的な展開)などを、実にバランスよく、見事なキャスティングと演出、シナリオの完成度の高さ、それを具現化する役者陣の演技によって提示して見せた。
雨季

雨季

演劇ユニットG.com

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

 先ず舞台設定がユニークだ。通常、舞台への入り口となる両開きのドアが、そのまま舞台にも用いられる。従って観客席は通常とは真逆の位置に設えられ、ロビーもまた、舞台となっているのだ。

ネタバレBOX

而も2階位置にある渡り廊下も、舞台として用いられている。この渡り廊下に留められた長短様々な角材が、音楽的なリズムを感じさせるような配置で設えられている。床まで届く角材もあれば、短いものもあるのだが、そうして作られた空間に、様々なセットが収められている。下手には、ホテルの応接セット、正面奥にはバーカウンターに椅子、そして上手壁際にはベッドである。出捌け口は、右コーナー奥と、通常ロビーと劇場を隔てる両開きのドアである。
 さて、時代背景は、スターリンからフルシュチョフ辺りまでのソ連であることが、容易に想像される。というのも、原作はA&Bストルガツキイの「みにくい白鳥」だからだ。作家は、下手をすればラーゲリ送りになることを常に意識しながら今作を書いていることは明らかである。(この辺りの事情を文学で知りたければソルジェニー・ツインの「収容所列島」辺りを読んでみると良い。スターリンの暴政についてはもう散々報じられているからいくらでも資料はあろう。)
 ところで、このような歴史的背景を知って今作を観るのと、そのような前提なしに観るのとでは、無論、解釈が大きく変わる。否、この前提なしに観れば意味不明な箇所や、読み違えがたくさん出てくるであろうことは容易に想像がつく。無論、そのような読み違いを含めて解釈されることが、芸術作品が生き残るたった一つの道であることは重々承知しているが、自分が生きた時代の生々しい知識のリアリティーを持つ世代とそうでない世代とでは、自然解釈に大きな隔たりは出てくる作品ではあろう。
 作る側も当然、その辺りのことは意識しているから、余り露骨にそれを出すことはしていない。一種の寓話として描いている、と言った方が適当だろう。ロシア語はからっきしダメなのだが、恐らく原文でもそのように描かれているのではないか、とは思う。世界観としては、オーウェルの「1984年」の世界を想像してみると良い。
 以上に挙げたような前提を満たすと、今作の傾向は、怖い作品ということになろうか? 無論、幽霊や怪物のような、異界の者が登場する怖さではない。現実の政治が人々に対して行使する権力によるリアルな恐怖である。そして肝心なことは、現在着々と、この極東の「小国」でも、この事態が進行していることであり、理不尽で何らの戦略・戦術・地政学的見識・人倫・判断力も持たぬ下司が、この「国」の支配者として君臨し、この国の針路を誤らせようとしていることである。その先にどんな世界が待っているか? 今作を他山の石としたい。
雨季

雨季

演劇ユニットG.com

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★

芝居が終わった直後の暗闇の中 何故か見上げた天井が小宇宙のように見えた。芝居の意図を読み解くことは出来なかったが古い星は消滅し新しい星が誕生するかのようだった。雨男が教祖で子供たちは洗脳されたどこかの教団のような感じも受けた。休憩中も降り続いた雨音と照明が効果的だった。ただ あの内容で2時間半はちょっと長いな~

第23回稚魚の会・歌舞伎会合同公演

第23回稚魚の会・歌舞伎会合同公演

国立劇場

国立劇場 小劇場(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

夏恒例の催しである。いずれは笑也のように大成するかもしれない若者と、終生歌舞伎の世界で脇役や裏方など何ほどかの仕事をしながら支えるものがまじりあって、一つの舞台を踏む。学校演劇のような青春が商業伝統演劇の中にもあることが楽しいのである。ここでご贔屓になって生涯つきあったりすれば面白い人生の彩になるかもしれない、などと思うのは観客のロマンでもある。
舞台の成果は勉強会なのだから云々するのは野暮でやめるが、演目には疑問がある。一つ目の「番町皿屋敷」はもう大正になってからの新歌舞伎で、こういう作品なら今後いつでも学べるし、新しい工夫を持ち込める。ここでやるのはどうだろうか。歌舞伎でも最近は近代劇的にやるのが多くなっている由(渡辺保さんによる)でそれももっともだが、そうなればここでやる意味はない。今回の公演は、結構古めかしい演出で、見得も台詞も形を作ろうとしていたが、それはどういうことなんだろう。二つめの「紅翫」は字を出すだけでもパソコンで苦労する(翫)ほどだから十分古典であろうが、舞踊の会の最後で見せられる総踊りみたいで、玉石混交の御稽古の成果を拝見した感じ。歌舞伎を志す若者もこの頃はすっかりジャニーズ風になっている。現代的な体型の若者が多く今はそれを隠そうとしない。芝居は今のものだから、それでもいいのだが、いずれ大歌舞伎で畳の上や御殿をやるときの立ち居振る舞い大丈夫だろうか、と気がかりになる。そう言う伝統演劇の基本演技はこういう所で叩き込まないと。板の上に出てからでは遅いのである。
最後は「引窓」。やっと伝統演劇になる。曲輪日記はずいぶん無理な筋立ての芝居と思うが、この親子兄弟の情愛を何とか客に納得させてしまうのが古典の力と言うものだろう。無理な筋立てだから、ハラで押し切らなければ進めないところも多く、こういう会の演目としては荷がおもすぎたかと思わないでもない。ずっと説明的で近代的な皿屋敷の播磨が、菊を成敗しようと気持ちを変えるところもできていない(橋吾は全体としては柄も芝居もいいのだが)のだから「引窓」は親子兄弟ながら戯曲の説明だけでは難しい・今回の芝居二演目ともわかりやすそうだが、そもそもが無理難題なのだから、伝統演劇の形にハマってようやく成立する。そこのところの覚悟があやふやな感じがした。
などと老人の繰り言だが、劇場は大入り、カップルで見に来ている若い観客も多く、時に転寝をしながら楽しい夏の午後を過ごした。

解散

解散

江古田のガールズ

サンモールスタジオ(東京都)

2017/08/12 (土) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

初、江古田girls イン・サンモール。意外やまともに演劇である、という印象。勝手な予想と違ったというだけの事だが・・。
荒唐無稽さや笑いへの貪欲も、劇団員(今回は二名が中心的役で登場)のエンジン全開で自在な立ち回りが幻灯機の光源のような按配に周囲を照り映して、ある「信じられる」世界が構築され、周囲の俳優も皆、「演技」的に(主に笑いに向けて)全力で表現に勤しんでいた。表現アスリートといったところ。
俳優の技術レベルが予想外であったことと、若さ、輝き(年寄り臭いが・・)を引き出しそれをフル活用した躍動的ステージは成功と言えよう。
このステージが、江古田のガールズのスタンダードであるかどうか、そこは判らないが・・共通していそうなのは、細かな粉末のようにまぶされたチョイ毒ありの<笑>のネタで、またいつか味わってみたいと思わせた。テンション高し!

ナイゲン(2017年版)

ナイゲン(2017年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/08/11 (金) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★★

評判を呼んでいるだけの事はあり、再演が重ねられたからこそ観られた「会議もの」劇の感想。
我々が直面しがちな「選択における葛藤」が、ナイゲンという会議で制限時間を使い切る迂回の仕方でフルに展開。高校生の設定ならでは、と言える子供っぽい反応な部分も含めて、「あり得る」展開のその結末は・・。
一言で言えば、結末よりは「ちゃんと会議してる」事に溜飲が下がる。皆がクラスを代表している事情もあって、エゴ、いい加減な論理、無節操、付和雷同なんでもござれだが、それでも「この結末だから」でなく、やはり「結論を出すために頑張っている」プロセスに注目させられ、「一件落着」を望みつつも、私などは会議やってるよ高校生が・・と、会議礼賛派であるこの芝居には手放しに一票である。

ネタバレBOX

「会議」が必要である事情はこうだ。
毎年生徒の自主運営にゆだねている文化祭を話し合う会議(内部限定会議略してナイゲン=このネーミングは実体験を想像させる・・作者のオリジナルだとすればセンスだ)に持ち上がったのは、学校が教育委員会の要求を入れてしまった「マスコットキャラクター付の節電キャンペーン」を、やらなければ「公開」を認めない(外部の人間を招べない)という条件で強要してきた案件である。
前段、学校側の主張がおかしいと正論を力強く発言する三年のクラス代表がいる。ちなみにクラス数は全学年とも3クラス、従ってクラス代表は9名、加えて議長席の並びには監査(規約に則っているかチェックする)、文化副(文化祭を進める立場として文化委員会?から参加)、文化書記(同じくその補佐で書記)が一列に座る。計13名の内、学校側の姿勢を糾す意見を吐くのは、その3年男子と、問題の所在は理解するが「それを主張する事の無意味さ」をこぼす3年男子。しかし「現実を見よ」という論調が、浜辺の砂を洗う波みたく「原則論」を洗い流そうとし、それに抗して声を荒げるという場面が序盤にある。
やがて、「まあ冷静に」「一人ずつ意見を確認していこう」と一旦落ち着くが、その局面で「世論」を巧みに誘導して行く「うまく立ち回る」人間が登場し、論点が完全に「どのクラスが担当するのが相応しいか」に移行してしまう。
この論点追求に端を発し、エゴの、エゴによる、エゴのための議論と主張、無節操な投票行動を見せていく。
進行としては、最初に槍玉に挙げられた「残す価値の低い」と思われる企画が、その場での投票という難を逃れ、すべての企画を一つずつ検証して行くべきだという事になり、検証の的が移り変わるたびに予期せぬ問題が持ち上がり(極めつきは同席していた2年男子がその彼女=文化書記に黙って文化副と浮気をした、しないのくだり)、一通り企画の中身を飽きさせることなく俎上にあげるという点がうまい。
そしてこの伏線が結末への追い込みの展開に効いてくる。

正反合(アウフヘーベン)ではないが、理想・理念(それを追求して学校側の要求をハネれば友達や家族を呼べる文化祭はできなくなる)と、受け入れるしかないと見えた現実(ダサいキャンペーンを誰かがやる)との二者択一が、最後に至って、理念に反さずに現実を受け入れる知恵を出し合う展開となる。
私はこれをポジティブ志向と括り、「もし、そんな工夫が浮かばなかったり、工夫の余地のない現実だった場合、どうするの?」と、冷めた頭を保とうとする。さてこのあたりから少し難癖が出始める。

問題の所在は、「学校側が、自主性を重んじていた文化祭に首を突っ込んできた」事にある。自主性=尊い、という価値観が共有されていない場合、ここでの理想は弱いものになる。だが、自主性はすばらしいという一つの(恐らくは経験的につかまえ得た)価値観を基準にするなら、学校側の態度は「暴挙」に等しい。それに抗しようともせず、最初から「あきらめて」いる者たちが9割である高校生ってのも、それが現実でもあろうが、この「たかだか3年の学校生活で本気とかマジうぜえ」といった倦怠をこの芝居の基調にしているとは思えない(単純に面白い議論劇が書かれたのだ)。そして「自主性」を疎んじる感性は「自己責任」を無限大に課せられる社会にフィットしない気がする。高校生事情を私はよく知らないが。(ある私学の事情を聞けば、逆に自主性尊重の方へ舵が切られ過ぎ、放任主義の弊害が出ているとか。。)
・・そんなあれこれを思いながら、最後に残った男子が交わす会話の中に、真摯に「原則」を大事にしようとする心が観え、そのことには溜飲を下げた。結局のところ、彼らは学校に「負けた」。やりたくもないものを「やりたいこと」にできる「可能性」を追及したに過ぎないという自嘲が台詞にも出ていたが、改めてこう思い直すのが正しい。
この芝居は「学校と闘わずして負けた不戦敗を、主観的には負けてないつもりになれる道を探り当てた(当てようとした)物語」である。
恒例として演劇をやる3年の、そのクラスが上演許可申請の不備のため、最終的に担当に決まったが、キャンペーン行動を挿入した面白い劇に作り変える動機は、当人にあるのかどうか、「微妙」な終わりにもしてある。
きちんと自己批評を織り込んだ脚本ではあるが、最初に抗議する3年と、それに反対する3年の後者が言うありがちな台詞が、私にとっては最初のボタンの掛け違いだ。
「だってあの時も、みんなついて来なかったじゃないか(だからそんな正論を主張しても仕方ない)」・・これは、正当に主張すべきことを主張しても誰もついて来なかった過去のナイゲンを思い出し、その敗北=周囲の無理解を今回の案件にも当てはめようとする言動だ。しかも皆の意見が出揃わない前に、このことを抗議する本人に言うのだ。この言動は、「本当はいやだ」と思っている人間のものではない。最初から消極的な人間。ドラマの展開にはよくこういう「神経過敏なの、許して」的存在が、ドラマを「正当な方向」に進ませず、イライラさせる。だが事の本質はそういうことで、相手のこの態度は、爽快なラストではすでに無かったようになっていたが、「主張した」3年男子は、その事を一言、相手に言いたかったはずだ。
今回の脚本の設定では、やりたくない事を、たとえ1クラスの犠牲とは言ってもやらせようと言うのだから、普通は頭にくるし、通らない。ならば思いは共通していることがすぐに知れ、団結できたはずだが、「神経過敏」ちゃんの企んだかのような巧まざる誘導で霧散した、とまあ見ることができる。
そもそも「要求をのまなければ「公開」は許可しない」という脅しは正当性が薄く、できる高校生なら逆に教師を言葉で吊るし上げに出来る論理の弱さがある。
「自主」という理念が形骸化している事の倦みを高校生らが体現しているのだと解釈しても、文化祭はやりたい訳である。純粋にやりたいことをやる、という事がやれる風土というのは、管理されることに慣れたような校内環境では作れないものだ。
「やりたいことをやれる」喜びを知っているなら、その事を制限されることに本気で怒ることができるはず・・・という、最初のハードルさえ越えれば、大変面白い出し物ではある。役者の技量と「ハマリ度」の総和のクオリティは高いと思う。本人たちの自覚は、あまりなさそうではあったが。。

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