最新の観てきた!クチコミ一覧

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月雪の娘

月雪の娘

ムーンビームマシン

HEP HALL(大阪府)

2017/09/15 (金) ~ 2017/09/17 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/09/16 (土)

二人の【雪女】がとにかく素敵です☆Sarahaさんの「妖艶さ」と戸田麻依子さんの「いたいけさ」が絶妙のバランスで舞台を彩ってました☆が故に二人の見せ場が思ったより少なく感じたのも事実で、二人の雪女にもっと特化した作品が観たかったのが正直な感想です♪二人のデュオのシーンなんか本当に素晴らしくあの歌声聴くだけでも観に行く価値ある作品やと思います☆
そしてムーンビームマシン10周年おめでとうございます!これからも素敵なお芝居で演劇ファンを魅了して下さいm(__)m

〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』

〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/09/15 (金) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

観終わったあと、正直言ってとても疲れた。けど、しこたまアトラクションに乗って遊び尽くした帰りように「はしゃぎ疲れた」という感じで、いいぐったり感だった。

後半部分に関しては演劇でもなければコメディでもない。まるで、全員が屁理屈を使って殴り合う乱闘状態。「なんだこれは…」と思いながらも、目の前で繰り広げられている白熱した謎議論から目が離せず、夢中で笑ってしまう。
その議論の内容も本当に意味不明で、正しく「怒涛の伏線回収」そのもの。とんでもないタイトルがそのまま文字通りの作品になっていて、看板に偽りなし。

というか、この「伏線回収モード」になる前は普通によく出来た会議コメディになっていて、そのまま終わっても十分に満足出来るものだったはず。
そのことを観終わった直後は忘れてしまう程、後半部分のインパクトが強烈過ぎた。

「七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン」を観て以降、シチュエーションコメディを素直に楽しむことが出来なくなったのと同様に、普通の伏線回収では高揚出来ない身体になってしまった気がする。この罪は重い。けど、確かに伏線回収は楽しい。
是非、もっと多くの人に「伏線回収ジャンキー」に陥ってもらいたいです。

今、心が折れないための俺のやり方

今、心が折れないための俺のやり方

crashrush

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2017/09/16 (土) ~ 2017/09/17 (日)公演終了

満足度★★★★

前向きに生きていこう!
そんな風になれる二時間だった!
マニアックな所チクリと突いてきて楽しかった。

【第29回池袋演劇祭「大賞」受賞作品】成り果て

【第29回池袋演劇祭「大賞」受賞作品】成り果て

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

将棋の世界のお話しでした。本格的な内容で、舞台もしっかりしてて、とても面白かったです。小さい頃、好きだった将棋を、久々にまたやってみたくなりました。相手はコンピュータではなく、やはり人がいいですね
開演前講座のやり取りも面白かった

江戸川乱歩傑作シリーズ 恐怖王

江戸川乱歩傑作シリーズ 恐怖王

ミステリー専門劇団 回路R

北池袋 新生館シアター(東京都)

2017/09/15 (金) ~ 2017/09/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

江戸川乱歩の本は子供のころ夢中で読んだことがありとても楽しみにして出かけました。芝居が始まり2時間。謎解きに夢中で参加しました。小さな劇場で話も二転三転し目が離せません。明智小五郎役の俳優さんもとてもイケメンで役にぴったりでした。人間椅子の話も面白く久しぶりに良い芝居に巡り合えました。

笑顔。(すまいる)

笑顔。(すまいる)

劇団光希

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/09/06 (水) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

「子供叱るな いつか来た道、年寄り笑うな いつか行く道」といった言葉があったと思うが、今の社会で大きな問題となっている事柄を家族の観点から捉えた秀作。一般的に高齢者が発症すると思われているが、公演では若くして発症したという設定で、観客に問題の広がりと深刻さを示す。現在は”痴呆”から”認知症”という病気であることが知られ、その行動・行為の特徴をうまく物語の中に溶け込ませている。だからこそ、観客の中には介護経験の過去記憶または現在進行における共感を呼び感動に浸ることができる。
(上演時間2時間)

ネタバレBOX

セットはしっかり作り込んでおり、場内に入ったとたん、そこはうどん処「たまや」の店内、という世界観が広がる。中央奥に厨房、上手側に上がり座敷、正面にテーブル席、カウンター席。下手側に出入り口、暖簾、そして外には簾が見える。他にも細々とした調度品が置かれ臨場感たっぷりである。
また、夏から冬への季節の移ろいを感じさせる衣装替は、時の流れを感じさせる見事な演出であった。

冒頭、映像で楽しい雰囲気を見せ、芝居へ引き込むという手馴れた演出。登山(弥勒山?)客がこの店の評判を聞き来店していることによって、店が繁盛していることが分かる。当日パンフでは、この店は東京から1時間ちょっとと書かれていたが…。その距離で”うどんで有名な街”は埼玉県加須市を思う。一方、弥勒(迦葉山)というと群馬県、そして水沢うどんを思い出す。細かいことであるが、この土地(地理)が気になったのは、後々、介護問題(経済面)で直面した時のことを考えると…。

店主で主人公の吉村アキ(音無ミ弥サン)は一人で子供4人を育ててきたが、長男を10年ほど前に交通事故で亡くす。今は二男と二女と一緒に店を切り盛りしているが、そんな中、若年性認知症になっていることが分かる。認知症の特徴である、人物・摂食・道順さらに公演では致命的な味覚の忘れが顕著になってくる。本人の健気さや不安が交錯する様子。一方それを見守る家族の心配や憂鬱も見えてくる。

公演は、認知症になった本人の視点から描いている。その気持を推し量るには、当事者のようにならないと難しい。一方、介護する家族の視点にすると、生活面はもちろん経済面にも負担が大きくなることが解る。人間ドラマか社会ドラマか、その視点の捉え方で観客(自分)の受容も違うように思う。いずれにしても、物語性は豊かで思わず感情移入する。そして認知症は家族だけではなく、ケアマネージャー等専門家や地域での支えも大切。公演では専門医の登場、近所の人達の温かい見守りとして描いている。そこにしっかり泣き笑いが織り込まれ感情が揺さぶられる。
自分でも肉親の介護を経験していることから、物語の内容は十分理解できるつもり。もっとも子供の視点であるが…。
豊かな情感をたたえていながらも、ノスタルジーや感傷に浸ることなく、力強く前向きな、そんな人間讃歌を思わせる。

卑小…先に記した土地のこと。東京への転勤(栄転?)の話があったが、介護のため転勤を諦めたようだ。1時間ちょっとの通勤時間であれば、今後の金銭面を考えれば通勤範囲のような気もする(公演では別の形で療養費が見込める)。

次回公演を楽しみにしております。
舞台「わたしたちのプロポーズ会議」

舞台「わたしたちのプロポーズ会議」

有限会社ギャビーオフィス

幡ヶ谷スペースGAMP(東京都)

2017/08/25 (金) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★

つっこみ所満載で非常に面白かったです。微妙な関係のカップルにおすすめ。

MUSICAL「WILDe BEAUTY」~オスカーワイルド、或いは幸せの王子~

MUSICAL「WILDe BEAUTY」~オスカーワイルド、或いは幸せの王子~

DIAMOND☆DOGS

天王洲 銀河劇場(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★

なかなかにユニ~クな感じの舞台でした
何というか・・ゴシック調のような印象で
ダンスに歌にと視覚・聴覚を刺激されたんだが・・
妙に微妙な感じが背後に潜んでるかなぁとおもえた2幕
15分の休憩挟んで2時間半もの長丁場でありました

ネタバレBOX

主人公ひとりではなく
精神面の主人公も出してのW主役体制!
これは珍しかったが
けっこう理解の追いつく感じが遅れてしまったコトもあり
なんとも微妙な雰囲気・・かなぁ と
しろつめくさ の、はなかんむり

しろつめくさ の、はなかんむり

teamキーチェーン

シアター711(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★

ホームレスを中心においた
関わる人々の行動や考え方をみせ
偽善とは・・と問いかける作品・・・であってるかな

う~ん 浅瀬でパチャパチャって感が拭えなかった90分の作品

ネタバレBOX

ホームレスへの配給が家畜の飼料ベースで体調を崩すものもいるが
それを食べないと餓死する状況だとか
人格者のようにみえて実は差別主義だった・・とか
結局暴力に訴えたり・とか
しゃべれない精神障害の男の子を中心にして
その子がつくるシロツメクサの花冠がタイトルとして象徴もしてるのだが
わざとらしく花輪とかを受け取ろうとしない演出などは
くどくて残念でした・・・受け取ってからゴミとして捨てるとか
の方をする人物がいても・・とか思えたですよ・・・
衝撃的な行動をする人物にしても
積み重ねた感情の伏線なども受け取れず
突然な行動としか映らず説得力も薄いなぁって思えたデス

ホームレスにしても ここにしか住めないとか
いろいろと事情のある説明とか・・観客に説得力を示して欲しかったなぁと
寒い時期なら暖かい日中に寝て夜は凍死しないように起きてるとか
ペットフードなら安く手に入るけど味が無いから・・とか
リアリティとかも もっと追求しての表現をして欲しかった
作中のホームレスさんアルミ缶も集めないし・・・ねぇ
それができない理由とかあれば・・とかも思ったですわ
AG+

AG+

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

nakano f(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/17 (日)公演終了

満足度

1階2階にと分けての座席があり
見方とかが異なる仕様でした・・・・
開演前にハーブ水の提供がありました・・が
ラー油を直前に摂取していて味覚わからず・・(ー_ー;)

作品は・・・あましようわからず・・・
女性の叫び声が耳に残った90分

ネタバレBOX

終演後に劇中で使用したケーキのご相伴にあずかった=甘かった・・が
作品は女性視点らしいが
夢か妄想か幻覚なのか・・・虚実の判別のつかない話でした
そこが狙いだったとしたら
自分には理解が追いつきませんでした・・・・
オカダスファミリーの一族

オカダスファミリーの一族

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2017/09/12 (火) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★

新宿・サンモールスタジオで上演されている東京アザラシ団の『オカダスファミリーの一族』初日を観に行った。特に知人が出ている訳でもなく、入手したチラシに興味を持って観に行くようになった劇団。今回が3回目の鑑賞となる。基本、一言で劇団の特徴を言うならば「泣けるコメディ」を見せてくれると言うことだろう。

ネタバレBOX

今回は、女で一つで5人の姉妹を育てながら、美味しい豆腐を売って巨大な時を築いたらしい岡田商店の社長・さちの急死を受け、残された5姉妹を中心に残された遺産相続を巡るドタバタ劇。社長夫人、放送作家、世界を飛び回る写真家、岡田商店の跡取り、そして現役大学生という5姉妹が、均等に遺産を5等分するか自分1人で独り占めするか、その駆け引きの過程で大いに笑わせられるが、姉妹愛、母親への追憶のシーンで思わずウルウルさせたれる対比が上手い。現在の5姉妹のシーンの合間に演じられる幼い頃の母親と5姉妹の挿入シーンも上手くはまっていた。これは、母親役の根本こずえの力だろう。現在の5姉妹役を演じた目方、星野、那海、山岸、由楠の演技もなかなか楽しかった。結局、舞台は母親には財産の他に多額の借財もあったことや、単なる山と思っていた遺産の一つが家族の思い出に繋がる場所だったことが明らかになって姉妹愛が復活して愛でたし愛でたしとなるのだが、この話が実はあるお笑い芸人の書いた小説だったという最後のオチも構成としてはよく考えられていたのではないだろうか。
ちなみに、個人的にこの劇団で印象深い役者というのは目方聖子、小比賀治郎、渡辺シヴヲである。
また、今回は「鳥の首企画」を主宰している南条ジュンの生舞台初鑑賞でもあった。
SHERLOCKIAN Aの項目

SHERLOCKIAN Aの項目

Project S.H

ワーサルシアター(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★

超満員の観客席でした。色々なことが次から次に起こっていって、しかもちゃんと皆つながっている凝った脚本と謎解きでした。非常に楽しめる舞台でした。ただ大勢登場するので、登場人物の名前をちゃんと覚えていないとホームズたちが誰について話しているのか混乱するのが問題でした。

AG+

AG+

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

nakano f(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/17 (日)公演終了

満足度★★★★

2階席で観ました。分かりにくいと言えば確かに分かりにくい。でも面白い体験でした。

ネタバレBOX

階下から聞こえる声や音、階段での芝居(これは両階から見えるのでしょうか)、匂いや息づかいなど、変な言い方だけど生身のVRみたいな。
くちびるぱんつ/愛はタンパク質で育ってる

くちびるぱんつ/愛はタンパク質で育ってる

ぬいぐるみハンター

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2017/09/06 (水) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/09/09 (土)

価格5,000円

9月9日、14時半の「くちびるぱんつ」と17時半の「愛はタンパク質で育ってる」を5000円のセット券にて。

【くちびるぱんつ】
時間と空間のズーミング自在感がステキ。
すぐトナリで起きているようなことから宇宙の果てまで継ぎ目なく滑らかに繋がっている感覚にクラインの壷を連想したし、FUKAIPRODUCE羽衣の「瞬間光年」最初のエピソードに通ずるモノもあるような。
作品自体は初期感ありありながら照明や会場の使い方により充分イマのもの、みたいな。

【愛はタンパク質で育ってる】
これ、好きだわぁ、やっぱり。
が、初演時にオチのインパクトと言おうか「そういうことかぁ、ヤられたぁ!」と言おうかがあまりに強く、そこまでの内容をよく覚えていなかったことに気付く(爆)。かくて、「あー、そうだった」と思い出しながら観たのだった。
初演時は併走する複数のエピソードに戸惑ったというか共通点を探すというかでアタマの中が「?」マークに占められてしまい、終盤で真相(?)を察した時の衝撃と快感が印象的だったんだろうな。今回初見のお客さんにもそういう方が多かろう。
で、その強烈・衝撃的にして秀逸な落としどころを知った上で観るとなぜそういうキャラクターたちであるかとかところどころにあるヒントとかがよくワカるんだな。また観ることができてヨカッタ♪

なお、2作品ハシゴの場合、ロビーでも待たせていただけるというのがありがたい。

悪いけど芝居させてくだ祭

悪いけど芝居させてくだ祭

悪い芝居

浅草九劇(東京都)

2017/09/13 (水) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★

役者のルックスはいいと思います。
こういう作品が面白いと思える方向けの作品だと思います。
役者のファンでないと少し退屈してしまうかもしれません。

覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】

覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】

劇団ZTON

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

知っていると思っていた「三国志」の新しい見方ができた、作品だった。

知略・思慮・恋慕、ひととしてのあらゆる感情が渦巻き、豪快な殺陣と相まって、見応えのあるエンターテインメントに仕上がっていたと思う。

登場人物が、全員、魅力的で、特に、私が惹かれたのは司馬懿役の高瀬川さん。殺陣もかっこよく、時に男性より勇ましく、その中に包み込むように持っている、女性の繊細さと儚さを上手に表現していたと思う。

”アツイ”系の人物が多い中で、冷静で穏やかな程普役の山本さんにもグッときたし、吉久さんと加東さんの何故か”小物感”あふれる、でも、殺陣がかっこいいので、”やっぱり、かっこいいかも”となってしまう、アンバランスな感じなコンビも良かった。

躍動感あふれ機微に触れる思いのできる素敵な作品だった。

DOUBLE TOMORROW

DOUBLE TOMORROW

演劇集団円

吉祥寺シアター(東京都)

2017/09/08 (金) ~ 2017/09/17 (日)公演終了

満足度★★

これはストーリーのない実験的なパフォーマンスである。
とはいっても小劇団のアングラ芝居とはもちろん違う。
どの役者さんも面構え、身のこなし、声の張りから現役の第一線で活躍されている一流の方々であることはすぐにわかる。
奇妙な動作もしっかりした設定の下に行われていて乱れはない。

役者の皆さんは楽しそうである。
創造に参加し、普段から気になっていたエピソードや決めのポーズなどを入れてみたりしているのだろう。

しかし、基本的にこれは役者のためのものであって、観客を喜ばせるものではない。
観客は実験の目撃者であって、彼らが高みに上るための踏み台でもある。
楽しむとしても断片的に紡がれる場面で意外性に驚き、あるのかないのかわからない寓意を勝手に読み解くのがせいぜいであろう。

音楽でもスポーツでも、何でもやる側になって初めてわかることがたくさんある。
本作もそういうものの塊なのだろう。
今から役者になるわけにもいかないがそういう境地に近づいてみたいものだ。

ネタバレBOX

「説明」にある

「人生が〝二度の明日〟で出来ていて選択をやり直せるとしたらどう使うでしょう。
二度目のチャンスとしてその日を変えるか、歴史を修正して未来を良くするか」

などという内容はまったくない。このパフォーマンスを創作するときに最初に提示されたテーマだったかもしれないが出来上がったものには残っていない。
ミスリーディングである。
ここはちょっと怒っている。
しろつめくさ の、はなかんむり

しろつめくさ の、はなかんむり

teamキーチェーン

シアター711(東京都)

2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

 特異なタイトルに惹かれて観る気になったのだが、この直感は正しかった。同時にとても重い宿題を負わされることになったが、このような問い掛けこそ望む所である。花五つ☆

ネタバレBOX

 舞台は町中にある公園、ここには何人かの住所不定、無職の人々が暮らしている。1人はヒカルと呼ばれる若者。幼少の頃、母に捨てられ、以来この公園を根城に母の帰りを待っている精薄児で声が出せない。捨てられた時、母から貰った物が2つ。しろつめくさの花冠と四葉のクローバーである。それで、公園の片隅に咲くシロツメクサを摘んでは花冠を作り、戻ってきた母に捧げようとしているのだ。ここにそんなヒカルを庇いつつ生活をしている古くからの仲間が2人居る。独りはTVで大々的に報道されるような横領事件の主犯格、もう1人はかつてラグビーの花形選手としてもてはやされ、偶々起こした交通事故で他人を引き殺してしまった男。だが、ここに第3の仲間が現れる。親にも兄にも見捨てられ、最早帰る場所を失ってしまったと信じている若者である。世間は、彼らの事情も、一人一人が個性を持った人間であるという極めて当たり前の事実をも無視してホームレスと一つに括り、差別しても恬淡として恥じない。というのも差別する彼らにあるのは、働きもせず、社会のセーフティネットの善意に甘えて生き延びる屑だと決めつけているからである。だが、本当にそうだろうか? 無論、実際ホームレスの人々に心を開かせるのは難しい。彼らはなるべく目立たず、生きていきたいのだ。自分の調べた範囲で彼らの人となりを挙げれば、他人の連帯保証人になって全財産を失くした結果、家族を失くし失踪した者、犯罪歴が在る者、底辺労働者として働いてきたが、体を痛めて働くことができなくなったらお祓い箱にされた者、家族らの荷物として縁を切られた者など各々の事情は様々であるが、共通項が無い訳ではない。その共通項とは、一度は自殺しようと試みたことがあるということだ。だが、自殺に失敗したりいざその時になると、どういう訳か何かしたいことをして居なかったことに気付き、その小さな目標を果たす為に生きてみようとする。生き残った後は、一つの目標が叶えば次の目標を追いかけ、いつしか死のうとしたことを忘れて生き延びるに至ったという。(この部分は、今作に描かれた部分である)何れにせよ、彼らは傷つき、その傷の故に敏感であるが、その敏感に気付く一般人は少ない。そのことが差別に繋がることすら殆どの人々が知らないのが実情である。
 然し、今作で描かれるヒロイン役、すみれは珍しく被差別者の側に在って彼らの力になろうとする。すみれは結婚を控えており、ブライダルサロンも訪ね、挙式の段取りも着々と進めている最中で相手は企業の御曹司、シンジである。このシンジがすみれが浮かない様子なのを見て原因を確かめ、彼女がホームレスに出会った為に悩んでいることを知る。そして実際にホームレスの棲家である公園を訪れ彼らと話をし始めたのだが、シンジの地がバレてしまう。つまり差別者としての側面が露骨に表れてしまったのである。それまで同棲を始めていたすみれであったが、これを機に主治医の下に身を寄せることになり、ホームレス達と関わることも止めなかった。在る時、シンジが包丁を持って現れ、その包丁を意味の分からないヒカルに持たせる。ヒカルは訳も分からずキラキラする包丁を振り回していたが、そのシンジの行為を止めさせようとしたすみれと三つ巴にぶつかりあった時に包丁はすみれの体を貫いてしまった。出血して倒れ死にゆくすみれにホームレスたちの診療を無料でやっている地域の女医がヒカルに教えた言葉「だいじょうぶ」をヒカルが繰り返すうち、彼の口から音声が漏れる。母に捨てられて以来のトラウマによって発声を失っていた音声が、彼の精神の母、すみれの死を前に甦るのである。その有様を見ていたのは、新入りのホームレス塚本とシンジの知り合いソウタ。そして塚本は、ヒカルを庇う為、落ちた包丁を拾いしっかりと握りしめる。無論、彼は恐らくこのまま自首したのだろう。ヒカルが犯人とされても知的障害の顕著なことから罪には問われまい。
が、塚本は、それが分かった上で弱者であるヒカルを庇うことで自らの人間性に立脚した実存的アイデンティティーを獲得する為に敢えて地獄を引き受けたのである。シンジはフケ、ソウタもフケタ。ラストでは、ヒカルと元々のホームレス仲間が登場、ヒカルは相変わらず、シロツメクサで花冠を紡ぎ、一輪、折っては、他人に捧げる。シンジは、相かわらずエスタブリッシュメントとしての人生をのうのうと送っていることが、当然のこと乍ら示唆されている訳だ。これ以外にもサブプロットとして、ヒカルの本当の母親が、公園を何度も訪れ、ヒカルが花冠を捧げようとするシーンがあったり、母の連れ合いが警察に不審人物としてヒカルを拘留させたりで物語自体は膨らんでいたので、シンジによるこの救いようの無い欺瞞の現実は、示唆されるだけで終わっているのである。そして差別・被差別の重い宿題が観客に残されたという訳だ。シナリオ、演出、演技何れも気に入った。
売春捜査官

売春捜査官

稲村梓プロデュース

サンモールスタジオ(東京都)

2017/09/05 (火) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回も素晴らしい舞台、ありがとうございました。つかこうへいに、それほど詳しいわけではありません。
ですがやはり、「いつか公平」というのが氏の信念だったような気がします。

そして奇しくも、今回は同じ月に、ふたりの売春捜査官を見ることになりました。
それがかえって、稲村梓の木村伝兵衛のすごさを際立たせました。稲村伝兵衛の男言葉や乱暴な物言いには、男社会の差別と戦っている女の悲しみと矜持があふれ、
何度見ても、これこそ、つかこうへいだと、最後には涙が出てしまいます。

ともすると、無理に大声を発し、乱暴な態度をとってみせるだけの木村伝兵衛になりがちで、そこには単純な虚勢を感じ、僅かながら不快感が残ります。

しかし、稲村伝兵衛にはそれが全くない。あれは上滑りな虚勢では全くない。

だから、セリフの一つ一つが、しっかりとこちらへ届きます。

もちろん、稲村伝兵衛をめぐる人々の心の叫びも、毎回、きちんと伝わってきます。それもすごい。
今回は佐藤竜氏が出色でした。

ノー・サイド NO SIDE

ノー・サイド NO SIDE

トツゲキ倶楽部

小劇場 楽園(東京都)

2017/09/12 (火) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

満足度★★★★

3話オムニバス。
3話目が役者の巧さも話も好みでした。
繋がりかたが、濃くもなく薄くもなく、いい塩梅。

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