
ハッピータイム
バズサテライト!!
高田馬場ラビネスト(東京都)
2017/09/20 (水) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★
殆ど若い役者ばかりなので老け役に無理があるのだが、それをカバーするような演出が為されていない。にも拘わらず思わせぶりな仕草をさせるシーンが何か所もあってわざとらしさに白けてしまう。キャストを実年齢に近い役者が演じたら随分変わるだろうが。それが出来ないのであれば、アングラ演劇の発想を借りて誰にも分からないような演技をやらせる位のケレンが欲しい。
シナリオも練り方が足りない。地の科白で展開を説明するのではなく、観客が見て必然的にそうなる、哀しさや辛さ楽しさが分かるように書いて初めて良い脚本と言えるのではあるまいか? 合格点の演技を役者としてやっていたのは、唯一、旧執事マーガリ役だけである。
開演します、とのアナウンスがあってから5分近く始めないのはどうしたことか? これも興を削がれる原因になった。もぎりの向かい側の喫煙コーナーで「いらっしゃいませ」と声を掛けて来た人が2人居たが、それ以前はダべリングをしていて観客を迎える態度ではなかった。こういうおざなりが芝居にも出ていたという印象を持った。舞台を観る前から-点を付けられるようでは残念ではないのか?
芝居の総合評価は少しおまけをして☆3つだが、以上を勘案してここから-1の☆2つが総合評価である。未だ、芝居の巧拙以前に、キチンと論じて貰える段階に達していないということだ。

Shiro Doubles ~天草四郎にかかる霧~
劇団小豆組
広島市青少年センター・ホール(広島県)
2017/09/16 (土) ~ 2017/10/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
今回は初めて橋村さん演出ではなく、史郎さん演出の舞台!
いつもとの違いも感じながら、2時間どっぷり惹き込まれてきました。
静かに物語が始まり、そのまま進むのかと思いきや…舞台名物(?)冒頭の魅せ場!
とりとりはだはだ、とりとりはだはだ。
いつも終演後に冒頭の魅せ場をもう1回観たい!と思ってしまう。
それくらい魅力的な演出が求められる部分でもあるんだろうし、だからこそ毎回鳥肌モノの演出で魅せる小豆組さんは凄い。
全体としては淡々と物語が展開していった印象。
これは狙って演出がそうなのか脚本がそうなのかわからないけれど、自分は二の乱へのプロローグと受け止めた。
お話はわかりやすく面白く、登場人物はクセ(いい意味で)がある。
主人公は物語が進む中で少しずつ確固たる主人公となっていったように感じた。
とても、味わい深い舞台だった。
主人公の葛藤からの奮起。
奮起しても、なお葛藤。
どんな偉人とされているひとであっても、人間は等しくそうなのかもしれない。
いじらしく、痛々しく…だけど、美しかった。
そして、脇の存在感が憎たらしかった!
あまりに素敵で…ニクいっ(笑)
まず、朱里さん。
忍び。
不敵な笑みを浮かべたまま発する抑揚のない言葉と、その佇まいがたまらん。
終わりのほうで少し昂るシーンがあったのだけれど、そこまでの徹底した抑揚のなさ故に生々しい凄みを感じた。
一瞬だけだったのに、ゾクッとした。
最後まで魅惑的な存在感を、魅せつけられた。
次に、小桜さん。
遠く遠く過去となった人の想いびと、つまりファンタジーな存在。
幽霊って表現してしまうと…そうなんだけれどそうではない気がする。
すべての所作が美しかった。
話し方、歩き方、立ち方、傘の持ち方、目線、微笑…美しい、美しい!!!
照明も幻想的で、ほんのり切なくて、小桜さんの魅力をグッと惹き立てていた。
心のとこに、ふわっと纏わりついて離れない存在感だった。
小豆組さんの舞台は、観劇後しばらく続く余韻もまた魅力。
この感覚を、まだまだ堪能しつつ…
二の乱をたのしみにしています!

ニコニコさんが泣いた日
演劇企画ハッピー圏外
コフレリオ 新宿シアター(東京都)
2017/09/20 (水) ~ 2017/09/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
昨夜のプレビュー公演はOK! でもあくまでプレビューとしてですので、以下ネタバレで…(特に具体的なネタバレはないですけど)

ウロボロス
Straw&Berry
新宿眼科画廊(東京都)
2017/09/15 (金) ~ 2017/09/19 (火)公演終了

Regulation'sHigh
BLACK JAM
萬劇場(東京都)
2017/09/20 (水) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/09/21 (木) 19:00
率直にすごく良かった。レギハイ1st, 2nd共に見たが、今作が一番個人的には好きな作品だった。
期待を裏切らない熱い演技が、また見に行きたいという気持ちにさせてくれた。
!ll nut up famとはまた違った朱木雀空の作り出す世界も自分の期待以上だった。
BLOGにもTwitterにも今作はタオルが必要だ、と書いてあったが、タオルを持っていって良かった。あまり、自分は舞台を見て泣くことはないのだが、久しぶりに涙した。
思い出し泣きできるぐらいこの作品に感情がとても入った。そしてレギハイがよりお気に入りの作品になった。
何回も見にいく予定はなかったが、予定を調節してまた必ず見にいくことを決めた。次は違う席から、違う目線でこの作品を見る。

〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』
アガリスクエンターテイメント
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/09/15 (金) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/20 (水) 19:30
座席1階1列
Aga-risk Entertainment『〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』』新宿シアター・ミラクル
白熱の議論が面白すぎる密室会話劇(会議劇?)
ただ、その会議部分だけでも十二分に面白かったので、
タイトルにある伏線回収が逆に蛇足に感じてしまいました(^_^;)
そもそもこれ、伏線と言って良いのかしら?
あのスピード感を維持したまま2時間ノンストップなのが凄い。
特に飯田の長セリフ、早ゼリフにはただただ圧倒されました。

【第29回池袋演劇祭「大賞」受賞作品】成り果て
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/09/18 (月) 13:00
座席1階2列
ラビット番長『成り果て』シアターグリーン BOX in BOX THEATER
急遽予約を入れて楽日に滑り込みで観劇。
観られてほんとに良かった!と思える作品でした。
面白すぎて開演前から結びのシーンまで、全く集中力が途切れることなく観ることができました。
集中し過ぎて終演後には(心地よい)疲れを感じたほどです。
複数の登場人物にフォーカスを当てつつ、将棋を取り巻く問題やエピソードもふんだんに取り入れられていました。
そんな盛りだくさんな内容にも拘わらず破綻なく分かりやすいお話になっていて、
その構成力の高さに驚かされます。
将棋の世界に疎い私でも付いていけたので、詳しい人ならもっと楽しめたのかもしれません。
全編を通じて無駄な場面なんてないんじゃないか?と思えるほど密度の濃い内容でした。
終盤ではそれらのシーンの数々が頭を過ってこれでもかと涙を誘います。
そしてラストのAIとのバトルが熱かった!燃える展開で鳥肌全開でした!

幻の国
劇団昴
Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)
2017/09/12 (火) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★
古川健と言う作者が芝居を心得たうまい劇作家だということは、俳優座系、文学座系の二劇団の稽古場公演を、同じネタで(いい度胸だ)面白く見せてくれたことでよくわかった。ドイツを鏡にして、現代日本の状況を反面教師で見せるという趣向である。青年座の方は大衆扇動、こちら昴の方は市民社会の中の密告が主な素材で、要するにいろいろ大きな理想を掲げるが、全体主義の手法に騙されるな、と言う社会劇である。昭和前期の世代には、身に沁みた話ですぐに「大本営発表」と「隣組」が連想されるが、若い世代には目新しいだろう。こういう話を問題劇として面白くみせるのはいい企画だ。(だがここまでで充分だ)
ほめる人は多いだろうから、気が付いたところ。外国の話だから人物のパタン化は避けられないにしても、事件の方もパタン化している。観客との接点に乏しい。青年座の時と同じ感想だが、次は日本を舞台に書いてほしい。幕切れ、何かに感じが似ていると思ったら、「女の一生」の幕切れと同じではないか。カリドールを踊る代わりに、花火が上がる。こういうところは日本情緒で締めているわけだが、その辺をもう一つこの才能豊かな作者には工夫して欲しいところだ。
俳優はさすがに新劇系で、台詞は無難だが、ドイツの話と言うこともあってか、うごきに鮮やかさがない。舘田が目立つようではね。
老人の観客が多いせいか、トイレの時間が予定の休憩時間では間に合わず、間が抜けたのは、大当たりのご愛嬌と言ったところか(笑)

帰郷
劇団普通
スタジオ空洞(東京都)
2017/09/08 (金) ~ 2017/09/12 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/09/11 (月) 15:00
価格2,200円
一言で言えば「今様古典芸能」あるいは「枯山水演劇」。
あれこれ削ぎ落とされた上に時として感情さえも削ぎ落とされたかのように発せられる台詞群から成るのは水墨画かクロッキーのようで、いろんな余白を脳内で補いながら観る参加型(あるいは共犯型?(笑))演劇。
冒頭で客席下手横後方から演技エリアに登場する人物を筆頭に、能狂言的な様式美さえ感じられる動きも印象的で、さらに台詞のない時には舞台上方の空間に「シーン」という書き文字(しかも3DCG?(笑))が見えるよう。
何だろね、こういう体験はあまりできないぞ。
なお、舞台奥の壁全面が鏡というのは、対面客席に慣れた身であっても「自分が見える」ということからちょっと気後れ(笑)。逆に鏡に映った演者の姿を見ることもできて面白くはあるのだけれど。

ハッピータイム
バズサテライト!!
高田馬場ラビネスト(東京都)
2017/09/20 (水) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★
新人の舞台として見るならば、及第点。空回り、セリフ飛ばしもなんのその。若さと、怖いもの知らずのパワーで乗り切りました。未来の大女優が、大俳優がうまれるかな。毒の無い、しかし、寓話的な適度な距離感の脚本と、あくまでもオーソドックスで、敢えて冒険を抑えたきをてらわない心地よい演出で、若者を応援するところが好感がもてる。昼、夜で、二役を演じきった、原田は、ばけるかも。

Oh!!3
神田時来組
ART SPOT LADO(東京都)
2017/09/20 (水) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/09/20 (水) 19:00
いやぁ〜、こんな贅沢して良いんですか?
各劇団の座長さんと脚本、演出家3人のお芝居ですよ?マジでこんな贅沢して良いんですか?
もう、宝物みつけた感じですね!
神保町にはこんな宝物発見のチャンスが有るのですね!さすが古本街。オッさんたちは古いながら価値を高めていました!憧れますね^_^
数メートルで同じ空間、小劇場楽しませていただきました!もう一度行きたい!

【第29回池袋演劇祭「大賞」受賞作品】成り果て
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了
満足度★★★★★
笑えてジンときて、良かったです。将棋のルールが分からない私でも楽しめましたが、きっと将棋がわかったら、もっと楽しめたんだろうと思うシーンがいくつかありました。隣の席の人が笑ってるのをみてちょっとうらやましかったです。

アンサンブル
劇団ヨロタミ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2017/09/20 (水) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
初日、たった今観終わりました。なんだこれ面白すぎる、期待をはるかに上回るお芝居でした!まず気に入ったのはテンポの良さと全員のキャラクターが際立っていたこと、ストーリーも伏線だらけで幾つものストーリーが組み合わされていて、飽きることなく2時間を全く中だるみなく突っ走ってくれた爽快感、そして笑って泣けるハートフルコメディ満載の舞台でした。いやー面白かったです。初めての劇団さんでしたが、次回作がどうしても観たくなりました!楽しみです。
ps:前回の「代役」、気になったのですが観れませんでした。あー観ておけばもっと今回作を楽しめたなーと後悔しました!

〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』
アガリスクエンターテイメント
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/09/15 (金) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

すずめのなみだだん!
やみ・あがりシアター
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2017/09/06 (水) ~ 2017/09/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
開演前にも流れていたボブ・マーリーのget up stand upにこんな歌詞があった
「牧師よ、地面の下に天国あるなんていわないでくれ。」
こんな歌詞も
「われわれは神が人間だって知っている。」
まるでこの芝居ことを歌っているよう。
no woman, no cryの歌詞は
「女泣くな、女泣くな」(訳詩のまま)だし
案外こういったところから着想を得たのかも。
ところでミラーボールはなんで?

しろつめくさ の、はなかんむり
teamキーチェーン
シアター711(東京都)
2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了
満足度★★★★
終演(千穐楽)後、作・演出のAzuki女史から、この作品には粗筋がないと…。そして当日パンフにも「フライヤー、題名、「ありがとう ごめんなさい」の二言のみに作品の思いを込めました」とある。自分の感覚からすると「ごめんなさい ありがとう」と言った印象である。言葉とは不思議なもので、その並びによってイメージが違うように、物語の展開も同じではないだろうか。
「損得勘定」という言葉を聞くが、「損」は「得」よりも気持が後に引く。「得」はいつの間にかそれが当たり前になっている。公演も「笑い泣き」といったように、先に笑わせ弛緩させておき、泣きでギュと心を締め付ける感情で印象強くなる。主人公の生き様を考えると、「ごめんなさい ありがとう」という順がシックリとくる。そんな心魂が揺さぶられる物語であるが、自分は2020年の現実的なことを想起した。
野草に目を留める静かな行為に、様々な命が形作られる。この世のかけがえのなさ、又は無常を思わせるような珠玉作。
(上演時間1時30分) 2017.9.23追記

ノー・サイド NO SIDE
トツゲキ倶楽部
小劇場 楽園(東京都)
2017/09/12 (火) ~ 2017/09/18 (月)公演終了
満足度★★★★
公演は3話オムニバス形式で、ラストには緩く繋がってくるという手馴れた手法。チラシにある東京タワーでの出来事(話)が起点(契機)になっているが、それは1話目の台詞を聞き流すと意味が分からなくなる。饅頭のように真ん中(餡=2話目)が結構重みがある内容だったと思う。
基本的な舞台セットは同じで、出入り口の対角線上にBOX椅子が数個並び、壁に幾つかの竹簾のようなもの。オムニバスで異なるセット(小物)は、掛けられている掛色紙、顔写真、レイという違いだけである。
(上演時間1時間50分) 2017.9.23追記

悪いけど芝居させてくだ祭
悪い芝居
浅草九劇(東京都)
2017/09/13 (水) ~ 2017/09/18 (月)公演終了

すずめのなみだだん!
やみ・あがりシアター
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2017/09/06 (水) ~ 2017/09/10 (日)公演終了

東京学生演劇祭2017
東京学生演劇祭
インディペンデントシアターOji(東京都)
2017/08/31 (木) ~ 2017/09/04 (月)公演終了