満足度★★
殆ど若い役者ばかりなので老け役に無理があるのだが、それをカバーするような演出が為されていない。にも拘わらず思わせぶりな仕草をさせるシーンが何か所もあってわざとらしさに白けてしまう。キャストを実年齢に近い役者が演じたら随分変わるだろうが。それが出来ないのであれば、アングラ演劇の発想を借りて誰にも分からないような演技をやらせる位のケレンが欲しい。
シナリオも練り方が足りない。地の科白で展開を説明するのではなく、観客が見て必然的にそうなる、哀しさや辛さ楽しさが分かるように書いて初めて良い脚本と言えるのではあるまいか? 合格点の演技を役者としてやっていたのは、唯一、旧執事マーガリ役だけである。
開演します、とのアナウンスがあってから5分近く始めないのはどうしたことか? これも興を削がれる原因になった。もぎりの向かい側の喫煙コーナーで「いらっしゃいませ」と声を掛けて来た人が2人居たが、それ以前はダべリングをしていて観客を迎える態度ではなかった。こういうおざなりが芝居にも出ていたという印象を持った。舞台を観る前から-点を付けられるようでは残念ではないのか?
芝居の総合評価は少しおまけをして☆3つだが、以上を勘案してここから-1の☆2つが総合評価である。未だ、芝居の巧拙以前に、キチンと論じて貰える段階に達していないということだ。