燃えあがる荒野
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/24 (火)公演終了
満足度★★★★
船戸与一原作「満州国演義」…揺れ動く時代の奔流の中、無残に、歴史のはざまに棄てられていく若者たちを描く3部作」の第一弾。軍靴の音が高く響くようになった昭和初期、満州の地を舞台に壮大な叙事詩を思わせる。時代背景、その深刻な状況下で、一人ひとりの人間の生き様を丁寧に描いた公演である。
本公演は深いテーマの追求、映画の「フィルムノワール」に対し、演劇で「テアトルノワール」という新しい分野を創り出したいという野心的な作品でもある。
物語は日本国内・満州という地を交錯させるような展開で、登場人物も多く置き去りにされそうになる。そこは当日パンフ(写真掲載するためコート紙を使用。B5版二つ折り)に、物語の展開(登場順)に沿った配役が記されている。前文、演出のことば(森井睦 氏)、そして満州の豆知識が記載されており、オーソドックスな構成だが、公演を興味深く観させるための工夫が施されるなど丁寧な作りである。
(上演時間2時間20分 途中休憩なし)
ネタバレBOX
セットは満州の壮大さ荒野をイメージさせるものであろうか、段差を設けた草原風景、所々にススキも観える。板中央に切り株3つあるのみのシンプルなもの。
物語は1920年代後半、張作霖爆殺事件あたりを背景に、敷島4兄弟の生き様を中心に展開する。その展開は映画のクロスカッティングのようで、同時代のそれを別の場所を交錯させることによって臨場感・緊張感を生むような構成で、壮大感を表そうとしている。その手法によって観客が物語の繋がりを感じられないことがある。しかし本公演では、人物描写や視覚的表現を駆使してその克服を試みようとしていたが…。確かに人物造形は感じられたが、映画・映像と違って同一セットでは場所の違いを視覚で観せるには限界があり、観る者の想像力に負うところが大きいと思う。
物語は日本国内と満州を交錯し、国内は耽々と不穏な空気が流れ、一方満州における修羅現場と茫洋な雰囲気の対比、そして人物は相貌を変え動き回る。日本海を挟んで昔からの深い関係にあった大陸と日本の近代史が人々にもたらした不幸。その構図を兄弟の生き様として持ち込む。そして社会の底辺にまで浸透して強者・弱者の構図を浮き立たせる。といっても当時の社会のヒエラルキー構図が直接の対峙して映し出される訳ではない。そこには閉塞・緊迫という状況、時代という大きなうねりが立ちはだかっているという表現である。その時代に個々人が翻弄されていく姿がしっかり描かれる。そして最悪な不条理である戦争に向かって突き進んでいく、その抗し難い状況が重層的に立ち上がってきて実に観応えがある。
公演でも日本国内の出来事は、なるべく四隅の小スペースを中心に演じていた。このセットは今後(第2弾、第3弾)へ引継ぎ、日本国内から満州国へ主舞台が移ることを示唆しているのであろうか。なぜなら4兄弟は、それぞれの信念と理想を持ちながら、満州国へと巻き込まれていくのだった…とあるのだ。
次回公演も楽しみに、とても待ち遠しいです。
JOE MEEK
ピストンズ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/23 (月)公演終了
満足度★★★★
音楽を宇宙へ飛び立たせることを夢想した男、ジョー・ミークの半生を描いた秀作。ビートルズ以前のイギリス音楽業界を席捲したそうだが、自分は知らなかった。しかし、物語は当時の音楽業界の事情を男の目を通して分かり易く描いており、1950年代後半から1960年代初頭にかけての音楽業界史を観るようだ。
脚本(広瀬正人氏)、演出(小林涼太氏)と演技(特にジョー・ミーク役の島岡亮丞サン)、美術・照明の絶妙なバランスの良さ、そして「目に見えない緊張と迫力」がみなぎっている舞台であった。
(上演時間2時間20分 休憩なし)
ネタバレBOX
セットは、中央に段差のある四角いスペースを設え音楽スタジオをイメージさせる。上演前は椅子が一つ置かれているだけであったが、直ぐに机・電話、音響機器、ラジオが持ち込まれる。四隅にポールが立ち、コードが巻き付いている。下手側には固定梯子、二階部はレコーディングルームのような別室。
音楽業界における典型的な栄枯盛衰物語のようである。物語は時代という生き物をどう乗りこなすか、その先見性の見誤りを諌止するような場面もあるが、その通俗性よりも主人公ジョー・ミークという一音楽家・プロデューサーとしての人間性、その魅力(破滅的な面も含め)に主軸を置いている。
物語は、ロックンロールの神様的な存在バディ・ホリーが死んでロックンロールは終わったと…そんな呟きから始まる。しかし、ジョー・ミークはロックンロールの復活を夢見、精力的に活動を開始する。そして彼の情熱によって目指す音楽の極みに辿り着いたが、その景色をずっと眺めていることは出来なかった。目的を達成するため、自己本位で自分のことしか考えないなど強引な活動スタイルは、仲間との軋轢を生み次第に歯車が狂いだす。人間の嫌な面…嫉妬・反発・怒り・焦り、そして色恋沙汰(当時としては問題の同性愛)などを描くことによって、彼(心情)の衝動、葛藤が浮き彫りになる。
演技、ジョー・ミークは中央のスタジオに上ったり、走り回ったりいつも忙しく動いている。逆に仲間や周囲の人間は普通(淡々)の動き。その緩急の動きに、彼の生き急ぎ、焦燥・苦悩・悲哀が見えてくる。時々挿入されるダンス、そのアンサンブルも観応えがある。
気になったのは、音楽の世界でありながら生演奏・歌が聴かれなく、その部分はリップシンクで処理している。全ナンバーでなくてもよいが、少しは生で聴いてみたかった。脚本の面白さ、演技の力強さに惹かれるが、一方、見せ場となるであろう音楽シーンが物足りなく思えてしまったのは残念。
次回公演も楽しみにしております。
INAGO-DX ROUND9『エレファントヒヒーン2017』
INAGO-DX
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2017/10/07 (土) ~ 2017/10/08 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/10/07 (土) 15:00
価格2,500円
観てて楽しかったです。
うむ、おやっ?ってところもあったかもだけど、
勢いというか若くない若さに強引に持っていかれたというか。。(苦笑)
観終わったあとの余韻も良かったです。
今までの役者さん+おなごデラックス+制作・舞台装置等々
ここ最近、総合力がずいぶんと高くなってきた感じ。。
あんま感想になってないけど。。
あとは強力な戯曲待ち?
チケット代は前売りです。
ミス・タナカ
江戸糸あやつり人形 結城座
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2012/09/26 (水) ~ 2012/09/30 (日)公演終了
まいった!すっかりミスター・テンガイに魅せられた。
勿論それを許容する結城座にも。
子ゾウのポボンとお月さま
劇団印象-indian elephant-
RAFT(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
子供が見ても理屈抜きに楽しめるパフォーマンスと大人が見てもキュンとくる切なさを感じさせるストーリーが共存、両立しているのが素晴らしいです。
児童向け演劇のファンになってしまいそう。
ネタバレBOX
笑わせて、キュンと泣かせて、最後はハッピーエンド。
我々日本人が好きなタイプですよね。
でも人間に成って本当に幸せになれたのかしらん?
やめておきましょう。折角の児童向けなのだから。ハッピーに幸せに。
犬狼都市
Project Nyx
芝居砦・満天星(東京都)
2017/10/19 (木) ~ 2017/10/29 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/10/19 (木) 19:30
座席1階2列
説明書きにある通り。澁澤龍彦の世界に偽りなし。全編に流れるエロチシズム。いかに幻想譚として魅せるかに、ひたすら注力した、その執念に感嘆しました。
演技に還元できない部分を、朗読で補うのは致し方ないとして(その線引きが難しいのだが)、それはコロス的でけして劇の邪魔になることなく、そこの「存在」に語らせるのだ。
音楽、舞踏、映像、オブジェや衣装で、見えないものを見させようとし、それが相俟って1時間40分間、澁澤の精神世界を再現し続ける。素晴らしい。
ネタバレBOX
水嶋さん、朗読はこの舞台の肝です。初日とはいえ、噛みすぎ、活舌もけしてよいとは言えず、タイミング間違いもありちょっと足を引っ張りました。ご本人が一番分かっていることなので、鞭打つようで心苦しいのですが、2日目以降がんばってください。
そこで☆1つ減です。
チョップ、ギロチン、垂直落下
劇団子供鉅人
HEP HALL(大阪府)
2017/10/17 (火) ~ 2017/10/23 (月)公演終了
満足度★★★
だーりおがおそろしく可愛い。
ネタバレBOX
リングが回転するのには感心した。そういう仕掛けを入れたものだから、マットがすごく硬いらしい。
19日のアフタートークに出演したプロレス団体紫焔の人が言っていた。そして、そこでばんばん演者が投げられているのでびっくりしたとも。
燃えあがる荒野
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/24 (火)公演終了
満足度★★★★
ワンシチュエーションでありながら、大陸的なものを醸し出す舞台と照明の中、満州で起こる密告、裏切り、争い、麻薬等の絡みが興味深く描かれている。場面のポイントでが台詞一つ一つが重い。
2部、3部が楽しみです。
Bloody Mary
Funny Lollipop Monsters
AQUA studio(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
満足度★★★★
歌ありファンタジー活劇といえばいいんでしょうか、劇団の旗揚げ公演を観劇できて、良かったです。
燃えあがる荒野
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/24 (火)公演終了
満足度★★★★
「満州国演義」は未読だが、芝居を観ていて、あぁ船戸与一の世界だなと思った。次男の馬賊が魅力的に描かれていたが、4人の兄弟のそれぞれの物語がこれからどう展開していくのか楽しみである。是非とも2部、3部も観たいと思っている。ただ、膨大な作品世界を凝縮しているせいか展開が早く、大勢の出演者も相俟って理解が追い付かない部分もあった。
おまけ:シェパード役の俳優さんの身体能力がすごい。
遠き山に陽は墜ちて
劇団肋骨蜜柑同好会
シアター風姿花伝(東京都)
2017/04/28 (金) ~ 2017/05/02 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/05/01 (月) 15:00
価格3,000円
この世界と半歩くらいしかズレていないのにどこかが違い「何が起こっているの?」な不安感に苛まされる感覚(好み)が某団体を想起させる。
クライマックスの照明と音響(音響は冒頭も)、最終場のモノローグも○。
SFとは本来的には「(空想)科学物語」なのだが本作も某団体の作風もあまり科学の要素はなく、その意味で「少し不思議」ならぬ「少し不安」の「SF」かも……いや、「かなり不安」で「KF」か?(笑)
ネタバレBOX
イキウメ「散歩する侵略者」も本作も、不安要素のルーツは「ボディ・スナッチャー」かもしれない。アレの前半の「よく知っている筈のものが何か違う」的なところ。そしてそれは、多くの人が思うことかも。
ロジーと赤い女のエピソード、1つの星に彼ら(?)しかいない、的な部分に「星の王子さま」を連想したら、やはりモチーフの1つだったそうで。あと、フジタさんからもう1つのモチーフは昨年亡くなったロックスターと伺い納得。
終盤でロジーの星に一緒に行くタケシに「コクーン」もチラリと思い出した。
また、冒頭のカラスの声やクライマックスの異変時の音響、そしてクライマックスで客席にまで溢れるオーロラの照明も見事。
最後のエミコのモノローグのための2時間だったのかもなぁ?なんて思ったり。
「NHK少年ドラマシリーズ世代」として眉村卓、光瀬龍などのジュブナイルのドラマ化……それも後に深夜枠でテレビ東京がリメイクしたダーク系のものも連想。さらにロジーが「星から来た人」ではなく普通の人間だったと考えるとダーク加減が大幅増量、とか。
精神を病んでしまった少女の話
兎団
荻窪小劇場(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
満足度★★★★
18日夜、そして、都合により?! 19日夜の2回拝見(115分)。
ネタバレBOX
まず何よりも先に言いたいのは、劇中、どころか開演前にも耳に飛び込んで来る、1993~2005のヒット曲の数々。当時、主人公の田村クン(演・長江信二さん)よりはずっと年上の社会人だったが、あの頃の悪戦苦闘ぶり(汗)が蘇ってきて、理屈抜きに懐かしかった。
それと、劇中、田村クンと千鶴さん(谷川史緒さん)との会話シーンでしばしば話題に上った、仙台七夕の前夜祭にあたる花火大会。仙台は何度か訪れたものの、花火を見られる唯一の機会が雨天中止…あの時季の仙台、ホテルがなかなか取れないだろうけど、また行ってみたいなぁ、と(文字通り、遠い目)。
…といった、極めて個人的な感慨はさておき。
今回、舞台上のユーティリティプレーヤー「MOVE」の演出が、何作か拝見してきた兎団さんの作品のうち、今迄で一番、ストーリーに馴染んでいたように思われます。
作品によっては「癖が強いなぁ」と引いてしまうこともあった、MOVEの「内面の声」的な役割。今回に関しては、田村クンを表現するうえでの最善手かな、とさえ感じられました。
その効果もあってか、長江信二さん、谷川史緒さんの、過剰に感情を爆発させるでもなく、淡々と進んでいくやり取りが、従来作以上にじんわりと、こちらの感情にも響いて来たのかな、と。
最後にまた個人的な感慨ですけど(苦笑)、大学生たちのモラトリアムな気分、よく描かれていたと感心しました。田村クンと同じく、留年して就職した者の目からしても(苦笑)。
木立によせて
芸術集団れんこんきすた
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2017/10/19 (木) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
二人芝居の年として「鬼啖」「かつて女神だった私へ」と上演してきた“れんこんきすた”の今年最後の二人芝居。前々作、前作に勝るとも劣らない素晴らしい出来である。こういう舞台を観なければ人生の損失である。これだけ素晴らしい舞台作りをする“れんこんきすた”だが未だ知名度が低い為に、席に余裕のある回もあるとか、是非、観て欲しいお勧めの作品である。因みに今作はキルギス最大の作家、アイトマートフの「最初の教師」という作品をモチーフとしているとか。途中約15分の休憩を挟んで2時間40~45分とちょっと尺は長いが、全く長さを感じさせない、終始、物語に引き付けられる時空を経験した。必見 花5つ☆(追記後送)
念の為、れんこんきすたHPのURLを記しておく。
http://renkonkisuta.com/
子ゾウのポボンとお月さま
劇団印象-indian elephant-
RAFT(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
おならに対する感覚は、大人とこどもで大分違う。大人の感覚は、杓子定規でつまらない。然しこどもたちのおならに対する感覚は、先ず面白い、臭い、恥ずかしい、えっ、赤面等々多様である。ところでポボンの名前は、おならの音から来ている。だからポボンのトレードマークは、おならでもあったりする。すげーだろ! えへん!! えっへん!!! ポボン???? クセー!? か?
(ところで追加公演があるそうだ。以下にその詳細を記すのでご参考に。また席に余裕のある会もあるとか。詳細は必ず問い合わせ確認を取って頂くとして、2日ほど前の情報を参考までに載せておく。
追加公演をやることになりました!
最終日の、10月22日(日)の17:00です!!
この回は、3歳以下のお子さまも入場OKとして、行います。
皆様、是非お誘い合わせの上、ご来場ください。
「子ゾウのポボンとお月さま」(上演時間 約40分)
https://g-inzou.wixsite.com/pobon
日時:2017年10月18日19:30〜
10月19日11:00〜完売、15:00〜
10月20日15:00〜、19:30〜
10月21日11:00〜完売、14:00〜、17:00〜
10月22日11:00〜完売、14:00〜、17:00〜)
ネタバレBOX
冒頭、こんな書き出しをしたのは、今作が、子供達にも楽しめるファンタジーだからである。実際、役者達の登場シーンから子供達が絶対喜ぶ工夫がいっぱい凝らされていて楽しく、微笑ましい。こういう作り方ができるのは、大人になっても子供だった頃の心を忘れない大人達か、よほど子供が好きで、子供の心の側に立つことを知っている大人達だ。
さて、子供達が喜ぶような工夫を凝らして出てきた役者達は、それぞれ頭の上にバケツを載せている。それは王冠のようだ。でも、バケツの大きさは4つが4つともそれぞれ違う。最初のバケツは一番小さい。それが2番目、3番目・・・とどんどん大きくなってゆく。因みに舞台に上がると、といっても素舞台で、床の高さも建物のフロアの高さと同じなので、床そのものなのだが。客席に向かって正座してからお辞儀をする。1番目は、そのままお辞儀をしてバケツを落とし、2番目は首を掲げて挨拶、落ちない。3番目も頭に髷を結ってそれにバケツを被せた上に頭を掲げて挨拶するので落ちない。4番目は、早い段階でバケツを脱いでしまう。何れにせよ、こうして揃った4人はこのバケツを使ってパーカッションを披露してくれる。合間に珍しい楽器も登場するので楽しみにしていて欲しい。
さて、愈々ポボンの登場である。ポボンの大きさは実際の子ゾウの大きさである。無論、既に自分で歩けるまでに成長しているが、人間のように歩けるようになるまで長時間掛かる訳ではない。そんなポボンは、バナナが大好きだが、ピーマン、人参、茄子などの野菜が嫌いだ。飼育係が嫌いな野菜を無理に食べさせようとするので、遂に食べさせる・食べない合戦が始まってしまった。結局この戦いは、闘牛の形を採ることになるが、ここで、今までポボンが4本足だったものが、2本足になり、素早い動作に対応する。この後も4本足から2本足になるシーンがあるが、ダンスシーンであるなど、その転換は合理的である。
閑話休題、本筋に戻ろう。闘牛形式の合戦は、闘牛士となった飼育係が、相手を翻弄する為に用いる布をポボンに取られてしまった為、あわやポボンに踏みつぶされようとする刹那、飼育係の必死の呼び掛けに応えた少女がバナナ片手に割って入ったせいで事なきを得た。だが、その少女こそ、ポボンの運命の人であった。彼女に一目惚れしてしまったポボンは、求愛動作として、自分の鼻を彼女の鼻に当てて挨拶をする。彼女もポボンが気に入ったようである。然し、彼女は人間でポボンは象、どうにかして人間になりたい。ポボンは、そう思った。でも、どうしたら象が人間になれる? それが一向に分からないのだった。思いあぐねたポボンを見かねた母は「バナナみたいに黄色い月を食べたらなれるかもね」と教えてくれた。それ以来ポボンは、鼻を伸ばす為にストレッチを始め、鼻は、どんどん伸び皆が嘲るほどに長くなった。この姿を見た母は、自分の吐いた嘘の為に、ポボンがこうなってしまったことを詫びるが、如何に鼻が伸びても月には届かず而もその話は嘘だったと知ったポボンは、毎日を泣き腫らす。こんなに悲しくてもポボンのおならは、止まない。これは更に哀れを催す。流石に月もこれを哀れに思ってか、彼の下を訪れ魔法を掛ける。するとポボンは人間に変わっていた。ポボンと少女は互いに鼻に触れ合って挨拶。ダンスを踊って大団円を迎える。
役者たちの演技も素晴らしく、鈴木 アツト氏の演出も良い。それに各シーンでの音響効果のセンスが実に良い。また、子供が見ても楽しめるよう、小さなおこさんたちがむずからずに済むよう、公演時間も40~45分と丁度良い長さに仕立ててある。お勧めの作品だ。更に終演後にはポボンと写真が撮れる。蛇足だが、無論、大人が見ても楽しめる作品である。
のうみん
劇団そとばこまち
近鉄アート館(大阪府)
2017/09/08 (金) ~ 2017/09/10 (日)公演終了
満足度★★★★
いつ観ても、殺陣に、ダンスに、
超エンタメで愉しく拝見。
島原の乱を描いた内容ですが…。
大阪ゆかりの人達が、あーなって、こーなって(ネタバレ自粛)、大活躍!
エンディングも胸がすく、超スッキリの大団円。
関ヶ原、大阪の陣、豊臣がかわいそう~、と思っているあなた、必見です。
ネタバレBOX
追伸、
嫌な事をつぶやくので、嫌な人は見ないで下さい。
近鉄アート館の三面舞台、今回も予約するのが遅くて、横からの観劇。
やっぱり横からの観劇は損した感じ。
できればダンスなどは正面から拝見したい。
加えて、三面舞台の時の近鉄アート館の座席は…、
狭いし、隣とくっついてて、貧乏揺すりが気になるし…。
隣の人が無神経な人だと、とても嫌な感じだし…。
値段が高いのに、居心地良くない、と思うのは私だけ?
なので、近鉄アート館の三面舞台、好きじゃない。
っていうか、横の席からの観劇は大嫌い。
横と正面の料金が同じなのも合点がいきません。
鳥の火
ロイン機関
TORII HALL(大阪府)
2017/09/08 (金) ~ 2017/09/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
「色んなものを失くした」若年性アルツハイマーの方、
そして、その家族の方々の葛藤と苦悩。
その葛藤と苦悩が、若き日の華やかさと対比され、
より浮き彫りにされます。
一方、記憶に縛られ、後悔を繰返しながら生きている人達。
若年性アルツハイマーの方を描く一方、
過去に悔いを残す人達への応援歌にもなっています。
アルツハイマーの方の目を通して、
「人は変われる」という強烈なメッセージ!
本当に本当に「愛と笑いの明日の物語」でした。
アフタートークで演出のお母様が言われた通り、どの役者さんも本当に良い味を出されてました。
とても良い公演でした。
ノスタルジアの贖罪
空想嬉劇団イナヅマコネコ
上野ストアハウス(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/23 (月)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2017/10/20 (金) 19:00
価格3,900円
シリアス度合いが多め。設定が少々難しく伏線が散りばめられているので複数回観たほうがよいと思う
仏の顔も三度までと言いますが、それはあくまで仏の場合ですので 鰹&栄螺
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2017/10/04 (水) ~ 2017/10/15 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/10/13 (金) 14:00
価格4,000円
「鰹」を観劇。2013年の公演も観ているが、普遍的な面白さがある。
不謹慎さは若干減ったように思えるが、これでも一般的には十分過激なのであろう。
天狗の芝居が良かった
『スプリング、ハズ、カム THE STAGE』
ペテカン
浅草九劇(東京都)
2017/10/13 (金) ~ 2017/10/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
折込チラシを見ていて目に留まったペテカンvol.40「スプリング、ハズ、カム」を観劇。vol.40ということでなかなか歴史のある劇団さん且つ映画化もされた作品のようですが、個人的には今回が初観劇でした。宮崎県延岡に住む父娘が、娘の進学・上京のため部屋探しに出る旅の物語。父親役の柳家喬太郎さんと娘役の河野ゆかりさんの掛け合いが絶妙であり、周りを固めた不動産屋さん、大家さんなどの個性的なキャラクターも面白く印象的。特に河野さんは独特の雰囲気がありハマり役だったように感じます。父娘、そして亡き母の心温まる人情喜劇。とても見応えのある2時間でした。また、舞台セットは比較的簡素ながらも、効果音や小道具、ジェスチャーなどを上手く使って様々なシーンを再現出来ていたのもお見事でした。東京は大都会であり特別な存在のように感じる部分もありますが、決してそれだけではない。東京も宮崎も宮城もインドも結局は人と人との繋がりが大切であり、それがないと成り立たないような気がしました。広瀬咲楽さんのオリジナル楽曲も良いアクセントになっていました。今度は映画版も観てみたいです。
くれなずめ
ゴジゲン
駅前劇場(東京都)
2017/10/19 (木) ~ 2017/10/29 (日)公演終了
満足度★★★★
ふ~む 楽しめたかな(^-^)
各役者の個性をいろいろと面白く見せていましたなー
らしさと
何というか過ぎた時間への哀愁なども感じた
1時間30分の作品 全席指定っす
ちょい星数は オマケしたかなぁ(^-^;)
ネタバレBOX
高校時代に馬鹿やってたグループが
当時のクラスメート(アオキくん)の結婚式にて5年ぶりに再会し
披露宴でバカ(赤フン・・)を再び披露して・・・という話 です
6人で様々に役処変えての回想シーンとかは
なかなかに愉快だったなー♪
ねたばれ~
実は苛められてた仲間の一人は
既に他界しており異人さんでした・・と
それも披露宴とかで出てた時に一人席が無かったりと伏線も入れて
面白いのが
仲間5人の創造していたらしい異人さんと
本当にあの世から話しかけてきた異人さんとしてのメンバーが
違うんだっていう設定はユニ~クでした
(あの世からは いつも背負っていた面白い”カバンちゃん”で会話したり・・と)
舞台セットの後ろの壁に書いてある数字を
貼ってあった紙をはがして見せてゆくのは何だったのかわかんなかった・・・・
吉尾;異人=幽霊さん 面白い皮のデザインケースを持ち歩いている
(さりげに結婚式の引き出物に付けたネームタグを客席側に見せて
各登場人物の名前を見せるという演出は秀逸だなぁと感心しました)
(↑は席が無かったコトもあり苗字のみの記載とかね)仙台移住したらしい
明石テツヤ;劇団所属してる俳優
ネジ;工場勤務 がさつ系
藤田欽一;
大成;
ソース;ソガワ
音楽とか効果音は上手に入れていました~♪
ナナの主題歌とかウルフルズとか懐かしい・・・・
吉尾の好きだった子が・・・は
なかなかに楽しかった